ローズヒップの効果・効能と副作用|手軽に美味しく食べる方法もご紹介



記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

川野 恵

フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

ローズヒップとは

ローズヒップとは

ハーブティーやオイルなどで近年注目を集めている、植物の果実ローズヒップ。お住まいの地域によっては、実は馴染みがあるものかもしれません。

ローズヒップはバラの果実のハーブ

ローズヒップとは、バラの果実のことです。小さく真っ赤な実一粒ずつに、豊富な栄養分を蓄えています。

そのままでもおいしく食べられますが、実を乾燥させたり、種を圧搾してオイルを抽出したりして、古くからハーブティーや料理・スキンケアなどに用いられてきました。

ハーブ用ローズヒップの栽培・収穫に用いられるバラは、ヨーロッパ原産のイヌバラ(ドッグローズ)、茨城県・鳥取県から北海道までの海岸に自生するハマナスが代表的です。

ローズヒップの用途

ローズヒップは生のまま使用されるだけではなく、ドライハーブやオイルに加工されます。

さまざまな形に姿を変えたローズヒップの用途は、ハーブティーや料理だけではありません。

スキンケアやホームケア・ヘアケア・入浴剤・芳香剤など、日常のさまざまな場面で幅広く利用されています。

ローズヒップの栄養と美容・健康効果

ローズヒップにはビタミンCをはじめとして、さまざまな栄養分が豊富に含まれています。
その効能は幅広く、美容と健康に働きかける、さまざまな効果を期待できるハーブです。

ローズヒップは「ビタミンCの爆弾」

ローズヒップにはビタミンCが豊富に含まれています。

その量はレモンの約20倍以上ともいわれ、「ビタミンCの爆弾」という別称がつくほど。

しかもローズヒップのビタミンCはビタミンPに守られているため熱に強く、栄養効果のアップを期待できます。

ビタミンC以外の栄養分もたっぷり。

真っ赤な小さい果実の中には、溢れんばかりのパワーが秘められているのです。

【主な栄養分】
・ビタミンC(レモンの約20倍以上)
・ビタミンP
・ビタミンE
・ビタミンA(ほうれん草の約2倍以上)
・ビタミンB1・B2
・食物繊維
・鉄分(ほうれん草の約2倍以上)
・カルシウム(牛乳の約8倍以上)
・ポリフェノール(ほうれん草の2倍以上)
・リコピン(トマトの約8倍以上)
・βカロテン(トマトの約20倍以上)
・マンガン(わかめの約2倍以上)
・ナトリウム
・ペクチン
・フラボノイド

ローズヒップのおすすめ商品

ローズヒップの美容・健康効果1 美肌効果

コラーゲン生成に欠かせない豊富なビタミンCが、シミ・シワをできにくい肌へと導きます。

ビタミンCに加え、ビタミンA・ビタミンE・リコピンなど抗酸化作用をもつ成分が豊富に含まれており、肌のターンオーバーを促進して健康な状態を維持します。

さらにビタミンEには、紫外線から肌を守る効果もあります。

また、ローズヒップの種から抽出するローズヒップオイルには、必須脂肪酸をはじめとする美容成分がたっぷり。

このオイルを肌に塗ると、ニキビ跡やシミを目立ちにくくしてくれます。

美肌効果

  

ローズヒップの美容・健康効果2 便秘解消・腸内環境を整える

ローズヒップには、腸への効能を期待できる、食物繊維などの栄養分がたっぷり。
便通を促し、腸内環境を整えるのに役立ちます。

便秘解消・腸内環境を整える

ローズヒップの美容・健康効果3 ホルモンバランスを整える

女性ホルモンの一つである黄体ホルモンの材料になるのが、ビタミンE です。

ビタミンE は女性ホルモンのバランスを整え、生理痛の軽減や月経トラブルの改善などに役立ちます。

またビタミン・カルシウムにはストレスを抑える効果があり、生理時のイライラ軽減にも効果的です。

ホルモンバランスを整える

ローズヒップの美容・健康効果4 貧血予防

ローズヒップは貧血予防に欠かせない鉄も含んでいて、豊富なビタミンcとともに吸収されるので効率が良いです。
貧血予防だけでなく、お肌のキメを整えるコラーゲンの合成も促進されやすくなります。

 

貧血予防

  

