玄米の炊き方|(炊飯器・土なべ・圧力鍋)
記事の監修
管理栄養士
安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
「玄米はボソボソしておいしくない」「玄米は家族が食べてくれない…」
そんな悩みはありませんか?
ほんのすこしの工夫で、玄米が苦手な人でもおいしく食べられる炊き上がりに。
ふっくらやわらかで身体にやさしい玄米の炊き方をお伝えします。
玄米の炊き方・炊飯器
最近の炊飯器には玄米モードがついているものが多く、炊飯器におまかせでもおいしい玄米ご飯が炊けます。
【基本】玄米の炊き方とコツ(炊飯器編)
材料
- 玄米 2 合
- 塩 2 g(小さじ1/2)
- 水 炊飯器メーカーの分量に従ってください。
作り方
- 【玄米の下準備】ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、さっと浮かんできたゴミを流してザルにあげます。米が水を吸うので、使用する水は浄水器の水などがおすすめです。
- 米を両手ですくい上げ、お米の表面に少し傷がつくようにしっかりとこすり合わせます。『しっかりこすったら流水で流す』を水の濁りがなくなるまで繰り返してください。
- 洗いあがった米は一旦しっかりと水をきり、その後半日以上浸水させます。(水は分量外) ※炊飯器により浸水時間の指示がある場合は指示に従ってください。
- 【炊飯】浸水が終わったら水を切ります。炊飯器指定の水分量と塩を加えます。玄米モードで炊飯をスタートします。炊き終わったらさっくりと底から混ぜて蒸気を抜き、完成です。
動画
コツ・ポイント
- ・冬場はとくに時間をかけて浸水させます。急ぐときは35℃程度のお湯で漬けると時間が短縮できます。
- ・夏場は冷蔵庫に入れて浸水させます。水が臭いの原因になるのを防ぎます。
- ・浸水を終えたら水を捨て、新しい水を必要な分量入れて炊飯します。
- 1.半日以上、水を取り替えながら浸水させる
- 2.水は2合で500cc、塩は小さじ1/2を、炊飯時に米と一緒に釜に入れる
- 3.通常の炊飯モードで炊飯する
- 4.炊き上がっても、10分ほど蓋を開けずに蒸らしてください。
- 5.蒸らし終わったらさっくりと底から混ぜて蒸気を抜き、完成です。
玄米の炊き方・土鍋
土鍋や、ホーロー・鋳物などの厚手鍋で玄米を炊く場合の炊き方です。
【基本】玄米の炊き方とコツ(土鍋編)
材料
- 玄米 2 合
- 塩 2 g(小さじ½)
- 水(炊飯用) 500 cc
作り方
- 【玄米の下準備】ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、さっと浮かんできたゴミを流してザルにあげます。米が水を吸うので、使用する水は浄水器の水などがおすすめです。
- 米を両手ですくい上げ、やさしくこすり合わせます。『しっかりこすったら流水で流す』を水の濁りがなくなるまで繰り返してください。
- 洗いあがった米は一旦しっかりと水をきり、新しい水で半日以上浸水させます。(水は分量外)
- 【炊飯】浸水の終わった玄米をいったんザルにあげます。鍋の中に玄米、水、塩小さじ1/2と一緒に入れます。かき混ぜて塩を溶かしてから蓋をし、火をつけます。
- 【火加減】最初は中火(厚手鍋の場合は強火)で、グツグツと沸騰してきたら弱火にします。そのまま20~30分ほど加熱します。蒸気が弱くなったら最後に30秒ほど火を強めてから火を止めます。
- 【蒸らす】10分ほど蓋を開けずに蒸らしてください。
- 蒸らし終わったらさっくりと底から混ぜて蒸気を抜き、完成です。
動画
コツ・ポイント
- ・冬場はとくに時間をかけて浸水させます。急ぐときは35℃程度のお湯で漬けると時間が短縮できます。
- ・夏場は冷蔵庫に入れて浸水させます。水が臭いの原因になるのを防ぎます。
- ・浸水を終えたら水を捨て、新しい水を必要な分量入れて炊飯します。
- ・鍋の大きさに対して米の量が少なすぎる…ご飯が硬くなりやすい
- ・鍋の大きさに対して米の量が多すぎる…うまく対流が起きず炊きムラができる
- ・厚手鍋なら18㎝で2合、22㎝で3~4合の分量が最適です。
玄米の炊き方・圧力鍋
