マヌカハニーの効果効能|風邪予防や腸内環境の改善に

「マヌカハニー」は優れた健康効果で話題の、ニュージーランド原産のはちみつです。「ピロリ菌」「大腸菌」「サルモネラ菌」などの体内で悪さをする菌に対する殺菌、抗菌作用が高く、消化器官の諸症状の緩和に効果があるといわれています。

この記事では、はちみつ自体にも殺菌作用はありますが、なかでもマヌカハニーが支持される理由・効果効能を詳しく解説します。購入するかどうか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

もくじ

マヌカハニーの成分・MGOがすごい

テーブルに置かれたマヌカハニー

マヌカハニーが特別な抗菌作用を発揮する秘密は、「MGO(メチルグリオキサール)」という成分にあります。

2008年にドレスデン工科大学の研究チームによって発表され、MGOを大量に含むマヌカハニーがその他のハチミツよりも強力な殺菌効果をもつことが証明されました。

熱や酵素に強い

日光を浴びる女性

抗菌物質「過酸化水素」は、一般的なハチミツにも含まれています。しかし、太陽光や熱、多くの生物がもつカタラーゼという酵素などに弱く、体内に入ると分解されてしまうのがデメリットです。

一方、MGOは熱に強く体内に入っても分解されないため、身体の中でも強い抗菌効果を発揮できます。
抗菌作用を腸まで届けたいなら、マヌカハニーがおすすめです。

様々な菌に効く

活気のある女性

シドニー大学のカーター博士らの発表によると、MGOを含むマヌカハニーは次のような菌に効果があるとされています。
大腸菌ヘリコバクター・ピロリ菌リステリア菌枯草菌肺炎桿菌緑膿菌サルモネラ菌黄色ブドウ球菌連鎖球菌
その他多くの細菌に効果があるとされています。

シドニー大学のカーター博士らの発表内容の詳細は以下でご紹介します。

マヌカハニーの研究結果

マヌカハニーの効果効能に関する2つの研究結果を詳しく紹介します。

腸内細菌に対する効果

マヌカハニーが腸内フローラへ及ぼす影響については、2008年にニュージーランドの国立マッセー大学のローザンデール博士らが発表しています。

マヌカハニーと腸内フローラ
(出典: Rosendale(2008)図1、式1)

この表は、細菌にマヌカハニー(UMF™20+)やローズヒップなどの食品を調整して加え、37℃で培養した時に16時間で各菌がどのように増殖したかを示しています。縦軸は細菌の増殖値、横軸は成分濃度です。

濃度が高まるにしたがって善玉菌、悪玉菌共に増加している食品が多い中、マヌカハニーのグラフでは乳酸菌、ビフィズス菌といった有用細菌は増加し、悪玉菌といわれる黄色ブドウ球菌、大腸菌O157、サルモネラ菌は減少していることがわかります。

「抗菌作用がある=善玉菌も殺してしまうのでは?」と思われがちですが、マヌカハニーは悪玉菌を減らすだけでなく、善玉菌を増やす効果もあることが明らかになったのです。

実際に腸内でもバランスを整えることを確認

先ほどの実験はマイクロプレートと呼ばれる実験器具の中での実験ですが、生体での実験も行われています。

2016年度の日本農芸化学会において発表された、山村学園山村国際高等学校生物部の高野美穂氏の研究によると、マウスを使った実験でマヌカハニーが腸内フローラのバランスを整えることがわかりました。

出典:日本農芸化学会「マヌカハニーのマウス腸内フローラにおよぼす影響」

この実験では分量を変えた5パターンのマヌカハニー(MGO900+)、乳酸菌飲料、水を投与するマウスのグループを作り、2週間後の糞を解析しています。なお、表中に5g、10gと書いてあるのは、実際にマウスに投与した量ではなく、体重60kgの人の1日の摂取量に換算して割り出した数値です。

最大の効果を発揮していグループはマヌカハニー(MGO900+)を1日に体重60kgあたり10g摂取したグループ②でした。水を投与したグループと比較すると、善玉菌は約4.5倍に、悪玉菌は約1/2以下に減少しました。