ローズヒップの美容・健康効果5 疲労回復・風邪予防

豊富なビタミンCが、疲労の回復を早めてくれます。

また免疫力・殺菌力を高める栄養分も豊富。

風邪予防にも効果を発揮し、体内の新陳代謝もよくしてくれます。

疲労回復・風邪予防

ローズヒップの美容・健康効果6 骨を丈夫にする

豊富に含まれているカルシウムが、骨を丈夫にしてくれます。

骨を丈夫にする

ローズヒップの美容・健康効果7 利尿作用

利用作用のあるペクチンやフラボノイドにより、むくみを改善するだけではなく、体内の老廃物を排出するデトックス効果も期待できます。

利尿作用

ローズヒップのダイエット効果

ローズヒップのダイエット効果

ローズヒップには、ダイエットに効果的な栄養分が含まれています。
ローズヒップを手軽に取り入れて、無理なく健康的なダイエットをしましょう。

ティリロサイドが体脂肪を減少

ローズヒップにはティリロサイドという栄養分が含まれています。

ティリロサイドとはポリフェノールの一種。

近年の研究で、ティリロサイドが脂肪の代謝を促して脂肪燃焼をスムーズし、体脂肪を低減させることがわかっています。

またビタミンCには、脂肪の栄養源となるブドウ糖の供給を防ぐとともに、脂肪を燃焼させる働きもあります。

ティリロサイドと豊富なビタミンCを含んだローズヒップは、ダイエット効果を期待できるといえるでしょう。

ローズヒップティーダイエットのやり方

毎日続けてローズヒップティーを飲みましょう。
大切なのは「継続すること」です。

ローズヒップティーダイエットの注意点

・食事制限や偏った食生活をした状態では、代謝が落ちて痩せにくくなってしまいます。炭水化物や脂質・タンパク質など、栄養バランスの取れた食生活を心がけましょう。

・ローズヒップティーダイエットは長期間続けないと効果を実感しにくく、少なくとも3か月は続けないと効果を実感しにくいといわれています。長期的に毎日続けられるよう、習慣化しましょう。

・体脂肪の減り方には順番があり、内臓脂肪が減ってから皮下脂肪が減ります。内臓脂肪が減っている段階では、見た目の変化が特に感じられず、体の変化を実感しにくいです。皮下脂肪が減ってダイ
エット効果を実感できるようになるまで続けましょう。

ローズヒップティーは妊婦さんにもおすすめ

ローズヒップティーは妊婦さんにもおすすめ

ローズヒップティーは、妊婦さんにおすすめのハーブティーの一つ。
妊娠中の症状を軽減したり栄養不足を補ったりしながら、肌ケアなどの美容効果も期待できます。

ローズヒップティーは妊娠中でも飲めるノンカフェイン

妊娠中の食べ物や飲み物には、気を付けたい成分がいくつかあります。
その中の一つがカフェインです。

ローズヒップティーはノンカフェインなので、妊娠中でも安心して飲めます。

ローズヒップティーで妊娠中の心も体もケア

ローズヒップには豊富なビタミン群だけではなく、不足しがちな鉄分やミネラルなども含まれています。

これらの豊富な栄養分には、美肌を目指せる美容効果とともに、妊娠中に起こりがちな便秘を解消したり、免疫力を高めてくれたりする効果も期待できるのです。

さらにストレスの軽減にも効果を発揮。
ローズヒップティーは妊娠中の体のケアはもちろん、心のケアもしてくれるのです。

妊娠中におすすめのハーブ

妊娠中に安心して飲めるハーブティーは、ローズヒップだけではありません。
さまざまなハーブティーが、体調の変化や心の安定のケアに役立ちます。
ただし、体質や体調・妊娠時期などによっては、使用しないほうがいいということも。
自己判断での使用は避け、医師に相談してから使用することをおすすめします。
1日3~4杯ほどを目安に、飲み過ぎにも注意しましょう。

