甘酒の作り方|米麹だけ・もち米・炊飯器・魔法瓶など簡単に作る方法も解説

甘酒を自宅で作ってみたい! でも、どんな材料が必要なのか、どのくらいの時間がかかるのか、温度管理はどうすればいいのか、そんな疑問を持っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、米麴だけで作る甘酒の作り方をはじめ、甘くならない原因やアレンジレシピまで解説していきます。
お手持ちの機器に合わせて、ヨーグルトメーカーや、保温ジャー、炊飯器で作る方法やお手持ちの材料に合わせたレシピもご紹介します。ぜひ参考にして、自家製のおいしい甘酒作りに挑戦してみてください。
材料・道具別の甘酒の作り方

米麹だけでつくる甘酒の作り方
必要な道具
- ヨーグルトメーカーや炊飯器
- 温度計
- ふきん(炊飯器を使う場合)
材料
- 米麹(生麹または乾燥麹) 300 g
- お湯(60度) 300 ml
作り方
- 米麹に55~60度のお湯を入れて混ぜます。麹の固まりが残っているとそこの部分だけ上手く甘酒に仕上がりません。固まりがほぐれるようにしっかりと混ぜましょう。酵素がよく働く温度が50度から60度あたりになります。あまり高温になると壊れてしまいます。温度計を使ってこの適温を保ちながら混ぜてください。
- 1の温度を55℃~60℃に保ち、約6時間保温します。ヨーグルトメーカーなどの保温器があると、温度と保温時間の管理が楽にできます。
- 炊飯器を使用する場合は、保温モードにして、フタを少し開けておきます。釜にふきんなどをかぶせておくと60度ぐらいが保てます。炊飯器によって保温モードの温度が異なります。温度計で図りながら、フタの開け具合などで温度調整をしてください。
- 保温から5-6時間が経過すると麹の甘い香りが漂ってきます。容器をよくかき混ぜれば、甘酒の出来上がりです。麹とお米だけでできた、砂糖不使用、アルコール分0%の美味しい甘酒です。
動画
コツ・ポイント
お好みで2-3倍程度にうすめてお飲みください。
炊飯器で作る甘酒
魔法瓶で作る甘酒
もち米で作る甘酒
酵素玄米で作る甘酒
麦麴で作る甘酒
余った甘酒の活用レシピ

甘酒豆乳
材料
- 甘酒 60 ml
- 豆乳 60 ml
作り方
- グラスに甘酒と豆乳を入れます。
- よく混ぜ合わせて完成です。
甘酒が甘くならない原因と対策方法