また、腸内フローラの改善に影響を与えるといわれる乳酸菌飲料との比較でも、善玉菌は約1.9倍の増加、悪玉菌は約1/2に減少。マヌカハニーは明らかな効果を見せました。

マヌカハニーの効果効能まとめ

お皿に注がれるマヌカハニー

はちみつとしての効果とマヌカハニーの効果を合わせてご紹介します。

整腸効果

腸内細菌のバランスが整い、腸の働きが活発になることで、便秘や下痢などの不調が軽減します。

風邪・病気予防

喉のイガイガや風邪のひきはじめに有用です。また、大腸がんや、糖尿病、肥満、高血圧などの予防に効果があるとされています。

マヌカハニーにはビタミンやミネラル、アミノ酸なども含まれているため、栄養補給にもおすすめです。

免疫力アップ

腸内には免疫組織が多く、腸内環境の改善が免疫機能を高めるとされています。

お肌の改善

腸内環境を整えることは、悪玉菌が作り出す毒素による肌荒れ対策に役立ちます。

また、肌の水分量増加にも有用です。

うつの改善

善玉菌など腸内の有用菌の減少は、うつの発症と関わっていると言われています。

腸内フローラのバランスを整えることでうつを改善できる可能性も示唆されています。

アレルギー改善

腸内環境を整えることはアレルギー症状の対策にも重要です。腸内フローラに有用菌が多い子どもにはアレルギーが少ないと言われています。

花粉症やアトピー性皮膚炎にお悩みの人は、マヌカハニーを試してみましょう。

切り傷、火傷の炎症緩和

マヌカハニーの殺菌作用は、傷口の雑菌の繁殖を抑制してくれます。切り傷や火傷などに塗ることで、傷の治りが早くなることを期待できます。

傷のある場所にマヌカハニーを少量塗布し、上から絆創膏やガーゼ、包帯等で保護しておくとよいようです。

マヌカハニーの摂取量

スプーンですくったマヌカハニー

前述の高野美穂氏のマウスによる研究では、MGO900+のマヌカハニーを体重60kgあたり1日10g摂取するのがベストということでした。

MGO550+のマヌカハニーでは16~17gほどに相当します。16~17gは小さじでこんもり2杯程度です。

しかし、MGOの数値が高いマヌカハニーほど高価なので、経済的に負担となることもあるでしょう。そのときは、MGO250+、MGO300+といった手に取りやすい価格帯のものに、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖をプラスして相乗効果を狙うのもおすすめです。

なお、MGO以外の規格もあります。選び方を含めて詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。

健康を意識するならマヌカハニーがおすすめ

一般的なはちみつでも健康にうれしい効果はさまざまありますが、より健康を意識するならマヌカハニーがおすすめです。殺菌作用が熱や酸に負けることなく、腸まで届くことを期待できます。

効果を実感しやすいのはMGO900+やMGO550+などのMGO含有量が高いマヌカハニーですが、含有量が少ないものでも構いません。大切なのは続けることです。まずは少量のものを購入し、生活に取り入れられそうか試してみてはいかがでしょうか。

マヌカハニーQ&A

様々な菌に効果があるということですが、抗生物質のように耐性菌ができてしまうのでは?

カーディフ・メトロポリタン大学のローズ・クーパー博士らの研究、カーディフ大学のK.L.ヒリット博士らの研究によると、
マヌカハニーに細菌を長期間さらす実験の結果、耐性菌への変異は見られなかったとのこと。安心して口にできそうです。

加熱すると殺菌効果はなくなりますか?

一般的なハチミツに含まれる殺菌成分である「過酸化水素」は、加熱すると殺菌効果が失われてしまいますが、
マヌカハニーに含まれる「MGO」は熱に強く、加熱してもその殺菌効果は失われません。あたたかい飲み物に加える、お料理の隠し味に加えるなど様々にお使いいただけます。

参考資料:日本農芸化学会「マヌカハニーのマウス腸内フローラにおよぼす影響」

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この記事を書いた人

90年代生まれ。猫が大好きなのに猫を飼っていない人。食べ物も大好きで、家庭菜園が趣味ですが料理も栽培もなかなか上達しません。

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