GABA(ギャバ)で睡眠の質を改善しよう!摂るときの方法も解説

ギャバ

玄米やトマト、キムチなどに多く含まれる「GABA(ギャバ)」。
アミノ酸の一種であるGABAには睡眠の質改善やストレス緩和、高血圧予防といった働きがあると言われています。
今回は数あるGABAの働きの中でも特に注目度の高い「GABAと睡眠の関係」について解説していきます。
睡眠不足で悩んでいる方、GABAについて深く知りたい方はぜひ参考にしてください。

もくじ

睡眠は心身の健康に欠かせない

睡眠後の健康な女性

皆さんは睡眠についてどの程度満足していますか?

厚生労働省は令和4年度に睡眠に関するアンケート調査を実施し、アンケートに回答した1,304人のうち、34.2%が「睡眠全体の質に満足出来なかった。」と回答しています。
また、「夜間、睡眠途中に目が覚めて困った。」と回答したのは全体の約半数の48.3%という結果になっており、睡眠に何かしらの問題を抱えている人が多くいることが見て取れます。[1]

では、良質な睡眠がとれていないとどんなデメリットがあるのか?反対に、良質な睡眠にはどんなメリットがあるのか?もう少し詳しく解説していきます。

睡眠不足は心身の健康を蝕む

睡眠不足を引き起こす原因は様々。
その中でも特に注目したいのがストレスです。

睡眠不足の理由に関する調査では、男性の場合「仕事・勉強・通勤・通学」に次いで「悩みやストレス」が2番目に多く、女性の場合「悩みやストレス」が主な理由となっています。[2]

なぜストレスで睡眠不足が引き起こされるのか?
原因のひとつとされているのが、体の働きを調節する化学物質であるホルモンです。

ストレスの多い生活を送っていると、幸せホルモンである「セロトニン」の分泌量が減少し、セロトニンを材料として夜に眠気を誘発する「メラトニン」の分泌量も影響を受けて減少してしまいます。
これによって眠くなりにくい状態になり、結果的に睡眠不足を引き起こす原因となっているのです。

慢性的な睡眠不足は、肥満や高血圧、糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病のリスクを高めるだけでなく、日中の集中力の低下や記憶力の低下、意欲の低下を招くことがわかっています。[3]

特に身近に感じる睡眠不足の弊害として、記憶力の低下があります。
人は寝ている間に脳内の記憶を整理して新しい記憶を入れるためのスペースを作り出しますが、十分な睡眠時間が確保されていないと記憶の整理が追いつかず、新しい情報を記憶する能力が低下してしまいます。

以上のように、睡眠不足は心身の健康を蝕み、快適な生活の妨げとなってしまうのです。

良質な睡眠は心身の健康を保つ

睡眠不足は心身の健康を蝕む一方で、良質な睡眠は心身の健康を保ちます。

良質な睡眠をとることで、疲労の回復やストレスの解消といったメリットがあり、健康的な生活を送るために睡眠は欠かせません。[4]
また、良質な睡眠をとることで、深い睡眠「ノンレム睡眠」の間に記憶を整理して記憶力の向上を促すほか、夢を見る浅い睡眠「レム睡眠」の間に新しい記憶と過去の記憶を繋ぎ合わせることで創造力の向上も促します。[5]

心身の健康を保つため、そして日々の生活のパフォーマンスを高めるために良質な睡眠をとるように心がけましょう。

GABAが良質な睡眠をサポートするって本当?

寝ている女性

GABAはγ-アミノ酪酸(ガンマ-アミノらくさん)というアミノ酸の一種で、英名の”gamma-aminobutyric acid”の頭文字が由来です。

GABAは主に脳や脊髄などで神経伝達物質として働いており、興奮を鎮めたり不安を抑えたりする役割をになっています。
この役割こそが「GABAが良質な睡眠をサポートする」と考えられている理由です。

なぜ、興奮や不安を感じていない状態が良質な睡眠に繋がるのか?
それは人間の生命維持に関わる神経「自律神経」が関係しています。

自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、脳や体が活発なときは交感神経が優位になり、脳や体がリラックスしているときは副交感神経が優位になります。
睡眠時は副交感神経が優位になるため、興奮や不安を感じていない状態にすることで良質な睡眠をとれるということです。

また、GABAには脳内で神経を落ち着かせる働きもあることから、深い眠りを促す効果も期待できます。

GABAを摂る適切なタイミングは?

食事をする女性

GABAストレス研究センターが行った実験によると、就寝前に限らず昼間に一度ストレスをリセットすることで、通常よりも早く深い眠りが得られることが示唆されています。

この実験は男女8名を対象に、昼間にGABAを摂取した1週間と昼間にプラセボを摂取した1週間、計2週間に渡って検証を行い、GABAを1週間摂取することでプラセボを1週間摂取したときと比較して眠りの早さは約5分、眠りの深さは約25%向上、熟睡度も高めることができたという結果でした。[6]

また、別の実験では、健康な成人男女10人がプラセボ(デキストリン)とGABA成分を1日100mg、それぞれ1週間に渡って毎日就寝30分前に摂取したところ、就寝30分前にGABA成分を摂取した人の深い眠り「ノンレム睡眠」が増加したという結果でした。[7]

この2つの研究からもわかる通り、GABAを摂取するタイミングは日中あるいは就寝30分前に摂取するのが効果的で、GABAの効果を体感しやすいと考えられます。

良質な睡眠に必要なGABAはどれくらい?

