甘酒ダイエットの正しいやり方|1日コップ1杯で腸内美人になる方法

記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

川野 恵

フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

甘酒ダイエットの正しいやり方

濃厚な甘さが特徴の甘酒。糖質もカロリーも多そうな飲み物ですが、ダイエットに効果があると聞いて「本当なの?」と疑問に感じた方もいるのではないでしょうか。

甘酒ダイエットを成功させるコツは、適量摂取です。甘酒はダイエット中に飲み方を間違えると太ってしまうこともあるので、正しい飲み方をぜひ知ってほしい…!

そこで、甘酒でダイエットを成功させるコツをお伝えします。おすすめの甘酒も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

甘酒がダイエットに活用できる5つの理由

甘酒がダイエットに活用できる5つの理由

まず、甘酒をダイエット中に飲むことでどのようなメリットがあるのかを解説します。

甘酒は麹菌を使ってつくる発酵食品なので、いろいろな栄養素が入っています。期待される健康効果をチェックしてみましょう。

理由1 代謝をサポート

代謝をサポート

甘酒は身体の代謝をサポートする栄養素が含まれています。

例えば、ビタミンB群やアミノ酸です。ビタミンB群は、糖質や脂質など食事からの糖質や脂質をエネルギーとして利用するときに欠かせない栄養素。そしてアミノ酸は筋肉をつくる源なので、しっかりと補うことで基礎代謝を上げます。

甘酒が含むビタミンB群とアミノ酸の量は多いわけではありません。しかし、甘酒を飲むことでこれらを補うことができます。

理由2 脂質の吸収や上昇を抑える

脂質の吸収や上昇を抑える

甘酒は血中脂質を抑える力もあります。これは、酒粕由来のレジスタントプロテインによるものです。

レジスタントプロテインとは、食物繊維に似た働きをするタンパク質のこと。つまり、身体の中で消化・吸収できず、そのまま排泄される成分を指します。

生活習慣病などの病気を予防し、健康に暮らすために欠かせない成分である食物繊維。とくに、糖質や脂質をコントロールするために必須です。

同じように、レジスタントプロテインにも糖質や脂質の吸収を妨げる働きがあり、健康をサポートすることが分かっています。さらに、脂質やコレステロールの上昇を防ぐ効果もあるという報告もありました。(※)

レジスタントプロテインは、酒麹を使う甘酒の方が有意に多く含んでいます。

参考文献:
※日本醸造協会誌「健康と美容に貢献する「酒粕」の成分」

理由3 腸内環境を整える

腸内環境を整える

甘酒は腸内の環境を整える作用も期待されます。

甘酒は麹菌を用いて発酵しているので、ヨーグルトや納豆と同じく発酵食品の仲間です。発酵食品には乳酸菌などの善玉菌が多く含まれ、食事として摂ることで腸内の細菌バランスに働きかけます。

他にも、先ほど紹介したレジスタントプロテインも腸内のお掃除に一役買います。そして甘酒にはオリゴ糖もたっぷり。オリゴ糖は腸内にいる善玉菌のエサとなるので、継続的に摂ることで悪玉菌の割合が減りやすくなります。

善玉菌を含むうえにエサとなるオリゴ糖も含むので、甘酒は腸内環境の改善に効果があることが分かりますね。

理由4 消化を助ける

消化を助ける

甘酒には酵素が多く含まれていて、中には消化酵素もあります。(※)そのため、食事の前に飲むことで消化を助けてくれる効果があるようです。

とくにアミラーゼの活性が高いことが分かっているので、糖質を消化するのに力になってくれると考えられます。

参考文献:
※日本醸造協会誌「麹甘酒に含まれる成分について」

理由5 疲労の回復

疲労の回復

甘酒は疲労の回復にも効果があると言われ、古くは江戸時代から活用されてきました。

なぜ疲労回復に効くのかというと、甘酒が数種類の有機酸を含んでいるからです。有機酸の中でも、レモンなどの柑橘類に含まれるクエン酸が多いことが分かっています(※)。

クエン酸は疲労感の源である乳酸を蓄積しないよう働く栄養素です。そのため、激しい運動の後や忙しい毎日が続いて休息がとりにくいときに甘酒を飲むと、疲れが緩和されやすくなります。

甘酒のおすすめ商品

甘酒は低カロリー・低糖質なわけではありません

甘酒は低カロリー・低糖質なわけじゃない

甘酒がなぜダイエットに効果があるのかを解説してきました。甘酒はさまざまな利点があることが分かりましたが、気をつけたい点は「カロリーや糖質が低いわけではない」ということです。

