バターコーヒーの作り方と効果|実際に飲んでダイエット効果を検証
記事の監修
管理栄養士
安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
アメリカで大流行し、日本でもコンビニで販売されるほど注目を集めている「バターコーヒー」。ダイエットや集中力の維持に効果的と言われますが、「コーヒーにバター?」「逆に太りそう」と思われる方も多いのでは?
今回は、バターコーヒーの作り方やそのダイエット効果について詳しくご紹介します。
バターコーヒーとは?
バターコーヒーとは、コーヒーにバターとMCTオイルを入れて攪拌(かくはん)した飲み物です。
アメリカではBulletproof Coffee(直訳:防弾コーヒー)と呼ばれ、ダイエットと健康に貢献するとして大流行しました。
Bulletproof Coffeeは、シリコンバレーの起業家であったデイヴ・アスプリー氏がチベットのバター茶に着想を得て生み出したオリジナルドリンクです。
彼が世界中のダイエット法を検証し、ついにたどり着いたこのバターコーヒーを使って大幅な体重の減少とIQの増加を実現した様子を描いた『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(ダイヤモンド社)は、世界中に読者を得て、発行部数約50万部ものベストセラーとなりました。
ただ痩せるだけでなく集中力やパフォーマンスの上昇などの効果も期待できるとされ、日本でもバターコーヒーや完全無欠コーヒーと呼ばれて注目を集めています。
バターコーヒーの健康効果
バターコーヒーは、中性脂肪の抑制効果を持つ「MCTオイル」、アンチエイジングや集中力アップに効果があるとされる「コーヒー」を材料としているため、話題のダイエット効果のみならずさまざまな健康効果が期待できます。
効果① ダイエット効果
バターコーヒーでダイエット効果を得るためのポイントは、食事をバターコーヒーに置き換えることです。そうすることで短時間の断食を可能にし、通常の食事サイクルよりも空腹時間を伸ばせます。
空腹時間が12~16時間続くと脂肪を燃料とするケトン体が増加し、中性脂肪を減るとされています。
効果② アンチエイジング
バターコーヒーの材料であるコーヒーに含まれるポリフェノールは、表皮角化細胞のメラニンの取り込みを抑制するとされる論文で報告されています。この作用よりシミや老化を予防でき、アンチエイジングとしての効果が期待できます。
効果③ 脳のはたらきをよくする
バターコーヒーの効果としてよく言われるのが「頭の働きがよくなる」「パフォーマンスが向上する」ということ。
バターコーヒーに使われるMCTオイルは、認知症やアルツハイマー病の改善効果がみられたという報告があり、予防にも効果が期待できると考えられています。
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バターコーヒーの材料と選び方
バターコーヒーの材料は、「コーヒー」「バター」「MCTオイル」です。
材料は3つなので手に入れるのは簡単そうですが、オリジナルのBulletproof Coffeeで健康によいとして勧められているのは、それぞれ品質の良いこだわりの品。次のようなものが推奨されています。
ポイント【1】汚染のないコーヒー豆
穀類や豆などは保存中にカビが生えることがあります。コーヒー豆も、保存中にマイコトキシンというカビが発生することがあるといわれており、このカビは長期的に摂取するとがんや体内の炎症などの害を及ぼすことがあり、焙煎しても毒性が消えないため、オリジナルのBulletproof Coffeeでは汚染のない豆を使用することを推奨しています。
