イソマルトオリゴ糖で腸内環境が改善?|6つの効果とは




記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

雑誌やテレビで話題になっているイソマルトオリゴ糖って何だろう?
体に良いとは聞くけど、イソマルトオリゴ糖を摂ると具体的にどんな効果があるの?
あわせて、オリゴ糖や砂糖との違い等も知りたいと考えていませんか。

本記事では下記について解説します。

イソマルトオリゴ糖とは?

イソマルトオリゴ糖

でんぷんを原料とする糖質で、味の質がまろやかなのが特徴です。
人工的にも作れますが、天然にも存在しているため安全性の高い糖質と言えるでしょう。
砂糖に比べて甘みは低いですが、腸内環境を整える作用のあるプレバイオティクスとしての効果も注目されています。
砂糖よりもエネルギーが低いのでダイエットにも十分使える甘味料ですし、加熱に強いので料理にも適した糖質になります。

特定保健用食品

特定保健用食品

イソマルトオリゴ糖は、消費者庁が許可している「特定保健用食品」の成分として認可されています。
イソマルトオリゴ糖を使用した商品には、お腹の調子を整える等と記載されたものがあり、その効果や安全性も認められたものですので、安心して摂り入れることができるでしょう。
消化や吸収の大部分は腸が担っており、お腹の調子を整えるとは、いわゆる腸の調子を整えるということですので、様々な健康効果が期待できます。
下記にて詳細に解説していきます。

オリゴ糖食品の種類と3つの効果|便秘や糖質の悩みに効果的?

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イソマルトオリゴ糖の効果

イソマルトオリゴ糖の効果

イソマルトオリゴ糖の健康効果は、様々なものがありますが、大きくわけて6つです。

イソマルトオリゴ糖の効果1 便やおならの臭いが改善される

便やおならの臭いが改善される

便やおならの臭いが強くなる原因は腸内環境の悪化にあります。
腸内環境とは、腸内細菌のことを示します。
腸内細菌には善玉菌、悪玉菌、日和見菌(ひよりみきん)の3種類にわかれます。
その名の通り善玉菌は良い働きを、悪玉菌は悪い働きを、日和見菌は善玉菌か悪玉菌が優勢になったほうの味方につきます。
悪玉菌が増えて勢いがつけば、腸内環境は悪化して腐敗臭が強くなってしまいます。
逆に悪玉菌が少なく善玉菌が多くなれば腸内環境は改善され、臭いも軽減されます。
仮に臭いが強くなれば、今の生活習慣や食習慣を改善する目安になりますし、臭いがあまり気にならない程度であれば現在の習慣を続けていく、という判断の材料としても良いでしょう。
理想的な腸内細菌のバランスは、善玉菌3、悪玉菌1、日和見菌6が最適です。
もちろん、数字を意識する必要はありませんが、善玉菌を増やすということを意識していくことが大切と言えるでしょう。

イソマルトオリゴ糖の効果2 便通が良くなる

便通が良くなる

特に女性の悩みとして挙げられるのが「便秘」です。
体の仕組みとして仕方ないのですが、ホルモンバランスの関係で女性は便秘、男性は下痢に悩まされやすいです。
まず、便秘ですが、イソマルトオリゴ糖を摂り入れることで便秘の改善に働きかけます。
便秘の原因はさまざまな条件がありますが、そのうちの1つは腸への刺激が少ないことです。
イソマルトオリゴ糖が腸内細菌の中の善玉菌のエサになり、短鎖脂肪酸といったような酸を作り出します。
この酸が腸に刺激を与えることによって便秘が改善されるケースがあります。
下痢については、悪玉菌が優勢になることで起こります。
イソマルトオリゴ糖で善玉菌が酸性の環境を作り上げることで、悪玉菌が増えないので下痢が収まります。
下痢や便秘の悩みがつきない方はイソマルトオリゴ糖を積極的に摂り入れてみても良いでしょう。