一番白米に近い炊き上がりになるのが圧力鍋。他の炊き方に比べて炊き時間は短縮できます。
【基本】玄米の炊き方とコツ(圧力鍋)
材料
- 玄米 2 合
- 塩 2 g(小さじ½)
- 水(炊飯用) 400 cc
作り方
- 【玄米の下準備】ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、さっと浮かんできたゴミを流してザルにあげます。米が水を吸うので、使用する水は浄水器の水などがおすすめです。
- 米を両手ですくい上げ、やさしくこすり合わせます。『しっかりこすったら流水で流す』を水の濁りがなくなるまで繰り返してください。
- 洗いあがった米は一旦しっかりと水をきり、新しい水で半日以上浸水させます。(水は分量外)
- 【炊き方】浸水の終わった玄米をいったんザルにあげます。鍋の中に玄米、水、塩小さじ1/2と一緒に入れます。かき混ぜて塩を溶かしてから蓋をし、「高圧」に設定して火火をつけます。
- 【火加減】最初は強火で、圧力がかかったら極弱火にします(圧力が抜けない程度に)。そのまま20分ほど加熱し、火を止めます。
- 【蒸らす】圧がかかったまま放置し、圧力が抜けたら蓋を開けます。
- さっくりと底から混ぜて蒸気を抜き、完成です。
コツ・ポイント
- ・冬場はとくに時間をかけて浸水させます。急ぐときは35℃程度のお湯で漬けると時間が短縮できます。
- ・夏場は冷蔵庫に入れて浸水させます。水が臭いの原因になるのを防ぎます。
- ・浸水を終えたら水を捨て、新しい水を必要な分量入れて炊飯します。
鍋による味わいの違い
どんなお米でもそうですが、玄米も炊く鍋によって味わいが大きく変わります。
- ・炊飯器…プチプチした食感。玄米モードつきだとよりふっくらとした炊き上がりに。
- ・土鍋・厚手鍋…炊飯器よりはふっくら、圧力鍋よりはあっさりとした炊き上がり。
- ・圧力鍋…もちもちした粘りのある炊きあがり。
「硬めが好き」という方もいると思いますが、玄米は硬いままだと消化に悪く、せっかくの栄養が吸収できないということも。
消化しやすくしたい場合は圧力鍋を使うのがおすすめです。
玄米と白米を混ぜる炊き方
玄米と白米を混ぜると、白米の中にもっちりした食感の玄米が混ざっているという炊き上がりになります。黒米ご飯や五穀米ご飯などのような食感でおいしいですよ!
玄米と白米を混ぜる炊き方
材料
- 玄米 1 合
- 白米 2 合
- 塩 2 g(小さじ2/3)
- 水(炊飯用) 560cc (玄米1合につき水200cc、白米1合につき水180cc)
作り方
- 【玄米の下準備】ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、さっと浮かんできたゴミを流してザルにあげます。米が水を吸うので、使用する水は浄水器の水などがおすすめです。
- 古くから日本に伝わるお米の研ぎ方です。米を両手ですくい上げ、やさしくこすり合わせます。しっかりこすったら流水で流す、を水の濁りがなくなるまで繰り返してください。洗いあがった米はしっかりと水をきり、半日以上浸水させます。(水は分量外)
- 【白米の下準備】白米を通常の洗い方で洗い、20分間浸水させます。(水は分量外)
- 【炊飯】浸水の終わった玄米と白米をいったんザルにあげます。圧力鍋に玄米、白米、水、塩とともに入れます。かき混ぜて塩を溶かしてから蓋をし、「高圧」に設定して火をつけます。
- 【火加減】最初は強火で、圧力がかかったら極弱火にします。(圧力が抜けない程度に)そのまま20分ほど加熱し、火を止めます。
- 【蒸らす】圧がかかったまま放置し、圧力が抜けたら蓋を開けます。
- さっくりと底から混ぜて蒸気を抜き、完成です。
コツ・ポイント
「玄米白米混合コース」がある炊飯器もあるので、取扱説明書をよく読んでみてください。 【浸水のポイント】
- ・冬場はとくに時間をかけて浸水させます。急ぐときは35℃程度のお湯で漬けると時間が短縮できます。
- ・夏場は冷蔵庫に入れて浸水させます。水が臭いの原因になるのを防ぎます。
- ・浸水を終えたら水を捨て、新しい水を必要な分量入れて炊飯します。
玄米 びっくり炊きは浸水いらず!?