さっそく、甘酒のカロリーと糖質を確認してみましょう。

甘酒のカロリーと糖質(※コップ一杯あたり)
  • ・エネルギー・・・162Kcal
  • ・糖質・・・35.4g

これは、白ご飯を茶碗に半分ほど盛り付けたときと同じくらいの値です。
次に、他のドリンクとも比べてみます。

エネルギー(Kcal) 糖質(g)
甘酒 162 35.4
りんごジュース 86 22.6
牛乳 134 9.6

※すべてコップ一杯

ご覧の通り、甘酒はドリンクの中でも高カロリー・高糖質なものです。正直なところ、身体に良いからと飲み過ぎると、太ってしまう可能性があります。

飲み方に気をつけないと太りやすい甘酒、取り入れようか迷ってしまいますね。しかし、飲み方さえ気をつければ甘酒はダイエットに活用できます。

「甘酒の栄養素に魅力を感じる!」「甘酒でダイエットを成功させたい」という方は、次の正しい甘酒ダイエットの方法をしっかりチェックしてみてください。

甘酒ダイエットを成功させる正しい方法

甘酒ダイエットを成功させる正しい方法

正しい甘酒ダイエットの方法をお伝えします。甘酒を「高カロリー・高糖質な発酵ドリンクだ」ということをきちんと認識していれば、必ず上手に利用できますよ。

1.朝食に甘酒

甘酒が糖質を含んでいることを利用し、朝食に利用しましょう。

朝はエネルギーが少ないので、脳や身体が動き出せるように即エネルギー源になる糖質が必要です。甘酒の糖質はほとんどがグルコースなので、とても吸収率が高くエネルギー源として最適。

また、欠食は次の食事で摂る糖質の吸収促進につながり、血糖値を上げやすくなります。そのため、普段忙しくて朝食は抜きがちだという方にはとくにオススメ。

甘酒をとるときは、白ご飯やパンなどの糖質源は摂らなくても大丈夫。むしろ一緒に食べてしまうと過剰摂取になる場合があるので気をつけて。

ダイエットの際は、食後の血糖値をいかに上げ過ぎないかがポイントになります。糖質は適量を心がけ、時間がなくて欠食しそうなときは、甘酒でカロリーを補いましょう。

2.間食に甘酒

甘酒を間食に取り入れる方法も良いです。

ダイエット中にある程度の空腹状態を維持することは必要ですが、お腹が空き過ぎても身体には良くありません。そして次の食事の内容によっては、空腹が血糖値の急激な上昇を招きやすくなります。

また、小腹が空いて間食を普段から摂り過ぎてしまう方は、甘酒をコップ半分ほど飲んでみましょう。甘いものを食べたい欲と小腹を満たせますよ。

甘酒をおやつ代わりに飲むときは、少しぬるめがオススメ。含まれている菌が活性化しやすいですし、お腹にもやさしいのでホっとできます。

3.夕食の白米をやめて甘酒に

ダイエットをする際は糖質のコントロールが大切だとお伝えしましたが、夕食の糖質を抜くと効果を感じやすいです。

とくに白ご飯は糖質のみしか栄養素が含まれないので、置き換えとして代わりに甘酒を飲めば、必然と栄養価が上がります。

また、甘酒はコップ一杯で、白ご飯茶碗2分の1程度のカロリー・糖質です。カロリーや糖質オフにもなりますので、ぜひトライしてみてください。

4.甘酒は適量を意識!1日の摂取量は?

くどいようですが、甘酒は適量を意識して飲み過ぎることがないようにしましょう。

ほかの飲み物と比べて高カロリー・高糖質なので、どちらかといえばスイーツ的なものとして考えるといいですね。

ダイエットを考えていらっしゃる場合の甘酒の1日の摂取量の目安は、甘酒を主食の代わりに飲むときはコップ一杯、間食として飲むのであればコップ半分が適量になります。

ダイエット中の甘酒の選び方

ダイエット中の甘酒の選び方

いざ甘酒ダイエットにチャレンジするとき、どんなものを買えばいいか迷ってしまいますよね。管理栄養士の視点から、どのようなものを選べばいいのかポイントをお伝えします。

1.甘酒は砂糖不使用のものにする

砂糖不使用の甘酒を選ぶようにしましょう。

甘酒は本来、麹とお米のみを原料とし、砂糖などは使用しない発酵食品です。しかし最近では、砂糖を入れて人工的に甘くしたタイプもみかけるようになりました。

砂糖を添加したものはダイエット中はおすすめできません。カロリーが高いだけでなく、白砂糖は腸内にいる悪玉菌の好物なので、甘酒の効果を減らしてしまう可能性もあるからです。

購入の際は必ず原材料をチェックし、砂糖不使用で無添加のものを選ぶようにしてください。

2.白米甘酒よりも玄米甘酒がオススメ

甘酒の栄養価をさらに高めたい!という方は、玄米甘酒がおすすめです。

お米からつくる甘酒は、主食と同じように玄米からつくられた玄米甘酒もあります。玄米甘酒は白米で作るものより栄養素が多いです。

少し香ばしいかおりがあり好みは分かれますが、玄米がお好きな方はきっと気に入るはず。なかなか市販で見かけることはないので、玄米麹などを使って手作りされるのも良いですね。

2.玄米甘酒づくりにおすすめ商品

3.できれば手作りする

「甘酒の効果が気になるけれど、市販のものは少し不安だな」「市販の甘酒は甘くて、自分好みのものが見つからない」という方は、ぜひ手作りしてみてください。

少ない材料で大量に作れますし、自分で使う食材を選べるので安心できます。家族みんなで甘酒を飲みたいという方も安心して試しやすいですよ。

作り方はこちらの記事を参考にしていただければと思います!

