GABAで睡眠の質を高める!基本の効果効能と最大限に活かすコツを解説

「GABAは睡眠に良いと聞いたけれど、具体的にどんな効果があるの?」と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
GABAはチョコレートなどの食品やサプリメントに含まれる成分として近年注目を集めており、普段の買い物でも目にする機会が増えています。しかし、GABAの具体的な効果や正しい摂取方法について詳しく知らない方も少なくありません。
この記事では、GABAの効果効能について実際の研究データをもとに詳しく解説します。また、GABAの効果を最大限に引き出すための4つのコツもご紹介します。
質の良い睡眠を求める方やストレス対策を考えている方に役立つ情報として、ぜひ最後までご覧ください。
GABA(ギャバ)の効果効能4選

GABAはγ-アミノ酪酸(らくさん)と言われるアミノ酸の一種で、リラックス効果があるとして注目されています。
ここでは実際の研究結果をもとに、GABAの持つ4つの効果効能をご紹介します。
- 睡眠の質を高める
- ストレスを軽減する
- 免疫力を改善する
- 血圧を改善する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
睡眠の質を高める

GABAの摂取によって以下のような、睡眠の質を高める効果が確認されています。
- 入眠時間の短縮
- 深い睡眠時間(ノンレム睡眠)の増加
- 睡眠効率の改善
実際の研究では、GABAを摂取したグループが、平均11分の入眠時間の短縮、18分の深い睡眠時間の増加、7%の睡眠効率の改善を示し、有意な改善が見られました。
多くの実験でもその効果は認められており、GABAの睡眠の質改善効果は広く認知されています。現在では、GABAは食品やサプリメントなどで広く活用され、睡眠の質向上を目的とした製品に利用されています。
参考:健常成人におけるGABA経口摂取が睡眠に与える影響-無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験- 外薗英樹(2018)
ストレスを軽減する

GABAには、心と体をリラックスさせ、ストレスを和らげる働きが期待されています。
これは、GABAが自律神経のうち、心身を落ち着かせる「副交感神経」を優位にする働きをするためです。
実際の研究では、30mgのGABAを摂取したところ、30分後に副交感神経の活動が有意に増加し、リラックス効果が確認されました。
このことから、GABAはストレスを軽減する効果があるといえるでしょう。日々のストレス対策として、生活の中にGABAを取り入れてみるのもおすすめです。
参考:
GABA経口摂取による自律神経活動の活性化 藤林真美(2008)
ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察 佐々木泰弘(2010)
免疫力を改善する

GABAには、ストレスによる免疫力の低下を防ぐ効果が期待されています。
過度なストレスは自律神経のバランスを乱し、免疫機能に悪影響を与えますが、GABAにはそのバランスを整える働きがあります。
実際の実験では、ストレスを与えられたラットにGABAを摂取させたところ、他のグループよりも、免疫機能の低下が著しく抑制されました。
よって、ストレスの多い状況下でも、GABAによって免疫機能を維持し、風邪などの病気を防ぐ効果が期待できると考えられています。
参考:ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察 佐々木泰弘(2010)
血圧を改善する

GABAには、高めの血圧を穏やかにする効果が期待できます。
これは、ストレス時に分泌され血圧を上昇させる「ノルアドレナリン」の過剰な分泌を、GABAが抑制するためだと考えられています。
実際、血圧が高めの方を対象とした研究では、GABAを継続的に摂取したグループは、摂取していないグループよりも血圧が明らかに低下しました。
このことから、GABAは血圧を健康な状態に保つ働きが期待できるといえるでしょう。
参考:血圧が高めの健常者および軽症高血圧者に対するγ-アミノ酪酸高含有クロレラの効果 土田隆(2003)
ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察 佐々木泰弘(2010)
GABAの効果を高めるコツ4選

GABAを摂取する際は、正しい方法で取り入れることで、より効果的に安眠効果やストレス軽減効果を実感できます。 ここでは、GABAの効果を最大限に引き出すコツを4つご紹介します。
- 適量を継続して摂る
- 就寝前に摂る
- 他の栄養素と摂る
- 腸内細菌を整えて摂る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
適量を継続して摂る
GABAは、1日30~100mg程度を毎日続けて摂ると効果的です。
GABAは即効性があり、30分~1時間程度でリラックス効果が現れます。ただし、GABAの効果は持続性はなく、数時間で消えてしまうのです。
そのため、一時的な効果ではなく、体質改善を目的で摂る場合は、継続的な摂取が必要だといえるでしょう。
実際の研究でも、GABA100mgを8週間毎日摂取した人に、血圧の改善効果が見られました。また、GABA30mgを4週間続けた人にストレス軽減効果が見られた報告もあります。
よって、GABAの効果をしっかりと実感するには、1日30mg~100mg程度の継続的な摂取が大切です。まずは1カ月間続けてみて、変化を楽しんでみましょう。
GABAを摂取する方法として、サプリメントと食品の2つの選択肢があります。以下の記事では、GABAを多く含む食品について詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

就寝前に摂る
GABAのリラックス効果を高めるためには、就寝の30分~1時間前に摂取するのが効果的です。
GABAには脳の興奮をしずめ、心身をリラックスさせる働きがありますが、摂取後1時間程度で効果がピークを迎えます。
実際の研究でも、就寝30分〜1時間前にGABAを摂取したグループで睡眠の質が向上したことが確認されています。
よって、GABAを摂取するタイミングは、就寝前が最も効果的であるといえるでしょう。
参考:健常成人におけるGABA経口摂取が睡眠に与える影響-無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験- 外薗英樹(2018)
他の栄養素と摂る
GABAの効果を高めるために、他の栄養素と組み合わせるのもおすすめです。
特に、以下の3つは、GABAの作用をサポートしてくれる重要な栄養素です。
- グルタミン酸:
GABAの生成に必要な成分です。
アミノ酸を多く含む魚や肉、卵や、発酵食品(納豆、チーズ)などに含まれています。
- マグネシウム:
リラックス作用があり、GABAの効果を強化します。
ナッツ類、海藻類、豆腐や大豆製品、緑黄色野菜に含まれています。
- ビタミンB群:
神経系の健康をサポートし、GABAの働きを助けます。
かつおやまぐろ、鮭などの赤身魚やバナナ、玄米に含まれています。
安眠や血圧改善などのGABAの効果を最大化するためにも、普段の食事にこれらの食品を取り入れるのがおすすめです。
腸内細菌を整えて摂る
GABAは、腸内環境を整えながら摂取すると効果的です。
実は、腸内にはGABAを作り出す細菌が住んでいます。特に、ストレス軽減効果がある乳酸菌の一部は、GABAを作る働きを持っています。腸内環境が整っていると、これらの細菌が活発に働き、腸内でのGABA生成が促進されるのです。
腸内で作られたGABAは、神経系に良い影響を与え、リラックス効果やストレス緩和効果を強化します。また、健康な腸内細菌は脳の健康にも良い影響を与えるため、GABAと合わせることで、より効果的にストレス対策ができるでしょう。
よって、GABAの効果を高めるためにも、ヨーグルトや発酵食品を日常的に摂取し、腸内環境を整えるのがおすすめです。ぜひ、意識してGABAの効果を高めてみてください。
参考:γ-アミノ酪酸の未知なる機能発現メカニズムの解明 高橋恭子(2020)