毎日甘酒を飲む「甘酒探求家」!藤井寛さん取材

ブームもあり、多くのメーカーでさまざまな商品が出されている「甘酒」。
最近ではスーパーなどでも目立つエリアによく置かれていたりしますよね。
ネットを見ても甘酒に関する情報は数えきれないほど出てきます。

”甘酒の情報は溢れているけど、専門家から生の情報を教えてもらいたい!”という思いから今回は甘酒探求家の藤井寛さんにお話を伺いました!

藤井さんは幼いころから甘酒をこよなく愛し、現在に至るまで美味しい甘酒を探求し続け「あまざけ.com」というサイトも運営されています。

毎日飲むほど甘酒に魅了されている藤井さんに、甘酒の素朴な疑問から知られざる魅力までお聞きしていきたいと思います!

藤井寛(ふじい ひろし)さんのプロフィール

プロフィール

◎藤井 寛

”甘酒探求家黒猫クロぶー”こと、藤井寛(ふじい ひろし)さん
1985年、東京都新宿区生まれ。

幼い頃から祖父の漬けた漬物や、手作りの味噌、母親が日常的に作っていた甘酒など、発酵食品に親しみのある環境で育つ。

たまたま図書館で見つけた本に刺激を受けて発酵食品を作り出す食品微生物に興味を持ち、東京農業大学へ進学。2013年同大学の大学院を修了。

甘酒は日本が誇る発酵食品であるという信念のもと「甘酒探求家」として各地の甘酒を探し求めるとともに、至高の甘酒が作れるように日々奮闘中。

あまざけ.comの運営を手掛け、400本ほどの市販甘酒を飲んでレビューにしています。

よくある質問

 甘酒はなぜ甘いのでしょうか?

甘酒はなぜ甘いのでしょうか?
麹の作用によってお米の澱粉が糖に変わっている為です。
お米を食べるとき、口に入れて噛むことによってデンプンが糖に分解されて、それが甘く感じる経験を日常的にされていると思います。

専門的なことをいうと、人間の唾液や麹菌が作り出した消化酵素がデンプンを細かく分解し、出来上がったグルコースなどの小さな糖が、人間の舌で甘みとして感じるのです。

甘酒のつぶつぶは一体何でしょうか?
お米の細胞壁によるものです。
また専門的な話になってしまいますが、細胞壁の中にデンプンが蓄えられているのですがそれが作る過程で溶けだして細胞壁だけが残ります。
甘酒は子供でも飲めますか?甘酒を飲んで運転しても飲酒運転になりませんか?
米麹と酒粕の甘酒により違います。甘酒がこの2種類あることをわかった上で買って飲まないと危険ですね。

※まだ、6~7割くらいの方は区別がついていない様に感じています。

米麹のものはアルコールが含まれていないのでいくら飲んでも大丈夫ですが、酒粕のものはアルコールが含まれているため飲酒運転になる可能性があるので注意が必要です。

甘酒は妊婦の方でも飲めますか?
はい、飲めると言われています。

滋賀県の北島酒造さんの商品で作られた甘酒は赤ちゃんでも飲めると言われているものがありますよ。

http://xn--l8j4ao3n.com/review-of-amazake40-kitajima-shuzo/

甘酒はそのまま飲めますか?ストレートタイプって?
飲めるものと薄めて飲むものがありますね。

甘酒のつくり方は3種類あります。「かた作り」と「うす作り」と「はや作り」です。

「かた作り」は水が少ない状態でめちゃめちゃ濃い甘酒。

糖度がジャムのように30~40度あります。
甘すぎるので、一般的には”水で割って飲んでください”との表記があります。

「うす作り」は逆に水が多い状態のもので、あらかじめ薄まっているのでそのまま飲めます。わかりやすく”ストレート”という表記をされていることが多いです。

「はや作り」は麹だけで作られた甘酒のことで、麹の栄養素が一番詰まっている米麹の甘酒です。

\希釈不要!そのまま飲めるストレートタイプが人気/

“甘酒バナー”

