便秘を解消する食べ物は?即効性はあるの?NGフードもご紹介
記事の監修
管理栄養士
安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
便秘の解消には食べ物選びが大切!と張り切って食事を変えたのに「それほど良くなっているとは思えないな」という経験、ありませんか?
「食物繊維が大切と言われたから増やしたのに、かえって便秘がひどく…」
そんな体験のあるか方もいらっしゃるかもしれませんね。
大切なのは、「自分の便秘タイプに合った食べ物を選ぶこと」。
この記事では便秘の症状に合った食べ物と摂り方のアドバイスを解説していきます!
便秘解消は便の状態に合わせた食べ物を選びましょう
便秘の主な原因は以下の3点です。
- ・食物繊維が不足していて便のかさが少ない
- ・水分が不足していてカチコチになっている
- ・腸内環境が悪化していて蠕動運動が鈍い
便秘の原因は人によって異なり、多くの場合複数の原因が重なって起きています。
そのため、運動やストレス解消など有効な改善方法も人それぞれ。
食べ物も便秘の症状によって選ぶことで、効果的に便秘対策をすることができるのです。
では、どのような症状がある方にどのような食べ物が合っているのでしょうか?
便を柔らかくする 「水分」 |
便を柔らかくし、排便を促す 「良質の油分」 |
・便がカチコチ ・便が固くて出しづらい ・寒いと水を控えてしまう |
・便がカチコチ ・便が固くて出しづらい |
便をするりと出し、腸内環境を整える 「水溶性食物繊維」 |
便のカサを増し、腸を刺激する 「不溶性食物繊維」 |
・便がカチコチ ・便が固くて出しづらい ・肉類中心の食事 |
・便意を感じづらい ・肉類中心の食事 ・出してもスッキリしない |
腸の働きをよくする 「善玉菌」「オリゴ糖」 |
腸の働きをよくする「温め食材」 心と身体をゆるめる「リラックス食材」 |
・おならが臭い ・ウンチの色が濃い ・お肉や脂肪が好き |
・下痢と便秘を繰り返す ・ウサギのフンのようなコロコロ便 ・食後、お腹が痛む |
例えば、便がカチカチで動かないような場合に不溶性食物繊維を摂ると、逆に便が大きく固くなって出づらくなってしまうというようなことも。
症状をみきわめ、適切な食べ物タイプを選ぶようにしましょう。
便秘の改善におすすめの植物性の乳酸菌
便秘を解消する食べ物&摂り方アドバイス
自分の便秘タイプに必要なものは分かりましたか?
便秘解消のためにお伝えしたい食事のポイントは、大きく分けて3つ。
- 1. 間食せずに3食しっかり食べること
- 2. 野菜を肉の3倍食べること
- 3. 腸内の善玉菌を増やすものを食べること
意外とシンプルだと思いませんか?
この章では具体的な便秘解消にぴったりな食べ物と摂り方についてご紹介していきます。
便秘を解消する食べ物1 納豆
便秘におすすめの食材ナンバーワンは納豆。
食物繊維の中でも積極的に摂りたい水溶性食物繊維を多く含み、さらに生きて大腸にとどいて善玉菌を増やす働きをします。
季節に関係なく手に入るので、「朝は納豆」と決めてしまえば続けるのも簡単です。
参考文献:納豆の摂取が健常成人女性の排便および糞便内菌に及ぼす影響
便秘を解消する食べ物2 ヨーグルト
ヨーグルトは、いわずと知れた乳酸菌食品。
腸内の善玉菌を増やし、免疫力アップ、アレルギー改善、歯周病の改善、血圧の上昇抑制など、菌種によってさまざまな効果・効能をもっているといわれています。
オリゴ糖とセットで食べればさらに効果アップ。プルーンなどのドライフルーツと合わせるのもよいでしょう。
朝食やランチなど、食事にプラスして継続しやすいのもうれしいポイント。
1日200グラムを取り続ければ2週間ほどで効果がでるといわれています。
参考文献:LB81 乳酸菌を使用したヨーグルトの皮膚機能改善効果に関する検証
便秘を解消する食べ物3 オリーブオイル
ヨーロッパでは古くから便秘に有効だとされてきたというオリーブオイル。
主成分であるオレイン酸が便をやわらかくし、排便促進につながるといわれています。
近代の研究でも、重度の便秘の患者さんが毎日大さじ2杯ずつを2週間摂取したところ、ほぼすべての例で下剤の服用量を減らすことができたそうです。
生でそのまま飲む必要はないということなので、ドレッシングとして使ったり、パンにつけて食べたり、炒め物など料理に使ったりと活用してみてください。
便秘を解消する食べ物4 オリゴ糖
胃や小腸で分解されることなく大腸まで到達して、ビフィズス菌を増殖させるオリゴ糖。
フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ダイズオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖などの種類があり、どれもビフィズス菌を増やす効果があります。
1日の摂取目安は3~5g。砂糖の代わりに料理に使ってもいいですが、ヨーグルトにかけて摂取するのが毎日継続しやすいでしょう。
便秘を解消する食べ物5 梅肉エキス
梅の薬効が濃縮された梅肉エキスは胃腸を整える効果が高いといわれ、民間療法ではお湯に溶かして飲むことで便秘解消効果が得られるとされています。
また、梅の成分には腸内細菌のバランスを整える効果が期待されています。
そのままではかなり酸っぱいのでお湯やお茶と混ぜて飲むのがお勧めです。
便秘を解消する食べ物6 ごぼう茶
ごぼう茶には水溶性食物繊維であるイヌリンが豊富に含まれています。
イヌリンは腸内で善玉菌であるビフィズス菌のエサとなり、その増殖を促進して腸内環境を整えます。
また、血糖値を下げる効果や老廃物を取り除く効果もあるとされています。
便秘を解消する食べ物7 どくだみ茶
さまざまな効果があるとされるドクダミ茶。
腸を刺激して便を出やすくする緩下作用もあり、便秘の改善に役立つといわれています。
特に朝起きてすぐに飲むのがおすすめです。
便秘解消に即効性がある食べ物は?
頑固な便秘には、「これさえ食べたらすぐ治る」というような誰にでも即効性のある食べ物はありません。基本は地道に食生活を改善してゆくのが便秘改善への近道です。
そうはいっても即効性のある食べ物が知りたい!という方にご紹介したいのが、比較的「効く」という声の多い「梅流し」。
大根と梅干を煮た汁を作り、胃が空っぽになった状態で汁と具とを大量に食べるという食養生の方法です。
梅干しには腸の働きを活発にする働きがあり、また悪玉菌を抑える作用ももっています。
大根に含まれる食物繊維と一緒に摂ることで、腸内を掃除する効果があるそうです。
頻繁に行うと腸壁を荒らしてしまうというほど効果の大きな「梅流し」、しつこい便秘にお悩みの方は一度試してみてもいいかもしれません。
すぐに食べられる梅流し用のスープ
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お腹のスッキリを助けてくれる梅流しに最適なスープ。そのまま常温でも食べられるレトルトパウチ食品です。
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- 手軽にできる便秘対策メニュー
- 忙しくて食事に気を遣えない!という方は、コンビニで手軽に手に入る便秘対策メニューを。
- 「時間がなくて食べられなかった」というのが最も便秘によくありません。忙しくてもしっかり時間を決めて食事をとれるよう意識しましょう!
- ・おにぎり(レジスタントスターチを含む)
- ・納豆巻き(レジスタントスターチ、食物繊維、納豆菌を含む)
- ・全粒シリアルバー(水溶性・不溶性食物繊維が豊富)
- ・ドライプルーン(水溶性食物繊維が豊富)
- ・焼き芋(水溶性・不溶性食物繊維が豊富)
- ・寒天ゼリー(水溶性食物繊維が豊富)
- ・ヨーグルト(乳酸菌が豊富)
便秘解消におすすめ!食べ物レシピ
便秘解消に効果の高い食材で、手軽に作れるメニューを集めました。
長いもの梅酢和え
4人分
5分
材料
- ・長いも
- 300g
- ・梅酢
- 大さじ1
- ・かつおぶし、海苔
- 適量
つくり方
- 1
- 長いもは皮をむき、千切りにします。
- 2
- 1に梅酢をかけて和えます。
- 3
- 好みでかつおぶしや海苔をかけ、できあがりです。
ごぼうとにんじんのサラダ
ゆで汁にも栄養が溶けているので、味噌汁などに利用するとよいでしょう。
2人分
7分
材料
- ・ごぼう
- 大1/2本
- ・にんじん
- 1/4本
- ・ポン酢
- 小さじ1~
- ・マヨネーズ
- 大さじ1
- ・白ごま
- 適量
つくり方
- 1
- ごぼう、にんじんは洗って千切りにし、熱湯で歯ごたえが残る程度に茹でます。
- 2
- 1をボウルに入れてポン酢、マヨネーズで和えます。
- 3
- 器に盛って白ごまをかけてできあがりです。
ねばとろ丼
キムチなどの発酵食品を加えてもいいですね。
2人分
5分
材料
- ・オクラ
- 4本
- ・納豆
- 2パック
- ・長いも
- 200g
- ・卵
- 2個
- ・その他、アボカドなど好みの野菜
- ・ご飯
