バターコーヒーの作り方と効果|実際に飲んでダイエット効果を検証
バターコーヒーはバター入りでハイカロリーに見えるにもかかわらず、ダイエットに役立つとして注目されています。本当かどうか疑問に思う人も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、バターコーヒーの概要と効果を詳しく解説します。ダイエットだけではない効果もあるので、ぜひ参考にしてください。後半ではバターコーヒーダイエットの方法と体験レポート、作り方も紹介しています。
記事の監修
管理栄養士
安藤
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
バターコーヒーとは
シリコンバレーの起業家であったデイヴ・アスプリー氏がチベットのバター茶に着想を得て生み出したオリジナルドリンクです。次の材料を撹拌して作ります。
- コーヒー
- バター(グラスフェッドまたは無塩)
- MCTオイル
著書『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)で、バターコーヒーによる体重減少とIQの向上が示唆され、世界で約50万部ベストセラーになりました。日本で注目されたきっかけも、著書のヒットによるものです。
なお、バターを入れない場合はMCTオイルコーヒーと呼びます。
バターコーヒーの5つの効果
バターコーヒーに期待される効果を5つに分けて解説します。
体脂肪の燃焼
バターコーヒーに使用されるグラスフェッドバターには「不飽和脂肪酸」の一種「共役リノール酸」が含まれます。
共役リノール酸には抗肥満や抗高脂血症への作用が認められており、体脂肪の燃焼効果が期待できます。
さらに、コーヒーに含まれるクロロゲン酸というポリフェノールには、脂肪を燃焼させて、脂肪の蓄積を抑える効果もあるとされています。
ケトジェニックをサポート
MCTオイルは肝臓で代謝され、即効性のエネルギー源となります。
同時に、脂肪を分解して作られるエネルギー源のケトン体の産生を促進するはたらきがあるといわれています。
体が溜め込んだ脂肪をエネルギーに変えて消費しやすくなるので、体脂肪の燃焼効果と合わせてダイエットにおすすめです。
集中力アップ
バターコーヒーを取り入れることでケトン体を積極的に消費する体質に変わると、集中力もアップしやすくなります。
蓄積している脂肪をエネルギーに変えられるため、持久力がアップすることが主な理由です。
糖分によるエネルギー補給の頻度も減らせるため、血糖値の上昇からくる怠さなども軽減できるでしょう。
また、カフェインで交感神経が刺激されることによる集中力アップ効果もあります。
シミ予防に
コーヒーに含まれるポリフェノールは、表皮角化細胞のメラニンの取り込みを抑制するとされる論文が報告されています。
メラニンが蓄積されにくくなるので、肌ターンオーバーが正常であれば、既存のシミも薄くなっていく可能性があります。
認知症予防に
MCTオイルには、認知症やアルツハイマー病の改善効果がみられたという報告があります。
デイヴ・アスプリー氏の著書で示唆された、IQの向上もこのはたらきが関係したものと考えられます。
バターコーヒーダイエットの方法
バターコーヒーには体脂肪の燃焼や蓄積防止の効果を期待できるため、ダイエットに有用です。ただし、普段の食事にバターコーヒーをプラスするだけでは、バターの分がカロリーオーバーになるため注意しましょう。ここでは正しい方法を解説します。
糖質制限と掛け合わせてケトジェニックダイエット
バターコーヒーを飲んでいても、糖質をたくさん摂取していると糖質が優先的にエネルギーになってしまうため、効果があらわれにくくなります。
脂肪をケトン体に作り変えて消費することを促すために、糖質制限とバターコーヒーの摂取を並行しておこないましょう。また、脂質をエネルギー化する体質づくりのためには、脂質とタンパク質の摂取も重要です。
甘い物や米やパンなどの主食の量を減らしてバターコーヒーを取り入れることをおすすめします。なお、ケトン体を積極的に産生・消費する体を目指すケトジェニックダイエットは次の記事で詳しく解説しています。
朝食に取り入れる
バターコーヒーを取り入れるタイミングは朝食時がおすすめです。1日のエネルギー補給のスタートになるタイミングなので、ここで糖質を制限してバターコーヒーを飲むと効果を実感しやすくなります。
なお、バターコーヒーの摂取量は1日1杯までをおすすめします。次の項目で詳しく記載しますが、バターコーヒーのカロリーは低くありません。
総摂取カロリーを意識する
バターコーヒー1杯はたりのカロリーは約200kcalです。ロールパン1つ分、プリン1個分程度のカロリーがあるため、食事全体のカロリーを調整する必要があります。
たとえば、いつも朝食でロールパンを2つ食べているなら、1つに減らしてバターコーヒーを飲みましょう。
