伝統的な製法の本醸造醤油!読み方から分類、混合醤油との違いまで解説
市販の醤油の品質ってイマイチわかりませんよね。「本醸造」と書いてある醤油でも、「それって健康的でおいしい醤油なの?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では本醸造醤油の読み方から分類、混合醤油との違いについて詳細に解説します。毎日の食卓に健康的で美味しい醤油を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
伝統的な製法で作られた本物の醤油を見分けられるようになりますよ。
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本醸造醤油の読み方や分類を解説
本醸造醤油は伝統的な製法で作られた醤油です。ここでは以下の観点から本醸造醤油の解説を行います。
- 本醸造醤油の読み方は「ほんじょうぞうしょうゆ」
- 本醸造醤油の分類は5つ
- 国内に流通する醤油の8割は本醸造醤油
- 本醸造醤油のすべてが無添加であるわけではない
順番に見ていきましょう。
本醸造醤油の読み方は「ほんじょうぞうしょうゆ」
本醸造醬油の読み方は「ほんじょうぞうしょうゆ」です。本醸造とは、科学的な手法を使わずに、自然発酵させる製法を意味します。
発酵期間は通常6ヶ月から1年以上です。温度や湿度などの環境条件が重要な役割を果たします。伝統的な製法で作られる本醸造醤油の他に、コストの観点から醸造の期間や行程を省略した醤油もあります。
本醸造醤油の分類は5つ
本醸造醤油は5つに分類されます。JAS(Japanese Agricultural Standards、日本農林規格)による分類は以下の通りです。
- 塩味と旨味が調和する濃口醤油
- 少量で塩味が効く淡口醬油
- トロミのある再仕込み醤油
- 濃厚な旨味が特徴のたまり醤油
- 素材の味や色を活かす白醤油
詳細は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
国内に流通する醤油の8割は本醸造醤油
日本国内に流通する醤油の約8割は本醸造醤油です。品質と風味を重視する消費者の需要に応えるために、伝統的な製法を守るメーカーが多い傾向にあります。
本醸造醤油は、麹菌、乳酸菌、酵母などの微生物の力を利用して、自然発酵によって作られます。豊かで深みのある風味を生み出すには、時間をかけた発酵の過程が不可欠です。
極端に安い醤油や甘い醤油、だし入りの醤油は本醸造以外の製法で作られている可能性があります。
本醸造醤油のすべてが無添加であるわけではない
本醸造醤油は全てが無添加ではありません。本醸造醤油には、保存料や調味料などの添加物が含まれているものもあります。以下は筆者の家の近くのスーパーで売っている、本醸造醤油の原材料です。
- 脱脂加工大豆(国内製造)
- 小麦
- 食塩
- 果糖ぶどう糖液糖
- 砂糖
- アルコール
- 調味料(アミノ酸等)
- 甘味料(ステビア、カンゾウ)
- カラメル色素
- ビタミンB1
添加物無添加の醤油をお求めであれば、原材料が「大豆、小麦、食塩」のみのものを選ぶと良いでしょう。
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本醸造醤油の具体的な製造方法
- 大豆: 丸大豆または脱脂加工大豆を使用します。大豆は水に浸し、蒸すか煮ます。
- 小麦: 小麦は焙煎され、粉砕されます。
- 塩: 天日塩や岩塩が使用されます。
- 麹菌の添加: 蒸した大豆と焙煎した小麦を混ぜ、麹菌を加えます。これを「もろみ麹」と呼び、温度と湿度を管理しながら2〜3日間発酵させます。
- 塩水の添加: もろみ麹に塩水を加え、仕込みタンクに移します。この混合物を「もろみ」と呼びます。