浸水することなく、ふっくらモチモチに炊き上がると話題のびっくり炊き。炊飯中に『びっくり水(差し水)』を加えるのが名前の由来です。
玄米の『びっくり炊き』
材料
- 玄米 1 合
- 塩 1 g(小さじ1/4)
- 水(1回目) 270 cc
- 水(2回目・びっくり水) 180 cc
作り方
- 【玄米の下準備】ボウルに玄米を入れて水を注ぎ、さっと浮かんできたゴミを流してザルにあげます。米が水を吸うので、使用する水は浄水器の水などがおすすめです。
- 米を両手ですくい上げ、やさしくこすり合わせます。しっかりこすったら流水で流す、を水の濁りがなくなるまで繰り返してください。洗いあがった米はザルでしっかりと水をきります。時間をかけた浸水は不要です。
- 【炊き方】土鍋に玄米と水(1回目)を入れます。
- 蓋をして強火で20分ほど炊きます。 ※途中でパチパチと音がしたら、玄米1合に対し90cc程度の水を加え(分量外)、底から混ぜます
- 水がひたひたになったら、水(2回目・びっくり水)を注いで、しゃもじで軽く混ぜます。蓋をして、引き続き強火にかけます。
- 沸騰したら弱火にして、15分~20分炊きます。
- 小さくパチパチと音がして、玄米のかに穴から水が噴き出さなくなったら火を止めます。蓋をしたまま10分ほど蒸らし、底から混ぜれば完成です。
コツ・ポイント
- ・冬場はとくに時間をかけて浸水させます。急ぐときは35℃程度のお湯で漬けると時間が短縮できます。
- ・夏場は冷蔵庫に入れて浸水させます。水が臭いの原因になるのを防ぎます。
- ・浸水を終えたら水を捨て、新しい水を必要な分量入れて炊飯します。
●管理栄養士からのコメント
白米より栄養価が高く、健康のためにメリットも多い玄米ですが、やはり白米よりも食べづらさを感じる方も多いと思います。
しっかりとお米を洗う、浸漬させる水をこまめに取り替える、炊き方や蒸らし方も注意するというポイントを押さえるといつもより美味しく炊けるかもしれません。
せっかく玄米生活を始めようと思ったのに、一度玄米を炊いてみて「美味しくなかった」と諦めてしまうのはもったいないです!
鍋のくせなどもあるので、自分に合った美味しい玄米を炊けるよういろいろと工夫してみてくださいね。
管理栄養士プロフィール
◎安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。
玄米の炊き方についてのQ&A
- 玄米をもちもちにする炊き方を教えてください。
- 玄米ご飯をもちもちした食感(パラパラしていない、粘りのある食感)にするには、圧力鍋を使用するのがおすすめです。
玄米はしっかりと長めに浸水させ、火加減を極弱火にしてゆっくりと炊きます。
逆にふっくらしすぎて物足りないという場合は、水を少なめにして炊いてみてください。
- 玄米を炊くと独特のにおいがするのですが、どうしたら玄米臭さのないご飯が炊けますか?
- 洗米の工程でゴシゴシとしっかり洗い、酸化した部分を洗い流すこと、水に漬けているときに水をひんぱんに換えることで、気になる臭いを軽減できます。
水に漬け終わった状態で甘いよい香りがしていたら、炊いてもおいしいご飯が炊けますよ。
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