ギャバ

先ほど紹介したGABAと睡眠に関する2つの実験では、どちらも1日に100mgのGABAを摂取しています。
そのことから、睡眠の改善を促す場合、1日に100mgのGABAを摂取するのが理想的だと考えられます。

100mgのギャバを含む食品を摂ろうとした場合、トマト缶(ホール)が約1缶、じゃがいもであれば約2個半に相当し、人によっては摂るのが難しいと感じる方もいるかもしれません。

そのような方は手軽にGABAを補える「GABA粉末」の活用もおすすめです。
スプーン1杯程度(5g)にGABAが約220mg含まれており、普段の食事を楽しみつつ効率よくGABAを補うことができます。

GABAを摂る2つの方法

ギャバ

ここではGABAを摂るときの2つの方法を紹介していきます。
「どうやってGABAを摂ればいいのか?」「おすすめの摂り方はあるのか?」と、疑問に感じている方はぜひ参考にしてください。

方法1 GABAを含む食品を摂る

GABAを摂る方法の一つ目が、玄米やトマト、キムチといった食品から摂る方法です。
GABAを多く含む食材は以下の通り。

食品GABA含有量
玄米3mg
トマト缶95mg
かぼちゃ56mg
たけのこ19mg
じゃがいも43mg
大豆7mg
ぶどう17mg
キムチ38~84mg
たくあん39~95mg
※GABAの含有量は食品100gあたり
※参照:[8][9]

GABAは野菜や穀物、果物、発酵食品など、幅広い食品に含まれているのが特徴です。
これらの食品を普段の食事に加えるだけで、十分にGABAを補うことができます。

方法2 たんぱく質とビタミンB6を一緒に摂る

GABAは食品から摂取する意外に、体内でも生成されている成分です。
その際に元となっているのがアミノ酸の一種であるグルタミン酸。

グルタミン酸は肉類や魚類、豆類、卵といったたんぱく質を豊富に含む食品に多く含まれており、GABAの元になる以外にも脳の機能を活性化させる働きやアンモニアを解毒する働きが知られています

ビタミンB6はたんぱく質の分解をサポートする働きがあり、GABAを豊富に含む食品とたんぱく質に加えてビタミンB6を含む食品を一緒に摂ることで、より効率的にGABAを補うことができます。
ビタミンB6を豊富に含む食品としては、鶏肉やまぐろ、にんにく、じゃがいも、バナナ、米ぬかなどがあるので、合わせて摂るように心がけましょう。

GABAと睡眠のQ&A

GABAに副作用はある?

GABAによる副作用が認められた症例はありません。
GABAは体内でも生成される成分であることに加え、様々な食品に含まれている成分でもあるため、比較的安全に利用できると考えられます。
ただし、偏った栄養の摂取は体に悪影響を及ぼす可能性を否定できないため、過剰摂取は控えるのが最善です。

GABAで良質な睡眠を体感できる期間はどれくらい?

GABAの効果を検証する研究では、100mgのGABAを1週間摂取することで良質な睡眠を体感できたと示唆されています。[6][7]

GABAはいつ摂るべき?

GABAの睡眠に関する効果を検証する研究では、日中あるいは就寝の30分前に摂取することで良質な睡眠を体感できたと示唆されています。[6][7]

GABAは毎日摂るべき?

GABAの睡眠に関する効果を検証する研究では、1週間程度、継続的に摂取することで良質な睡眠を体感できたと示唆されています。[6][7]


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GABAで良質な睡眠を!

GABAは睡眠の質を改善することが様々な研究で示唆されています。
しかし、良質な睡眠には適度な運動とバランスのとれた食事、生活習慣の改善も不可欠です。
そのため、GABAはあくまでも「睡眠の質の改善をサポートしてくれるもの」として考えるようにしましょう。
普段の食事にGABAを取り入れて、良質な睡眠を目指してください。

参照文献
[1]  厚生労働省 令和4年度健康実態調査結果の報告
[2] 厚生労働省平成12年保健福祉動向調査の概況
[3] e-ヘルスネット
[4] 健康づくりのための睡眠指針検討会報告書 (mhlw.go.jp)
[5] 精神保健研究通巻54号_29-36,睡眠と記憶に関する近年の知見 (ncnp.go.jp)
[6] 新発見!昼間に摂取したGABAがその日の睡眠の質を改善  – ギャバ・ストレス研究センター (gabastress.jp)
[7] ヒトにおけるγ-アミノ酪酸(GABA)の経口投与が睡眠とその吸収に及ぼす影響 |食品科学とバイオテクノロジー (springer.com)
[8] 食品研究部門:機能性成分含有量データ(抜粋) | 農研機構 (naro.go.jp)
[9] 佐々木泰弘 河野元信「ギャバ(GABA)の効能と有効摂取量に関する文献的考察」(美味技術研究会誌、No.15:32-37、2010年)

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この記事を書いた人

コンテンツ担当。趣味は海外サッカー観戦。イギリスで思う存分サッカー観戦をするのが夢です。

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