効果・効能

効果・効能

甘酒は飲む点滴とも言われますが、そのゆえんとはなんでしょうか?
体の代謝を上げるビタミンB群が豊富に含まれているのと、消化が早いからです。

普通の食品は腸で消化分解して腸壁から吸収していくのですが、甘酒は麹の酵素によりすでに分解されています。

ですので「消化」の工程が無い分、夏バテなどで消化不良が起きていても、飲んだらそのままエネルギーになることがそのゆえんです。

ビタミンB群が多く含まれるリポビタンDなどと似たような成分で甘酒ができているため、最近ではスポーツ選手に甘酒を与えたりなどもしているようですよ。

米麹でつくられたものと酒粕とでは効能にちがいはありますか?
最近の甘酒ブームでは麹の甘酒の栄養素の方に注目が集まっていますが酒粕の甘酒の方も栄養素は高いです。

酒粕の甘酒にもビタミンB群が多く含まれており、乳酸菌などの微生物や酵母といった栄養素も豊富です。

また食物繊維や難消化性デキストリン、レジスタントプロテインなどが多く、それらは腸内細菌のエサになります。

しかし酒粕の甘酒は糖がアルコールに変わっているので甘みがないんです。
甘みをつけるためには白砂糖を足さないといけない。
それとアルコールの匂いも残っているのでみなさん嫌がるんです。

甘酒のカロリーは高いですか?
水分量が多いのでご飯茶碗一杯のごはんと同じ量の甘酒を比べると甘酒の方がカロリーは低いです。

しかし、あくまで甘酒も炭水化物ですので、摂りすぎはよくないと思います。

甘酒ダイエットという言葉を聞いたことがあるのですが、効果を期待できますか?また、期待できるのであれば効果的な方法はありますか?
ご飯よりも水分量が多いのでご飯の量を減らして甘酒に置き換えたりすればカロリーは減らせられるので良いと思います。

明確なエビデンスはないですが腸内環境を改善するという意味では効果があるかもしれません。

腸内環境を良くすることで、体質改善につながるというのは最近よく言われますよね。

また、代謝をあげて脂肪を燃やしてくれるといった意味では役立つとは思います。

甘酒は薬ではなく食品です。食べ物でのダイエット成果というのはゆるやかに出ると思うので、急激な成果は期待しない方が良いですね。

1日の適量はありますか?
極端に多くの量の甘酒を摂ると、炭水化物過多になってしまうので適量はあると思います。

普段食べているご飯の量を減らしてその分を甘酒に置き換えてあげるのが一番良いと思います。

甘酒の効果を目的とした良い飲み方は?

甘酒の効果を目的とした良い飲み方は?
腸内菌叢改善や代謝を促進するといった目的では豆乳とか他の発酵食品と一緒に飲むのが良いと思います。

あとは、加熱殺菌されていない自家製の甘酒などを塩麹と同じような使い方で使うのもおすすめです。

お肉にふりかけて使うことで酵素がお肉のタンパク質を分解してくれます。

夜寝るときに甘酒を飲むといいと聞きましたが本当でしょうか?もしくは、飲むのに良い時間帯というのはありますか?
酒粕の甘酒にはそのような効果があるかもしれません。

寝る直前に飲むと血糖値がグンとあがってしまうと思うので寝る2〜3時間前にご飯を食べ終えた方がいいと言われるのと同じように、
甘酒もそれと同じくらいの時間帯に飲むのが良いと思います。

その人の体調や持病によっても、効果的な飲み方は変わってくると思います。
厳密な事は、医師に相談した方が良いと思います。

甘酒は糖尿病に効果がありますか?
おすすめはできません。
あくまで甘酒は糖なので。糖尿病を気にされる方でそれでも飲みたいという場合はこちらも医師に相談するのが一番良いと思います。

家でのつくり方

甘酒を自宅で作る場合、どの道具を使って作るのがおすすめですか?
ヨーグルトメーカーが有ればそれが便利です。
ヨーグルトメーカーがない場合は、水筒で作ることがおすすめです。

最近のは機能が良いので、62度位から始まって、6時間後には58度位に保てるんですよ。
火をかけすぎていないフレッシュな生甘酒ができて美味しいですよ。

やり方は麹を水筒にそのまま入れて68度くらいのお湯を入れるだけです。
麹と混ぜ合わせると62度くらいまで下がります。

5〜6時間そのまま置いておけばできあがりです。
※水筒で甘酒を造る際は、水筒をきっちり熱湯殺菌することが必須です!

