ココアの効果効能7選|効果を高めるコツと注意点まで徹底解説

「健康には気をつけたいけれど、甘いものはなるべく我慢せずに楽しみたい」と感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな方におすすめしたいのが、やさしい甘さの「ココア」です。実はココアには、便通を整えたり、血流を改善したりと、体に嬉しいさまざまな働きがあることが最近の研究でも明らかになっています。

この記事では、ココアに期待される7つの健康・美容効果を紹介します。さらに、その効果を高めるコツや、注意しておきたいポイントについてもわかりやすく解説します。

ぜひ最後までお読みいただき、おいしくココアを楽しみながら、健やかな毎日を過ごすヒントとしてお役立てください。

もくじ

ココアの効果効能7選

ココアはおいしいだけではなく、健康や美容をサポートするさまざまな効果があることが近年の研究でも明らかになっています。

ここでは、ココアに期待される効果効能を7つご紹介します。

  • 抗酸化・抗炎症作用で生活習慣病予防
  • 血流改善で冷え性対策
  • 腸活効果で便秘解消効果
  • ダイエット効果
  • 美肌・アンチエイジング効果
  • 記憶力改善・認知症予防
  • ストレス軽減・睡眠の質向上

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

抗酸化・抗炎症作用で生活習慣病予防

ココアに含まれるカカオポリフェノールには、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を防ぐ効果が期待されています。

特に、ポリフェノールの一種である「エピカテキン」は、強い抗酸化作用を持つ成分です。老化の原因となる活性酸素を減らし、細胞や血管の健康維持に役立つと考えられています。

また、抗炎症作用もあり、慢性的な炎症を抑えることで、不調の進行を防ぐ効果が期待できるでしょう。

こうした働きにより、次のような効果が期待できます。

  • 動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の予防
  • 高血圧など循環器疾患のリスク軽減
  • 糖尿病の発症リスクの低下

ココアは、体の中の酸化や炎症をおさえ、健やかな毎日を支える心強い存在といえるでしょう。

参考:

永安 慎太郎 ココアフラボノールの抗炎症作用による動脈硬化抑制作用の検討(2011)

夏目みどり カカオポリフェノールの包括的研究(2017)

血流改善で冷え性対策

ココアに含まれる「テオブロミン」や「フラバノール」には、血管を拡張し血流を促す作用があります。
血流が改善されることで、体のすみずみに酸素や栄養が届きやすくなり、次のような効果が期待されます。

  • 手足の冷えの軽減
  • むくみの改善
  • 肩こりや腰痛の緩和

冷えが気になる方や、長時間同じ姿勢で過ごすことが多い方にも、ココアは最適な飲み物といえるでしょう。

参考:有山愛 ココア摂取がヒト体表温に及ぼす影響(2009)

腸活効果で便秘解消効果

ココアには、腸の調子を整え、便秘を解消する効果が期待できます。

純ココア20g(ココア約2杯分)には、レタス1個分(約4.78g)の食物繊維が含まれています。食物繊維は腸内で水分を吸収し、便に適度なかさを与えることで、自然な排出を助けてくれるのです。

マグネシウムも豊富に含まれており、腸の動きをサポートしてくれます。また、ココアに含まれるカカオポリフェノールには、善玉菌を増やす作用があるとされ、腸内フローラのバランスを整えてくれます。

よって、腸内環境を整えたい方や、便秘に悩む方にとって、ココアは最適な腸活食品のひとつといえるでしょう。

参考:高木 ひろ美 寝たきり患者の排便コントロールの検討~ココアの効果~

ダイエット効果

ココアは、脂肪の燃焼を助け、食欲をコントロールしやすくするなど、ダイエットに役立つ効果が期待できます。

ココアに含まれるカカオポリフェノールには、脂肪や糖の代謝を促す働きがあり、体のエネルギーを消費しやすい状態に整えるといわれています。また、インスリンの働きを助ける作用もあり、血糖値の急激な上昇を防ぐことで、脂肪の蓄積を抑える効果も期待できます。

実際の研究でも、ココアを摂取したラットの体重や体脂肪が減るなど、肥満の解消に効果があることが確認されました。

さらに、ココアは食物繊維が豊富で満腹感が得られやすく、間食を減らす効果が期待できる点も魅力です。

ただし、1杯あたりのカロリーは100〜130kcalほどになることもあり、飲みすぎには注意が必要です。目安としては、1日1〜2杯程度にとどめるとよいでしょう。

参考:

夏目みどり カカオポリフェノールの包括的研究(2017)

曽川 美佐子 ココア摂取が食餌性肥満ラットの体重および体脂肪減少に及ぼす影響(2018)