- 発酵: もろみはタンク内で自然発酵させます。発酵は乳酸菌や酵母の働きにより進行し、6ヶ月から1年以上の期間がかかります
もろみの圧搾: 発酵・熟成が完了したもろみを布袋に入れ、圧搾機で絞って液体を取り出します。この液体が「生醤油」です 。
加熱処理: 生醤油を加熱し、殺菌と風味の安定化を行います。この工程で、醤油の色が深くなり、香りも引き立ちます。
最終熟成: 火入れ後の醤油はタンクに移され、さらに数ヶ月間熟成されます。これにより、味がよりまろやかになります。
ろ過と充填: 最後に醤油をろ過し、不純物を取り除きます。ろ過された醤油は瓶やペットボトルに充填され、ラベルを貼って出荷されます。
本醸造醤油と混合醤油などとの違い
ここでは本醸造醤油とその他の醤油との違いを解説します。
- 混合醬油との違い
- 丸大豆しょうゆとの違い
- 天然醸造醤油との違い
- 昆布醤油との違い
- 生醤油との違い
それぞれ見ていきましょう。
混合醬油との違い
本醸造醤油と混合醤油は、製法や風味、品質において大きな違いがあります。本醸造醤油は伝統的な方法で自然発酵させて作られるのに対し、混合醤油は化学的な手法を使って短期間で大量生産される醤油です。
混合醤油は本醸造醤油にアミノ酸液や酵素分解液を混ぜて作られます。化学処理によりタンパク質を分解し、短期間で発酵させるため、製造コストが低く、安価に提供できるのが特徴です。
風味は化学調味料に由来するため、香りや味わいの深みが少ない傾向があります。
混合醤油に多く見られるのは甘い醤油やだし入りの醤油です。
丸大豆しょうゆとの違い
本醸造醤油と丸大豆醤油は、製法ではなく原材料に違いがあります。丸大豆醤油であっても醸造されるため、本醸造醤油と製造過程に変わりはありません。
本醸造醤油は原材料の大豆に脱脂加工大豆を用いることが多くあります。しかし丸大豆醤油のは丸大豆のみを使用しているのが特徴です。丸大豆しょうゆは発酵期間が長くなるものの、味がまろやかになる傾向があります。
脱脂加工大豆は大豆油を搾った後の搾りかすです。しかし脱脂加工大豆の方が旨味の強い醤油を作れる傾向があります。
天然醸造醤油との違い
本醸造醤油と天然醸造醤油は、JAS法の品質表示基準により区別されます。天然醸造醤油は添加物を一切使用せず、完全な自然発酵を通じて作られる点が特徴です。
そのため本醸造醤油の中でも、特定の基準を満たしたものが天然醸造醤油と呼ばれます。JAS法で定められている天然醸造醤油の基準は以下の通りです。
- 本醸造の製法によって作られている
- 酵素の添加や醸造の促進を行っていない
- 食品添加物を使用していない
天然醸造醤油は本醸造醬油の中でも、特に伝統的な製造方法が守られている醤油となります。
ただし他の醤油が品質を保持するために行っている行程も排除されています。一概に天然醸造醤油が本醸造醤油よりも優れているといえるわけではありません。
参考:平成21年7月10日 農林物資規格調査会総会 品質表示基準の見直しについて「しょうゆ」
昆布醤油との違い
本醸造醤油と昆布醤油は、基本的な製法と使用される原材料、およびその用途に違いがあります。
昆布醤油は本醸造醤油に昆布のエキスを加えて風味を強化した調味料です。醤油に昆布エキスを加えることで旨味が強化され、独特の風味が生まれます。
主に昆布の名産地である北海道で生産され、昆布の風味を活かした和食に最適です。
生醤油との違い
生醤油とは本醸造醤油の中でも、火入れを行っていない醤油を指します。料理に使用する際に初めて加熱されるため、香りが立ちやすいのが特徴です。
生醤油は読み方や製法により3つの種類があります。
- 生醤油(きじょうゆ)
- 生醤油(なましょうゆ)
- 生揚げ醬油(きあげしょうゆ)
生醤油に関する詳細は以下の記事で解説しています。
スーパーで売ってる本醸造醤油の値段
スーパーで売っている本醸造醤油の値段は品質によりさまざまです。大量生産されている醤油であれば、1Lの商品が200円前後で販売されています。
