コーヒー焙煎教室レポート 焙煎・生豆選びの注意点

かわしま屋スタッフの杉山です。

前回に引き続き、東京都杉並区で開催された「コーヒー焙煎ワークショップ」の参加レポートを掲載していきたいと思います。

今回は焙煎ワークショップの後にお聞きした
竹林さんが考えられたコーヒーの生豆選びのコツや注意点などを書かせていただきます。

竹林さん

 

コーヒー生豆とは

コーヒー生豆とは

生豆って何?

知らなくてもなんとなくわかると思いますが
簡単に言うと焙煎する前のコーヒー豆のことを指します。

市販されているコーヒー豆は焙煎され、こげ茶色をしていますが
生豆は薄緑色をしています。

そしてこの生豆は、暖かい温暖な地域で栽培するのがポピュラーで
種に赤道直下の国々で多く栽培されています。
※ブラジルやエチオピアなどが有名ですね。

そして実はなんと国産のコーヒー豆もあるそうなんです。
最も盛んなのは沖縄とされていて、その他にも小笠原諸島などでも栽培されているとか。

ただ、台風などで天候が荒れる事も多く、大規模栽培にいたるまではいっていないそうです。

 

生豆の読み方?

生豆と書いて「きまめ」や「なままめ」と読みます。

人によって呼び方が異なるようなので、どちらでもいいんじゃないかなと思います。
※ちなみに竹林先生は「きまめ」と呼んでました。

また、英語では「グリーンコーヒー」や「グリーンビーン」と呼ばれているそうです。
ちょっと通っぽく語られるなら、英語読みで呼ぶのもありかもしれませんね!

 

竹林さんが考えるコーヒー生豆の選び方

竹林さんが考えるコーヒー生豆の選び方とは

生豆選びは、何を基準にして選ぶかで、大きく変わってきます。
味を重視するのか、安全性を重視するのか、焙煎が楽なのにするのか・・などなど。

味に関しては、コーヒー豆が摂れる地域によって異なるので
どこの産地のコーヒー豆が自分に合っているかを探すとよいそうです。

酸味が欲しいならコナ(ハワイ島)、甘みが欲しいならモカ(イエメン、エチオピア)などですね。

焙煎の具合によっても味は変わってくるので、その辺りも加味しながら選ぶと良いですね。

 

竹林さんが考えるコーヒー生豆の選び方とは

生豆の安全性

コーヒー豆は世界第二位の農薬使用作物と言われています。
現在市場に出回っているコーヒー豆のほとんどが農薬を使用した生豆と言っても過言ではありません。

ではオーガニックコーヒ豆が良いのかと問われると、必ずしもそうとも言い切れません。

農薬を使わないということはそれだけ虫が付きやすく、虫食いの穴が多い生豆ができてしまいます。

その穴から水が入り、乾燥が不十分なまま出荷されてしまい、穴の中がカビてしまうことも良くあります。

これらは欠点豆と呼ばれていて、雑味の原因や敏感な方だとアレルギー症状を起こしてしまう可能性があります。

こういった側面もあるので、オーガニック表記に囚われてはいけないというのが竹林さんの考えです。

 

生豆の洗浄とピッキングが重要

美味しいコーヒーを飲むための味と安全性を保つ重要なポイントは
生豆の洗浄とピッキングが非常に重要です。

生豆の洗浄とピッキングが重要

洗浄は50℃くらいのお湯で

ザルに空けた生豆をしっかりとお湯で洗います。

熱くて我慢できない温度であれば、水でうすめて少し冷まします。

お米を研ぐような感覚で混ぜながら洗います。

こうすることで生豆の表面に付いた残留農薬や、不純物などを取り除くことができます。

 

水分を含むとカビが浮き上がります

水分を含むとカビが浮き上がります

生豆が水分を含むと虫食いの穴の中で発生したカビがはっきりと浮かんできます。
※左が虫食い穴の中がカビてしまった豆です。右は正常な豆です。

写真でもわかる通り、カビがしっかりと浮き出ているのがわかりますよね。

これらのカビは洗浄では落ちないものなので、この時点で間引き(ピッキング)します。

地道な作業ですが、確実により良い豆を選別することが重要です。

 

その他の欠点豆もここでピッキングする

カビ豆の除去のついでに、雑味の原因となるその他の欠点豆もピッキングします。

・欠豆
豆に何らかの衝撃が加わり、欠けてしまった豆です。
火の通りが不均一になってしまい雑味の原因となってしまう場合があります。
・潰れ豆
欠豆と同様の理由でピッキングしましょう。
・未成熟豆
未成熟で、しっかりと熟していない状態の豆です。
焙煎が上手くいかなかったり、雑味の原因となることがあります。
・発酵豆
発酵が進み過ぎてしまい、内部まで発酵してしまっている豆です。
ツンとした酸味の強い味の原因となります。
・黒豆
発酵がさらに進み、完全に発酵してしまった豆です。
発酵豆と同様に酸味の原因となります。

 