なお、1日の摂取カロリーの目安は成人男性が約2,700kcal、成人女性が2,000kcalです。ただし、在宅・デスクワークなど徒歩が少ない場合には、これよりも低い数字が目安となります。食事全体でカロリーオーバーしないように気を付けましょう。
食事との置き換えダイエットはNG
バターコーヒーを摂取しながら空腹を保つことで、ケトン体の産出・消費を促すことを推奨する情報もありますが、控えましょう。
コーヒーが胃腸への刺激となり負担になることがあるため、空腹で摂取するのはおすすめできません。軽めの食事と一緒にバターコーヒーを飲むことがポイントです。
また、栄養に偏りがあると健康を損なうリスクがあります。ダイエットで得られるメリット以上に失うものが多い可能性が高いので、バランスの良い食事を心掛けることが大切です。
バターコーヒーダイエット1週間体験レポート
かわしま屋スタッフの間でも仕事の効率が上がると大人気のバターコーヒー。 実際にスタッフがバターコーヒーを飲み始めてどんな変化があったのかレポートしてもらったので公開します。
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バターコーヒーの材料と選び方
バターコーヒーの材料は、「コーヒー」「バター」「MCTオイル」です。 材料は3つなので手に入れるのは簡単そうですが、オリジナルのBulletproof Coffeeで健康によいとして勧められているのは、それぞれ品質の良いこだわりの品。次のようなものが推奨されています。
汚染のないコーヒー豆
穀類や豆などは保存中にカビが生えることがあります。コーヒー豆も、保存中にマイコトキシンというカビが発生することがあるといわれており、このカビは長期的に摂取するとがんや体内の炎症などの害を及ぼすことがあり、焙煎しても毒性が消えないため、オリジナルのBulletproof Coffeeでは汚染のない豆を使用することを推奨しています。
日本で市販されているコーヒー豆については、汚染の心配をそれほどしなくても良いという意見もありますが、心配な方は信頼できるコーヒーショップなどで相談してみると良いでしょう。
コーヒー豆の代用
〇:インスタントコーヒー、お好きなコーヒー豆
✕:砂糖の入ったコーヒー
グラスフェッドバター
グラスフェッドバターとは、牧草を食べて育った牛から搾ったミルクで作られたバターのことです。多くの牛は飼料として穀類を与えられていますが、穀類で育った牛と牧草で育った牛では乳の成分が異なります。
グラスフェッドバターは、穀類を与えられている牛のバター(グレインフェッドバター)よりも「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれているのが特徴。短鎖脂肪酸である「酪酸」や「βカロテン」もより多く含み、炎症の抑制などの効果があると考えられています。
グラスフェットバターの代用
〇:ギー、無塩バター、生クリーム
✕:有塩バター
オーガニック MCTオイル
MCTオイルとは、ココナッツなどから取り出した「中鎖脂肪酸」という成分だけでできたオイルです。消化・吸収に優れ、短時間でエネルギーになることで知られています。 手に入りやすいココナッツオイルにも中鎖脂肪酸は含まれますが、MCTオイルはココナッツオイルと比較して脂肪を燃やす効果が高いとされています。
MCTオイルにも様々な商品がありますが、一定の安全性の基準を満たしているオーガニックのMCTオイルを用いるのがおすすめです。
MCTオイルの代用
〇:ココナッツオイル(MCTオイルより中鎖脂肪酸の量が少ないため少し多めに入れる)
✕:その他のオイル、油
バターコーヒーの作り方
バターコーヒー
材料
- コーヒー 2 杯
- グラスフェッドバター(お好みで) 大さじ 1~2(15~30g)
- MCTオイル(お好みで) 大さじ 1~2(15~30ml)
作り方
- 淹れたコーヒーにバターとオイルを加えます。
- (1)をブレンダーやミキサーで攪拌し、クリーミーな状態に乳化させてでき上がりです。
動画
コツ・ポイント
ブレンダーを用意できない場合は、油にコーヒーを細く注ぎながら泡立て器でかき混ぜると乳化できます。
MCTギーで作る『簡単バターコーヒー』
材料
- 良質のコーヒー豆で淹れたコーヒー 2 杯
- MCTギー 大さじ 1〜2(30~60g)
作り方
- MCTギーをコーヒーに加えます。
- (1)をブレンダーやミキサーで攪拌し、クリーミーな状態に乳化させてでき上がりです。
コツ・ポイント
バターコーヒーを作る時は、ぜひスプーンなどではなく、ブレンダーやミキサーで攪拌するようにしてください。オイルを乳化させることで、腸管から吸収しやすい状態となり、身体が脂肪をエネルギーとして使いやすくなるのだそうです。
どうしてもブレンダーが用意できない場合は、油にコーヒーを細く注ぎながら泡立て器でかき混ぜると乳化できます。
