国際的なオリーブオイルの種類は8つ|それぞれの特徴や使い方を紹介

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オリーブオイルにはエクストラバージンオリーブオイルやピュアオリーブオイルなど、複数の種類があります。名称ごとにグレード・風味・使い方に違いがあるため、迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、国際基準をもとに分類したオリーブオイルの8種類の違いを詳しく解説します。種類ごとの使い方を知ると、オリーブオイルをよりおいしく楽しめるようになるので、ぜひ参考にしてください。

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もくじ

国際的なオリーブオイルの種類は9つ!特徴や使い方も解説

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国際オリーブオイル協会(IOC)の基準では、オリーブオイルを9種類に分類しています。種類ごとの風味・特徴・使い方を詳しく解説します。

大分類種類酸度※詳細
バージンオリーブオイルエクストラバージン(EXV)オリーブオイル0.8%以下IOCの官能検査で完全な食味を持っていると分類されたもの
ファインバージンオリーブオイル2%以下IOCの官能検査でEXVと比べると若干風味が損なわれていると分類されたもの
オーディナリーバージンオリーブオイル3.3%以下IOCの官能検査で複数の欠点があったと分類されるもの
ランパンテバージンオイリーブオイル(加工用)3.3%以下IOCの官能検査で、多くの欠点があると分類されたもの
精製オリーブオイルリファインドオリーブオイル0.3%以下ランパンテバージンオイリーブオイルを精製したもの
リファインドオリーブポマースオイル0.3%以下バージンオイルの絞りかすから化学的に抽出したもの(溶剤使用)
オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)オリーブオイル1%以下精製オリーブオイルとバージンオイルをブレンドしたもの
オリーブポマースオイル1%以下リファインドオリーブポマースオイルとバージンオイルのブレンドしたもの
クルードポマース(粗搾りかす)オイル0.3%以下搾りかすから溶剤で抽出したもので、精製・工業用
※参照:INTERNATIONAL OLIVE COUNCIL 「DESIGNATIONS AND DEFINITIONS OF OLIVE OILS」

※酸度はオリーブオイルの鮮度を示したものです。バージンオリーブオイルにおいては、数値が低いほど鮮度が高く品質が安定していることを示しています。

エクストラバージンオリーブオイル(Extra virgin olive oil)

エクストラバージンオリーブオイルは8種類の中で最高品質と認められたものです。酸度0.8%以下、完全な食味をもっているものが該当します。酸度0.8%以下にするには、オリーブの実を摘み取ってから搾油までの時間が短いことが重要です。

オリーブの実が劣化する前に搾油するので、オリーブ特有のフルーティな香りや苦味など、風味がしっかりしています。サラダやパンにつけて生で食べるのがおすすめです。

ただし、日本で販売されている「エクストラバージンオリーブオイル」という名称の商品のなかには、国際基準に満たないものもあります。この違いは後ほど詳しく解説します。

ファインバージンオリーブオイル(Fine virgin olive oilVirgin olive oil)

ファインバージンオリーブオイルは、エクストラバージンオリーブオイルと比べると若干風味が損なわれているものの、酸度2%以下の高品質なオリーブオイルです。指定された製法で作られており、化学的な処理は一切おこなわれていません。

オリーブオイルならではの風味や成分も多く含まれています。ただし、日本の食用油の基準を満たしていないため、日本国内では流通していません。

オーディナリーバージンオリーブオイル(Ordinary virgin olive oil)

酸度3.3%以下で複数の欠点があるとされるオリーブオイルです。原産地では安価なオリーブオイルとして流通していますが、輸出先は限られています。日本では食用油の基準を満たさないため流通してません。

ラパンテバージンオリーブオイル(Lampante virgin olive oil)

酸度3.3%以上の品質が低いオリーブオイルです。食用ではなく精製用・工業用として使われます。「ラパンテ」は「ランプ用」という意味です。日本でもラパンテバージンオリーブオイルそのものは流通していません。

リファインドオリーブオイル(Refined olive oil)

ラパンテバージンオリーブオイルを精製したオイルです。精製によって不純物や風味を生み出す成分が取り除かれるため、味や香りはほとんどありません

また、酸度は0.3%以下ですが、酸度3.3%以上のラパンテバージンオリーブオイルが元となっているため鮮度が高いわけではありません。また、日本国内においては食用として流通していません。

リファインドオリーブポマースオイル(Refined olive pomace oil)

オリーブの搾りかす(ポマース)から溶剤などを使って、化学的に抽出・精製したオイルです。酸度は低いものの、搾りかすから抽出しているため鮮度が高いわけではありません。精製の過程で酸度が下がっています。

国際基準では「オリーブオイル」を名乗ることを認められておらず、日本国内においても食用として流通していません。

オリーブオイル(Olive oil)

日本では「ピュアオリーブオイル」としても知られるタイプのオリーブオイルです。リファインドオリーブオイルにバージンオリーブオイルをブレンドして作られます。

エクストラバージンオリーブオイルと比較すると安価で、オリーブオイルの風味も楽しめるのが特徴です。ただし、生食には向いておらず、一般的には加熱用として使われます。

オリーブポマースオイル(Olive pomace oil)

リファインドオリーブポマースオイルとバージンオイルをブレンドしたものです。日本においてはピュアオリーブオイルとして販売されています。安価なため、オリーブオイルの価格が高騰すると注目されるオイルです。

クルードポマース(粗搾りかす)オイル(Crude olive pomace oil)

