味噌の種類を知って使いこなす!特徴と選び方をマスターしよう

味噌汁や炒め物、煮物など、様々な料理に活用できる味噌。
普段何気なく使っている味噌ですが、種類や特徴、選び方をマスターすることでグッと料理の幅が広がります。
普段使っている味噌がどんな種類なのか?普段と違った味噌を体験してみたい!そんな方はぜひ参考にしてください。
麹で変わる味噌の種類と特徴

味噌の種類は、味噌作りに使っている材料や量、熟成期間によって分けられています。
ここでは味噌の種類を分ける際の根幹になる「麹」による分類について紹介していきます。
- 米麹
- 麦麹
- 豆麹
米味噌
米味噌は大豆+塩+米麹で作られる味噌のことを言います。
米味噌は全国各地で生産されており、もっとも流通量の多い味噌。
味や色の種類が多く、地域によって違った味わいが楽しめます。
基本的にはクセが少なく、食べやすい味わいが特徴です。
麦味噌
麦味噌は大豆+塩+麦麹で作られた味噌のことを言います。
主に九州や四国といった地域で生産され、米味噌にはない麦独特の香ばしい風味があります。
含まれる麹の割合が高く、甘さがあるのも特徴です。
豆味噌
豆味噌は豆麹と塩だけで作るもっともシンプルな味噌。
「八丁味噌」に代表される独特な味わいがあり、東海地方を中心に生産されています。
甘さは少なく、濃厚なうま味を感じられるのが特徴です。
調合味噌
調合味噌は数種類の味噌を組み合わせる、あるいは数種類の麹を組み合わせて作る味噌のことを言います。
自分好みに合わせて自由にブレンドもできるので、普段とは違ったオリジナルな味わいが楽しめます。
参照:https://www.jfftc.org/rule_kiyaku/pdf_kiyaku_hyouji/miso.pdf
味で変わる味噌の種類と特徴

味噌の種類は塩分濃度や麹歩合(大豆に対する麹の割合)で変わる「味」によって、さらに3つに分けられています。
- 甘味噌
- 甘口味噌
- 辛口味噌
米味噌の甘味噌、麦味噌の辛口味噌といったように分類され、塩分濃度が高くなれば辛口に、麹の量が多くなれば甘口になります。
ただし、豆味噌に関しては大豆を原料とする豆麹がすべてを占めているため甘味噌や甘口味噌、辛口味噌といった分類はありません。
甘味噌
甘味噌は塩分濃度は5~7%と、もっとも米麹の割合が高く、塩分濃度が低い味噌。
代表的な味噌としては西京味噌や江戸甘味噌などがあります。
甘口味噌
甘口味噌は塩分濃度が7~11%と、甘さと塩気のバランスが取れている味噌。
スーパーなどで売られている味噌の多くが甘口味噌に分類されており、馴染みのある味わいと言えます。
辛口味噌
辛口味噌は塩分濃度が11~13%と、もっとも高い味噌。
代表的な味噌としては信州味噌や越後味噌などがあります。
塩分濃度が高いため保存性に優れ、香り高いのが特徴です。
色で変わる味噌の種類と特徴

味噌は熟成を重ねることで色が濃く変化していきます。この色の違いから大きく3つに分類されます。
- 赤味噌
- 白味噌
- 淡色味噌
あくまでも色は熟成期間の変化によるもののため、「濃いから塩味が強い!」「薄いから甘い!」といったように見た目で味の判断はできません。
また、色による分類は米味噌のみで、米味噌甘口の白、米味噌辛口の淡色といったように分類されます。
赤味噌
赤味噌は1年以上長期熟成させたもの。
熟成期間が長くなるにつれて色が濃くなり、黒色に近い色合いになっていきます。
長期熟成させるためには塩分濃度を高くする必要があるため、辛口味噌が一般的。熟成によるコクとうま味が特徴です。
淡色味噌
淡色味噌は4~8カ月の熟成が行われた、白と赤の中間的な色合いの味噌。
一般に売られている味噌の中でもっとも多い色で、甘口から辛口まで幅広いラインナップがあります。
白味噌
白味噌は熟成が約1カ月程度と、もっとも熟成期間の短い味噌。
淡い色合いが特徴で、米麹の割合を高くした甘みのある味噌が一般的です。
熟成期間が短いため、まろやかさのある味わいが特徴です。
地域で変わる味噌の種類と特徴

