はちみつの効果|甘いのにダイエットに良いって本当?

はちみつは栄養豊富でダイエットにも良いといわれています。しかし「糖分なのに大丈夫なの?」「量に制限はあるでしょ?」など疑問に思う人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、はちみつの成分と効果、本当にダイエットに向いているのかを詳しく解説します。砂糖と置き換えるときの分量も解説するので、ぜひ参考にしてください。

もくじ

はちみつの栄養成分と効果

はちみつ

はちみつに含まれる栄養成分は次のとおりです。

成分の分類詳細
ミネラルナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄など
ビタミンビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシンなど
アミノ酸バリン、アルギニン、ロイシン、イソロイシンなど
ポリフェノールカフェ酸、ρ-クマル酸、フェルラ酸、クリシンなど
有機酸グルコン酸

このほか、殺菌作用のある過酸化水素も含まれています。

これらの成分には、次のような効果が期待できます。なお、ダイエット効果については後ほど詳しく解説します。

疲労回復

はちみつにはエネルギー補給に有用なブドウ糖やスクロース(ショ糖)が含まれています。代謝に時間がかからない糖分なので、エネルギー不足のときにおすすめです。

また、血液や骨づくりに必要なミネラル、疲労回復に役立つビタミンも豊富です。

さらに、筋肉の疲労・消耗を抑えるアミノ酸のロイシンやバリンも摂取できます。毎日の疲れだけでなく、運動後の疲労感軽減にもおすすめです。

風邪の予防・喉のイガイガ対策

はちみつには殺菌作用のある過酸化水素が含まれています。また、糖度が高く、浸透圧によって水分を抱え込む特性もあります。

これらの特徴は、喉風邪に効果的です。細菌やウイルスを殺菌し、喉の粘膜に付着することで乾燥から守ってくれます

ただし、はちみつをそのまま食べると喉の水分が一時的に奪われて、イガイガすることがあります。はちみつを食べたら、水分補給をしましょう。

腸内環境の改善

はちみつに含まれるグルコン酸は、腸内の善玉菌(ビフィズス菌)のエサになります。

善玉菌が増えやすくなるため、腸内環境の改善に効果的です。

便秘やおならなどお腹の不快感に悩んでいる人は、はちみつを試してみましょう。

はちみつのダイエット効果

はちみつ

はちみつは糖分であるにも関わらず、ダイエットに有用だといわれています。その理由を詳しく解説します。

砂糖と比べて低カロリー・低糖質・低GI

ここでは、グラニュー糖、上白糖、三温糖、黒糖とはちみつのカロリーと糖質、GI値を比較します。

カロリーを比較

カロリーは熱量、エネルギーの単位です。食べ物から得られるエネルギーや活動のために必要なエネルギーの量を指すときに使います。

甘味料100gあたり大さじ1あたり
グラニュー糖393kcal46.9kcal(大さじ1=12g)
上白糖391kcal35.2kcal(大さじ1=9g)
三温糖390kcal35.1kcal(大さじ1=9g)
黒糖352kcal31.7kcal(大さじ1=9g)
はちみつ329kcal69.1kcal(大さじ1=21g)

グラム数による比較では、はちみつが低カロリーです。

なお、大さじあたりでは粉末(個体)と液体で質量が異なるため、はちみつのカロリーが高く見えます。しかし、甘味として摂取する場合には大さじ1杯あたりで比較するのは適切ではありません

また、はちみつは甘味度が高いため、上白糖大さじ1(9g)のレシピで同程度の甘さにしたいときの、はちみつの量は7g相当です。後述の「砂糖とはちみつを置き換えるときの分量・注意点」で詳しく解説します。

糖質を比較

糖質は体の主要なエネルギー源になる栄養成分です。 食物繊維と合わさると炭水化物になります。食物繊維は体内の消化酵素で分解できないため、糖質がエネルギーとして使われ、食物繊維は排出されます。

甘味料100gあたり大さじ1あたり
グラニュー糖100g12g
上白糖99.3g8.9g
三温糖99.0g8.9g
黒糖90.3g8.1g
はちみつ81.9g17.2g

カロリーと同様に100gあたりでは、はちみつの糖質が低いことがわかります。

GI値を比較

GI値とは、摂取後の血糖値の上昇率を示した指数のことです。血糖値が上昇すると、「糖」を「脂肪」に変えるインスリンというホルモンが分泌されます。血糖値が急上昇すると糖が脂肪に変わりやすいということです。

血糖値の上昇をゆるやかにすれば、糖質を体脂肪へと変換させるメカニズムが働きにくくなります。

グラニュー糖上白糖三温糖黒砂糖はちみつ
1101091089940~65

GI値55以下の食品は、低GI食品と分類されています。はちみつのGI値は40~65と幅広いため、種類によっては低GI食品ではないものもあります。特にGI値が低いのはアカシア蜂蜜で、GI値40程度なので低GI食品に該当します。

逆に、さまざまな花から集められる百花蜜のなかには、GI値が87程度の高GI値の場合もあります。

筋トレ・運動のダイエットと相性が良い

はちみつは筋肉の疲労回復や強化に役立つアミノ酸が含まれています。また、アミノ酸の代謝に必要なビタミンB1や脂肪肝予防に役立つビタミンB2などのビタミンも豊富です。

