羅臼昆布には、他の昆布と比べてもしっかりと強い旨味があります。それを見た目で証明するのが、表面に白く浮き出た粉です。
これは、昆布に含まれる豊富な旨味成分の中でもおいしさの決め手となる「マンニット」が結晶したものです。
(※昆布の色合いには個体差があります。)
マンニットと並ぶ昆布の旨味のもとであるグルタミン酸についても、
日高昆布の昆布だしには1,257mg/100g、利尻昆布の昆布だしには1,904mg/100gが含まれているのに比べ、非常に栄養豊富な狭い海域のみで取れる羅臼昆布の昆布だしには、3,384mg/100gものグルタミン酸が含まれており、科学的にも群を抜いて旨味成分が多いことがわかっています。
(出典:NPO法人うま味インフォメーションセンター)
主役級の旨味は、出汁にもお料理のアクセントにも。
羅臼昆布は他の昆布と比べても旨味が非常に強いため、出汁をとるなら合わせ出汁よりも、羅臼昆布だけで出汁をとり豊かな旨味をそのままお料理に活かすのがオススメです。
また、柔らかくとろけるような食感と、表面から旨味が出やすい特徴があるため、そのままおやつに食べても美味しく、昆布締めに用いて魚介類や野菜に羅臼昆布のたっぷりの旨味をプラスするという使い方もあります。
出汁昆布として使う場合
羅臼昆布のしっかりと濃厚な出汁は、旨味が活きるシンプルな麺類のスープや鍋ものなどに向いています。旨味が強い分、塩分が控えめでも満足感のあるお料理を作ることができます。
< 昆布出汁うどん >
材料(2人分)
昆布出汁 1L
醤油 小さじ1
塩 少々
うどん 2玉
お好みのトッピング(ねぎ、海苔、玉子、かまぼこ、わかめなど)
- 1.昆布出汁をいれた鍋を中火にかけ、鍋の底からふつふつと気泡が出始めたら火を止め、5分ほどおきます。
- 2.別の鍋で、うどんをゆでておきます。
- 3.「2.」の鍋に塩と醤油を加えて再度弱火にかけ、沸騰直前で火を止めます。
- 4.器にゆでたうどんを入れ、上から出汁を注いでお好みのトッピングとお召し上がりください。
羅臼昆布の濃厚な旨味をそのまま味わえるスープは、うどん以外のにゅうめん、もち麦麺などのシンプルな麺料理の出汁としてもお使い頂けます。
< 昆布出汁の水炊き >
材料(2人分)
昆布出汁 1L
鶏もも肉 250g
白菜 1/8個
長ネギ 1本
しいたけ 4個
水菜 1束
豆腐 1/4丁
- 1. 具材を全て食べやすい一口大に切っておきます。
- 2. 昆布出汁を入れた鍋を火にかけ、沸騰直前に鶏もも肉を入れます。
- 3. 沸騰したら、白菜・長ネギ・しいたけを加えます。
- 4. 豆腐と水菜を追加して再度沸騰したら火を止め、できあがりです。ポン酢にお好みの薬味をいれてお召し上がりください。
お肉や魚介類、きのこ(特にグアニル酸を豊富に含むシイタケ)と合わせると昆布の旨味が更に引き出されることがわかっているため、様々な具材を一緒に煮る鍋料理は羅臼昆布のお手軽な使い道としておすすめです。
乾燥昆布をそのまま使う場合
表面からも旨味成分が出やすい特徴を活かして、昆布巻きとして豊かな旨味をお手軽に楽しむことができます。
また、繊維質が少なく柔らかいため、小腹が空いた時にそのまま食べる健康おやつにもピッタリです。
< 野菜とお刺身の昆布締め >
材料(2人分)
羅臼昆布 適量
刺身 適量
生野菜 適量(きゅうり、にんじん、白菜、かぶなど水気のあるもの)
塩 適量
- 1.素材を上下から挟むために適当な大きさの昆布2枚を用意します。乾いたふきんなどで軽く昆布の表面の汚れを取って、広げたラップの上に1枚を置きます。少し塩をふって、その上に食べやすい一口大にした刺身と野菜を重ならないようにそれぞれ並べ、その上からまた少し塩をふってもう一枚をかぶせます。
