ココアとチョコの違いを解説!ホットチョコレートとの関係や原料も紹介

「ココアとチョコレート、どちらが健康にいいの?」と疑問に思ったことはありませんか?
見た目や味が似ているため、その違いがよくわからず、なんとなく選んでいる方も多いかもしれません。

この記事では、ココアとチョコレートの違いをわかりやすく解説します。また、ココアに良く似ているホットチョコレートとの関係や、原料・栄養面での特徴についてもご紹介します。

健康を意識した飲み物やお菓子選びのヒントとして、ぜひ参考にしてみてください。

もくじ

ココアとチョコの違いとは

ココアとチョコレートは、見た目や味は似ていますが、作り方や成分には違いがあります。

ここでは、ココアとチョコレートの違いをご紹介します。ポイントは以下の4点です。

  • 原料はどちらもカカオ豆で違いはない
  • アルカリ処理が違う
  • 製造工程が違う
  • カロリー・栄養成分が違う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

原料はどちらもカカオ豆で違いはない

ココアとチョコレートの原料は、どちらも「カカオ豆」です。

カカオ豆は収穫後、発酵・乾燥・焙煎といった工程を経て、香りや風味が引き出され、「カカオニブ」と呼ばれる状態になります。このカカオニブを細かくすり潰すと、ペースト状の「カカオマス」ができます。

この後のカカオマスの加工方法によって、ココアとチョコレートが作り分けられるのです。

アルカリ処理が違う

ココアとチョコレートの違いは、「アルカリ処理(ダッチプロセス)」の有無にあります。

ココアの製造では、一般的にカカオニブにアルカリ液を加える「アルカリ処理」を行います。かつてのココアは、酸味が強く、水やミルクにも溶けにくいため、飲みにくいものでした。しかし、アルカリ処理を施すことで酸味が抑えられ、まろやかで溶けやすいココアパウダーが作られるようになりました。これによって、飲み物としてだけでなく、料理やお菓子にも使いやすくなったのです。

一方、チョコレートの製造ではアルカリ処理は行われません。そのため、チョコレートは、カカオの酸味や香りがそのまま活かされています。

製造工程が違う

ココアとチョコレートは、どちらもカカオマスから作られますが、製造工程が異なります

ココアは、カカオマスからカカオバターを取り除き、残った固形分を粉末化したものです。この粉末がココアの元である「ココアパウダー」です。そして、ココアパウダーのみのものを「純ココア」、砂糖や粉乳などを添加したものを「調整ココア」といいます。

一方、チョコレートは、カカオマスにカカオバターを加え、そこに砂糖やミルクなどを練り合わせてペースト状に加工し、冷やし固めたものです。油脂分が多く含まれているため、つるっとした固形になり、室温でもとけやすいのが特徴です。

参考:山本通 英国チョコレート企業間の競争と協調 :1761~1988年

カロリー・栄養成分が違う

100gあたりの成分純ココアチョコレート
エネルギー (kcal)386550
脂質 (g)2230
炭水化物 (g)4261
食物繊維 (g)244
鉄 (mg)14.02.4
マグネシウム (mg)44074
ポリフェノール (g)4.10.7
日本食品標準成分表2020年版(八訂)「ピュアココア/ミルクチョコレート」参照

上の表から分かるように、ココアとチョコレートは、カロリーや栄養成分に明確な違いがあります。その主な要因は、ココアバターの含有量です。

ココアは、カカオマスからココアバターを取り除いて作られるため、脂質の含有量は10〜22%と低めです。一方、チョコレートはカカオマスにココアバターを加えて作られるため、含有量は20〜35%以上になるのが一般的です。

この違いにより、チョコレートはココアよりもカロリーや脂質が高くなります。また、ココアは鉄やマグネシウムなどのミネラル、ポリフェノール、食物繊維が豊富に含まれており、栄養面でも優れています。

このように、ココアとチョコレートは栄養面で大きな違いがあります。目的や気分に合わせて、それぞれの特徴をうまく活かしながら、日々の暮らしに取り入れてみてください。

ココアとホットチョコレートの違いとは

前述のとおり、ココアとチョコレートには原料や製造方法、栄養成分に違いがあります。一方で、ココアとホットチョコレートはどちらも飲み物として親しまれ、見た目や味がよく似ているため、違いが分かりにくいこともあります。