日本で市販されているコーヒー豆については、汚染の心配をそれほどしなくても良いという意見もありますが、心配な方は信頼できるコーヒーショップなどで相談してみると良いでしょう。
- コーヒー豆の代用
- 〇:インスタントコーヒー、お好きなコーヒー豆
- ✕:砂糖の入ったコーヒー
ポイント【2】グラスフェッドバター
グラスフェッドバターとは、牧草を食べて育った牛から搾ったミルクで作られたバターのことです。多くの牛は飼料として穀類を与えられていますが、穀類で育った牛と牧草で育った牛では乳の成分が異なります。
グラスフェッドバターは、穀類を与えられている牛のバター(グレインフェッドバター)よりも「オメガ3脂肪酸」が豊富に含まれているのが特徴。短鎖脂肪酸である「酪酸」や「βカロテン」もより多く含み、炎症の抑制などの効果があると考えられています。
- グラスフェットバターの代用
- 〇:ギー、無塩バター、生クリーム
- ✕:有塩バター
ポイント【3】オーガニック MCTオイル
MCTオイルとは、ココナッツなどから取り出した「中鎖脂肪酸」という成分だけでできたオイルです。消化・吸収に優れ、短時間でエネルギーになることで知られています。
手に入りやすいココナッツオイルにも中鎖脂肪酸は含まれますが、MCTオイルはココナッツオイルと比較して脂肪を燃やす効果が高いとされています。
MCTオイルにも様々な商品がありますが、一定の安全性の基準を満たしているオーガニックのMCTオイルを用いるのがおすすめです。
- MCTオイルの代用
- 〇:ココナッツオイル(MCTオイルより中鎖脂肪酸の量が少ないため少し多めに入れる)
- ✕:その他のオイル、油
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バターコーヒーの作り方
いよいよバターコーヒーを作ってみましょう。日本ではアレンジされたレシピも生まれていますが、今回はアレンジのないオリジナルの”Bulletproof Coffee”をご紹介します。
基本のバターコーヒー
バターコーヒー
材料
- コーヒー 2 杯
- グラスフェッドバター(お好みで) 大さじ 1~2(15~30g)
- MCTオイル(お好みで) 大さじ 1~2(15~30ml)
作り方
- 淹れたコーヒーにバターとオイルを加えます。
- (1)をブレンダーやミキサーで攪拌し、クリーミーな状態に乳化させてでき上がりです。
動画
コツ・ポイント
ブレンダーを用意できない場合は、油にコーヒーを細く注ぎながら泡立て器でかき混ぜると乳化できます。
材料2つ!手軽なバターコーヒー
健康のためにバターコーヒーを飲むなら継続が重要です。そのためにポイントとなるのは手軽に作れるかどうかでしょう。
MCTギーがあればコーヒーに混ぜるだけで簡単においしいバターコーヒーが作れます。
簡単バターコーヒー
材料
- 良質のコーヒー豆で淹れたコーヒー 2 杯
- MCTギー 大さじ 1〜2(30~60g)
作り方
- MCTギーをコーヒーに加えます。
- (1)をブレンダーやミキサーで攪拌し、クリーミーな状態に乳化させてでき上がりです。
コツ・ポイント
バターコーヒーを作る時は、ぜひスプーンなどではなく、ブレンダーやミキサーで攪拌するようにしてください。オイルを乳化させることで、腸管から吸収しやすい状態となり、身体が脂肪をエネルギーとして使いやすくなるのだそうです。
どうしてもブレンダーが用意できない場合は、油にコーヒーを細く注ぎながら泡立て器でかき混ぜると乳化できます。
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バターコーヒーがダイエットに効果的な理由
バターコーヒーでなぜ痩せる?
