もち麦で不調?危険と言われる理由と「合わない人」の見分け方を解説

健康に良いと評判のもち麦。
しかし、「お腹が張る」「体重が増えた」といった不調に悩まされている人も少なくありません。これから食生活に取り入れようとしている人の中には、「危険」との噂が気になって迷っている人も多いでしょう。
とはいえ、もち麦自体が悪いわけではありません。多くの場合、問題の原因は「食べ方」と「体質」にあります。
この記事では、もち麦が危険視される5つの理由をわかりやすく解説します。さらに、ありがちなNG習慣とその改善策、そして「もち麦が合わない人」の見分け方についてもご紹介。
自分や家族の体質に合った食べ方を知り、健康的な食習慣を続けていきましょう。
もち麦が危険と言われる主な理由
もち麦は健康食材として広く注目されていますが、その一方で「お腹が張る」「体重が増える」といった不調を感じる人もいます。このような声が、「もち麦は危険」という印象につながっているのです。
ここでは、もち麦が危険視される主な5つの理由を解説します。
- 消化不良を起こす可能性がある
- 海外産のもち麦に不信感がある
- アレルギー反応が出る可能性がある
- 便秘を悪化させる可能性がある
- カロリー過多で太る可能性がある
先に結論を述べれば、もち麦自体が健康に害を及ぼすわけではありません。問題の根本は「食べ方」と「個人差」にあり、この二つが不調の主な原因となっているのです。
それでは、一つずつ理由を見ていきましょう。
消化不良を起こす可能性がある
もち麦には、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が豊富に含まれています。この特性が健康効果の源ですが、人によっては胃腸が対応しきれず、消化不良を引き起こすことがあります。
特に、普段から白米中心で食物繊維の摂取量が少ない人が、急にもち麦を主食にすると、腸内環境に大きな変化が生じます。もち麦に含まれる食物繊維、特にβ-グルカンの影響で腸内細菌バランスが変わりやすく、結果としてガスの発生が増加。これが「お腹がゴロゴロ鳴る」「腹部が張る」といった症状につながります。
実際、もち麦の研究では便秘が改善したケースが報告されていますが、これは腸内細菌の活動が活発になった証とも言えます。ただし、腸がその変化に慣れていない段階で大量に摂取すると、消化器系が追いつかず不快な症状が現れるのです。
消化不良が心配な人は、白米にもち麦を1〜2割混ぜる程度から始めましょう。1日の総摂取量は30グラム前後にとどめ、体調を見ながら少しずつ増やしていくのが賢明です。
さらに、食べる際にはゆっくりとよく噛むことも重要です。唾液中の酵素がデンプンを先に分解してくれるため、胃腸の負担を大幅に軽減できます。
参考:
農研機構, 『プレスリリース・広報』, 2019年, 「高β-グルカン含量のもち麦『フクミファイバー』」
海外産のもち麦に不信感がある
海外産の穀物については、一部で農薬や防カビ剤の使用に対する懸念が指摘されています。このため、「輸入=危険」というイメージを持つ人が少なくありません。しかし、実際に日本へ輸入されるもち麦を含む穀物は、厳格な残留農薬検査やかび毒・重金属などの検査をクリアしたものだけが流通しています。
とはいえ、日本では「国産=安全」という印象が根強く、特に農薬や添加物に敏感な消費者ほど海外産に対する警戒心が高まる傾向があります。しかし、国産であっても栽培方法や保管状態によって品質には差が出ます。つまり、重要なのは産地そのものではなく、「栽培履歴が透明であるか」「ロット管理が徹底されているか」といった信頼性の担保です。
購入時には、生産地だけでなく第三者認証(有機JASなど)の取得状況や、残留農薬などの検査証明書を公開しているかどうかを確認すると良いでしょう。包装袋にロット番号と問い合わせ窓口が明示されている製品は、品質管理体制が整っている証と考えられます。
輸入品・国産品いずれにしても、こうした透明性と管理体制の有無が安全性の判断材料となります。
参考:
農林水産省, 『輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の検査』, 2024年, 「輸入米麦のかび毒、重金属及び残留農薬等の検査」
厚生労働省, 『食品中の残留農薬等』, 2024年, 「食品中の残留農薬等」
アレルギー反応が出る可能性がある
もち麦は大麦の一種であり、小麦アレルギーの人が反応するたんぱく質「グルテン」をごく微量ながら含んでいます。多くの小麦アレルギー患者は大麦を問題なく摂取可能です。しかしごく一部の人には交差反応によってかゆみやじんましんなどの症状が現れるケースも報告されています。
特に注意が必要なのが、グルテン不耐症やセリアック病の方です。これらの疾患を持つ人は、わずかなグルテンでも免疫反応を引き起こし、消化器症状や皮膚症状が出ることがあります。
初めてもち麦を食べる場合は、小さじ1杯程度から試し、皮膚や消化器に異常が出ないか様子を見ることが推奨されます。もし不安がある場合は、小麦やグルテンを完全に含まない「オートミール」などの代替穀物で様子を見るのも一つの方法です。
安全にもち麦を取り入れるためには、少量から慎重に始め、自身の体の反応を確認することが大切です。
参考:
University of Nebraska–Lincoln, Food Allergy Research & Resource Program, 2024年, 「Celiac disease」