※参考までにhttp://xn--l8j4ao3n.com/recipe-4/

炊飯器で甘酒を作りたいのですが温度調整はどうすれば良いでしょうか?
蓋をすべて開けて置き、(炊飯器の裏などによくある)内蓋をずらして置いておくと良いです。

熱が逃げる状態にしておくことで62度くらいの温度を保てますよ。

※ただし、間違えて温度が70℃を超えてしまうと、62℃に戻しても美味しい甘酒にはなりません。

甘酒探求家として積極的に活動する藤井さん

———甘酒探求家として積極的に活動する藤井さん

ヨーグルトメーカーで甘酒をつくる場合、温度と保温時間はどれぐらいにしておけば良いのでしょうか?
温度は60度設定で、保温時間は基本的に6時間ですね。
冬などで温度が60度まで上がらない場合は、62~63度くらい上げてしまっても大丈夫です。

麹の質が悪かったり、温度が60度まで上がらないまま作ると甘くならないので、そういった場合は8~9時間保温すると甘くなりますよ。

ちなみにヨーグルトメーカーで作るやり方は温度の管理などもしなくて良いし、初心者でも作りやすくおすすめです。

※美味しい麹はこちらに調べてまとめてあります。

http://xn--l8j4ao3n.com/index-of-koji/

甘酒はどれぐらい日持ちしますか?
使う麹とつくった環境によりますがだいたい3〜4日です。
作ったら冷蔵庫にいれて保存してください。

もう少し長く保存したい場合はジップロックなどに入れて冷凍庫でも良いです。
凍らせた場合は自然解凍か冷蔵庫に入れるか、もしくは電子レンジで解凍しても大丈夫です。

甘酒の火入れとは何ですか?
82度くらいまで温度を上げることにより、酵素や酵母の働きをとめ、その他の菌を殺すことです。やり方にもよりますが半年〜一年ほど保存が効くようになります。

酵素がいる状態の甘酒というのは家庭でつくる甘酒の醍醐味ともいえます。

火を入れすぎるとほろ苦いカラメル風味のある味わいに変わってしまうので注意が必要です。

甘酒を自宅で作ろうとしてレシピを検索すると、米を入れるものとそうでないものがでてきます。米の有無によってなにが変わるのでしょうか?
米を入れず米麹だけの甘酒の方が粒がきれいで甘さが際立った甘酒ができると感じています。

特筆すべきは、麹だけで作ると、米を入れる甘酒よりも、麹由来の栄養素がたくさん含まれた甘酒になるところも良いところです。

甘酒の作り方

甘酒の作り方|かわしま屋コンテンツ
はじめてでも失敗しない、美味しい甘酒の作り方をご紹介します。
かわしま屋では、「米麹だけ」で作る甘酒と「お米と米麹」を使う甘酒の2種類をご紹介します。
甘酒の作り方の記事を見る

その他甘酒について

甘酒の味が苦手だという方もいらっしゃいます

甘酒の味が苦手だという方もいらっしゃいますが、そういった方でも飲みやすくなるおすすめのアレンジ方法などはありますか?
酸味のあるフルーツと合わせると良いですよ。酸味のあるものと相性が良いので。
バナナやキウイやオレンジと合わせてスムージーにして飲むと良いと思います。

あとは、ジップロックに入れて凍らせてパキパキと割って食べるのも美味しいですよ。

夏場はシャーベット感覚で僕も食べています。(笑)

甘酒はなぜ「酒」とつくのでしょうか?
甘酒という表記は戦国時代末期ごろから始まったそうで、甘口のお酒のことを甘酒というようになったようです。

昔からある「醴酒(れいしゅ)」と呼ばれるものが甘酒の始まりだったといわれています。

この醴酒というのは日本書紀にも書かれているほど古く、甘口のお酒だったようです。

藤井さんについて

甘酒の魅力とは一言でいうと何でしょうか?

甘酒の魅力とは一言でいうと何でしょうか?
「世界が広い」です!