バターコーヒーダイエットは、「糖質制限」と「ケトン体質づくり」の掛け合わせがポイントです。
肥満のもとであるインスリンをコントロールするために糖質を制限し、糖の代わりに中性脂肪を燃料として使えるようにする(ケトン体質になる)ためにMCTオイルを摂ります。
調理に向かないMCTオイルを生活に取り入れるのはなかなか難しいですが、MCTオイル入りのバターコーヒーなら簡単にケトン体質を目指せます。
まずは朝食のみバターコーヒーに置き換えることから始めてみましょう。
血糖値を上げない
食事の代わりにバターコーヒーを摂ると、血糖値の上昇を抑制し、インスリンの分泌を抑えられます。
インスリンは脂肪を蓄える働きがあるため、血糖値の上昇を抑えることで肥満を予防できます。
バターコーヒー生活で糖質を制限し、インスリンを出さないようにすることが中性脂肪を身体に溜めないコツです。
空腹を感じにくい
バターコーヒーでダイエットできる仕組みはケトン体にあります。
通常、身体は糖質を燃料としていますが、糖質を制限してケトン体の原料となる脂(MCTオイル)を摂ることで、中性脂肪を燃料にできます。
人が空腹を感じるのは糖質が不足したときなので、ケトン体質を作れば糖質が切れる心配なく、空腹を感じにくくなるのです。
体脂肪の蓄積を抑制する
MCTオイルは肝臓で代謝され、脂肪として体に蓄積されないのが特徴。即効性のあるエネルギー源となるほか、肝臓でケトン体(脂肪を分解して作られるエネルギー源)がつくられるのを促進する働きがあるとされています。
糖質を摂らないことで、身体はブドウ糖の代わりに脂肪を燃焼してエネルギーにします。
その結果、身体についた贅肉を減らすことができるわけです。
バターコーヒーで太ることはないの?
飲むと脂肪をたっぷりと摂取することになるバターコーヒー。脂肪=太るのでは?と考えている方も多いでしょう。
実際は、脂肪は糖に比べて体に蓄積されにくいのだそうです。特にMCTオイルはすばやく吸収されてエネルギー源となり、ケトン体の生成を促進するため、体に脂肪として蓄積されづらいのだとか。バターを入れるためしっかりと満腹感があり、朝食にバターコーヒーを飲めば昼食までお腹が空かないと言います。
また、バターは飽和脂肪酸であり、身体に悪いのでは?という考え方もあります。
確かに飽和脂肪酸の過剰摂取はコレステロール値を上昇させ、心臓病リスクの上昇につながる可能性もあります。
持病のある方など、コレステロールの問題を抱えている方はバターコーヒーを摂る前にかかりつけの医師に相談しましょう。
バターコーヒーはいつ飲むのが効果的?
バターコーヒーは普段の朝食と置き換えて朝に飲むことで「糖質」を摂らない状態を継続させることができ、減量効果が高いと言われています。ダイエット効果だけではなく、集中アップや代謝の向上といった効果も期待できるので、朝食代わりに朝に飲むことをおすすめします。一方、コーヒーにはカフェインが含まれており、安眠を妨げる可能性があるため、バターコーヒーを夜に飲むのはおすすめできません。
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バターコーヒーダイエット1週間体験レポート
かわしま屋スタッフの間でも仕事の効率が上がると大人気のバターコーヒー。
実際にスタッフがバターコーヒーを飲み始めてどんな変化があったのかレポートしてもらったので公開します。
バターコーヒー 何キロ痩せた?
弊店のスタッフがバターコーヒーを毎朝飲み続けてみたところ、女性スタッフは「1週間では-1.8kg」、男性スタッフは「1か月で3.5kg痩せた」という結果になりました。
バターコーヒーダイエットの1週間の体験談をご覧ください!
●スタッフ松下 27歳 女性
知り合いに「バターコーヒーいいよ!」と言われたのをきっかけに話題の本(「最強の食事」)を読み、実際に1週間試してみることにしました。
●スタッフ 河島 39歳 男性
デイヴ・アスプリーさんの「シリコンバレー式超ライフハック」という本を読んだのがきっかけで、バターコーヒーを試してみることにしました。
バターコーヒーの副作用や注意点
健康効果やダイエット効果が期待できるバターコーヒーですが、飲み方や量によっては、体に悪影響を及ぼす可能性もあります。
こちらでは、バターコーヒーの副作用や注意点について解説します。バターコーヒーを飲む際には、以下の点に気をつけてください。
カロリーが高い
バターコーヒーは、一杯あたり約200kcal程度のカロリーがあります。そのため、摂取量や食事内容に注意しないと、カロリーオーバーになってしまう可能性があります。
胃に負担をかけることがある
バターコーヒーは脂肪分を多く含むため、飲みすぎると胃の負担になる場合があります。バターコーヒーに含まれる脂肪によって、胃の動きが遅くなったり、胃酸の分泌が増えたりする可能性があるのです。これにより、胃炎や胃潰瘍などの消化器系の病気のリスクが高まるかもしれません。バターコーヒーは1日に1杯を目安に飲むようにしましょう。
不快感や吐き気の原因になることがある
バターコーヒーに含まれるカフェインは、中枢神経系を刺激し、気分や集中力を高める効果があるとされていますが、摂りすぎると逆効果になる恐れがあります。カフェインの過剰摂取は、不安感や動悸、不眠や頭痛などの症状を引き起こす可能性があります。また、吐き気や胃の不快感もカフェインの副作用と言われていますので、バターコーヒーは適量を飲むようにしましょう。
バターコーヒーについてのQ&A
- バターコーヒーとは何ですか?