参考:
・イソマルトオリゴ糖摂取が健常人の便通と腸内環境に及ぼす影響

イソマルトオリゴ糖の効果3 免疫力が上がる

免疫力が上がる

イソマルトオリゴ糖の摂取によって腸内環境が整うと、体の抵抗力が増して免疫力アップにつながります。
免疫の70%は腸に集中しています。
腸は人間の一番大きい吸収器官ですので、良からぬものたちを吸収してしまう可能性も多分にあります。
腸内環境が悪いと食べ物についた菌をうまくバリアで防ぐことができず、吸収されて血管に入り全身に運ばれていってしまうことで様々な病気にかかります。
逆に腸内環境が良い状態にあると、きちんとバリア機能が働き、菌をやっつけることができます。
病気にかかりやすかったり、抵抗力が無くて体が弱いと感じる方は前述した腸内細菌のバランスが悪い可能性が高いので、腸を元気にするための方法の1つとしてイソマルトオリゴ糖を摂り入れてみると良いでしょう。

イソマルトオリゴ糖の効果4 栄養の吸収が良くなる

栄養の吸収が良くなる

腸内は普段弱アルカリ性ですが、善玉菌のエサであるイソマルトオリゴ糖を摂り入れることで短鎖脂肪酸などの酸性物質を作り出します。
腸内が酸性にかたむいていると、ミネラル分の分解が促されて体への吸収が良くなります。
骨を強くするカルシウムについても、いくらカルシウムが多く含まれている食品を食べても吸収されなければ無意味・・・とまでは言いませんが、いかにも非効率です。
カルシウムに限らず食べた食品の栄養成分が、体に100%吸収されることはありえないので、いかにして体への吸収率を高めていくかが大切になってきます。
当たり前ですが、栄養成分が吸収されなければ「使えない」のでミネラルに限らず栄養全般に関しても重要なポイントだと言えるでしょう。

参考:
・―オリゴ糖開発研究の現状と将来― 中久喜輝夫 (なかくき てるお)

イソマルトオリゴ糖の効果5 幸せホルモンが増える

幸せホルモンが増える

腸でセロトニンやドーパミンというホルモンがたくさん作られることで、幸福感や満足感を感じることができ、うつ病の改善に期待できます。
セロトニンとは満足感を感じ、ドーパミンは心のワクワク感を感じるもとになります。
このセロトニンとドーパミンの前段階の物質が大多数は腸で作られていますが、腸内環境の状態によって作られる量が異なります。
すなわち、腸内細菌の悪玉菌が少なく、善玉菌が優勢な状況だとこのセロトニンやドーパミンが盛んにつくられることになりますが、逆に腸内細菌の善玉菌が少なく悪玉菌が多くなっているような腸内環境だと、セロトニンやドーパミンの生産量が著しく少なくなります。
そうなると、生活上での気持ちの浮き沈みが多くなり、不幸感が増えて精神的にも弱い傾向になってしまい、うつ病のきっかけにもなります。
また、セロトニンに関していえば、90%以上が腸にあり、脳にあるのはわずか2%です。
腸は第2の脳と呼ばれる理由がここにあります。
腸内環境の良し悪しで気分的なムラが出るということは、大げさに言えば腸内細菌の種類や量によって物事の捉え方や感じ方が違ってくるということです。
腸を大事にする習慣の1つにイソマルトオリゴ糖の摂取を実践してみても良いでしょう。

参考:
東京医科歯科大学名誉教授、藤田紘一郎著:「腸にいいこと」だけをやりなさい!

イソマルトオリゴ糖の効果6 美肌効果が期待できる

美肌効果が期待できる

腸内環境が整うと、肌ツヤが良くなります。
経験的に女性はご存知だと思いますが、下痢や便秘が続くと肌荒れがどんどんひどくなっていきます。
理由は、腸内細菌がビタミンKや各種ビタミンB群、さらにはビタミンCを作る働きを担っているからです。
特にビタミンB群が減ってくると、皮膚が炎症を起こしたりニキビの原因になったりします。
肌の再生力も失われてきて肌荒れだけでなく、口内炎にもつながってしまいます。
ビタミンCが減ってくると、活性酸素と呼ばれる、細胞を攻撃してくるものに対して反撃する力が落ちてくることによって、シミやくすみ、シワにもつながります。
腸内環境が整うと、腸内細菌が本来の機能をとりもどして、ビタミンを目一杯作ってくれるようになるので、自然と肌の調子が良くなります。
腸と肌の機能が似ている理由は、母親のお腹の中で、受精卵からどんどん分裂するときに同じ箇所から発生しているからです。
腸内環境を良くすることは、体の内側だけではなく外側にも影響してきますので、特に女性は意識していくと良いでしょう。

参考:
東京医科歯科大学名誉教授、藤田紘一郎著:「腸にいいこと」だけをやりなさい!