- 大2杯
- ・醤油
- 適量
- ・海苔
- 1枚
つくり方
- 1
- オクラは板摺をしてさっと茹で、輪切りにします。
- 2
- 長いもは皮をむいてすりおろします。
- 3
- 納豆はよくかき混ぜておきます。アボカドやトマトなど好みの野菜を切ります。
- 4
- ご飯の上に1~3をのせ、醤油を垂らして好みで海苔を散らせばできあがりです。
便秘解消の薬&サプリメントについて
ここまで便秘解消に効く食材などをご紹介してきましたが、ドラッグストアなどでは市販の便秘薬もたくさん販売されています。
その中で注意したいのが、いわゆる「下剤」にあたる薬です。腸に強い刺激を与えて排泄させるタイプの薬は、使い続けることで下剤に頼らないと排泄できない下剤依存症になりやすいといわれています。
効果は大きいため、医師の指導の下で期間を決めて使用するのであれば問題ありませんが、個人での乱用はおすすめできません。
もしも、食事の改善にプラスしてサプリメントなどで補いたいということであれば、安心して摂ることができる、乳酸菌とビタミンCをおすすめします。
乳酸菌は腸内の善玉菌を増やし、ビタミンCは腸のぜん動運動を活性化させます。
どちらも、子どもや妊娠中の方でも摂ることができ、副作用などもありません。
乳酸菌は「生きて腸まで届く」というものと「死菌」タイプとがありますが、どちらも効果はあまり変わらないといわれていますので、飲みやすいものを選びましょう。
便秘の改善におすすめの植物性の乳酸菌
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乳酸菌の種類と効果
私たちの体を守ってくれる免疫機能が集中している「腸」。
整腸作用の他にも、乳酸菌にはさまざまな効果を発揮することがわかってきました。
今回は、乳酸菌に期待できる効果について詳しく紹介していきます。
乳酸菌の種類と効果の記事を見る
乳酸菌サプリ|効果・効能と正しいサプリの飲み方とは
腸内環境を整える「菌活」のひとつである乳酸菌サプリ。
「食事と同じように効くの?」「具体的な効果は?」「副作用はないの?」
今回は、乳酸菌サプリの気になるポイントについてご説明します。
乳酸菌サプリ|効果・効能と正しいサプリの飲み方とはの記事を見る
便秘解消に良い食べ物についてのQ&A
- 食物繊維の摂りすぎは便秘によくないって本当?
- 食物繊維の中でも、不溶性食物繊維の摂りすぎは便を出にくくすることがあるといわれています。特に固い便に困っている方は摂りすぎないよう注意してください。
- 便秘のときに食べ物をとるタイミングについて教えてください。
- 3食決まった時間に規則正しく食べることが大切です。間食はしないようにしましょう。
- 乳酸菌サプリメントが効かなかったことがあるのですが。
- 腸内に住んでいる腸内細菌やその構成はひとりひとり異なり、お腹にマッチする乳酸菌の種類も異なります。過去に乳酸菌サプリメントが効かなかった場合でも、別の乳酸菌に変えたら効いたということもよくありますので、色々と試してみましょう。
- 外食するときに注意することは?
- 野菜が不足しないように副菜や納豆、漬物などがついた定食を選ぶのが理想的です。また、飲酒については飲みすぎると自律神経のバランスを崩すことにつながるため、ほどほどにしましょう。
- 便秘対策として下剤を使うのはどうしていけないのですか?
- 大腸を刺激するタイプの下剤には依存性があり、徐々に量を増やさないと効かなくなります。そのため、下剤に頼らずに腸の力をアップさせることが大切です。
- 便秘改善のためにしてはいけないことはありますか。
- 腸の活動が最も活発になるのは、午前0時過ぎだそうです。仕事などで夜遅くなってしまう方でも、午前0時までには眠るようにするのが理想的。就寝前には夜食を食べたり、スマホを眺めたりせずにゆったりと過ごしてください。
●管理栄養士からのコメント
「便秘には食物繊維」というイメージが強いですが、水分や油分、善玉菌など自分の便秘のタイプに合った食材を取り入れることが大切です。
糖質制限ダイエットなどで動物性の食品の割合が多くなってしまうと食物繊維の量も減ってしまいますので、野菜や海藻類、きのこ類などからしっかり食物繊維を補うようにしましょう。
食事だけでなく、睡眠や運動なども便秘と関連しているので生活習慣全体的に見て、便秘に悪い習慣がないか確認してみましょう。
管理栄養士プロフィール
◎安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。