バターコーヒーを試してみよう
バターコーヒーは糖質制限とかけ合わせれば、ダイエットに有用なドリンクです。糖質の代わりにエネルギーとなる脂質やたんぱく質の摂取を心掛けると、より効果を実感しやすくなるでしょう。
バターコーヒーを活用したダイエットを続けるうちに、ケトン体を産生・消費しやすい体質に変われば、集中力アップなどダイエット以外の効果も期待できます。
ただし、カロリーは高いため1日の総摂取カロリーがオーバーしないよう注意は必要です。それさえ気を付ければ、コーヒーとMCTオイル・バター、あるいはMCTギーをそろえて、ぜひバターコーヒーを試してみてください。
バターコーヒーについてのQ&A
- バターコーヒーとは何ですか?
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バターコーヒーとは、コーヒーにグラスフェッドバターとMCTオイルを加えた飲み物です。飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸が含まれており、エネルギー源となるだけでなく、満腹感や集中力を高める効果が期待できます。
- バターコーヒーにはどんな効果がありますか?
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バターコーヒーに含まれる飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸は、体内で速やかにエネルギーに変わります。そのため、バターコーヒーを飲むと、長時間エネルギッシュに過ごせます。また、グラスフェッドバターに含まれる脂肪は、胃で消化されるのに時間がかかるため、満腹感が長く続きます。さらに、コーヒーに含まれるカフェインにも食欲を抑える効果があります。ほかにも、脳の働きが活性化され集中力が高まるといった効果も期待できます。
- バターコーヒーは簡単に作れますか?
-
バターコーヒーの作り方はとても簡単です。まず、好みのコーヒーを淹れます。次に、グラスフェッドバターとMCTオイルをコーヒーに加えます。最後に、ミキサーや泡立て器などでよく混ぜます。これでバターコーヒーの完成です。グラスフェッドバターとMCTオイルの量や種類はお好みで調整しましょう。
- バターコーヒーのコーヒーはインスタントでも代用できますか?
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オリジナルのBulletproof Coffeeでは品質の良い豆を挽いて淹れることを推奨していますが、インスタントコーヒーを使ってもダイエット効果は変わりません。
- バターコーヒーはいつ飲むのがおすすめですか?
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バターコーヒーは、エネルギーと満腹感を与えてくれるので、朝食代わりに飲むのがおすすめです。特に、ケトジェニックダイエットや断食などを行っている場合は、バターコーヒーで必要な脂質を補給できます。また、集中力を高めたいときや、エネルギー源を必要とする運動前に飲むのもバターコーヒーの効果が発揮されるため、おすすめです。
- バターコーヒーダイエットの効果はいつから実感できますか?
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もちろん個人差はありますが、実際にバターコーヒーダイエットを試したスタッフによると、朝食をバターコーヒーに置き換えた翌日から効果が見え始めたようです。1週間では-1.8kgという結果になりました。効果を出すポイントは、朝食にバターコーヒーを飲んだ後は昼食まで「糖質」を摂らない時間を作ることでした。
●管理栄養士からのコメント
バターコーヒーを飲むと痩せられるか? 結論としては、食事の内容や量を変えなければダイエット効果は期待できません。 しかし、現代人は1日の総摂取カロリーが多くなりがちなので1食抜き、その代わりにバターコーヒーを飲むならば効果が期待できます!バターコーヒーは糖質ゼロでありながら、バターの風味で満足感が得やすい飲み物です。いつも朝食を摂っている方も、バターコーヒーに置き換えるなら続けやすいと思います。 さらに夕食後から翌日の昼食まで食べ物を摂らない時間を長く取ることで成長ホルモンの分泌が促され、筋肉量の増加も期待できますよ。 「朝食代わりにバターコーヒー」チャレンジをしてみても良いのではないでしょうか。
管理栄養士プロフィール
安藤
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老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。