イソマルトオリゴ糖に関するQ&A

イソマルトオリゴ糖に関する疑問などを解説していきます。

1日の摂取量の目安とは?
1日10gを目安に摂取すると良いでしょう。
他のオリゴ糖に関しても、多量に摂り入れると効果が倍増するわけではありません。
病気が治ったり軽減したりするものでもありませんので、きちんと目安量を守る必要があります。
効果的に摂るタイミング
食品なので基本的にはいつ頃摂っても良いのですが、1度にまとめて摂ると人によってはお腹がゆるくなることがありますので、1日のうちでも数回にわけて少量ずつ摂っていくことをオススメします。
摂り忘れを防ぐ目的で、あらかじめ食事中に摂ると決めても良いでしょう。
料理に使えるの?
味の質がまろやかで熱や酸などにも安定しており、うま味もあるので、もちろん料理にも適しています。
砂糖のかわりにイソマルトオリゴ糖を用いると前述したような各種生理作用も期待できます。
イソマルトオリゴ糖とオリゴ糖の違いって?
オリゴ糖というカテゴリーの中にイソマルトオリゴ糖があります。
オリゴ糖の中でも様々な種類があります。
原料による種類わけがされており、ショ糖関連のオリゴ糖や乳糖関連のオリゴ糖、大豆オリゴ糖などがありますが、「オリゴ糖」と名前がついているものは基本的には効果が似通っています。
構造の違いで消化分解のしやすさが変わるのでエネルギー量には多少差がありますが、腸内の善玉菌が増える作用があることには変わりありません。
イソマルトオリゴ糖と砂糖の違いって?
イソマルトオリゴ糖の甘みレベルは砂糖の30~60%ほどになります。
ですが、砂糖のような精製糖と違い、前述したような健康効果が期待出来る点が大きな違いと言えるでしょう。
世間的には砂糖が悪いということが盛んに言われていますが、砂糖はメリットもたくさんあります。
すぐに消化吸収されるのでエネルギーとして使われるのが早いということも魅力の1つです。
もちろん、大量に摂ると問題になりますので、適切な量を摂ることが大切だと言えるでしょう。
どのような食品に含まれているか?
みりんや味噌や醤油、蜂蜜などの天然にもイソマルトオリゴ糖は含まれています。
ですが、摂取目安量の1日10gを摂ろうと考えた場合、食品に含まれるイソマルトオリゴ糖の量は微量なので必要量を満たすことは難しいと言えます。
イソマルトオリゴ糖の摂取方法
市販されているイソマルトオリゴ糖が含まれているシロップを活用すると便利でしょう。
和え物や煮物などの料理にも使えますし、ヨーグルトなどのデザートにかけても良いでしょう。
注意点としては、甘みレベルが砂糖の30~60%ほどですので、甘みに慣れた食生活をしていた場合にイソマルトオリゴ糖入りのシロップでは物足りなく感じるかもしれません。
そこで砂糖と同じ甘みにしようと、イソマルトオリゴ糖を入れすぎると糖分自体の過剰摂取につながりますし、大量に摂りすぎてお腹がゆるくなってしまう場合もあります。
普段の調理で、砂糖に頼り過ぎないように旬の食材を使ったりして、食品本来の甘みに慣れておくように努めるとよいでしょう。

参考:
・消費者庁 特定保健用食品(規格基準型)制度における規格基準

●管理栄養士からのコメント

イソマルトオリゴ糖をはじめとしたオリゴ糖には、便やおならの臭いが改善される、便通が良くなる、免疫力が上がる、栄養の吸収が良くなる、幸せホルモンが増える、美肌が期待できるなど、多くの健康効果が期待できます。

普段、料理に砂糖ばかりを多用している方は、イソマルトオリゴ糖に切り替えてみると、健やかな生活を送ることができるキッカケになることでしょう。

稲尾 貴子

管理栄養士プロフィール

◎影山敦久

管理栄養士、栄養教諭。子どもからお年寄りまで幅広い年代の方に栄養指導や料理教室を行うかたわら、特定保健指導にも携わる。得意分野はダイエットとスポーツ栄養。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。