MCTオイルの使い方とおすすめレシピ【ダイエット効果も期待】
記事の監修
管理栄養士
川野 恵
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
健康に良い食品を摂ろうとする風習が強くなりつつある昨今。その中でも注目を集めているのが「体に良い油」を摂るという考え方です。
中でもMCTオイルが人気ですが、実際「どんな風に摂ればいいのか分からない」という人が多いはず。MCTオイルは正しい摂り方を知ることが大切です。間違えると、効果どころかデメリットが生じる可能性もあります。
この記事では、MCTオイルの使い方について詳しく紹介します。MCTオイルの良さを活かす方法や注意点について解説するので、ぜひ参考にしてください。
MCTオイルとは
MCTオイルとはココナッツやパームから抽出した中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride)のみでできている油のことです。
ココナッツオイルも中鎖脂肪酸を多く含む油として知られていますが、中鎖脂肪酸の含有量は以下のようになっています。
・MCTオイル・・・100%
・ココナッツオイル・・・50~60%
このことから、中鎖脂肪酸はMCTオイルの方がより効率よく摂取できることがわかります。
中鎖脂肪酸のみでできているMCTオイルは、消化・吸収が良くスムーズにエネルギーとして利用されます。そのためサラダ油やオリーブオイルなどよりも体脂肪になりにくいと考えられ、良質な油として人気を集めているのです。
中鎖脂肪酸C8が98.8%の有機MCTオイル
MCTオイルの正しい使い方
体脂肪になりにくい中鎖脂肪酸をたっぷり含んだMCTオイル。まずは正しい使い方を紹介します。
加熱は厳禁!
MCTオイルは加熱せずにそのまま使いましょう。MCTオイルの主要成分である中鎖脂肪酸は加熱した際に煙が出る温度が低いため、調理には向いていません。加熱調理には絶対に使わないでください。
なお、MCTオイルは無味無臭でサラッとしているので、そのままでも飲めます。
サラダやヨーグルトにかける
MCTオイルは無味無臭なので、サラダやヨーグルトにかけても違和感なく食べられます。普段の食事にプラスしても味を邪魔することはありません。
いつも使うドレッシングの代わりにMCTオイル入りのドレッシングをかけたり、ヨーグルトにそのままかけたりするなど、いろいろと試してみてください。
飲み物やスープに入れる
MCTオイルは飲み物やスープに入れると、コクが出て美味しく食べられます。野菜スープを食べるときにサッとMCTオイルを足せば、しっかりエネルギーを補いながら糖質を抑えたヘルシーなスープに早変わり。
「完全無欠コーヒー」の名を知られたバターコーヒーやMCTオイルコーヒーでも、MCTオイルを取り入れられます。
開封後は冷蔵庫保存
MCTオイルは酸化しやすいので、開封後は冷蔵庫で保存してください。
MCTオイルの摂取量目安
MCTオイルの1日の摂取量は、大さじ1程度が目安です。
MCTオイルに含まれる中鎖脂肪酸は、体のエネルギーとして利用されやすい反面、腸での吸収率が良いため下痢や腹痛を引き起こす可能性があります。また、MCTオイルは油です。大さじ1杯だけでも100kcalほどなので、不要な分まで摂ればもちろん体脂肪になります。
MCTオイルは過剰摂取を避け、体調に合わせて1日に大さじ1杯程度を摂るようにしてください。
MCTオイルを摂るタイミング
MCTオイルの摂り方や摂取量が分かりました。あとは、MCTオイルを摂るタイミングを押さえておきましょう。おすすめの摂取タイミングを3つに絞って紹介します。
朝食
朝食としてMCTを入れたスープや飲み物を摂ってみてください。特に朝食を欠食している方におすすめのタイミングです。
近年、朝ごはん食べない日本人の割は増えています。しかし、欠食は体の代謝活動を妨げますので、MCTオイルなどを上手に使い、きちんとエネルギーを補ってあげましょう。
朝に飲むコーヒーやホットミルクにMCTオイルを入れれば、栄養価の高いドリンクに。低糖質なので糖質制限中の方も安心して召し上がれます。
運動前
少量のMCTオイルを運動をする前のタイミングで摂るのもおすすめです。
運動をする際にエネルギーが不足していると、パフォーマンスは下がります。特に有酸素運動をする際に糖質が不足していると、エネルギーが足りずに疲労感が増してしまうことも。
糖質を制限している方は特にエネルギー不足になりやすいため、運動する前に意識的にMCTオイルを摂るようにしてみてください。
糖質制限中や断食中
MCTオイルは糖質制限中や断食中に飲むと、ケトン体を生成することで代替エネルギーを得られる効果があるとされています。
また、満腹感を高めることで食欲を抑制する効果も期待できます。
良質な有機C8 MCTオイル
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MCTオイルを使うときの注意ポイント
MCTオイルを使うときに注意したいポイントを2つお伝えします。この2点を押さえれば、MCTオイルがバランスの良い毎日の食事をサポートしてくれるはずです。
摂りすぎない
MCTオイルは摂りすぎないようにしましょう。いくらエネルギーになりやすい中鎖脂肪酸でも、体にとって必要ない量を摂れば体脂肪として体に蓄積されます。また、脂肪が多い食事は血中脂質の増加を招き、長期的に続くと動脈硬化などの疾患を引き起こすことも。
MCTオイルは適量摂取を心がけてください。
乳化させる
MCTオイルはしっかり混ぜて乳化させましょう。特に、MCTオイルを摂ってお腹が緩くなる方は必須です。MCTオイルを乳化させてから摂ると、胃や腸への刺激が少なくなります。
MCTオイルを使ったおすすめレシピ