文化的にも広いし発酵食品としても広い・・・。麹だけみても世界中で文化があって面白いです。

藤井さんが選ぶベストオブ甘酒を教えてください
ほかに、藤井さんが面白いと思った変わり種の甘酒商品はありますか?
宮崎の牛乳でつくられた『百白糀』という甘酒です。
http://hakusuisha.jp/hyakubyakukouji/

僕的にはとても美味しかったです。

あとは飲むヨーグルトのような、ヨーグルトの甘酒もありますよ!

あまざけ.comのページを拝見し、世界にも甘酒があることに驚きました。日本のものと比べてちがいはありますか?
原材料は同じなのですが、味はまったく違います。つくる工程がちがうんですね。
海外のものも美味しいですよ。
甘酒探求家として、こうなっていきたい!とか、こうしていきたい!という目標や野望はありますか?
世界に甘酒を発信していきたいし、逆に世界の甘酒を日本にも広めていきたいと思っています。

インドネシアにブルムという発酵のお菓子があるんですが、日本の発酵文化と通ずるものがあって。そういった世界の発酵食品も取り扱っていきたいと思っています。

ブルム

———こちらが「ブルム」。いただいてみると、さわやかな酸味とどこかなつかしい味が!藤井さんの”発酵文化は世界と通ずる”という言葉にうなずけます。

「腸活甘酒」を飲んでいただきました!

———かわしま屋で作っている「腸活甘酒」を飲んでいただきました!

かわしま屋の腸活甘酒、いかがでしょうか?
乳酸菌が1本で一兆個入っているというコンセプトはすごく良いと思います。

ーーー光岡知足さんの一日の摂取量が乳酸菌 一兆個の摂取を3ヶ月つづけると免疫力がたかまるという臨床結果が出ております。

一兆個の乳酸菌をヨーグルトで摂取しようとすると、10L以上もの量が必要になり、あまり現実的ではありません。

かわしま屋の腸活甘酒は、もっと手軽に一兆個の乳酸菌を摂取できるためにどうしたらよいか、というコンセプトで開発した商品なのです。

これ2本で一兆個の乳酸菌が摂取出来ます。しかも日本の発酵食品由来の植物性乳酸菌だけでこれほどの乳酸菌が含まれているのは他には無いんです。

それは面白いですね。うん。美味しい。飲みやすいと思いますよ。

僕はいままで400種類以上の甘酒を飲んできて、本当に素晴らしい甘酒も飲んできました。

最高評価10まではいきませんが、評価でいうと8くらいですかね。とても美味しいと思います。

味も美味しいですが、それ以上にこの甘酒は機能性が主なので、そのコンセプトも面白いと思います。

甘酒探求家としての藤井さん

いかがでしたでしょうか。

東京農業大学のご出身であることもあり、化学的な視点で甘酒についてお答えいただけました。

また甘酒はフルーツと相性が良いことや、牛乳の甘酒があることに驚きました!
個人的に飲まず嫌いをしていた甘酒ですが、さっそく飲んでみたいと思いました(笑)

甘酒探求家としての藤井さんの活動がこれからも楽しみです。

お忙しい中お時間を割いてくださった藤井さん、誠にありがとうございました!

甘酒の正しい飲み方とは

甘酒の正しい飲み方とは?|かわしま屋コンテンツ
お米の優しい甘みが美味しい「甘酒」。
起源はなんと古墳時代に遡り、米麹を混ぜて60℃ぐらいの温度で保温し、一晩程度おくだけで出来るため、古くは一夜(ひとよ)酒とも呼ばれています。
栄養豊富な甘酒は体力回復に効果的ないわば「夏の栄養ドリンク」として、江戸時代から夏の風物詩とされていました。

甘酒の正しい飲み方とは?の記事を見る

玄米甘酒の作り方

玄米甘酒の作り方|かわしま屋コンテンツ
玄米甘酒とは、玄米と麹をあわせ、発酵させて作る甘酒です。
私達が知っている甘酒には酒粕から作られるものと麹やお米で作られるものの2つのタイプがあります。
玄米甘酒の作り方の記事を見る

甘酒のおすすめ商品

かわしま屋の取り扱い商品をご紹介いたします。





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