乳酸菌をとりすぎると腹痛・下痢になる?副作用の有無を解説
結論からいえば、乳酸菌をとりすぎても腹痛や下痢などの副作用になることはありません。しかし、乳酸菌を含む食べ物や飲み物を意識して摂っていると、体調が悪くなるケースがあることは事実です。その理由を詳しく解説します。
乳酸菌自体には副作用がない
乳酸菌自体は大量に摂取しても副作用がないといわれています。その理由を詳しく解説します。
乳酸菌と下剤では効果のメカニズムが異なる
乳酸菌が便秘解消に良いというイメージから、下剤と同様に大量摂取すると下痢になると考える人もいるでしょう。しかし、乳酸菌によって便秘が解消するメカニズムは、下剤とは異なるため心配ありません。
乳酸菌で便秘が解消できるのは、腸内フローラのバランスが整うからです。便秘のときは悪玉菌が多い状況ですが、善玉菌の1つである乳酸菌を取り入れることで腸内細菌のバランスが整います。消化吸収の効率が良くなり、便の水分量が改善、結果的に排便を促すというメカニズムです。
一方、下剤は腸を刺激することで排便を促します。下剤の大量摂取または常用で下痢や腹痛になるのは、刺激性成分によるものです。このように、乳酸菌とは排便を促すメカニズムが異なります。
大量に摂取してもすぐに排出されてしまう
乳酸菌は吸収される栄養素ではないため、大量摂取しても一定期間が経過すると排出されていきます。また、摂取したものの多くは消化酵素によって死んでしまうため、生きたまま腸に届けるには一定量を毎日摂取することが重要です。
なお、乳酸菌は死菌でも健康に役立つ効果があるとされています。生菌と死菌では期待できる効果が異なるため、詳しく知りたい方は次の記事をご覧ください。
乳酸菌を意識して摂ると体調が悪くなる理由
乳酸菌自体には副作用がないことがわかりましたが、意識して摂取すると体調が悪くなるケースがあります。その理由を症状別に解説します。
下痢・腹痛になる場合
ヨーグルトや乳酸菌飲料を摂取したときに起こりやすい症状です。冷たいものを多く摂取することで腸が冷え、下痢や腹痛が引き起こされます。100gのヨーグルトを食べる場合は、500Wのレンジで40秒ほど温めるのがおすすめです。
なお、乳糖不耐症の方もヨーグルトや乳酸菌飲料によって下痢・腹痛になる場合があります。牛乳と比べて乳糖はほとんど入っていないため、ヨーグルトで乳糖不耐症の症状が出ることは稀ですが、可能性がないとはいえないためです。
便秘になる場合
乳酸菌と食物繊維を同時に摂れるサプリの場合、便秘を悪化させる可能性があります。本来、乳酸菌などの腸内の善玉菌にとって、食物繊維はエサとなるため好相性です。しかし、便秘の症状があるときは食物繊維の種類に注意が必要です。
食物繊維には水溶性と不溶性の2種類があり、どちらも便秘改善に効果がありますが、仕組みが異なります。水溶性は便の水分量を増やして排出しやすくする仕組みです。不溶性は便のカサを増すことで腸を刺激し、排出を促す仕組みです。
気を付けたいのは不溶性食物繊維で、便秘の症状があるときに摂取すると、腸内で便が詰まってしまい便秘が悪化する可能性があります。便秘の症状がないときは、どちらの食物繊維を摂っても問題ありませんが、自覚症状がないだけで便秘気味というケースもあるため注意しましょう。
ガスが溜まる・おならが出る場合
腸内の乳酸菌が糖質や食物繊維をエサとするとき、ガスを産出します。そのため、摂取した乳酸菌が善玉菌としてはたらいているときに、糖質や食物繊維を含む食品を食べるとガスの生産量が増え、おならが出やすくなることが考えられます。
ただし、乳酸菌が産出するガスは悪臭ではありません。臭くないおならが出るのは健康の証拠なので、我慢せずに排出してしまいましょう。
問題なのは、便秘を伴うガス溜まりと臭いおならです。腸内フローラのバランスが崩れて悪玉菌が有害なガスを産出していたり、排出されずに留まってしまった食べ物が発酵・腐敗して毒性のあるガスを発生させたりしています。乳酸菌はこのような状況の改善に有用です。
ニキビなど肌荒れする場合
乳酸菌を含む食品が体質に合っていない場合、肌荒れすることがあります。体質に合うものがわからない場合は、少量から始めて様子を見るのがおすすめです。
たとえば、牛乳アレルギーがある場合はヨーグルトに含まれるカゼインによって、アレルギーに起因する肌荒れになることが考えられます。また、キムチや明太子などの辛いものを摂りすぎると、胃腸に負担がかかりニキビや肌荒れになることがあります。
