カフェインレスのすべて。コーヒーやお茶の味、効果は?

カフェインレス

欧米ではどこのカフェにも置いてあるというポピュラーな存在、カフェインレスコーヒー。
若者を中心に支持を得ており、日本でも人気が高まりそうな予感です。

今回は、コーヒーや紅茶の「カフェインレス」ってどんなもの? という疑問から、カフェインレス志向の方におすすめのノンカフェインのお茶のご紹介など、気になる情報を余さずご紹介します!

カフェインレスとは

カフェインレスとは

さまざまな食品に含まれている、興奮作用のある成分「カフェイン」。
覚醒作用や鎮痛作用をもち、集中力を高めるといった効能もある一方で、過剰摂取で、また体質によっては摂取により副作用が出ることがわかっています。

「就寝前に飲むと眠れなくなる」「妊娠中・授乳中なので胎児や赤ちゃんへの影響を考えて避けたい」…カフェインを避けたい理由をもつ方はたくさんいますが、現実ではコーヒーや紅茶、緑茶など身近な飲み物の多くがカフェイン飲料。摂れないとなると飲むものに困ってしまうということも少なくありません。

カフェインレスコーヒー、カフェインレス紅茶などは、こうしたニーズから生まれた「カフェインの含有量の少ない」飲み物です。豆や茶葉からカフェインを抜き、就寝前や妊娠中でも安心して飲めるように調整されています。
英語では「カフェインレス」と呼ばずに「Decaf(デカフェ)」と呼ばれるのが一般的です。

カフェインレス、デカフェ、ノンカフェインの違い

名称 内容
カフェインレス カフェイン含有量の少ない飲み物のこと。主に日本で使われ、海外では使われない名称
デカフェ カフェイン含有量の少ない飲み物。海外ではこちらの呼び方が一般的。アメリカではカフェイン含有量が0.1%未満と規格が決まっている
ノンカフェイン カフェインが全く含まれない飲み物

カフェインが含まれる主な飲み物

カフェインが含まれる身近な飲み物には次のようなものがあります。

飲み物 カフェイン含有量 飲み物 カフェイン含有量
コーヒー 60 mg/100 ml カフェオレ 30 mg/100 ml ※1
インスタントコーヒー 57 mg/100 ml ココア 6mg/100ml
紅茶 30 mg/100 ml コーラ 10mg/100ml
緑茶 20 mg/100 ml 栄養ドリンク 32 ~300 mg/100ml ※2

参考:食品安全委員会ファクトシートほか

  • ※1 コーヒーとミルクを1:1で割った場合
  • ※2 商品によって含有量が異なる

これらのうち、栄養ドリンク以外のすべての飲み物はカフェインレスのものが市販されています。

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カフェインレスコーヒー&紅茶ってどんなもの?

コーヒーや紅茶を「カフェインレス」にする工程、どんな方法があるかご存知ですか?
ここでは、おいしいカフェインレス飲料を選ぶための豆知識をご紹介します。

「カフェインレス」はおいしくない?

「カフェインレス」はおいしくない?

コーヒーや紅茶のカフェインレスを購入するとき、一番気になることは「カフェインレスにするとやっぱり味が落ちるの?」ということですよね。

結論から先に書くと、カフェインレスにする方法によって味や香りは大きく異なります。
現在では、脱カフェインの方法によっては最新の味覚センサーで測定しても「元のコーヒーとほとんど数値が変わらない」、人が飲んでも「言われなければカフェインレスとは気づかない」というところまで進歩しているそうです。

コーヒーには生豆をカフェインレスにした後、焙煎の工程があります。
カフェインレスにした豆に合った焙煎の方法をとっているかどうかによってもおいしさのバランスが変わりますので、カフェインレスコーヒーを選ぶときは「おいしさを残せる方法で脱カフェインした」ものを「信頼できるブランド/焙煎士」から購入するのがおすすめです。

コーヒー・紅茶を「カフェインレス」にする3つの方法

コーヒー・紅茶を「カフェインレス」にする3つの方法

1.有機溶媒抽出 クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチルなどの薬剤を使用してカフェインを除去する方法。
安価であるというメリットがある一方、香味の損失が激しく、風味が悪くなること、有機溶剤の残留の可能性があるというデメリットがあります。
2.水、湯による抽出 コーヒーでは、生豆を水に漬けてカフェインを抜き、その後その水から活性炭などでカフェインを除去した後、残った浸出液を再び豆に戻す「スイス式水抽出法」、緑茶などの不発酵茶では湯を散水してカフェインを溶出させる「熱湯法」があります。
香りや旨味成分が一緒に抜けやすいものの、安全性は高く、価格は超臨界二酸化炭素抽出より安価です。
3.超臨界二酸化炭素抽出 二酸化炭素を使った脱カフェイン法。香りの溶出はあるものの、コーヒーの焙煎に必要なタンパク質や炭水化物は損なわれず、安全性も高いとされています。
紅茶では一般的な方法ですが、最も高価です。
4.その他の方法 茶葉ではなく抽出したお茶からカフェインのみを吸着する方法、元々カフェインを含まないコーヒーノキやチャノキの品種開発など、さまざまな方法が研究・開発されています。

最も安全性が高く、味の損失も少ないのは「超臨界二酸化炭素抽出」で作られたものですが、よりリーズナブルに楽しみたいときは「水/熱湯抽出」のものでもいいでしょう。
薬剤の残存が心配な「有機溶剤抽出」は日本国内での販売は禁止されていますが、海外で購入する時には注意してください。