MCTオイルの使い方のコツが分かったら、早速、使ってみましょう。MCTオイルを使ったおすすめレシピを紹介しますので、参考にしてみてください。
MCTオイル和風ドレッシング
材料
- MCTオイル 大さじ 2(30ml)
- 醤油 大さじ 1(15ml)
- ゆず又はレモン果汁 大さじ 2(30ml)
作り方
- 材料をすべて容器に入れ、ブレンダーでよくかき混ぜます。
- しっかりと混ざったらでき上がりです。
ヘルシーマヨネーズ
材料
- 卵 1 個
- リンゴ酢 大さじ 1
- 海塩 小さじ 1/2
- MCTオイル 180 g
作り方
- 卵をボウルに入れ、リンゴ酢と塩を加えます。
- ハンドミキサーでしっかりと混ぜます。
- ボウルにMCTオイルを少しずつ入れながら、さらに混ぜていきます。
- しっかりと混ぜ、乳化してきたら完成です。
MCTオイルがけヨーグルト
材料
- プレーンヨーグルト 大さじ 5
- MCTオイル 小さじ 1/2
- はちみつ 小さじ 1/2
- お好みのフルーツ(バナナやブルーベリーなど) 適量
作り方
- ヨーグルトにMCTオイル、はちみつをかけて、お好みのフルーツをのせて完成です。
MCTオイルと小松菜のヨーグルトスムージー
材料
- 小松菜 1 束
- バナナ 1/2 本
- 牛乳 60 cc
- ヨーグルト 60 cc
- MCTオイル 小さじ 1(5cc)
作り方
- 小松菜をざく切りにし、バナナは2㎝幅ぐらいに切る。
- 小松菜、バナナ、牛乳、ヨーグルトをミキサーに入れて攪拌する。
- 最後にMCTオイルを入れて混ぜる。
バターコーヒー
材料
- コーヒー 2 杯
- グラスフェッドバター(お好みで) 大さじ 1~2(15~30g)
- MCTオイル(お好みで) 大さじ 1~2(15~30ml)
作り方
- 淹れたコーヒーにバターとオイルを加えます。
- (1)をブレンダーやミキサーで攪拌し、クリーミーな状態に乳化させてでき上がりです。
動画
コツ・ポイント
ブレンダーを用意できない場合は、油にコーヒーを細く注ぎながら泡立て器でかき混ぜると乳化できます。
レシピで使ったMCTオイルはこちら
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MCTオイルの選び方
せっかくMCTオイルを使うなら、オーガニック認証を取得したものを取り入れるのがおすすめです。
オーガニック認証を取得したMCTオイルは、原料の栽培・製品の製造過程で一定以上の基準を満たす高品質なものと言えるからです。
GMP(製造工程の品質保持)、ISO22000・HACCP(衛生管理)といった世界的な基準を取得しているかも合わせてチェックしてみてください。
MCTオイルはケトジェニックダイエットに最適
糖質やたんぱく質を制限し、脂質から大半のエネルギーを補うケトジェニックダイエットには、MCTオイルが役に立ちます。
オリーブオイルや米油などよりも効率よくエネルギーとして利用できるため、代謝のアップにつながるのです。
ケトジェニックダイエットまではいかなくても、糖質制限中の食事にMCTオイルを併用するとエネルギー不足が防げます。
ケトジェニックダイエットについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
MCTオイルについてのQ&A
- MCTオイルとは何ですか?
- MCTオイルとは、中鎖脂肪酸(Medium Chain Triglyceride)と呼ばれる脂肪酸を含む油のことです。中鎖脂肪酸は、消化吸収が早く、エネルギー源として利用されやすいという特徴があります。MCTオイルは、主にココナッツやパームから抽出されます。
- MCTオイルにはどのような効果がありますか?
- MCTオイルには、脂肪の蓄積を抑える働きやケトン体の生成、持久力の向上などの効果があるとされています。
- MCTオイルの使い方を知りたいです。
- MCTオイルの使い方は、摂る目的や好みによって変わってきますが、ドレッシングの材料にしたり、スープに入れたりするなど料理に使えるほか、そのまま飲むこともできます。コーヒーや紅茶に入れるとまろやかになるのでおすすめです。
ただし、MCTオイルは一般的な油に比べて発煙点が低いため、加熱調理には使用しないでください。
- MCTオイルはどんな味ですか?
- MCTオイルに味はありません。そのため、料理や飲み物に混ぜても味に影響しません。ただし、油分が多いので、口当たりや舌触りには違いが生じるかもしれません。MCTオイルはコーヒーや紅茶に入れるとクリーミーになりますが、これは油分が乳化することで起こる現象です。
●管理栄養士からのコメント
MCTオイルはどんどん周知され、利用者も増えているのですが「飲むだけでいい」と考えている方も多いです。クリニックにいらっしゃる患者様の中にも「MCTオイルを使いたいんだけど、どう思う?」と相談を受けることが増えました。MCTオイルは効率よくエネルギーを得るのに適した食品であり、飲むだけで健康やダイエットに対する効果を感じられるものではありません。食事のバランスを整えながら、適量のMCTオイルを摂ることで体に良い影響が出やすくなります。普段の食事に取り入れるのであれば、いつも使っている油の代わりに使ってみましょう。糖質制限中の方も、ほかの油脂類と合わせてMCTオイルも上手に使い、エネルギー不足から代謝が落ちないように対策してみてください。
管理栄養士プロフィール
◎川野 恵
給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
身体は食べ物でできていることを意識し、健康に過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
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