ですが伝統的な製法や無添加にこだわっている醤油であれば、1Lで1,000円を超えるものも珍しくありません。
安い醤油の中には添加物がたくさん入っているものもあります。スーパーで醤油を買う際は、醤油の表示をチェックすると良いでしょう。
高品質な本醸造醬油の選ぶ際のチェックポイント
高品質な本醸造醬油の選ぶ際のチェックポイントは以下の通りです。
- 原材料
- 製造方法
- 無添加
それぞれ解説します。
原材料
最初にチェックしたいのが原材料です。商品によっては、外国産の遺伝子組み換え大豆や小麦を使用している可能性があります。
特に価格の安い本醸造醤油に使用されている大豆は、外国産の脱脂加工大豆です。安全性を求めるのであれば「遺伝子組み換えでない」と明記されている商品を選ぶと良いでしょう。
製造方法
伝統的な製造方法の醤油をお求めであれば、「本醸造」と明記されている商品を選びましょう。製造方法は品質表示の名称に明記されています。
例えば本醸造の濃口醤油であれば、名称の部分に「こいくちしょうゆ(本醸造)」の記載があります。混合醤油の場合の記載は「こいくちしょうゆ(混合)」です。
パッケージだけではわかりにくい商品もあるので、製造方法は必ず確認すると良いでしょう。
無添加
無添加にこだわるのであれば、原材料を細かくチェックしてください。醤油の製造に必須なのは「大豆、塩、小麦」の3つだけです。それ以外の原材料は添加物だといえます。
醤油に含まれがちな添加物の例は以下の通りです。
- 果糖ぶどう糖液糖
- 砂糖
- アルコール
- 調味料(アミノ酸等)
- 甘味料(ステビア、カンゾウ)
- カラメル色素
- ビタミンB1
ただしすべての添加物が身体に悪影響があるわけではありません。
例えばアルコールは白カビの発生を抑えるために加える添加物です。そもそも醸造の段階で生じるものでもあり、添加しなくても2%程度は含まれています。
無添加の醤油の方が添加物が含まれない醤油より優れている、というわけではありません。どのような意図で添加物が使用されているのか知るのが肝心です。
本醸造醤油はかわしま屋がおすすめ
高品質な本醸造醤油をお探しの方にはかわしま屋の醤油がおすすめです。具体的なおすすめポイントは以下の3つです。
- 無農薬栽培の有機国産大豆と小麦を使用
- 添加物を一切使用せずに1年以上かけて天然熟成
- 130年以上の歴史ある杉桶で仕込まれた香ばしい香り
安心して美味しい醤油を楽しめるよう、かわしま屋は品質にこだわり抜いています。
古式天然醸造杉桶仕込み 国産有機醤油(こいくち) 900ml 無添加・国産原料100%の醤油-かわしま屋-
安心の有機・国産の原材料を伝統の製法を守って木桶で丁寧に醸造した、まろやかで香り高いこだわりの天然醸造醤油です。
1278 円(税抜)
鯖の醤油麹煮|煮魚が美味しくできる!
材料
- 鯖の切り身4切れ(1尾分)
- 赤唐辛子 2 本
- 水 200 cc
- 醤油麹(大さじ2)
- 酒(大さじ2)
- みりん(大さじ1)
- 砂糖(大さじ1)
作り方
- 鯖に切り込みを入れます。
- 鍋に水と調味料を入れて煮立たせます。
- 煮汁が煮立ったら、鯖の切り身が重ならないように皮を上にして並べ入れます。
- 切り身の表面に煮汁を2~3回回しかけます。
- 落し蓋と鍋蓋をして中火で5~6分煮ます。
行者にんにくの醤油漬け
材料
- 行者にんにく 100 g
- 塩 少々
- 醤油 90 cc
- みりん 30 cc
- 酒 30 cc
作り方
- 行者にんにくをきれいに洗います。
- 鍋に、醤油、みりん、酒入れて煮立たせて、火から下したら粗熱がとれるまで冷まします。
- 鍋にたっぷりの水をいれて沸かし、塩少々を加えて行者にんにくをさっと茹でます。
- 行者にんにくをざるに上げ、水気をよく絞ったら半分に切ります。
- 保存容器に行者にんにくを入れて調味料を注ぎ、冷蔵庫で一晩ねかせます。