美肌・アンチエイジング効果

ココアに含まれる「カカオポリフェノール」には、シミ・シワ・たるみなどのエイジングサインを防ぐ働きが期待できます。

その理由は、ポリフェノールが持つ抗酸化作用と抗炎症作用です。これらは、肌老化の原因とされる活性酸素や慢性的な炎症を抑え、細胞のダメージを防ぐことで、肌のハリやうるおいを守るサポートをしてくれます。

さらに、カカオポリフェノールには血流を促す作用もあり、新陳代謝(ターンオーバー)が整うことで、くすみ・乾燥・ゴワつきなどの肌悩みの改善にもつながるとされています。

実際に行われた研究でも、ココアを24週間摂取した女性の肌に、シワの減少、弾力の向上といった変化が見られました。

よって、ココアはおいしいだけではなく、内側から肌を整えるインナーケアとしても取り入れたい飲み物といえるでしょう。

参考:

夏目みどり カカオポリフェノールの包括的研究(2017)

Hyun-Sun Yoon Cocoa Flavanol Supplementation Influences Skin Conditions of Photo-Aged Women: A 24-Week Double-Blind, Randomized, Controlled Trial(2015) 

記憶力改善・認知症予防

ココアは、記憶力や集中力を高め、認知症の予防にも効果が期待できる飲み物です。
その理由は、ココアに含まれるカカオポリフェノールが脳内の血流を促進し、神経細胞の働きを活性化させるためです。この作用によって脳の情報処理能力が高まり、次のような効果が報告されています。

  • 集中力や判断力の向上
  • ワーキングメモリー(短期的な記憶力)の改善
  • 加齢による認知機能の低下を防ぐ働き

こうした働きから、若年層にとっては仕事や勉強のパフォーマンス向上に、シニア層にとっては認知症予防のサポートとして注目されています。

参考:夏目みどり カカオポリフェノールの包括的研究(2017)

ストレス軽減・睡眠の質向上

ココアには、気分を落ち着かせ、睡眠の質を高める効果が期待されています。
これは、カカオに含まれる「テオブロミン」という成分の働きによるもので、自律神経に穏やかに作用し、緊張をやわらげることが知られています。また、温かいココアをゆっくりと飲むこと自体が、心を静め、リラックスする時間をつくるきっかけにもなります。

近年の研究では、ココアの摂取によって体内リズムが整いやすくなり、眠りの質が向上することや、ストレスへの抵抗力を高める作用があることが確認されています。

ただし、ココアには少量ながらカフェインが含まれているため、就寝の1〜2時間前までの摂取が望ましいでしょう。カフェインに敏感な方は、夕方以降の摂取を控えると安心です。

心と睡眠の質を整える方法として、ココアを日常に取り入れてみるのもよいでしょう。

参考:Elsevier B.V. Dietary natural cocoa ameliorates disrupted circadian rhythms in locomotor activity and sleep-wake cycles in mice with chronic sleep disorders caused by psychophysiological stress(2020)

ココアの効果を高めるコツと注意点

ココアには美容と健康に効果的な働きが期待できますが、選び方や飲み方によって、体への影響は大きく変わります。
ここでは、ココアの効果を高めるコツと注意点を4つご紹介します。

  • ミルクココアよりも純ココアを選ぶ
  • 適量を継続して摂る
  • 植物性ミルクを活用する
  • はちみつやラカントを活用する

それぞれについて、くわしく見ていきましょう。

ミルクココアよりも純ココアを選ぶ

ココアの健康効果を得たい場合は、「純ココア(ピュアココア)」を選びましょう。

市販のミルクココアや調整ココアは、お湯を注ぐだけで手軽に飲める反面、ココアパウダーの含有量は少なく、糖分や脂質が多く含まれていることがほとんどです。1杯あたりの砂糖は約10〜20g含まれ、150kcalを超える場合もあるため、健康目的で飲むには注意が必要です。調整ココアを選ぶ場合は、純ココアの含有量が多く、砂糖や添加物が少なめのものを選ぶようにしましょう。

純ココアであれば、糖分や脂質も調整しやすい上に、カカオ本来の栄養であるポリフェノールや食物繊維、マグネシウムなども効率よく摂ることができるため、おすすめです。

適量を継続して摂る

ココアの健康効果を得るためには、1日1〜2杯を目安に、適量を継続して摂ることが大切です

ココア1杯あたりのカロリーは、約80〜130kcal程度になるのが一般的です。また、純ココアには少量ながらカフェイン(約20mg/1杯)が含まれており、脂質も約2〜5g程度含まれます。過剰に摂取するとカロリーの過剰摂取や睡眠にも影響することもあるため注意が必要です。

また、ココアの効果が現れるまでの期間は内容や個人差によって異なります。腸内環境の改善などは2〜4週間程度で変化が見られることがありますが、肌の調子や認知機能などの改善には、8週間以上の継続的な摂取が必要とされる場合もあります。