北海道味噌
北海道味噌は寒冷な気候や風土を活かした、中辛口の米味噌が特徴です。
麹歩合はやや高く、塩分はやや控えめで、やさしく香り豊かな味わいです。
北海道の郷土料理である、ちゃんちゃん焼きやてっぽう汁、石狩鍋などに使われています。
津軽味噌(青森)
津軽味噌は「津軽三年味噌」に代表される長期熟成された米味噌の辛口が主流。
長期熟成のために塩分は高い傾向にありますが、まろやかで深みのある味わいです。
青森の郷土料理であるじゃっぱ汁やせんべい汁、イカの鉄砲焼きなどに使われています。
秋田味噌
米どころ秋田の良質な米と大豆を使って作られた米味噌の辛口が主流。
辛口でありながら甘さを感じる味わいで、比較的麹歩合が高いのが特徴。
秋田の郷土料理である三杯味噌や味噌たんぽなどに使われています。
仙台味噌(宮城)
仙台味噌は伊達政宗の時代から原料と配合を守り続けている味噌。
長期熟成された米味噌の辛口、赤が主流です。濃厚な旨味と味わい、風味があります。
宮城の郷土料理であるしそ巻きやばっけ味噌などに使われています。
会津味噌(福島)
会津味噌は厳しい気候の中で作られる長期熟成された米味噌の辛口が主流。
長期熟成を行うために塩分量は多くなっていますが、熟成によってまろやかで親しみやすい味わいが特徴。
福島の郷土料理である焼き田楽や味噌納豆、鉄火納豆などに使われています。
江戸甘味噌(東京)
江戸甘味噌は麴歩合を高く、塩分を少なくした甘みに特徴のある米味噌の甘口です。
粘度が高いものが多く、ねっとりしたものが一般的。和菓子やどじょう汁などに使われています。
越後味噌(新潟)
米どころである新潟の米麹を使って作られる辛口味噌。
麹の甘さと塩分のバランスが取れており、しっとりなめらかな味わいが特徴です。
新潟の郷土料理であるいもみそやけんさん焼きなどで使われています。
信州みそ(長野)
信州味噌は代表的な米味噌で淡色・辛口を特徴としており、さっぱりとした旨味と豊かな香りを持ち合わせています。
長野の郷土料理であるこねつけや具だくさん味噌汁などに使われています。
加賀味噌(石川)
加賀味噌は長期熟成された米味噌の辛口味噌が主流。味が濃厚でコクがあり、やや塩気を感じる味わいが特徴です。
石川の郷土料理であるめった汁やいとこ汁などに使われています。
東海豆味噌(愛知、三重、岐阜)
東海豆味噌は八丁味噌を代表とし、名古屋味噌や三州味噌、三河味噌、などの豆味噌を総称したもの。
濃厚でうま味が強く、渋み、苦味なども持ち合わせているのが特徴。
高温多湿の環境下で作られるため塩分量は多く、長期熟成されたものが一般的です。味噌カツや味噌煮込みうどん、味噌おでんなど、様々な料理に使われています。
関西白味噌(関西地方)
関西白味噌は関西地方で作られた白味噌を総称して呼ばれており、塩分量の少ない甘口の味噌が主流。
熟成期間が短いため、なめらかで優しい味わいが特徴です。練り味噌や田楽、お雑煮などで使われています。
府中味噌(広島)
府中味噌は麹歩合の高い米味噌で、甘さが特徴です。
良質なお米と脱皮した大豆を使い、きめ細かく豊かな風味があります。だんご汁やお雑煮に使われています。
讃岐味噌(香川)
関西白味噌、府中味噌に並ぶ白味噌の代表格である讃岐味噌。
さっぱりとした甘さとコクのある味わいが特徴です。あんもち雑煮や味噌漬けに使われています。
御膳味噌(徳島)
食膳に提供されていたことに由来する御膳味噌。麹歩合の多い甘口の米味噌でありつつ、塩気も感じられるのが特徴です。
濃厚な味わいと熟成による香りの高さを持ち合わせています。味噌おじやや焼き味噌として使われています。
瀬戸内麦味噌(愛媛・山口・広島)
瀬戸内海沿岸で作られる麦味噌を総称して瀬戸内麦味噌と呼んでいます。
麦麹の割合が高いためほのかな甘みがあり、麦麹の香ばしい香りも同時に感じることができます。麦味噌汁や酢味噌和えなどに使われています。
九州麦味噌(九州地方)
九州麦味噌は九州地方で作られる麦味噌の総称。温暖な気候の影響を受けて熟成期間が短く、麹歩合の高い甘口が主流となっています。
麦の芳醇な香りを感じられる味わいが特徴です。冷や汁や薩摩汁などに使われています。

料理で使い分ける!味噌の選び方

味噌には様々な種類があり、それぞれに特徴があります。
クセの無い親しみやすい味わいが特徴。
香ばしい風味と甘みが特徴。
濃厚な旨味と苦味、渋みが特徴。
味噌の種類により料理の味わいが大きく変わるので、味噌選びはとても重要です。
では、どのようにして味噌を選び、料理で使い分ければ良いのでしょうか?
もっとも簡単かつ間違えない方法が「ご当地の郷土料理に合わせて選ぶ」という方法。
例えば、北海道味噌であればちゃんちゃん焼きなどの炒め物や石狩鍋などの鍋物に、東海豆味噌であれば味噌煮込みうどんなどの煮込み料理や味噌カツなどのつけダレに利用するのがおすすめです。
料理に合わせる、あるいは味噌に合わせてぜひ使い分けてみてください。
簡単にできる!自家製味噌