カフェインレス&ノンカフェインのお茶

カフェインレス&ノンカフェインのお茶

「わざわざカフェインを抜いたものを選ばなくても、元々カフェインが含まれていない飲み物を選べばいいのでは?」
そんな考え方もありますよね。こちらでは、カフェインの量が少ない、またはノンカフェインであるとされているおすすめの飲み物をご紹介します。

カフェインレス・ノンカフェインのお茶一覧

種類 特徴
ルイボスティー ノンカフェイン。
不足しがちな亜鉛など各種ミネラルが豊富に含まれており、身体をあたためる効果も。また、男性不妊にも効果があるとされています。紅茶と同じ発酵茶であり、紅茶に比較的近い色と味わいです。
たんぽぽ茶
(たんぽぽコーヒー)
ノンカフェイン。
母乳の出をよくする働きがあるといわれ、授乳中の方に人気です。
消化不良や便秘、むくみが気になる方におすすめ。
香ばしく煎ったものはコーヒーの代わりにも。
※キク科アレルギーの方は注意
黒豆茶 ノンカフェイン。
女性ホルモンと似た働きをする「イソフラボン」を豊富に含み、女性の美容や更年期障害などに有効であるほか、抗酸化作用もあるとされています。
香りも香ばしく、小腹が空いた時などにもおすすめです。
麦茶 ノンカフェイン。
クセのない味で子どもから老人まで誰にでも好かれる麦茶。
抗酸化作用や胃の保護作用も認められています。
甜茶 ノンカフェイン。
バラ科の木の葉を使ったお茶。甘みのある味で、抗炎症・抗アレルギー効果があるといわれています。甘みはありますがカロリーはありません。
杜仲茶 ノンカフェイン。
血圧を下げる効果やコレステロールの吸収を抑える働きがあるといわれ、メタボリックシンドローム予防によいとされています。
くせがなく、ほんのり甘みのある味わいです。
そば茶 ノンカフェイン。
そばの実を焙煎して作られ、香ばしいそばの風味が人気です。
特に「韃靼そば茶」には出血性の病気を予防するルチンという成分が豊富に含まれています。
よもぎ茶 ノンカフェイン。
血液の循環を促して身体をあたためる効果のあるよもぎ茶は女性に人気。
デトックス効果もあるとされ、便秘解消なども期待できます。ふんわりと甘いよもぎの香り。
※キク科アレルギーの方は注意
番茶 カフェインレス。
紅茶の約1/3、コーヒーの約1/6と緑茶・紅茶類の中ではカフェイン量が少なめ。時に混同されるほうじ茶よりもカフェインの含有が少ないです。
特に熟成された「三年番茶」にはカフェインがほとんど含まれないとされています。

カフェインレスの効果

カフェインレスの効果

「それでもやっぱりカフェイン入りの飲み物の方がおいしいよね」と感じる方もいますよね。
もちろんカフェイン入り飲料には大きな魅力がありますが、カフェインレス飲料にも選ばれる理由があるんです。
カフェインレス飲料の効果や特徴をカフェイン入り飲料と比較すると次のとおり。

カフェイン入り カフェインレス
効果 興奮、集中力が高まる、やる気が出る リラックス、安眠、イライラや不安の軽減、胃腸の調子の改善、身体のだるさの改善
(カフェイン入り飲料からカフェインレス飲料に変更した場合)
過剰摂取の副作用 めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠、下痢、吐き気、嘔吐 特になし
長期摂取リスク ・カフェイン中毒(依存症)
・高血圧リスクが高まる可能性あり
・妊婦による摂取で胎児の発育を阻害する可能性あり
長期間摂取しても依存症になる心配がない
おすすめ時間帯 午後~
特徴 ・摂ると約4時間は効果が持続
・アルコールと同時摂取は危険
・気分がシャキッとする効果があるので午前中におすすめ
・妊婦から幼児、老人まで誰でも安心して飲める
・いつ飲んでも、たくさん飲んでもOK
・リラックス時におすすめ

近年の技術では、カフェインレスにしても栄養成分はほとんどそのまま残るそうです。
カフェイン入りとカフェインレス、時間帯や体調によってスマートに使い分けられるといいですね!

カフェインレスについてのQ&A

コーヒーは豆から淹れたいです。カフェインレスのコーヒー豆はありますか?
カフェインレスコーヒーは、インスタントから缶コーヒー、豆から粉まで、さまざまな形態で市販されています。
カフェインレスの飲み物は栄養価が低いのですか?
カフェインを抜く方法にもよりますが、栄養価はほぼ変わらないとされています。
カフェインレスコーヒーなら1日何杯飲んでも大丈夫?
カフェインレスコーヒーに含まれるカフェイン量は、100mlで1~2mg。1杯150mlとすると約3mgになります。
欧州食品安全機関(EFSA)が設定した成人(妊婦を除く)の1日当たりのカフェイン最大摂取量は400mgですから、単純にカフェインの量だけを計算すると100杯以上飲めるということになります。
もちろん、身体に作用するのはカフェインだけではないので、常識の範囲内で飲んでください。
たんぽぽコーヒーはカフェインレスコーヒーの一種ですか?
たんぽぽコーヒーはノンカフェインですがコーヒーではなく、たんぽぽの根を煎ってコーヒーに近い香ばしい風味を出したハーブティーです。
カフェインレスのチョコレートもありますか?
チョコレートの中では、ホワイトチョコレートは比較的カフェイン含有量が低く、5 mg/100 g程度であるようです。
ノンカフェインのものを希望する場合は、「キャロブ」という植物がチョコレートの代用品として使われています。

かわしま屋おすすめのノンカフェイン関連商品

かわしま屋でも美味しいお茶を取り揃えています。ぜひこの機会にお試しください。










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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。