便秘を悪化させる可能性がある
「食物繊維=便秘に効く」というイメージは広く浸透しています。しかし、もち麦を食べる際に水分を十分に摂らなければ、逆に便が硬くなり、排出しにくくなる場合があります。
もち麦に豊富に含まれる不溶性食物繊維は、水を吸収して膨らむことで腸内の内容物の「かさ」を増やします。ところが、水分不足の状態では、この食物繊維が腸内で硬い「おから状」となり、腸内をスムーズに移動できなくなるのです。これが「渋滞」を引き起こし、便秘の原因になります。
便秘気味の人がもち麦を取り入れる際は、以下の2点が大切です。
- 水溶性食物繊維を先に増やす
- もち麦と一緒にスープ類や常温の水をこまめに摂取する
特に朝食で「もち麦入りご飯」と「味噌汁」の組み合わせは効果的です。水分とナトリウムを同時に摂れるため、腸のぜん動運動(腸の内容物を押し出す運動)が活発になります。
一方で、強い便秘薬を常用している場合は、急に食物繊維を増やすことで腸に負担がかかる可能性があります。このため、事前に医師に食物繊維の適切な摂取量を相談することが望ましいです。
なお、最新の研究でも、すべての便秘に食物繊維が効果的とは限らず、食物繊維の摂取を減らすことで便秘症状が改善したケースも報告されています。個人差が大きいため、自分の体の反応を見ながら調整することが重要です。
参考:
World Journal of Gastroenterology, 『World Journal of Gastroenterology』第18巻第33号, 2012年, 「Stopping or reducing dietary fiber intake reduces constipation and its associated symptoms」
カロリー過多で太る可能性がある
もち麦は白米に比べて低GI(グリセミック指数)であり、血糖値が上がりにくいとされています。しかし、1杯あたりのカロリーは白米とほぼ同じです。このため、「健康食だからたくさん食べても大丈夫」という思い込みがちです。摂取量が増えれば、オーバーカロリーとなり体重増加につながります。
もち麦は噛みごたえがあり、満腹感を得やすい食材です。ただし、味付けが単調になりがちで、飽きやすいという一面もあります。その結果、食事中におかずやデザートを追加してしまい、無意識のうちにカロリー過多となるケースが少なくありません。
体重管理を意識するなら、一食あたりの主食の量は白米換算で150グラム以内に抑えるのが適切です。しっかりとよく噛んで食べることで、満腹中枢を刺激しやすくなります。もち麦に合わせるおかずは野菜を中心とし、脂質や糖分の多い炒め物やスイーツは控えましょう。


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【消化不良や太る原因】もち麦のNG摂取方法
消化不良や体重増加といった不調の多くは、もち麦そのものに原因があるわけではありません。実際には「食べ方」に問題があるケースがほとんどです。
ここでは、ありがちなNG行動を三つ取り上げ、それぞれがなぜ不調につながるのかを解説します。
- よく噛まずに食べる
- いっしょに水分を摂らない
- 一度に大量に摂取する
自身に当てはまるクセがないか確認しながら、正しい食べ方に置き換えていきましょう。
よく噛まずに食べる
もち麦は白米に比べて粒が硬めです。表面のβ-グルカンが粘り気を持っているため、しっかり噛むと消化がスムーズになります。しかし、噛む回数が少ないと粒がほぼそのまま大腸まで届きます。腸内細菌によって一気に発酵されて、ガスが発生。これが「お腹が張る=体質に合わない」という誤解を招く原因となります。
理想的な噛む回数は、一口につき最低20回です。自然と食べるスピードが遅くなり、血糖値の急上昇を防ぐ効果も期待できます。ダイエット面からも取り入れたい習慣です。
また、家族で食事をするときには「よく噛むゲーム」など取り組み方の工夫をすると、楽しみながら習慣化すると長続きしやすくなります。
いっしょに水分を摂らない
水分が不足すると、もち麦に含まれる不溶性食物繊維が十分にふくらまず、硬い状態で腸に滞留します。その結果、便秘や腹痛の原因になることがあります。
特に、朝食をパンからもち麦ご飯に置き換えた人は注意が必要です。パンのときは水分を意識して取っていた人でも、もち麦ご飯に変えるとコーヒー1杯だけで済ませてしまいがちで、結果的に水分摂取量が減ってしまいます。
目安としては、もち麦100 gあたりコップ1杯(約200 mL)の水や汁物を摂取するのが理想的です。これにより、食物繊維が腸内でしっかりふくらみ、便通をスムーズにサポートします。
冷たい水が苦手な場合は、白湯やハーブティーを活用すると良いでしょう。胃腸を冷やさずに済み、代謝の低下も防げます。
なお、水分を摂るタイミングも重要です。「食前に半量・食事中に半量」を意識すると効果的です。反対に、食後すぐに大量の水分を摂ると胃酸が薄まり、消化が妨げられる恐れがあるため避けましょう。
一度に大量に摂取する
「早く効果を出したい」と焦って、主食をすべてもち麦に置き換えるのは避けるべき典型的なNG行動です。急激な食物繊維の増加に腸が対応できず、軟便やガスの増加、あるいは便秘の悪化を引き起こすことがあります。
おすすめの方法は、はじめに茶碗の1/4〜1/3程度をもち麦入りご飯にし、1週間ごとにもち麦の割合を少しずつ増やしていく段階的な置き換えです。これにより腸が徐々に食物繊維の量に慣れ、不調を防げます。
また、体重管理においては、摂取カロリーと消費カロリーのバランスが基本です。主食をもち麦に置き換えても、おかずや間食の量が増えれば、総カロリーが過剰になり意味がありません。
食事記録アプリを活用して、毎日の総カロリーを「見える化」するのもおすすめです。食べ過ぎに気づきやすくなります。