手軽に買える味噌では物足りない!そんな方は「自家製味噌」がおすすめです。
材料となる大豆や麹、塩の選び方から使用量、熟成期間を調整することで自分好みの味噌を作ることができます。
簡単にできる味噌の作り方は以下の通りです。
大豆の表面についている土や汚れには、味噌作りに悪影響を及ぼす場合があります。
豆どうしをこすり合わせるようにして良く洗い、土や汚れを洗い流して下さい。
洗った大豆を大きめの鍋やボウルに移し、約18時間ほど水につけます。
乾燥大豆は水を吸うと約2倍に膨れるため、大豆の約3倍程度の水に浸けるようにします。
大豆に芯が残っていると中まで火が通りにくく、茹であがりにムラが出来てしまうため、時間をかけて水に浸けておきましょう。
大豆を煮る時は鍋か圧力鍋で煮上げていきます。
大豆を鍋に移した後、大豆の表面から約5cmほどの高さまで水を入れます。
水が少ないと焦げてしまうので、注意しましょう。
煮上がり時間は圧力鍋で約20分、通常の鍋で約3時間が目安です。
大豆の状態や火加減、圧力鍋によって煮る時間は変動するので、大豆が「親指と小指で潰れるくらいになるまで煮る」のをひとつの目安にしましょう。
煮た大豆が冷めないうちに、ビニール袋に入れ、手や足を使って潰していきます。
完全なペースト状にならなくても(豆の形状が多少残っていても)問題ありません。
麹に塩を加え、全体がムラなくなるよう軽く混ぜます。
麹と塩を混ぜたものを「塩きり麹」と呼びます。
ここでは、米麹と麦麹を半々ずつ混ぜ、甘みのバランスが良い「合わせ味噌」を作ります。
※麹は、生麹でも乾燥麹のままでもお使いいただけます。
大豆と麹、塩を良く混ぜないと、そこからカビが生える心配がありますので、じっくりと丁寧に混ぜて下さい。
混ぜあわせた硬さは「耳たぶくらいのやわらかさ」で仕上げましょう。
仕込み容器に空気を抜いて詰めるため、大豆を団子状にします。
団子を一つ入れては、げんこつで押し込み、団子同士の隙間を埋めます。
隙間はカビの原因となりますのでしっかりと埋めるようにしましょう。
かわしま屋では、仕込みと完成後の味噌容器の機能を併せ持つ、コンパクトなチャック付きの仕込み容器を使用しています。
ホーロー容器や、木桶をお使いいただく場合は味噌を詰めた後ラップを敷き、空気に触れないようにしましょう。
仕込んだ味噌はなるべく気温が低く、温度変化の少ない場所で寝かせます。
夏場の時期に熟成が進むので、冷蔵庫には入れないようにしましょう。
以上の8ステップで味噌を作ることができ、市販の物とは違った「自家製味噌の味」を堪能できます。
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材料選びや工程、熟成期間など、初めて行うときは少しハードルを高く感じるかもしれません。
そんなときに便利なのが「手作り味噌セット」です。かわしま屋の手作り味噌セットは厳選された材料に加え、わかりやすいレシピ付き。
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味噌の種類のQ&A
- 味噌の種類は大きく分けて何種類ありますか?
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味噌の種類は「麹」の種類によって大きく「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」の3つに分けられます。
加えて、これらの味噌を複数混ぜ合わせた「調合味噌」を合わせると、全部で4種類になります。 - 米味噌・麦味噌・豆味噌の特徴は?
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米味噌は流通量が多く、甘口から辛口まで幅広い種類があるもっとも馴染みのある味噌。
麦味噌は九州地方を中心として生産されており、麦の香ばしさと甘さを持ち合わせた味噌。
豆味噌は東海地方を中心として生産されており、深いコクと独特な風味、渋みが特徴の味噌。 - 味噌の色で味に違いはありますか?
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味噌の色は熟成期間が長くなるにつれて黒っぽい色に変化していき、味わいは深く濃くなっていきます。
また、味噌の香りも強くなっていきます。 - 味噌の選び方は?
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味噌を選ぶときは料理との相性や好みの味わいによって選びます。
料理との相性で選ぶ場合は「ご当地の郷土料理に合わせて選ぶ」のが失敗しにくい選び方です。
好みの味わいで選ぶ場合は、塩気が強いのを好む方は辛口味噌、甘さを好む方は甘味噌、中間的な味わいを好む方は甘口味噌がおすすめです。