甘酒のアルコールは?運転前や子どもも飲める栄養満点ドリンクを解説
記事の監修
管理栄養士
川野 恵
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
「飲む点滴」と言われるほど栄養が多い甘酒。
とっても甘くて美味しいけど「酒」って名前についてるし、アルコールの仲間なのかも。
もしもアルコールなら、
「運転前に飲んではいけないのかな?」
「子どもには飲ませちゃだめなの?」
なんて気になりますよね。
甘酒のアルコールの量や気になることを、管理栄養士がくわしく解説します。アルコールを飛ばす方法も紹介しているので、最後まで読んでみてくださいね。
甘酒はアルコール飲料ではない
まずはじめに、甘酒はアルコール飲料ではありません。
甘酒は清涼飲料水のひとつであり、ジュースと一緒です。
ですが、ここでひとつ注意したいポイントがあります。
それは、甘酒には2つの種類があり、アルコールが含まれるものもあるということです。
甘酒は2種類ある
甘酒は、原材料によって2種類に区別されています。
- ・アルコール入り:酒粕+麹菌+酵母菌
- ・アルコールなし:お米+麹菌
ご覧のとおり、甘酒のノンアルコールタイプは酒粕を使用せず蒸したお米が主原料です。
そのため、年齢や場所を問わずに飲めます。
酒粕でつくる甘酒もノンアルコールがある
酒粕入りのものでも、加熱してアルコールを飛ばし、ノンアルコールとして販売しているものもあります。
お酒感は減りますが、酒粕どくとくの味わいも楽しめるため、禁酒中にもおすすめです。
また、お気に入りの酒粕でつくる甘酒をノンアルコールとして飲みたい方は、アルコールを飛ばす方法を参考に作ってみてください。
ノンアルコールの甘酒なら運転前でも子どもでも飲める
甘酒のノンアルコールのものであればジュースと同じです。そのため、運転前の人や子どもが飲んだとしても、心配する必要はありません。
しかし、アルコールに弱い方や小さなお子さんは、酒粕からつくる甘酒には気をつけましょう。
酒粕でつくる甘酒もアルコール飲料ではありませんが、人によってはアルコールが身体に影響を与える場合もあります。万が一ということもありますので、運転する前などは酒粕でつくられる甘酒は飲まない方が無難です。
アルコールが気になるときは、市販されている甘酒を買う際に原材料を見て「酒粕」があるかどうかを確認しましょう。
手作りの甘酒は運転前や子どもは避ける
ご自宅で酒粕を使って甘酒をつくる場合も気をつけてくださいね。
酒粕自体のアルコール度数は8.2%あります。なので、濃くつくればそれだけアルコールが強くなります。
もしも手作りの甘酒で飲んだことで事故が起こったり子どもの体調が崩れたら……きっと後悔しか残りません。手作りで酒粕の甘酒をつくるときは、飲むタイミングを考えるようにしましょう。
酒麹の甘酒のアルコールを飛ばす方法
酒麹の甘酒は、アルコール分を飛ばすことでいつでも誰でも飲めるノンアルコールに変身します。2つの方法を紹介するので、気になる方は真似してみてくださいね。
1.沸騰させる
甘酒を沸騰させることでアルコールを飛ばすことができます。強火でグツグツしっかりと加熱しましょう。
電子レンジで加熱すると吹きこぼれてしまう可能性大なので、鍋で様子を見ながら5分程度加熱するのがオススメです。
2.日本酒を加えてフランベする
甘酒に日本酒を加え、そこへ火をつけてアルコールを飛ばすこともできます。
お肉を焼くときなどに、油に火を回しているフランベと同じ方法です。
甘酒もフランベしてアルコールを飛ばすことができますが、これはご家庭でやるにはなかな度胸がないとできません……。なので、私のおすすめは1の沸騰させる方法になります。
妊娠中もOK!子どもと飲めるノンアルコールの甘酒をつくろう
甘酒、実は家庭で簡単につくれます。温度計の準備が必要ですが、それさえあれば美味しい無添加の甘酒ができますよ。
要るもの
- ・炊飯ジャー
- ・鍋
- ・温度計
材料
- ・米麹(乾燥)
- 1パック
- ・水
- 米麹の倍量
つくり方
- 1
- 鍋でお湯を沸かす
- 2
- 1を冷まして50-55℃になったら炊飯器のジャーに移す
- 3
- 2に米麹を入れて保温スイッチを押す。蓋は締めずにふきんをかぶせる
- 4
- 3を8~10時間放置したら完成
甘酒は家族で飲める栄養たっぷりのドリンク
甘酒は原材料によて2種類に分けられ、米麹から作るものはノンアルコールです。そのため、小さなお子さんや妊婦さんなども飲めますし、運転前も大丈夫。
しかし、酒粕を原料にする甘酒は少しだけアルコールが含まれるので、飲むタイミングなどに気をつけてください。
ノンアルコールの甘酒はご家庭でもつくることができますので、ぜひレシピを真似してオリジナルの甘酒をつくってみましょう。
●管理栄養士からのコメント
飲む点滴とも言われる甘酒。
名前からすると「お酒の仲間なのかな?」と思いますが、甘酒はアルコール飲料ではありません。
スポーツドリンクやジュースなどと同じ清涼飲料水のひとつです。
しかし発酵食品でもある甘酒は、ジュースとは違っていろいろな栄養がたくさん入っています。
例えばビタミンB群やミネラルなどです。
どの栄養素も量が多いわけではありませんが、身体に必要な一部を甘酒で補うことができます。
なので、栄養価の高い甘酒を飲みたい方はぜひチャレンジしてみてください。
小さなお子さんやお腹に赤ちゃんがいる方は、ノンアルコールタイプの甘酒を飲みましょう。
手作りの甘酒であれば原材料も分かるため、さらに安心ですね。
管理栄養士プロフィール
◎川野 恵
給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。
▼Twitter
@kawa040508
甘酒に関するQ&A
- アルコール入りの甘酒は飲酒運転の取り締まり対象ですか?
- 甘酒自体はアルコール飲料ではありませんが、代謝能力の低い方であれば甘酒でも違反の対象になる場合はあります。運転をすることが分かっているのであれ、ノンアルコールのものにしましょう。
- なぜアルコールがないのに「酒」が名前につくのですか?
- 甘酒は日本酒などと同じように酒蔵がつくるものであり、精製過程で発酵させているためです。お酒ではありませんが、甘酒とお酒は密接な関係にあります。
- 米麹の甘酒と酒粕の甘酒ではカロリーなどは違う?
- 米麹でも酒粕でも、甘酒のカロリーはそこまで大きな差はありません。しかし、酒粕を利用してつくる甘酒の方が、多少なりとも栄養価は高くなります。これは酒粕の甘酒で酵母菌を使うため。麹菌と酵母菌のWの力で栄養価がアップします。