よって、適量を守りながら継続して飲むことが、ココアの効果を実感するコツです。

植物性ミルクを活用する

ココアを割る際には、無調整豆乳・アーモンドミルク・オーツミルクなどの植物性ミルクを活用することで、より健康的に楽しむことができます。

以下はそれぞれの特徴です。

  • 無調整豆乳:たんぱく質とイソフラボンが豊富です。美容やホルモンバランスを意識する方におすすめです。
  • アーモンドミルク:低カロリーでビタミンEや食物繊維が豊富です。ココアの抗酸化作用や整腸作用をさらに高めてくれます。
  • オーツミルク:食物繊維とカルシウムが豊富です。ほんのり甘く腹持ちも良いため、朝食代わりにも適しています。

一方、牛乳はたんぱく質やカルシウムを補える利点がありますが、1杯(200ml)あたり約130kcal、脂質約7gとやや高めです。栄養価は高い反面、飲みすぎるとカロリーや脂質の摂りすぎにつながることがあるため、量には注意が必要です

植物性ミルクは、牛乳と比べてカロリーや脂質を抑えやすく、乳製品が苦手な方にも取り入れやすい点が魅力です。その日の気分や栄養バランスに合わせて、ココアとの組み合わせを楽しんでみてください。

はちみつやラカントを活用する

ココアに甘さを加えたいときは、可能な限り白砂糖ではなく、血糖値への影響が少ない甘味料や自然な甘みのあるものを選ぶのがおすすめです。

白砂糖は血糖値を急激に上げやすく、インスリンの過剰分泌を引き起こすことで、脂肪の蓄積やエネルギーの乱れにつながる可能性があります。とくにダイエット中や血糖管理を意識している方にとっては、摂りすぎに注意が必要です。

以下におすすめの甘味料の特徴をまとめました。

  • はちみつ:ビタミンやミネラルが含まれ、抗菌作用もあります。風邪予防や喉の調子が悪いときにも効果的です。
    小さじ1で約21kcalなので入れすぎに注意しましょう。
  • エリスリトール:とうもろこし由来で、カロリーがほとんどなく、体に吸収されにくいのが特長です。
    体内に吸収されにくく、血糖値への影響がほとんどないため、糖質制限中の方にも適しています。
  • ラカント:羅漢果とエリスリトールからできた甘味料で、カロリーと糖質が0です。血糖値にほとんど影響を与えず、ダイエット中の方にもぴったりです。加熱に強く、ココアに使っても風味を損ねません。

どの甘味料も特長が異なるため、目的や体調に合わせてココアを楽しみましょう

ココアの効果に関するQ&A

ココアにはどのような効果が期待できますか?

ココアには、カカオポリフェノールやテオブロミン、食物繊維などが含まれ、生活習慣病予防や美肌、腸内環境の改善、ストレス軽減など多方面に効果が期待されます。これらの健康・美容効果を得るには、日常的に無理のない範囲で続けることが大切です。

ダイエット中でも飲んで大丈夫ですか?

適量であれば問題ありません。

カカオポリフェノールには脂肪や糖の代謝を助ける働きがあり、満腹感も得やすいため、ダイエット中の間食予防や代替飲料として活用できます。ただし、砂糖や牛乳をたくさん加えるとカロリーが高くなるため、1日1〜2杯(純ココア10~20g)を目安に、甘味料やミルクの種類を工夫しましょう。

ミルクココアと純ココアの違いは何ですか?

ミルクココアは砂糖やミルクが加えられた調整品で、手軽ですがカロリーが高めです。一方、純ココアは添加物がなく、カカオ本来の栄養を効率よく摂れるため、健康や美容を意識する人におすすめです。

はちみつココアにはどんな効果がありますか?

はちみつココアは、ココアの抗酸化作用とはちみつの抗菌・疲労回復効果が合わさり、喉のケアや風邪予防に役立ちます。体を温める効果もあり、寒い季節やリラックスタイムにおすすめです。ただし、カロリーは小さじ1で約21kcalあるため、入れすぎには注意しましょう。

ココアの効果はどのくらいで感じられますか?

体質や目的によりますが、2〜4週間ほどで便通改善や肌の調子に変化を感じる方もいます。腸活・冷え・ストレス軽減・肌ケアなど、目的によって感じられるタイミングは異なります。効果を得るには、1日1〜2杯を無理のない範囲で継続することが大切です。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

この記事をシェアする

この記事を書いた人

農業と栄養について学んだ知識を活かし、食や暮らしに関する記事を執筆中。趣味は家庭菜園とお菓子作り。子どものために作ったおやつを、つい自分が食べすぎてしまうのが最近の悩みです。

もくじ
閉じる