温度が高すぎる、もしくは低すぎる
甘酒が甘くならない最も多い原因の一つが、「温度が高すぎること」です。甘酒の甘さは、麹に含まれる酵素(アミラーゼ)が米のデンプンを分解し、ブドウ糖などの糖に変えることで生まれます。しかし、この酵素は 高温に弱く、70℃以上になると働かなくなってしまいます。つまり、温度が高すぎると糖化がうまく進まず、期待した甘みが生まれないというわけです。
特に、炊飯器の「保温モード」を使って甘酒を作る場合は注意が必要で、炊飯器の機種によっては保温時の温度が 70℃以上になることがあります、そのまま放置すると麹菌の酵素が死んでしまい、糖化が進まなくなり、結果として、出来上がった甘酒は「甘くない」「味がぼやけている」「ただの発酵した米のような味」となってしまうことがあります。
この問題を防ぐためには、温度管理をしっかり行うことが大切です。甘酒作りに最適な温度は50〜60℃ で、この範囲内で発酵を進めることで麹の酵素が活発に働き、しっかりと甘みが引き出されます。炊飯器で作る場合は、保温モードを使いながらも フタを少し開けて温度を下げる工夫 をするのがおすすめです。また、温度計を使ってこまめにチェックし、必要に応じて調整すると良いでしょう。
もし温度が高くなりすぎた場合は、少し冷ましたお湯(50〜60℃)を足して温度を下げる 方法もあります。逆に、ヨーグルトメーカーや魔法瓶で作る場合は、適温を維持できているか定期的に確認し、温度が下がりすぎないようにすることも重要です。
甘酒作りにおいて、温度管理は最も重要なポイントの一つです。適切な温度を保つことで、麹の酵素がしっかり働き、自然な甘みのある美味しい甘酒を作ることができます。
発酵時間が短い
甘酒の甘さは、麹が持つアミラーゼが米のデンプンを糖に分解する糖化によって生み出されるため、一定の時間を確保する必要があります。
一般的に、甘酒を作る際の発酵時間は 最低でも8時間、理想的には10時間 が目安とされています。発酵時間が6時間未満だと、まだ糖化が進んでおらず、デンプンが分解されきっていない状態のため、思ったような甘みが出ません。逆に、発酵時間を長くしすぎると、糖がさらに発酵して酸味が出てしまうことがあります。そのため、甘さを最大限に引き出すには、8〜10時間程度の発酵時間を確保し、途中で味見をしながら調整するのがベストです。
麹の量が少ないもしくは麹が古い
甘酒の甘さを決める重要な要素として、「麹の量」と「麹の質」があります。麹の量が少なすぎると、発酵のための酵素が十分に供給されず、糖化が不十分なままになってしまいます。
甘酒作りでは米麹とお湯(またはお粥)の適切な割合が重要 で、一般的には米麹1に対してお湯またはお粥3の割合(1:3)が適正 とされています。今回紹介しているレシピでは米麹とお湯を1:1の分量で作っており、米麹の量を多くすることで失敗しにくく、どろっとした甘みの強い甘酒に仕上がります。
また、麹の「質」も甘酒の甘さに大きく影響します。麹は発酵の力を持つ生きた食品であり、新鮮で品質の良いものを使うことで、より甘みのある美味しい甘酒が作れます。スーパーや発酵食品専門店で売られている「生麹」は酵素が活発で、甘酒作りに最適です。一方、「乾燥麹」を使う場合は、水分が抜けているため、しっかりほぐしてから使うことが重要になります。また、保存状態が悪かったり、賞味期限が過ぎた麹は酵素の働きが弱まっている可能性があるため、新鮮な麹を選ぶことが甘みを引き出すポイント になります。また、信頼できるメーカーの麹を選ぶことで、安定した甘さの甘酒を作ることができます。
甘酒作りにおすすめな米麹
奈良県の老舗味噌・醤油蔵である「井上本店」が、材料と製法にこだわり作り上げた国内産のうるち米100%の乾燥麹。 生麹を独自の製法で乾燥させる事で、長期保存を可能にしました。 甘酒はもちろん、自家製味噌や塩麹、醤油麹づくりにもおすすめです。
地元岡山県の有機JAS認定付きの白米のみを使用した、職人手作りの乾燥こうじです。JASだけでなく、世界一きびしいと言われるFDA(アメリカ食品医薬品局)の認定検査にも合格しました。こうじ菌を壊さないよう温風でじっくり、ゆっくり、ていねいに仕上げています。
甘酒作りに欠かせないアイテム
甘酒に関するQ&A
- 甘酒の麹菌は死滅しますか?
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通常の作り方で作られた甘酒の中に入っている麹菌は死滅しています。麹菌は、47℃くらいから徐々に死滅します。
- 麹の種類は何でもいいの?
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米麹の甘酒はクセがなく甘みが強いのが特徴、麦麹の甘酒は少しさっぱりとした味わいが特徴、玄米麹の甘酒は自然な甘さで香ばしい風味が特徴です。好みに合わせて選ぶようにしましょう。
- 甘酒が酸っぱくなった原因は?
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10時間以上発酵させてしまうと酸味が出てしまうため、8時間以上発酵させる場合は、都度味見をしちょうどいい甘さになったら発酵を止めるようにしましょう。
- 子供でも飲める?
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米麴の甘酒はアルコールが含まれていないので、子供や妊婦さんでも飲むことができます。一方で、酒粕で作る甘酒にはアルコールが含まれているので、子供はNGになります。