ちなみに、当日に飲み切らず保存する場合は必ず使用器具・保存食器を消毒しましょう。熱湯をかけるだけでも消毒は可能です。

甘酒の作り方

甘酒の作り方
簡単!家庭で出来る甘酒の作り方(レシピ)の紹介【分かりやすい動画付】。炊飯器、ヨーグルトメーカー、魔法瓶を使ったレシピをそれぞれ紹介しています。麹の酵素が活きた生甘酒が、手軽につくれます。
甘酒の作り方の記事を見る

手軽に飲める市販の甘酒をチェック

手軽に飲める市販の甘酒をチェック

「安心できるに越したことはないけど、手作りするのはちょっと大変……」
という方は、市販の甘酒で信頼できる商品を探してみましょう。

大手のメーカーでは、森永や大関などが甘酒を販売していて、スーパーでもよく見かけます。なかには砂糖不使用なものもあったり、コラーゲンが添加されたものもあり、いろいろ試してみるのも面白そうです。

また、かわしま屋で取り扱っている腸活甘酒も他の甘酒にはないメリットがたっぷり。原料にとてもこだわっている点もうれしいですが、乳酸菌が豊富でしっかりと補えるため、手軽に腸活ができます。

腸内の状態を整えることは、免疫力や代謝の向上につながります。お気に入りの甘酒を見つけて、健康的な身体を手に入れましょう。

オススメの腸活甘酒

国産米麹でつくった甘酒に、日本の発酵食品からとれた食植物性乳酸菌をプラスした腸活甘酒です。砂糖不使用、無添加、アルコール0%なので、お子さまやご妊娠中の方でも楽しめます。


適量の甘酒を飲んでダイエットをサポートしよう

適量の甘酒を飲んでダイエットをサポートしよう

甘酒ダイエットの方法やメリットなどを解説してきました。

甘酒は高カロリー・高糖質なドリンクですが、発酵食品ならではの成分が多、く健康面への効果もさまざまな研究で明らかになっています。

なので、適量の甘酒は心強いダイエットのサポート役です。

自分のライフスタイルと照らし合わせ、スムーズに摂れそうなところで甘酒を活用してあげてくださいね。

●管理栄養士からのコメント

発酵食品ならではの栄養素がぎゅっと詰まっている甘酒。
甘酒は2種類あり、麹菌の代謝産物が摂れる「ノンアルコール」のものと酵母菌の代謝産物まで摂れる「アルコールタイプ」のものに区分されます。
コレステロールや血中脂質を下げながらダイエットにも活かしたい方は、アルコールタイプがおすすめです。
甘酒は健康維持に活用できる食品ですが、飲めば飲むほど効果が増す、というわけではありません。
まずは、甘酒をどのタイミングで取り入れられそうか考えましょう。
その際は、糖質が多いものとの置き換えが効果を感じやすいこと、欠食をしている場合は代わりに甘酒を飲むと次の食事の血糖値が上がりにくいことを意識してみてくださいね。

川野恵

管理栄養士プロフィール

◎川野 恵

給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。

▼Twitter
@kawa040508

甘酒ダイエットに関するQ&A

甘酒ダイエットって本当に痩せますか?
「甘酒を飲むだけでダイエットできる」という事実はまったくありません。しかし、甘酒がダイエットをサポートする力があることは確かです。ダイエットの基本は食事バランスを整えることだと忘れずに、適量の甘酒を飲んでみることをおすすめします。
甘酒を飲んでいますが、最近便秘です……
まずは食事のバランスが崩れていないか、水分は摂れているかどうか確認してみましょう。甘酒は腸内環境を整える力があります。しかし、腸との相性は個人差がありますので、一旦甘酒をやめてみて症状が落ち着くのであれば原因になっている可能性もあります。
夕食を甘酒のみに置き換えてもいいでしょうか?
夕食に甘酒のみを飲んでも大丈夫です。できれば夜にタンパク質を摂りたいので、プロテインを甘酒に混ぜるなど工夫すると、なお良くなります。
砂糖入りの甘酒はなぜ良くないのですか?
砂糖入りの甘酒が良くないわけではありません。「ダイエット中はおすすめできない」という意味で紹介しています。甘酒はもともと砂糖がなくとも麹菌とお米の相乗効果で深い甘味を感じるものですから、本来の美味しさを味わっていただければと思います。

お勧めの甘酒

甘酒には様々な種類があり、原材料によって用途や味、健康効果も異なります。
ここではかわしま屋が特におすすめしている甘酒をご紹介いたします。



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この記事を書いた人

二児の母。趣味はウォーキングで、毎日2時間歩いてます!