【つわりの辛い妊娠初期におすすめ】
・ジンジャーティー
・ペパーミントティー

【体の変化や栄養バランスに配慮したい妊娠中期におすすめ】
・ローズヒップティー
・ネトルティー

【出産に向けた妊娠後期から臨月におすすめ】
・ラズベリーリーフティー

【妊娠中から授乳期までずっと飲める】
・たんぽぽ茶
・ルイボスティー

ローズヒップと相性のよいハイビスカス

ローズヒップと相性のよいハイビスカス

市販のローズヒップティーの多くは、ほかのハーブをブレンドしています。

特にハイビスカスはローズヒップと相性がよく、ブレンドに使用されることの多いハーブです。

市販のローズヒップティーにはハイビスカスブレンドが多い

ローズヒップだけを使ったハーブティーは、黄色い色をした、アセロラのようなほのかな酸味がします。

しかし市販のローズヒップティーは、色合いや風味がそうではありませんよね。
実はほかのハーブをブレンドした、ブレンドハーブティーなのです。

特にハイビスカスをブレンドしていることが多く、真っ赤な色と強い酸味のあるハーブティーになります。

ハイビスカスの健康効果

ハイビスカスは、さまざまな効能を期待できる栄養分が豊富。

クエン酸やビタミンC・リンゴ酸・カリウム・アントシアニンなどが体に働きかけ、次のような健康効果を期待できます。

  • ・疲労回復
  • ・スタミナ維持
  • ・シミ予防
  • ・脂肪を分解し、できにくくする
  • ・むくみ予防・改善
  • ・眼精疲労の改善

ローズヒップとハイビスカスの相乗効果

①ローズヒップティーもハイビスカスティーも、妊婦さんには安心のノンカフェインです。

しかしハイビスカスティーは薄めに抽出しないと、体を冷やしてしまうことも。
ローズヒップとブレンドすることにより、ハイビスカスの抽出量を減らしながら、うれしい健康効果を得られるのです。

②ローズヒップとハイビスカスをブレンドすることで、美容・健康効果もアップ。

それぞれの持つ健康効果に加えて、豊富なビタミン群が増えることにより、さらなる美容効果を期待できます。

またローズヒップのポリフェノールとハイビスカスのリンゴ酸の相乗効果で、脂肪燃焼効果もアップ。
ハイビスカスのマイナス面を補いながら、より効果的な美容・健康効果を期待できます。

ローズヒップティーのおいしい淹れ方とアレンジレシピ

ローズヒップティーの淹れ方のコツを、アレンジレシピとともにご紹介します。

 

ローズヒップティーのおいしい淹れ方とアレンジレシピ

ローズヒップティーの淹れ方(ティーポットの場合)

ローズヒップのみを使った、おいしいローズヒップティーを淹れてみましょう。
4.84 from 6 votes
調理時間 4 mins
材料(人分) 2

材料
  

  • ローズヒップ(ティースプーン) 2
  • お湯 300 ml

作り方
 

  • ティーポットにローズヒップを入れ、沸騰したお湯を注ぐ。
  • フタをして3分ほど蒸らしたら完成。

コツ・ポイント

・ローズヒップはカットの細かさによって、蒸らし時間が異なります。
細かくカットされているファインカットの場合は約3分、粗くカットされているシェルカットの場合は約7分が目安です。
・金属製のポットやカップ・茶こしはハーブティーには向きません。金属製以外のものを使用しましょう。
・使用するティーポットとカップは温めておきましょう。
・ローズヒップのエキスをしっかり抽出したい場合は、実をつぶしてから使うのがおすすめです。
このレシピのキーワード ローズヒップ

 

ローズヒップジャム

ローズヒップを丸ごと使ったジャムをご紹介します。ヨーグルトに添えたり、パンのお供に。ローズヒップを身近に取り入れられるレシピの一つです。
4.58 from 7 votes
調理時間 30 mins

材料
  

  • ローズヒップ(シェルカット) 50 g
  • 砂糖 50 g
  • ローズヒップティー 100
  • レモン汁 少々

作り方
 

  • ローズヒップを鍋で煮出し、柔らかくする。
  • 砂糖を加え、弱火で焦がさないように混ぜる。
  • 冷ましたローズヒップティーを加え、弱火で煮立たせないように煮込む。
  • 水分が少なくなってトロトロになってきたら、レモン汁を加えて混ぜる。

コツ・ポイント

・砂糖はてんさい糖を使いました。
・ローズヒップジャムには、粗くカットされたシェルカットがおすすめです。
・保存料などが入っていない、体にやさしい手作りジャムです。冷蔵庫で保存し、なるべく早く食べきりましょう。
このレシピのキーワード ローズヒップ

ローズヒップの飲み方・食べ方のポイントと注意点

ローズヒップの豊富な栄養分と幅広い美容・健康効果を摂るための、ポイントと注意点をご紹介します。

ローズヒップは実まで食べるのがおすすめ

ローズヒップをお茶にして飲むと、栄養分は2~3割しか抽出されず、残りは実に残ったまま。

特に抗酸化作用のあるビタミンEは水に溶けにくく、ローズヒップティーを淹れたあとでも、多くが実に含まれたままになっています。

ローズヒップの豊富な栄養分を残さず摂るには、出がらしの実まで食べるようにしましょう。

ローズヒップティーの飲み方・ローズヒップの食べ方の注意点

・豊富な栄養分を残さず摂って、ローズヒップの美容

・健康効果を最大限発揮するためには、ちょっとしたコツがあります。
それは、ローズヒップティーを飲むだけではなく、出がらしもしっかり食べることです。
ほかの茶葉とブレンドされていない、ローズヒップのみを使ったものをおすすめします。