ここでは、ココアとホットチョコレートの違いについてご紹介します。ポイントは以下の3点です。

  • 材料が違う
  • 味や風味が違う
  • カロリーや栄養成分が違う

それぞれ詳しく見ていきましょう。

材料が違う

ココアとホットチョコレートは、使用する材料が異なります

一般的にココアは、ココアパウダーにミルクや砂糖を加えて温めるか、あらかじめ砂糖や粉乳などが加えられた「調整ココア」にお湯を注いで作ります。

一方、ホットチョコレートは、板チョコレートやクーベルチュールチョコレートをミルクに溶かして作られます。使用するチョコレートには、カカオマス、カカオバター、砂糖、乳製品などが含まれており、製品ごとに配合が異なります。また、最近ではホットチョコレート専用の粉末製品も登場しており、より手軽に楽しむことも可能です。

味や風味が違う

材料の違いにより、味わいや口当たりにも違いが表れます。

ココアは脂肪分が少なく、比較的すっきりとした軽い風味が特徴で、日常的に楽しみやすい飲み物です。

一方、ホットチョコレートは、カカオバターと砂糖の豊かな風味が感じられ、濃厚でなめらかな口当たりになります。デザートのような特別感があり、甘さをしっかり味わいたいときに最適です。

カロリーや栄養成分が違う

栄養成分(1杯あたり)ココア(ココア10g+牛乳150ml+白糖6g)ホットチョコレート(チョコレート30g+牛乳150ml)
エネルギー(kcal)156259
食物繊維(g)2.41.2
鉄(mg)1.40.7
マグネシウム(mg)4422
ポリフェノール(g)0.40.2
日本食品標準成分表2020年版(八訂)「ピュアココア/ミルクチョコレート/牛乳/白糖」参照

ココアとホットチョコレートは、含まれている栄養素は似ているものの、カロリーや栄養バランスには違いがあります。

上記の表からも分かるように、ホットチョコレートは、チョコレートの脂肪分と砂糖の影響でカロリーが高くなりがちです。コクや甘さを楽しめる反面、量には注意が必要でしょう。

一方でココアは、脂肪分が取り除かれているため、カカオ本来の栄養素がしっかりと残っている点が特長です。特に、ポリフェノール、鉄、食物繊維、マグネシウムは、ホットチョコレートと比べて約2倍以上含まれており、栄養をしっかりと摂ることができます。ただし、砂糖やミルクを加える量によっては、カロリーや栄養バランスに影響を及ぼす可能性があるため、入れすぎには注意しましょう。

したがって、体調や栄養面を意識したい場合にはココアがおすすめです。一方で、甘味を楽しみたいときや特別な気分を味わいたいときには、ホットチョコレートを選ぶのもよいでしょう。その日の体調や目的に応じて使い分けながら、ご自身に合った飲み物を日々の生活に取り入れてみてください。

ココアとチョコの違いに関するQ&A

ココアとチョコレートの違いは何ですか?

大きな違いは脂肪分にあります。ココアはカカオの脂肪分を取り除いた粉であり、チョコレートは、カカオに脂肪や砂糖、ミルクを加えて固めたものです。つまり、ココアは粉状で脂肪が少なく、チョコレートは滑らかで脂肪分が多いのが特徴です。

健康に良いのはココアとチョコレートのどちらですか?

健康を意識するならココアの方が優れています。特に純ココアには、ポリフェノールや食物繊維、鉄分が豊富で、脂肪分も控えめです。チョコレートは、糖分や脂肪が多くカロリーも高めです。

ココアとカカオ豆の違いは何ですか?

カカオ豆が原材であり、ココアはそこから作られた加工品です。ココアは、カカオ豆を焙煎してすりつぶし、脂肪分(カカオバター)を取り除いたあとに粉末化したものです。

ホットチョコレートとココアの違いは何ですか?

ココアはココアパウダーにミルクや砂糖を加えて作ります。すっきりした味が特徴です。ホットチョコレートは、チョコレートを溶かしてミルクと混ぜて作るため、より濃厚で甘く、デザート感があります。

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この記事を書いた人

農業と栄養について学んだ知識を活かし、食や暮らしに関する記事を執筆中。趣味は家庭菜園とお菓子作り。子どものために作ったおやつを、つい自分が食べすぎてしまうのが最近の悩みです。

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