あま~い香りでスイーツ気分を盛り上げてくれるスパイス、シナモン。
シナモンロールにシナモンチュロス、チャイにパンプキンパイと、シナモンが欠かせないデザートはたくさんありますよね。
でも! シナモンの素晴らしさは甘い香りだけじゃないんです。
漢方薬としても使われてきたというシナモンは、身体にもうれしい効果がいっぱい!
今回はシナモンの強力な効果・効能や、気になる摂取量・副作用、レシピまで、シナモンについて情報たっぷりでお届けします。
シナモンは、クスノキ科ニッケイ属の樹皮から採られる香辛料。
くるくると巻かれた「シナモンスティック」とパウダー状で容器に入った「シナモンパウダー」がおなじみですが、シナモンの木の樹皮をはぎとって乾燥させたものが「スティック」、粉末にしたものが「パウダー」です。
日本では珍しいですが、葉もティーにしたり、ハーブのベイリーフのように料理に使ったりでき、樹皮とはまた違った爽やかで甘い香りが好まれています。
シナモンスティックとパウダーは、シリアルやパン、フルーツを使ったスイーツに、また肉料理や煮込み料理、スープの風味付けにと、世界のさまざまな家庭料理で使われています。
一方で、「古代エジプトではミイラづくりの防腐剤として使われていた」という逸話もあるシナモン。伝統的に薬として使用されてきた長い歴史があるほか、媚薬として利用されたという話も残っています。
甘く、エキゾチックで、どこか神秘的。
シナモンは昔から世界中を虜にしてきたスパイスのひとつです。
「シナモン(cinnamon)」は英語の呼び方、「ニッキ(肉桂)」は中国語の呼び方ーと言ってしまえば簡単ですが、実はそれだけではありません。
「シナモン」と呼ばれて流通しているものの中には複数の種類があり、それぞれ採取された木の種類が違うのです。
主な種類は、スリランカ原産のセイロンニッケイと、中国原産のシナニッケイ。
セイロンニッケイ (Cinnamomum verum) |
スリランカ原産。 「セイロンシナモン」、また学名から「真のシナモン」とも。甘く品のある繊細な香りと言われている。 |
シナニッケイ (Cinnamomum cassia) |
中国原産。 「カシア」とも呼ばれる。 濃厚で甘く、スパイシーな香りと言われている。 |
ニッケイ (Cinnamomum sieboldii) |
中国原産、日本育ち。 樹皮の香りは弱く、根の皮が使われる。 |
「ニッキ」とは中国原産のシナニッケイが日本に根付いた「ニッケイ」のこと。
日本産のシナモンで、甘さより爽やかさ、ハッカのようなスーッとした風味が際立つ香りです。
シナモンクッキーと八つ橋の香りを想像してみると、その違いがわかるかもしれません。
ちなみに価格は高価な順に「ニッキ」、「セイロンシナモン」、「カシア」。現在流通しているシナモンの大部分は「カシア」なのだそうです。
健康に役立つ多くの効果があるといわれるシナモン。
薬効の幅が広く、さまざまな生薬と組み合わせて漢方薬にもなっています。
シナモンには多くのフラボノイドが含まれ、強力な抗酸化効果があると言われています。
クローブやオレガノなど26種類のスパイスとの比較実験では、シナモンが最高の抗酸化作用を示したそうです。
アンチエイジングや生活習慣病の予防効果が期待されます。
慢性的な炎症は、長期間にわたって身体を蝕み、がんや動脈硬化、アルツハイマーなどの病につながる可能性があるそうです。
シナモンには、抗炎症作用のある複数の成分が含まれ、天然の抗炎症剤として利用できる可能性が指摘されています。
シナモンには、HDLコレステロール(善玉コレステロール)はそのままに、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)のレベルを下げる効果があるそうです。
動物実験では血圧を下げる効果も認められ、心疾患予防効果も期待されます。
シナモンには血糖値を下げる効果があることが知られています。
多数の研究によって糖尿病への効果が証明されており、空腹時の血糖値を下げることが示されています。
シナモンには血液循環を改善させる効果があります。
最近では毛細血管の健康の維持が全身の健康の維持につながると言われていますが、シナモンには、毛細血管を作る働きをする物質を活性化する成分が含まれているそうです。
冷え性の改善だけでなく、全身に酸素や栄養を届け、健康を維持する効果が期待できます。
香ばしいコーヒーの香りと甘くスパイシーなシナモンの香りが溶け合って、「ハマる」と噂のシナモンコーヒー。
美味しいだけでなく美容にうれしい効果もたくさんあるということで、海外でも大人気です。
作り方は簡単。
温かいコーヒーを淹れて、シナモンパウダーを振りかけるだけです。
シナモンスティックを用意してコーヒーに添えればカフェ風に。
特にカプチーノに添えられることが多く、シナモンスティックを浸してかき混ぜれば、たちのぼる贅沢な香りに癒されること必至です。
シナモンは、コーヒーにプラスするとさらにパワーアップ。
美容にうれしい効果がたくさんあるんです。
特に、砂糖を足してしまいがちなコーヒーに甘い香りをプラスして「砂糖なしでもOK」と感じさせてくれるシナモンは、糖化だけでなく太ることも予防してくれる美の味方。
「入れるなら砂糖の代わりにシナモン」で、コーヒーだけでなく紅茶やハーブティーなどにもプラスしてみてください!
薬としても利用されてきたシナモン。副作用はないのか気になりますよね。
シナモンは子どもや妊婦さんが摂取しても大丈夫なのでしょうか?
実は、流通しているシナモンのうち「セイロンシナモン」と「カシア(シナニッケイ)」は成分が少し異なり、「カシア」の方に多く含まれている「クマリン」という成分は、たくさん摂取すると肝臓の障害につながることがわかっています。
「クマリン」は桜餅に使われる桜の葉などにも含まれる成分で、「カシア」についても健康への影響は「比較的長期間にわたり大量摂取しない限り懸念されない」(参考:内閣府食品安全委員会Webサイト)とされていますが、「カシア」を長期的に摂る場合は次の摂取量を守るようにしましょう。
体重60kgの大人…1日当たり2g未満(小さじ1弱)
体重15kgの子ども…1日当たり0.5g未満
一方の「セイロンシナモン」に含まれるクマリンは極めて微量で、通常スパイスとして使用される分量では特に問題にならないようです。
シナモンは香りが強いので、実際に小さじ1杯も使うことはなかなかないと思いますが、「カシア」を使った場合は「ついつい食べ過ぎた!」ということがないように注意してくださいね。
血行をよくし、身体を温める作用もあるシナモンですが、妊娠中は避けた方がよいとも言われています。
シナモンの入ったお菓子や料理をたまに食べる程度ならばそれほど気にすることはないとされていますが、気になる方は医師に相談してみてください。
「健康のために」と毎日たくさん摂ったり、サプリメントから摂取したりするのは、妊娠中は控えましょう。
コーヒーやシリアルにかけるのもいいけれど、もっともっとシナモンを楽しみたい!という方のために、3つのレシピをご用意しました。
デザートにお料理にと、色々活躍させてみてください!