オリーブの搾りかすから溶剤を使って抽出するオイルで、精製用または工業用です。一般には流通していません。

日本のオリーブオイルは独自の基準で種類を分けている

オリーブの実とオリーブオイル

日本は国際オリーブオイル協会(IOC)に酸化しておらず、JAS(日本農林規格)で2つに分類しています。この2つの分類のなかに、エクストラバージンオリーブオイルの基準はありません。

分類基準
オリーブ油酸価2.0以下
精製オリーブ油酸価0.6以下

酸価は酸度とは異なります。酸度が100gあたりの有利脂肪酸量を%で表しているのに対し、酸価は1gに含まれる脂肪酸の中和に必要な水酸化カリウムの量を示したものです。

また、IOCではテイスターによる官能検査(風味の確認)もおこなわれますが、日本は化学検査のみで官能検査はおこなっていません。このように、IOC基準と日本基準は大きく異なっていることがわかります。

なお、酸価から酸度を求める場合は次の計算式を用います。

酸度(%)=酸価(mg)×0.503

酸化2.0の場合、酸度は約1%です。日本では酸価2.0以下(酸度約1%以下)であればすべてオリーブ油とされます。

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オリーブオイルの味わいは大きく分けて3種類

オリーブオイルの味わい

オリーブオイルの味わいは次の3つに大分できます。それぞれの味わいの違いを詳しく解説します。

  • ストロング
  • ミディアム
  • マイルド

ストロング

ストロングはスパイシー、フルボディーともいわれるタイプです。辛みと苦味が強めで、オリーブならではの豊かな香りを楽しめます。ストロングならではの風味を楽しむなら、生で使うのがおすすめです。

パンチの強い味の食材・料理との食べ合わせが良い傾向にあります。トーストやグリルした肉・野菜、クセのあるチーズなどにかけると好相性です。

ミディアム

辛みと苦味はありますが、ストロングほど強くありません。香りもストロングよりは控えめなので、サラダやスープ、煮込み料理など幅広い料理と合います。日本人にも親しみやすい味わいです。

3種類の味わいのなかで自分の好みがわからないときは、まずミディアムの味を基準として考えてみましょう。

マイルド

辛みや苦みなどのクセが少なく、優しい味わいなので子どもでも食べやすいタイプです。ライトとも呼ばれます。香りも軽いため、淡い風味が魅力の食品と好相性です。

たとえば、冷奴、白身魚の蒸し物、卵焼きなどがあげられます。ドレッシング作りに使うのもおすすめです。

オリーブオイルの香りは実の成熟度によって異なる

オリーブ

緑色の若いオリーブの実から搾ったオリーブオイルは、青々しい爽やかな香りです。カルパッチョやトマト料理など、フレッシュな風味を活かしたい料理とよく合います。また、しっかりした味わいの肉料理にもおすすめです。

黒く熟したライブと呼ばれる実から搾ったオリーブオイルは甘い果実の香りです。クリームソースの料理など、まろやかな味わいと相性が良いので、グラタンやクリームパスタなどと合わせてみましょう。鶏肉や白身魚と合わせるのもおすすめです。

オリーブオイルの種類ごとのおすすめの使い方

オリーブオイル

バージンオリーブオイルは生で食べる

エクストラバージンオリーブオイルなど、精製していないオリーブオイルは風味を生かして食べるのがおすすめです。加熱せずに生で食べると、オリーブオイル本来の味や香りを楽しめます。

また、精製していないオリーブオイルは発煙点が160℃程度と低いため、揚げ物や揚げ焼きなどの高温調理をすると、煙が出る恐れがあります。

ピュアオリーブオイルは加熱で食べる

精製オリーブオイルとバージンオリーブオイルを混ぜたピュアオリーブオイルは、加熱して食べるのがおすすめです。発煙点が200℃程度と高いため、揚げ物にも使えます。風味も強すぎないため、サラダ油の代わりに使ってみましょう。

オリーブオイルの種類についてのQ&A

どの種類のオリーブオイルを選べば良いですか?

目的に適したオリーブオイルを選ぶのがおすすめです。サラダやパスタの仕上げに使うのであれば、風味豊かなエクストラバージンオリーブオイルが良いでしょう。加熱調理するのであれば、一般的なオリーブオイルが適しています。

オリーブオイルの酸度とは何ですか?

オリーブオイルの酸度とは、オイル中の遊離脂肪酸の割合を示しています。エクストラバージンオリーブオイルの酸度は0.8%以下であることが定められています。酸度が高いオリーブオイルはオリーブの品質が低かったり、製造過程で適切な管理がされていなかったりする可能性があります。

日本で流通しているオリーブオイルは何ですか?

日本では一般的に、エクストラバージンオリーブオイルとピュアオリーブオイルが流通しています。他の種類のオリーブオイルは日本の品質基準に適さないため、食用油としては流通していません。

オリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの違いはなんですか?

オリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの違いは、製法や風味です。日本で流通するオリーブオイルは、品質の低いオリーブオイルにエクストラバージンオリーブオイルを混ぜたものが一般的です。

エクストラバージンオリーブオイルは、国際オリーブ協議会の厳正な基準をクリアした最高品質のオリーブオイルです。ただし日本では基準をクリアしていないオリーブオイルも、エクストラバージンオリーブオイルとして流通しています。

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この記事を書いた人

読み物コンテンツ担当。ダイエットのため筋トレを始めるも、食事にも気をつけないと痩せないことに気づく。1日1杯のはちみつレモンが至福の時間です。料理が趣味。ついつい味見の量が多くなってしまうのが悩みの種です。

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