代表的な欠点豆の種類はこれくらいでしょうか。

このあたりの欠点豆をピッキングすることが、
美味しい安全なコーヒーを提供するコツです。

 

味の決め手は焙煎です

コーヒーの味を左右する最も重要なポイントはやはり焙煎の具合です。

いくら状態の良い豆を使っても、焙煎の結果が良くないと
美味しいコーヒを淹れることはできません。

ここでは焙煎の際の注意点とポイントを竹林さんの焙煎実践も兼ねてご紹介いたします。

 

生豆に均等に火をあてること

シンプルですが、意外と難しい火のあて方。

均等に火をあてないと一部の豆は焦げて一部は火が足りないといった
焙煎ムラができてしまいます。

焙煎ムラのある生豆を挽いてしまうと雑味や、過剰な酸味・苦みの原因となります。

理想のコーヒーの味を求めるならば、均等に火をあてていくことは不可欠です。

 

生豆に均等に火をあてること

焙煎中は常に動かし、手を止めないこと

焙煎中に動きを止めてしまうと、必ず焙煎ムラができてしまいます。
※火が一方向に集中的にあたってしまう為

動かすことはもちろん、上下左右・前後に振って均等にあてていきます。

中華鍋でチャーハンを作るような動きにも似ていますね。
チャーハンもああやって米粒ひとつひとつに均等に火を入れることで、あのパラパラ感が生まれるのです。

焙煎中は常に動かし、手を止めないこと

こちらの写真は竹林さんが独自に考案された手焙煎用の器具です。
ひっくり返すこともできるので、より均等に生豆を焙煎する事ができます。

 

ハゼのタイミングを見極める

生豆を焙煎していると「パン!パン!」と音が鳴り始めます。

最初の「パン!パン!」を1ハゼといいます。

その後焙煎を続けていると2回目の「プチプチプチ!」という音が鳴りますが、これを2ハゼといいます。

特に2ハゼの音がコーヒーの味を決める大切な音なんです。

「プチプチプチ!」の鳴り始めで焙煎を止める
浅煎りの豆になります。酸味が少し強いです。
「プチプチプチ!」が全体的に鳴り始めたら止める
中煎りの豆になります。酸味・苦みがちょうど良いバランスの豆です。
「プチプチプチ!」が全体的に鳴りやんだら止める
深煎りの豆になります。苦みがやや強いです。

 

この様に焙煎のタイミングを調節することで煎りの浅深が変えられます。
自分好みの味を追求されたい方は、タイミングを自分なりに変えて調節すると良いですね。

ちなみに深煎りからさらに焙煎を続けると、豆は最終的に炭化してしまい、黒焦げになってしまいます。
こうなるとコーヒーの風味や香りは全て飛んでしまうので、気を付けましょう。

 

焙煎を終えたらすぐに冷やします

焙煎後はすぐにトレイなどに開けて、豆を冷やしましょう。

冷やす際はドライヤーの「cool」などを使って冷やすと効率よく冷やすことができます。

冷やさない熱々の状態で放置してしまうと、火をあててなくても焙煎が進み
意図しない苦いコーヒーができてしまうことがあります。

ここでしっかりと冷やして、思い通りの味を実現する事が大切です。

 

焙煎を終えたらすぐに冷やします

焙煎ムラのある豆をピッキングする

冷やし中の豆を見て、他の豆に比べて明らかに色ムラのある豆はここでピッキングします。

特に焙煎し過ぎて真っ黒になった豆や、色の薄い豆(未成熟豆などが薄くなりやすいそうです)は特に注意して見てください。

ムラの無い豆だけを残すと、コーヒーを淹れた時に安定した味になります。

 

人肌くらいになったら袋に入れます。

焙煎したての豆は大変美味しそうですが、まだまだ挽いてはいけませんよ。

実はこの時の豆は、内部にガスが溜まっていて、この状態で挽いてコーヒーにすると雑味が多く
あまり美味しくないといわれているそうです。

理想的なタイミングとしては焙煎後1週間くらいが良いそうです。

味・香り共にピークの状態なんだとか。

1週間が待ち遠しいですが、それも美味しくコーヒーを飲む秘訣なんです。

 

美味しく安全なコーヒーは自分次第

いかがでしたでしょうか、焙煎日本チャンピオン竹林さんの焙煎ワークショップは。

豆選びも大切ですが、やはり焙煎とピッキングの手間をどれだけかけられるかで
味と安全性が大きく左右されるということが分かりましたね。

良い豆を最高の状態で召し上がるには自分の経験と知識が大変重要です。

時間はかかりますが、手焙煎のコーヒー豆を一度味わってしまうと
なかなか市販のコーヒーは飲めなくなってしまうかもしれませんね!

是非一度お試しください!

 

自家焙煎についてさらに詳しく知りたい方は、
かわしま屋の読みものページ「自家焙煎のススメ」をぜひご覧ください。

 

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この記事を書いた人

商品ページ・コンテンツ担当。趣味は手作りアクセサリー作り。
猫と二人暮らし。庭に来る黒い野良猫をどう追い払おうか思案中。