太る場合
普段の食事に乳酸菌を含む食品・飲料をプラスすると、カロリー・糖質・脂質も増えるため太る可能性があります。とくに加糖ヨーグルトや甘い飲料、発酵バターなどのカロリーが高いものには注意が必要です。
単純にプラスするのではなく、食事全体のバランスを見て調整しましょう。甘いヨーグルトをプラスするときはパンやご飯の量を減らす、バターを使うときは脂身の少ない肉を選ぶなどです。
また、栄養バランスに偏りがあると代謝効率が低下し太りやすくなるため、バランスの良い食事を心掛けることも重要です。
乳酸菌の効果が感じられないケース
乳酸菌を摂取しているのに効果が感じられないケースもあります。代表的な3つを解説します。
量が少ない場合
乳酸菌を摂取しても消化酵素によって多くが死んでしまうため、生きたまま腸に届いている数が少ない可能性が考えられます。具体的に何億個摂取すれば良いという目安はありませんが、副作用はないのでできる限り多く摂るという意識で大丈夫です。
ただし、ヨーグルトなど単一の食品で多くを摂取しようとすると、乳糖やカロリーの摂りすぎになる恐れがあります。複数の食品を組み合わせて摂ることを心掛けましょう。また、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を摂ることも大切です。次の献立例を参考にしてください。
朝食 | パン、はちみつ、ピクルス、サラミ、ヨーグルト |
昼食 | アンチョビパスタ、サラダ |
夕食 | ぬか漬け、ご飯、わかめの味噌汁、鶏肉の発酵バター醤油焼き |
乳酸菌を含む食品に苦手なものが多い場合は、サプリの活用もおすすめです。
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定期的に摂取できていない場合
乳酸菌を一度だけ摂取しても一定期間で排出されてしまいます。大量に摂取すれば長く保てるというものではないので、定期的に摂取しましょう。理想は毎日摂り続けることです。料理で取り入れるのが難しければ、サプリや乳酸菌飲料を取り入れることも検討しましょう。
悪玉菌が増える生活習慣の場合
善玉菌となる乳酸菌を十分に摂取していても、その量や頻度を上回るほど悪玉菌が増えてしまえば腸内環境は改善できません。悪玉菌が増える生活習慣や状況には次のようなものがあります。
- 腸内で腐敗しやすいたんぱく質の過剰摂取
- 腸の活動を乱れさせる不規則な時間の食事
- 腸の活動を低下させる長時間のデスクワーク
- 日常的な飲酒
- トイレを我慢しやすい
- ストレスを感じやすい環境
自分に合った乳酸菌を摂取できていない
乳酸菌には数多くの種類があり、発見されているだけでも400種類とされています。人によって合う乳酸菌が異なるため、自分に合わないものを摂取し続けていても、期待する効果を得られない可能性があります。
しかし、自分に合う乳酸菌がどの種類であるのかは、摂取して様子を見るまでわかりません。さまざまな食品・飲料・サプリを試してみましょう。
にんにくの食べ過ぎ
にんにくに含まれるアリシンという成分は非常に殺菌力が高く、悪玉菌だけでなく善玉菌まで死滅させます。健康に良い効果もある成分ですが、摂りすぎには注意が必要です。1日に摂取しても良い目安は次のとおりです。
- 生のにんにく:1片(5~10g)
- 加熱したにんにく:2~3片
どうしてもにんにくを多く食べたいときは、水分を多く摂取してアリシンを排出しやすくすること、乳酸菌を多く含む食品を積極的に摂取することを心掛けましょう。
乳酸菌の副作用に関するQ&A
- 乳酸菌の効果を実感できない理由は何ですか?
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効果がないと感じる主な理由は、適切な乳酸菌の種類や量を摂取していない、摂取頻度が少ない、生活習慣が乱れている、にんにくの食べ過ぎているなどです。
- 乳酸菌に副作用はある?
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乳酸菌は下剤と異なる効果のメカニズムがあること、大量に摂取しても体外に排出されてしまうことから、副作用はないといわれています。