赤ちゃんに玄米はOK?何歳から食べても良いか・食べさせ方を解説
結論からいえば、炊いた玄米を赤ちゃんに与えるのはNGです。もっといえば、白米の軟飯の時期が離乳食後期(生後9カ月以降)であり、玄米はそれよりもさらに後となります。
しかし、玄米は体に良い効果もあるため、赤ちゃんの離乳食として取り入れられないか検討したい人もいるでしょう。
そこで、本記事では赤ちゃんに玄米がNGの理由と何歳から食べても良いか、離乳食として取り入れられる方法はあるかを詳しく解説します。子どもにとって負担にならないタイミング、取り入れ方を見極めましょう。
炊いた玄米を食べられるのは4歳になってから
炊いた玄米を食べられるのは4歳以降です。成長が早い場合は3歳でも食べられることがありますが、個人差を見極めるのは難しいため、4歳を目安としましょう。その理由を詳しく解説します。
玄米は大人でもしっかり咀嚼が必要
玄米は白米とは異なり、食物繊維が豊富な外皮がそのままになっています。噛み応えが強く、大人でもしっかり咀嚼して飲み込まないと胃腸に負担がかかる食材です。
赤ちゃんはまだ奥歯が生えそろっていないため、しっかり咀嚼することができません。個人差がありますが、第二臼歯が生えて20本の歯がそろうのは2歳半が目安です。少なくとも、2歳半を超えるまでは、玄米に限らず咀嚼が重要な食材は避けましょう。
大人も含めた玄米のデメリットや気になる噂を詳しく知りたい人は、次の記事をご覧ください。
赤ちゃんは消化器官が未発達
消化器官が発達した大人にとっては、玄米に含まれる食物繊維には良い効果があります。便のカサを増し、刺激となることで便通を改善する、不要なコレステロールを吸着するなどです。カリウムも含まれているため、余分な塩分の排泄にも役立ちます。
しかし、赤ちゃんは歯が生えそろっていないことに加えて、消化器官も未発達です。消化器官が衰えはじめる高齢者も同様に、玄米を食べると不調になることがあります。具体的には便秘や膨満感、それに伴う吐き気や腹痛などです。
腸への刺激や豊富なミネラルは赤ちゃんの消化器官に負担をかけることがあるため、基本的には炊いた玄米を食べさせないことをおすすめします。消化器官が大人に近づく4歳以降を目安としましょう。
赤ちゃんにも食物繊維は必要
ここまでの解説で、赤ちゃんに食物繊維はNGと感じた人もいるでしょう。しかし、食物繊維が不要なのではなく、炊いた玄米の食物繊維が多すぎること・食感が硬く咀嚼しにくいことが問題なだけです。
赤ちゃんにとっても食物繊維は大切なので、適した食材で取り入れていきましょう。たとえば、離乳食初期であれば重湯(おもゆ)、さつまいもやカボチャのペーストなどがあげられます。
なお、炊いた玄米そのままでなく、重湯なら玄米でもOKです。ただし、重湯でも食物繊維やミネラル量は白米で作ったときよりも多くなる可能性があるため、赤ちゃんによっては相性が合わないこともあります。少量を与えて様子をみましょう。
玄米重湯の作り方
やさしい玄米の重湯の作り方
材料
- 玄米 1/2 合
- 水 1.1 ℓ
- 塩(お好みで) ひとつまみ
作り方
- 玄米を擦り合わせるようにして丁寧に研ぐ。
- 研いだ玄米を1晩(12時間以上)水に浸けておく。
- 鍋に水を切った玄米と300ml位の水を加えて炊く。最初は中火で、沸騰したら弱火にして20分火にかける。塩を加えたい方はこの時に加えます。
- 800mlの水を加え、さらに弱火で40分煮込み火を止め、20分程放置。
- ザルなどで濾せば完成です。
コツ・ポイント
4歳以降の子どもに玄米を与えるメリットと注意点
歯がそろい、消化器官の発達が期待できる4歳以降の子どもに炊いた玄米を与えると、さまざまなメリットがあります。しかし、注意点もあるため、ここで確認しておきましょう。
子どもに炊いた玄米を与えるメリット
メリットは次のとおりです。
- よく噛んで食べる習慣ができ、胃腸の負担を減らせる
- よく噛むことで顎の発達に貢献できる
- よく噛むことで歯並びがきれいになりやすい
- 体の発達に必要なミネラルやビタミンを豊富に摂取できる
- 食後血糖値の上昇を防ぎ、夜泣きやイライラ予防に貢献する
しっかり咀嚼してから飲み込む習慣がつけば、玄米だけでなくさまざまな食べ物の消化吸収に役立ちます。顎や歯並びの発達にも良い効果があるため、消化器官が発達した年齢になれば玄米はおすすめです。
また、玄米は食後血糖値の上昇をゆるやかにできる低GI食品なので、血糖値の急激な乱高下からくるイライラの軽減にも役立ちます。食後に子どもの機嫌が悪くなる傾向にある場合、玄米を試してみましょう。
