ジャスミン茶に『カフェイン』は含まれる?効果効能・副作用とは



記事の監修

この記事は管理栄養士の方に監修していただいています

管理栄養士

安藤ゆりえ

老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。

ジャスミン茶

優雅な香りでリラックスタイムを彩るジャスミン茶。

冷やして飲んでもホットで飲んでも美味しく、今やコンビニでも販売されている人気の飲み物ですが、一体どのように作られているのか、カフェインが含まれているのかどうかなど、知らないことも多いのでは?

今回は意外と知られていないジャスミン茶の基礎知識や効果・効能についてご紹介します。

ジャスミン茶とは

ジャスミン茶とは

ジャスミン茶(英語:Jasmine tea、中国語:茉莉花茶、香片茶)とは、ジャスミンの花で香りをつけたお茶です。
ジャスミンの花を乾燥させたもの(ハーブティー)だと思っている方もいますがそうではなく、ベースとなるお茶に香りをつけた、いわゆるセンティッド・ティーになります。

中国茶には緑茶やウーロン茶といった分類の他に「花茶」というカテゴリーがあり、ジャスミン茶はその一種。茶葉には香りを吸収する特性があるため、茶葉とジャスミンの花の蕾を一緒に揉み込んで香りを移します。
高級なジャスミン茶では、この工程で何度も萎えた花を取り出して新しい花を加え、深くまで香りを移すそうです。で
きあがった製品には花を混ぜてあるものと取り除いてあるものがありますが、品質としてはジャスミンの花が少なく、茶葉にやわらかな香りが残っているものがよいといわれています。また、空気が乾燥する秋~冬に作られるジャスミン茶が最も香りがよく高品質なのだそうです。

一般的なジャスミン茶には緑茶が使われますが、ウーロン茶や白茶(若い芽だけを摘んで軽く発酵させたお茶)などで作られることもあります。
ジャスミンの花には二十数種の芳香物質が含まれており、茶葉がもつ栄養成分の他にもジャスミン茶特有の効果や効能があると考えられています。

さんぴん茶とジャスミン茶の違い

違い

ジャスミンの爽やかで甘い香りが特徴の「さんぴん茶」。沖縄の家庭ではとてもポピュラーな飲み物ですが、実はジャスミン茶と同じものなのだそうです。
沖縄でよく飲まれているのは、そこで作られているからというわけではなく、歴史的に台湾と密接な関係があったからということのようです。「さんぴん」という音はジャスミン茶の中国語での呼び名のひとつ「香片茶(シャンピェンチャー)」から来たと考えられています。
一般にさんぴん茶は、ジャスミン茶の中でも茶葉に半発酵茶(ウーロン茶のように途中で発酵を止めた茶葉)を使って作られたもので、沖縄ではさらに発酵の度合いが強い茶葉を使った清明(シーミー)茶というお茶も流通しているそうです。

ジャスミン茶の入れ方

       

ジャスミン茶の淹れ方

やかんや鍋を使ったジャスミン茶の淹れ方をご紹介します。
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調理時間 10 mins
材料(人分) 2

材料
  

  • ジャスミン茶ティーパック 2 パック
  • 400 cc

作り方
 

  • やかんや鍋に水を入れて水を沸騰させます。
  • 沸騰後やや冷ましたお湯(80~90℃)にジャスミン茶のティーパックを入れます。
  • 蓋をして2~3分蒸らします。この時間が長すぎると苦くなりやすいので注意してください。
  • カップに注ぎ切ります。
  • 続いて2回目・3回目とお湯を注いで飲むことができます。2回目・3回目の抽出時間は少し長めにとってください。2回目のお茶が最も味がよいといわれています。
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ジャスミン茶にカフェインは含まれる?

カフェイン

ジャスミン茶をハーブティーの一種と考えている方の中には、カフェインは含まれないと考えている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ジャスミン茶のベースとなっているのは緑茶やウーロン茶。花にはカフェインは含まれませんが、ベースとなるお茶と同じだけのカフェインは含まれています。

単位:g/100g
食品名 せん茶 浸出液 ウーロン茶 浸出液
カフェイン 0.02 0.02
タンニン 0.07 0.03
備考 浸出法: 茶 10 g/90 °C 430 mL、1分 浸出法: 茶 15 g/90 °C 650 mL、0.5分

参照:日本食品標準成分表 2015年版(七訂)

含むといってもその含有量はコーヒーの1/3、紅茶の2/3程度であり、特にカフェインの含有量が多いわけではありませんが、妊娠中の方や小さなお子さんは飲みすぎに注意しましょう。