- バターコーヒーとは、コーヒーにグラスフェッドバターとMCTオイルを加えた飲み物です。飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸が含まれており、エネルギー源となるだけでなく、満腹感や集中力を高める効果が期待できます。
- バターコーヒーにはどんな効果がありますか?
- バターコーヒーに含まれる飽和脂肪酸や中鎖脂肪酸は、体内で速やかにエネルギーに変わります。そのため、バターコーヒーを飲むと、長時間エネルギッシュに過ごせます。また、グラスフェッドバターに含まれる脂肪は、胃で消化されるのに時間がかかるため、満腹感が長く続きます。さらに、コーヒーに含まれるカフェインにも食欲を抑える効果があります。ほかにも、脳の働きが活性化され集中力が高まるといった効果も期待できます。
- バターコーヒーは簡単に作れますか?
- バターコーヒーの作り方はとても簡単です。まず、好みのコーヒーを淹れます。次に、グラスフェッドバターとMCTオイルをコーヒーに加えます。最後に、ミキサーや泡立て器などでよく混ぜます。これでバターコーヒーの完成です。グラスフェッドバターとMCTオイルの量や種類はお好みで調整しましょう。
- バターコーヒーのコーヒーはインスタントでも代用できますか?
- オリジナルのBulletproof Coffeeでは品質の良い豆を挽いて淹れることを推奨していますが、インスタントコーヒーを使ってもダイエット効果は変わりません。
- バターコーヒーはいつ飲むのがおすすめですか?
- バターコーヒーは、エネルギーと満腹感を与えてくれるので、朝食代わりに飲むのがおすすめです。特に、ケトジェニックダイエットや断食などを行っている場合は、バターコーヒーで必要な脂質を補給できます。また、集中力を高めたいときや、エネルギー源を必要とする運動前に飲むのもバターコーヒーの効果が発揮されるため、おすすめです。
- バターコーヒーダイエットの効果はいつから実感できますか?
- もちろん個人差はありますが、実際にバターコーヒーダイエットを試したスタッフによると、朝食をバターコーヒーに置き換えた翌日から効果が見え始めたようです。1週間では-1.8kgという結果になりました。効果を出すポイントは、朝食にバターコーヒーを飲んだ後は昼食まで「糖質」を摂らない時間を作ることでした。
●管理栄養士からのコメント
バターコーヒーを飲むと痩せられるか?
結論としては、食事の内容や量を変えなければダイエット効果は期待できません。
しかし、現代人は1日の総摂取カロリーが多くなりがちなので1食抜き、その代わりにバターコーヒーを飲むならば効果が期待できます!バターコーヒーは糖質ゼロでありながら、バターの風味で満足感が得やすい飲み物です。いつも朝食を摂っている方も、バターコーヒーに置き換えるなら続けやすいと思います。
さらに夕食後から翌日の昼食まで食べ物を摂らない時間を長く取ることで成長ホルモンの分泌が促され、筋肉量の増加も期待できますよ。
「朝食代わりにバターコーヒー」チャレンジをしてみても良いのではないでしょうか。
管理栄養士プロフィール
◎安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。
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