酵素玄米の4つのデメリット|塩分・食中毒の危険性に注意

酵素玄米は玄米・小豆・塩を炊いて保温熟成させた食品です。健康・美容意識の高い人を中心に支持されていますが、デメリットもあります。酵素玄米が気になっているけれど、デメリットがあるなら始めるかどうか迷ってしまうという人もいるでしょう。

そこで本記事では、酵素玄米の主なデメリットを4つ解説します。対処法があるデメリットもあるため、ぜひ参考にしてください。後半では、デメリット以外の3つの注意点も紹介します。

もくじ

酵素玄米の4つのデメリット

酵素玄米

酵素玄米の主なデメリットは次のとおりです。

  1. 白米よりも風味と食感が強い
  2. 塩分が含まれる
  3. 食中毒のリスクがある
  4. 炊飯器を占領する

3番と4番は酵素玄米を自分で作る場合のデメリットです。それぞれを詳しく解説します。

白米よりも風味と食感が強い

玄米だけでも白米と比べて風味が強く、そこに小豆や塩の風味も加わります。栄養豊富だからこその複雑な味わいですが、おかずとの食べ合わせは白米ほど万能ではありません。

また、保温熟成させるとアミノ酸と糖が結合して、メライジンという茶褐色の成分が生まれます。炒めタマネギやトーストの茶褐色と同じ成分で、甘く香ばしい味わいです。おいしさを感じやすい味ではありますが、主食としては飽きてしまう人もいるでしょう。

食感は玄米のみを炊いた場合と比べると、保温熟成の過程でやわらかくはなりますが、白米と比べるとモチモチとした弾力があります。噛む回数は自ずと増えるはずです。

塩分が含まれる

酵素玄米のレシピでは玄米3合、小豆30gに対して塩が3~5gという割合なので塩分が多いわけではありません。しかし、白米にはない塩分が含まれることは間違いないため、塩分摂取に注意が必要な人には向かない可能性があります。

また、健康な人の場合でも1日の塩分摂取量の目安は男女ともに6gです。3合以上の酵素玄米を1人で1日の内に食べ切ることはないとしても、おかずや味噌汁などを含めた塩分の総摂取量が6gを超えないように気を付けましょう。

食中毒のリスクがある

酵素玄米を自分で作る場合のデメリットです。酵素玄米は3~4日の保温熟成で仕上がるのですが、熟成期間中に温度が70℃以下になると雑菌が繁殖する危険性があります。雑菌が繁殖していることを知らずに食べてしまうと、食中毒になるリスクがあるため要注意です。

炊き上げた直後の温度なら問題ありませんが、乾燥を防ぐために1日1回は混ぜる必要があるため、炊飯器の蓋を開けると温度が下がります。

また、夏場は玄米の浸水時にも注意が必要です。炊く前日の夜から浸水をスタートさせますが、常温で浸水させると雑菌が繁殖して腐敗する可能性があります。玄米を洗った後は冷蔵庫で浸水させましょう。

食中毒を避けるための注意点・食べ切れなかったときの保存方法は次の記事の後半をご覧ください。

炊飯器を占領する

これも自分で作る場合のデメリットです。3~4日は保温熟成のために炊飯器を占領するので、その他の炊飯器調理ができなくなります。炊飯器調理が好きな人は2台持ちするか、専用の保温ジャーを導入する必要があるでしょう。

また、保温中の電気代もかかります。炊飯器にもよりますが、5.5合炊きの電気代の目安は1時間あたり0.5~0.6円です。10時間ほど保温すると炊飯一回分の電気代に相当します。3~4日(72~96時間)の保温が必要なので、電気代の節約にはなりません。70℃以上をキープするための再加熱の電気代もかかります。

酵素玄米には効果がない?食中毒以外の危険性は?

考える女性

デメリットではありませんが、酵素玄米には効果がないといわれることもあります。その理由を紹介します。

酵素自体が体に良いわけではない

「酵素」と聞くと体に良いイメージがありますが、経口摂取した酵素が体の中ではたらくことはありません。酵素はタンパク質の一種なので、消化器官で分解されてアミノ酸になります。アミノ酸としての効果は期待できますが、酵素自体が機能するわけではないということです。

また、酵素は50℃を超えると失活しはじめるため、70℃以上をキープする必要がある酵素玄米で、どれだけの酵素が残っているかは、はっきりとわかっていません。酵素玄米における酵素のはたらきは、保温熟成期間中の風味や食感の変化に関わると考えられます。

薬学博士久郷晴彦氏は次のような見解を示しています。

「炊飯時の熱から守られて、酵素は、炊飯後の保温状態のなかで少しずつ活性化されていきます。

酵素が増えたり、発酵するかどうかは解明されていません。

日がたつにつれて消化のいい、もちもちとした食感へと変化していくのは、何らかの反応が起こっているためと考えられます」

(岡本羽加『毒出し酵素玄米ダイエット』主婦の友社より、薬学博士久郷晴彦氏のコメント)

カロリーは白米と比べて同程度

炊いた状態の100gあたりの白米のカロリーは156kcal、酵素玄米(※)は149kcalなので、差はほとんどありません。そのため、白米よりも健康なイメージがあるからといって食べ過ぎれば太ります

一方、GI値は白米よりも低いため、食後の血糖値の急上昇や脂肪としての溜め込みは軽減できます。詳しくは次の記事をご覧ください。

(※)かわしま屋商品の場合

玄米は白米よりもヒ素が多いから危険?

結論からいえば、玄米に含まれるヒ素の危険性を考える必要はありません。たしかに、有害なイメージの強いヒ素の含有量は、精製米(白米)よりも玄米の方が多いのは事実です。ヒ素は有害性・発がん性があり、大量あるいは長期間摂取すると病気の要因にもなり得ます。

しかし、ヒ素は火山活動や鉱物の風化などの自然現象で生まれるもので、自然に存在する元素です。含有量は玄米よりも海藻の方が圧倒的に多く、1kgあたりの総ヒ素量は玄米が0.17mgに対して乾燥ひじきは93mgという結果が出ています。それでも、ひじきを食べたからといってただちに害が及ぶようなものではありません。

農林水産省・食避難全委員会では「日本において、食品を通じて摂取したヒ素による明らかな健康影響は認められておらず、ヒ素について食品からの摂取の現状に問題があるとは考えていない」としています。ヒ素を気にするよりも、バランスの良い食事を心掛けることが重要です。

玄米の危険性に関する噂とその詳細を知りたい人は、次の記事をご覧ください。

参考:
農林水産省「食品に含まれるヒ素の実態調査
農林水産省「食品中のヒ素に関する基礎情報

レトルトならデメリットは少なくなる

保温熟成済みの酵素玄米をレトルトにした商品なら、説明書き通りにレンジなどで加熱すればよく、食中毒のリスクはありません。炊飯器を占領することもないため、家族のご飯と自分のご飯を分けることも可能です。

味や食感が好みに合うかどうか確認したいときは小容量のものを活用すれば、手軽に試せます。

まずはレトルトで食べてみて、生活に取り入れるか検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

読み物コンテンツ担当。ダイエットのため筋トレを始めるも、食事にも気をつけないと痩せないことに気づく。1日1杯のはちみつレモンが至福の時間です。料理が趣味。ついつい味見の量が多くなってしまうのが悩みの種です。

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