- 2.刺身や野菜と昆布の表面がしっかりくっつくように、きつくラップで巻いて重しをのせ、冷蔵庫で1時間〜寝かせればできあがりです。
冷蔵庫でねかせる時間が短ければ、昆布がふんわり上品に香ります。ねかせる時間が長くなるほど、水分が出てひきしまった素材に入り込んだ強い旨味を楽しむことができます。
※刺身の昆布締めの場合は、賞味期限の翌日を目安に食べきってください。
出汁をとった昆布をお料理に使う場合
出汁を取ったあとの羅臼昆布は他の昆布と比べてとても柔らかく噛みやすいため、小さなお子様やご高齢の方にも心配なくお召し上がりいただけます。
昆布を丸ごといただくことで、水に溶けださない栄養素も摂取できます。
< 昆布の佃煮 >
羅臼昆布 60g
水 300ml
酢 大さじ2
酒 大さじ2
砂糖 大さじ2
醤油 大さじ2
みりん 大さじ2
- 1.出汁をとった後に細かく切っておいた昆布を鍋にいれます。
- 2.水とお酢を加えて中火にかけ、沸騰したら酒・砂糖・醤油・みりんを加え弱火で30分煮込みます。
- 3.水分がなくなるまで煮詰めたら完成です。
出汁をとる度につかった昆布を細かく切って冷凍保存しておけば、まとまった量になった時に解凍して佃煮を作ることもできます。
身体が「喜ぶ」、栄養豊富なアルカリ性食品
肉や炭水化物、砂糖や加工食品など身体を酸性にする食品が中心の現代の食生活は、病気や老化のもとになってしまいます。
昆布は「最強のアルカリ性食品」と呼ばれ、身体を健康な弱アルカリ性に保つためのお助け役です。
必須ミネラルをほとんど網羅しており栄養も豊富なので、出汁だけでなく昆布そのものもいただくことが理想です。
豊富な食物繊維は腸活にピッタリ
昆布には、アルギン酸やフコイダンという海藻特有の水溶性食物繊維が含まれており、水に浸すことでこれが溶け出してねばり・とろみが出ます。
不溶性食物繊維も含めると、ごぼうの約5倍にもなる食物繊維が含まれており、おなかのモヤモヤに悩みがちな方やスリムを目指す方にもオススメです。
お腹をスッキリさせたい、髪の健康を保ちたい方には、海藻特有の食物繊維フコイダンをお手軽に摂取できる昆布水がおすすめです。
< 利尻昆布の昆布水 >
水 1.5L
昆布 20g程度
- 1.昆布約20gを5mmほどの幅にカットして保存容器にいれ、水を1.5L加えます。
- 2.冷蔵庫で保存し、8時間~1日経ってねばりが水に溶け出した状態でいただきます。
- ※2週間を目安に飲み切ってください。摂取の適量はコップ1杯分/日です。
昆布の豊富な栄養素が溶け出した昆布水は「命の水」とも称され、毎日の健康維持や美容対策の心強い味方です。
そのまま飲用にしても、出汁としてお料理に用いることもできます。
カルシウムの力で身体を丈夫に
昆布に含まれるカルシウムは、牛乳の6倍です。しかも海藻に含まれるカルシウムは、乳製品のカルシウムよりも良質で人間の身体に馴染みやすく、消化吸収率が高いことがわかっています。
カルシウムは体内で作り出せない栄養素ですが、日々の食事に昆布を用いればカルシウム不足を防げます。
鉄分不足を解消して、疲れにくい身体に
昆布には、ほうれん草の約3倍の鉄分が含まれており、疲れを感じやすい身体の基礎力アップ食材としてもすぐに取り入れていただけます。
健康維持に欠かせない成分、ヨウ素
ヨウ素(ヨード)は成長ホルモンの分泌にも関連するため、身体のめぐりの不調が気になる方や、心身の発育の時期にある子どもにとっても大切な栄養素です。
ヨウ素は必須ミネラルの一種で、日々少しずつ摂取することで健康維持の助けになります。
大豆食品と一緒に食べることで、大豆に含まれるサポニンが身体をサラサラに保つ効果を更に強力にしてくれることが知られており、味噌汁や湯豆腐など日本の伝統食は理に適った昆布の食べ方だといえます