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もち麦が合わない人の特徴
体質や既往歴によっては、もち麦の恩恵よりデメリットが上回るケースがあります。
ここでは以下の視点から、注意すべきポイントを整理します。
- 小麦アレルギーのある人
- 食物繊維に敏感な人
- 消化器系が弱い人
自分だけでなく家族にも当てはまるかを確認し、必要なら医師や管理栄養士に相談しましょう。
無理に続けず、体調に合わせて撤退する勇気も健康管理の一部です。
小麦アレルギーのある人
小麦アレルギーは主に小麦タンパク質に反応しますが、大麦に微量含まれるグルテンでも症状が誘発されることがあります。反応の程度には個人差があり、症状は口腔内のかゆみやじんましん、呼吸困難など多岐にわたります。重症の場合にはアナフィラキシーショックを引き起こすリスクもあります。
特にアレルギー検査(IgE)で小麦に強陽性が出た人は、大麦の摂取について必ず医師に相談することが安全です。医師の指導なしに自己判断で摂取するのは避けましょう。
一方で、グルテンそのものではなく、小麦特有のα-アミラーゼ阻害剤に反応するタイプの人もいます。この場合、大麦を問題なく食べられるケースもあります。
なお、「念のため」と大麦を長期間避け続けると、食事の選択肢が極端に狭まり、栄養バランスや食生活へのストレスが大きくなります。専門家の判断を仰ぎ、自分の体質に合った食事を選びましょう。
食物繊維に敏感な人
お腹が張りやすい人や、特定の食べ物でお腹の調子が悪くなりやすい人は、もち麦を食べるとガスがたまりやすくなることがあります。もち麦に多く含まれる水溶性食物繊維が腸の中で発酵し、お腹の膨満感や不快感が起こります。
特に、消化が敏感な人向けの「低FODMAP食」という食事法では、大麦(もち麦も含む)は注意が必要な食品とされています。体調が悪い時期には、もち麦の量を控えた方がよいでしょう。
ただ、調子が良いときに少しずつ食べると、だんだん体が慣れてくるケースもあります。必ずしも完全に避けなければならないわけではありません。
食べた量や症状を記録する食事日記をつけておくと、自分に合った食べ方が見つけやすくなります。専門医と相談しながら調整するのがおすすめです。
また、もち麦はごぼうや豆類と比べてゆっくり発酵するため、食べる量やタイミングを工夫すれば、敏感な人でもうまく取り入れられる場合があります。
消化器系が弱い人
胃が弱い人や、胃薬を飲んでいる人は、もち麦が胃に負担になることがあります。胃腸に自信のない人は、もち麦を柔らかく調理すると消化しやすくなります。
胃炎や消化性潰瘍の治療中、または胃酸分泌抑制薬を服用している人は、もち麦の硬さが負担になることが多いです。お粥にしたりスープに混ぜて柔らかくするのがおすすめです。
また、飲み込む力が弱っている高齢者では、もち麦の粒が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎のリスクがあります。この場合は、とろみをつけるなど食感の調整が必要です。
もち麦を夜ではなく朝や昼に食べると、夜間の消化器への負担を減らせることもあります。
自分の消化力を確認するには「食後2時間以内に胃もたれが強く出るかどうか」を目安にすると良いでしょう。体調に合わせた工夫をすると、無理なくもち麦を続けられます。


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