妊娠中の方のカフェイン摂取量の目安は1日に200~300mgとされていますので、他のものからカフェインを摂らない場合は1杯200mlとして1日に5~7杯飲める計算になります。

ジャスミン茶の効果・効能

ジャスミンの効果・効能

効果

1. 肌のエイジングケア

リラックス効果

ジャスミンの茶葉には抗酸化作用のあるカテキンやタンニンが多く含まれています。

カテキンはポリフェノールの一種で、肌が衰えていく原因は細胞が酸化してしまうことですが、このカテキンには、この細胞が酸化を抑制する効果が期待できるため、肌の調子を整える効果が期待できます。

またジャスミン茶には同じ抗酸化作用のあるビタミンCも含まれています。

ビタミンCには他にも、肌に欠かせないコラーゲンの生成をサポートしてくれる効果があるため、ジャスミン茶はおすすめです。

2. リラックス効果

血行促進効果

ジャスミン茶にはリナロールという鎮静効果、抗不安作用、抗殺菌作用の効果のある成分が含まれています。

            

この成分はジャスミン茶の香りの元になっていてアロマテラピーのような働きをしてくれます。

そのため、仕事に追われて緊張モードから抜け出せない方や朝スッキリ目が覚めないという方におすすめです。

ジャスミン茶でワキガになる?

ワキガ

優雅な香りが特徴のジャスミン茶ですが、インターネット上ではなぜか「ジャスミン茶を飲むとワキガになる」という情報が…。
実際は、ワキガは遺伝によって決まる体質であり、食べ物や飲み物によって後天的になるものではありません。
従って、ジャスミン茶を飲むことによってワキガ体質になることはあり得ません。

むしろジャスミン茶は体臭を改善するものとして飲まれてきたそうです。緑茶自体にも脂肪の酸化を抑える効果があるため、臭いを防ぐ効果があるとされています。
汗をかく季節も安心して飲んでください。

ジャスミン茶の副作用

副作用

さまざまな効果があるとされているジャスミン茶ですが、副作用はあるのでしょうか?

ジャスミン茶の基本的な性質は緑茶と同じで、身体を冷やす効果があります。そのため、飲みすぎると胃腸を冷やして胃のはたらきを鈍くしたり、身体を冷やしすぎたりしてしまうことがありますので注意してください。
心配な方は温めて飲むとよいでしょう。
また、胎児や幼児の発育の妨げとなるカフェインも含まれていますので、妊婦さんや小さいお子さんは少量の摂取にとどめてください。

●管理栄養士からのコメント

豊かな香りを楽しめるジャスミン茶。その正体は緑茶などに香りをつけたものと知らない方も多いのではないでしょうか。
緑茶には抗酸化作用や疾病の予防効果など様々なメリットがあります。
緑茶は体に良いと分かっているけどなかなか進まないという方はジャスミン茶を取り入れてみるのも良いと思います。
ジャスミンの香りにはリラックス効果があり、就寝前に良さそうとイメージするかもしれませんが、カフェインが含まれているので寝る前よりも午後のリラックスタイムなど日中に飲む方がおすすめです。
気分に合わせていろいろなお茶を飲めるよう取り揃えておくと毎日の生活がより豊かに感じられますね。

安藤ゆりえ
安藤ゆりえ

管理栄養士プロフィール

◎安藤ゆりえ

老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。

食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。

▼公式サイト
https://ameblo.jp/yurieand/entry-12461592747.html

ジャスミン茶についてのQ&A

ジャスミン茶はダイエットに効果がありますか?
ジャスミン茶の原料となっている緑茶には、代謝を加速し、脂肪の燃焼をアップさせる効果があると考えられています。
ジャスミン茶を飲むとトイレが近くなる?
ジャスミン茶の原料となっている緑茶には利尿作用があり、体内の毒素を排出する効能があるとされますが、トイレも近くなるので注意しましょう。
これは紅茶やウーロン茶など他の茶類でも同様です。
ジャスミン茶は水出しで飲めますか?
ジャスミン茶は水出しでも楽しむことができますが、お湯で淹れた方がより香りを楽しむことができます。
ジャスミン茶を飲みすぎるとどうなりますか?
身体を冷やしたり、胃腸に影響が出たりすることがあります。
また、興奮したり安眠を妨げたりすることもありますので注意してください。
ジャスミン茶とさんぴん茶の違いは?
さんぴん茶はジャスミン茶です。
ジャスミン茶には原料となっているお茶の種類がいくつかありますが、さんぴん茶は茶葉に半発酵茶を使っているものが一般的なようです。

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この記事を書いた人

コンテンツ、写真撮影担当。暇があったらキッチンで発酵食品や保存食品を作ったり、写真を撮ったりしています。趣味は一人で映画に行くこと。