・ローズヒップティーの飲み過ぎやローズヒップの食べ過ぎにより、お腹を下したり腎臓に負担をかけて結石になったりする場合があります。
1日3~4杯を目安として、適度な量を心がけましょう。

・植物の実であるローズヒップを摂ることにより、アレルギー反応が起こる場合があります。
シラカバやハンノキなどの花粉症アレルギーのある方や、バラ科の植物アレルギーのある方は注意が必要です。

・ローズヒップをはじめとするハーブティーの効果は、飲んですぐには現れません。
飲みはじめて3か月目ほどから、効果を実感できるといわれています。
毎日続けて、ハーブの美容・健康効果を上手に取り入れましょう。

ローズヒップを自家栽培するなら苗からがおすすめ

ローズヒップ栽培には、イヌバラ(ドッグローズ)やハマナスを使います。栽培初心者には、種よりも苗からの方が比較的簡単に栽培できておすすめです。

植え付け時期 4~5月、11~12月
収穫時期
土作り ・水はけをよくする(腐葉土を多めに入れる)
・湿った状態にする(赤玉を入れない)
肥料のあげ方 ・1か月に1回くらいの割合で、たっぷり与える(春~秋)
水のあげ方 ・土の表面が乾いたらたっぷり与える(春~秋)
・水やりの回数を減らす(冬)
日当たり具合 日当たりをよくする

収穫したローズヒップでドライハーブ作り

ローズヒップは生のままでもおいしく食べられます。長期保存したい場合はドライハーブにしましょう。

<ドライハーブの作り方>
①よく実を洗い、水気をふく。
②包丁で実をカットして、スプーンなどで中の種とワタを取り出す。
③ペーパータオルを敷いた皿やバットなどに②を置き、風通しのよい日陰で1か月ほど自然乾燥させる。

<作り方のポイントと注意点>
・自然乾燥中は湿気やカビに注意が必要ですが、マイルドな風味に仕上がります。
・「1ヶ月も自然乾燥していられない」、「自然乾燥に適した場所がない」という場合は、トースターを使った方法をおすすめします。

オーブンシートを敷いた耐熱皿に②を置き、トースターで15~20分乾燥具合をチェックしながら温めてください。こげないように注意しましょう。

●管理栄養士からのコメント

さまざまなハーブティーがあるなかでも、上品な香りで人気のローズヒップ。
ビタミンCやリコピンが豊富なのが特徴で、強い抗酸化作用をもっています。
また、カルシウムやマグネシウムなども多いため、筋肉の働きをサポートしたり骨や歯を丈夫にしたりする作用も期待できます。
ビタミンやミネラルを豊富に含むローズヒップは、身体の代謝を促進する力があります。
おすすめの取り方は、温かいローズヒップティーを朝起きたタイミングで飲むこと。
内臓を温め、ビタミンとミネラルを補給して身体を内側から目覚めさせてあげましょう。
カリウムも多く含まれているので、浮腫みなどの身体の不調に困っている方もお試しください。

川野恵

管理栄養士プロフィール

◎川野 恵

給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。

身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
・血圧や血糖など血液結果を注意された!
・美味しく食べてきれいに痩せたい!
という悩みを解決するための情報を発信しています。

▼Twitter
@kawa040508

ローズヒップについてのQ&A

ローズヒップティーは妊娠中でも飲めますか?
ローズヒップティーはノンカフェインなので、妊娠中でも大丈夫です。
ローズヒップに他のハーブがブレンドされており、その中には妊娠中には避けたいハーブが含まれていることもあります。
袋の裏面などで、どのようなハーブが使われているのかを確認しましょう。
ローズヒップティーは生理のときに飲むといいと聞きましたが、本当ですか?
ローズヒップには女性ホルモンの分泌バランスを整える効能があります。
そのため、生理中のイライラや生理痛の緩和におすすめです。
ローズヒップティーを飲むと、どのような効果がありますか?
ローズヒップは美肌効果や整腸作用、イライラの軽減、利尿作用、貧血予防、疲労回復など、幅広い効果を期待できます。

ローズヒップおすすめ商品





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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。