子どもに玄米を与える際の注意点
メリットはあるものの、与え方には次のように注意が必要です。
- 玄米はしっかり浸水させる
- 少量からはじめる(白米と混ぜる)
- 食事全体の栄養バランスを考慮する
- 経過観察する
玄米は12時間以上浸水させないと食感が硬いため、子どもの咀嚼力では対処できないことがあります。前日から浸水をスタートするなど、浸水時間を確保するように努めましょう。これらの手間がかからない玄米フレークを活用するのもおすすめです。
また、最初から主食を玄米100%にするのではなく、白米と混ぜて少量から始めましょう。食物繊維やミネラル量が多いため、4歳以上であっても子どもによっては負担が生じることがあるからです。
同じ理由で、食事全体の栄養バランスも考慮しましょう。玄米を取り入れるときは、食物繊維が多い根菜類やミネラルが多い海藻類を控えめにするなどです。また、玄米を与えた後は子どもの体調の変化を観察しましょう。
赤ちゃん・こどもへの玄米はゆるやかに始めよう
重湯であれば離乳食初期の赤ちゃんでもOKですが、炊いた玄米を与えるのはNGであることがわかりました。歯や消化器官が大人に近づいた4歳以上であっても、少量から始めて経過観察することが大切です。
ゆるやかに始めて、問題ないと判断できれば、玄米は子どもにとっても嬉しい効果があります。咀嚼の習慣がつき、発育に貢献してくれるでしょう。
なお、外皮をそのまま食べる玄米は無農薬・有機栽培のものがおすすめです。玄米の浸水などの手間を考慮する場合は、手軽な玄米フレークという選択肢もあります。ぜひ検討してみてください。
赤ちゃん・子どもと玄米に関するQ&A
- 赤ちゃんに玄米を食べさせてもよいですか?
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赤ちゃんに玄米を食べさせるかは、赤ちゃんの体質や消化能力によって、玄米を食べて大丈夫な場合とそうではない場合があります。また、玄米を離乳食に取り入れる場合は、玄米の重湯や玄米クリームなど、消化が良くなるように調理したものから食べさせるようにしましょう。離乳食初期に、いきなり玄米のおかゆや玄米ご飯を与えることは絶対にしないでください。
- 離乳食で玄米はいつから食べられますか?
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離乳食で玄米は、重湯にすれば離乳食初期から食べることができます。しかし、お子さまによって体質が異なりますし、玄米のデメリットもございます。玄米を食べさせるかよく考えた上で取り入れていけたら良いですね。
- 玄米を離乳食に取り入れるにはどうしたらよいですか?
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玄米を離乳食に取り入れるには、消化や咀嚼(飲み込み)しやすく、調理してあげる必要があります。離乳食初期であれば重湯に、少し慣れてきたら玄米クリームなど作ってあげるとよいでしょう。
- 子どもに玄米はいつから食べさせて良いですか?
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歯がそろい消化器官が大人に近づく4歳以降をおすすめします。白米と混ぜて炊くなど、少量からはじめて様子を見ましょう。
- 成長期の子供に玄米を食べさせても大丈夫?
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基本的には問題ありません。ただし、白米と比べてエネルギーになるまで時間がかかるため、部活動などで激しい運動をする場合は白米の方が適している場合があります。体重や体調の変化を観察しましょう。
- 子どものダイエットに玄米は良いですか?
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玄米は低GIで、脂肪を蓄えるためのホルモン(インスリン)の過剰分泌を防げるためダイエットには有用です。ただし、子どもにダイエットが必要かどうかは、医師の診断を受けてから判断しましょう。
- 子どもが玄米を食べてくれません。どうしたらいいですか。
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無理に食べさせることで食事に抵抗が生まれ、栄養バランスが偏ってしまう方が問題です。玄米フレークなど比較的食べやすいものでも嗜好に合わないのであれば、玄米以外のもので栄養バランスをとってあげましょう。