はちみつで疲労回復しながら筋トレ・運動を続けることで、効率的なダイエットを目指せるでしょう。

なお、筋トレ・運動によるダイエットなら、黒酢とはちみつを合わせて摂るのがおすすめです。詳しくは次の記事をご覧ください。

むくみ・便秘改善で見た目すっきり

はちみつには、余分なナトリウムとともに不要な水分を排出するカリウムが含まれています。むくみで太って見えてしまうと悩んでいる人におすすめです。

また、グルコン酸がビフィズス菌のエサになることで腸内環境が改善すれば、便秘の悩みも軽減できます。便秘によるぽっこりお腹に悩んでいる人にも、はちみつはおすすめです。

砂糖と置き換える際の分量と注意点

はちみつ

はちみつは栄養豊富で、ダイエットにも役立つことがわかりました。普段のレシピで砂糖を使うところを、はちみつに置き換えれば摂取を継続できます。ただし、置き換えには注意点があります。

分量は調整が必要

上白糖大さじ1杯(9g)の甘味は、はちみつの7g相当です。砂糖と同じように、はちみつ大さじ1杯(21g)を入れてしまうと甘すぎるため、料理の味のバランスが悪くなります。はちみつ7gの目安は小さじ1杯です。

ここであらためて、上白糖大さじ1とはちみつ7gのカロリー・糖質・GI値を比較しましょう。

甘味料カロリー糖質GI値
上白糖9g35.2kcal8.9g109
はちみつ7g23.03kcal5.73g40~65

同じ甘味でも低カロリー・低糖質・低GIであることがわかります。上白糖を使うレシピでは、はちみつに置き換えることを検討してみましょう。

すべてのレシピで置き換えられるわけではない

はちみつには水分が含まれているため、砂糖を使うすべてのレシピに適しているわけではありません。

水分量によって仕上がりが大きく左右されるクッキーなどの焼き菓子や、粘度を重視したいソース作りなどには不向きな場合があります。

このようなお菓子や料理に使いたいときは、分量計算で置き換えるのではなく、はちみつを使ったレシピを個別に確認することをおすすめします。

砂糖とはちみつを置き換えてみよう

はちみつ

はちみつは低カロリー・低糖質・低GIで、栄養成分も豊富であることがわかりました。砂糖と置き換えれば、甘味はそのまま、健康にうれしい効果を期待できます。ダイエットにおいては、効果アップを期待できる黒酢との組み合わせもおすすめです。

ただし、食べ過ぎればカロリーオーバーになるため、置き換えの目安量を守りましょう。砂糖10gのところをはちみつ7gで置き換えれば、カロリーオーバーになる心配はありません。

クッキーやソースなど、はちみつと置き換えづらいレシピもありますが、はちみつを使ったレシピも豊富にあります。気になる人は次のレシピ集もぜひご覧ください。

●管理栄養士からのコメント
はちみつは昔から愛されてきた食品のひとつです。

はちみつの甘みのもとになっているブドウ糖とスクロースはともに単糖なので、身体の中に入ると消化酵素を必要とせずに吸収されます。

そのためはちみつはエネルギー源として即利用でき、胃腸への負担が少ないのが特徴。例えば、食事を抜いたり激しい運動の後など糖質が不足してるときにはちみつを食べると、効率良くエネルギーを利用できます。

また、ビタミンやミネラル、アミノ酸や有機酸を含んでいるはちみつは、代表的な甘味である砂糖よりも健康的です。
身体のことを考えて砂糖の使用を躊躇している方は、はちみつへの置き換えを検討してみてもいいかもしれませんね。

管理栄養士:川野恵

管理栄養士プロフィール

川野 恵

給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。


身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。

はちみつのQ&A

大さじ1杯のはちみつのカロリーがお砂糖よりも高くなるのはなぜですか?

液体のはちみつと、固体の砂糖ではかさ比重が異なるため、はちみつの方がカロリーが高いようにみえますが、同じ重量で比べると、はちみつの方がカロリーは低いです。

また、はちみつははちみつは1/3の量で砂糖と同じ程度甘味が感じれれるので、使用量を抑えることができます。

はちみつに置き換えたらすぐに体重は落ちますか?

急激に体重の減少はしませんが、徐々に効果が現れます。 体重の変化だけでなく、質のよい睡眠により体調の変化も期待できます。

どんなはちみつを選ぶと、健康効果が高いですか?

効果をより実感するには、国産の純粋はちみつを選ぶことをおすすめします。はちみつは熱に弱く、加熱処理されると本来もつ栄養素が壊れてしまいます。

ただし、「純粋はちみつ」と表記されているはちみつの中にも、実は加熱処理されている製品もあるので信頼できる生産者や販売店から購入するといいでしょう。

はちみつを家庭に取り入れる簡単な方法は?

砂糖の代わりに使うことです。砂糖よりもカロリーが低く、ヘルシーです。紅茶やコーヒーに入れて、砂糖の代用品として使ってみましょう。

レモンと一緒に紅茶に入れれば、ヘルシーなレモンティーが作れます。

はちみつを舐めてから寝ても問題ないですか?

睡眠中は口呼吸になりやすいため、乾燥対策ではちみつを舐めるのはおすすめです。ただし、はちみつはやや酸性で糖度も高いため、虫歯にならないよう歯磨きはしましょう

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。

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