どくだみ茶は肝臓に悪い?成分の効能・副作用を解説

どくだみ茶で検索すると、関連キーワードに「肝臓に悪い」が出てきますが、実際のところはどうなのでしょうか。
この記事では、どくだみに含まれる成分とはたらき、副作用を詳しく解説します。後半では、どくだみ茶に注意が必要な人や肝臓・肥満予防への効果も解説するので、ぜひ参考にしてください。
【結論】悪影響があるとすれば腎臓

どくだみ茶が肝臓に悪いとされる論文や症例は見つかりませんでした。悪影響があるとすれば、腎機能が低下している方です。
後述しますが、どくだみ茶にはカリウムが含まれているため、腎機能が低下している場合は高カリウム血症になるリスクがあります。腎機能の低下によってカリウムが尿で排泄されづらくなることで、不整脈・筋力低下・感覚障害などを引き起こすものです。
腎機能が低下している、あるいは脱水症状で尿が出にくいという状態なら、どくだみ茶を避けましょう。なお、どくだみ茶にはカリウム以外の成分も含まれています。次の項目で成分ごとの効能と副作用を解説します。
どくだみ茶に含まれる成分と効能・副作用

どくだみ茶に含まれる成分は、ミネラル類、ビタミン類、ポリフェノール類の3つに大分できます。それぞれを詳しく解説します。
ミネラル類
どくだみ茶に含まれるミネラル類は次のとおりです。
成分名 | 効能 | 副作用 |
カリウム | 細胞の浸透圧・活性維持。 ナトリウムの再吸収を抑制し、排泄を促進。血圧を下げる。 | 高カリウム血症。 (腎機能が低下している場合) |
カルシウム | 骨の主要構成要素の1つ。 細胞のはたらきや活性化に必須。血液の凝固にも関与。 | 高カルシウム血症、高カルシウム尿症、 軟組織の石灰化、尿路結石、 鉄・亜鉛の吸収阻害、便秘 (過剰摂取した場合) |
マグネシウム | 骨の弾性維持、細胞のカリウム濃度調節、 細胞格の形態維持に関与。排便を促す。 | 下痢 (過剰に摂取した場合) 血圧低下、吐き気、心電図異常 (腎機能が低下している場合) |
鉄分 | 酸素・二酸化炭素を運搬するヘモグロビンの構成成分。 筋肉・細胞の構成要素としても重要。 | 組織への沈着、便秘、胃部の不快感 (鉄剤等による過剰投与の場合) |
亜鉛 | 酵素・インスリンの構成成分として重要。 皮膚・粘膜・肝臓の再生、味覚・嗅覚の維持に関与。 | 銅の吸収が阻害され、 貧血・骨異常・毛髪異常・白血球減少 などにつながる (過剰摂取の場合) |
マンガン | 骨の発育に重要。 糖脂質代謝・運動機能・皮膚代謝などの酵素反応に関与。 | ― (工業・建設現場等での ばく露・経気道吸収による マンガン中毒をのぞく) |
ミネラル類は健康リスクになる場合があります。ただし、副作用が生じるのはサプリなどによって過剰摂取した場合や、腎機能の低下など排泄機能に問題がある場合です。どくだみ茶に含まれる成分量はサプリほど多くないため、ただちにリスクになるわけではありません。

ビタミン類
成分名 | 効能 | 副作用 |
ビタミンB2 | ほとんどの栄養素の代謝に関わる。 発育促進に重要で、皮膚・髪・爪の再生にも関与。 | ― |
ナイアシン | 酸化還元酵素の補酵素の構成成分として重要。 糖質・脂質・たんぱく質の代謝、エネルギー産出に関与。 | ― |
パントテン酸 | 糖・脂肪酸の代謝における酵素反応に広く関与。 エネルギー・ホルモン・抗体の産出、 善玉コレステロールの増加にも関与。 | ― |
ビタミンK | 血液の凝固促進(止血)、骨の形成に関与。 動脈の再石灰化を抑制する作用もある。 | 血栓を防ぐ薬(ワルファリンなど) を飲んでいる場合は、 ビタミンKを含むサプリや納豆がNG。 |
過剰なビタミンは基本的には尿で排泄されるため、サプリなどで極めて過剰な量を摂取するのでなければ、多く摂っても問題がないことがほとんどです。ただし、ビタミンKに関しては血栓を防ぐ薬と相性が悪いため、医師から止められる可能性があります。
ポリフェノール類
成分名 | 効能 | 副作用 |
クエルシトリン | 強心作用・利尿作用・抗菌作用・抗ウイルス作用。 | 下痢・頻尿 |
ケルセチン | 糖尿病・肥満の改善、肝臓の酸化ストレスの低下、認知機能改善。 | ― |
コリン | ビタミンに似たようなはたらき、ビタミンを助けるはたらき。 高血圧・脂肪肝の予防、コレステロールの抑制。 | ― |
ルチン | 毛細血管強化作用。脳卒中の予防。 | ― |
どくだみ茶には利尿作用があるため、水分補給には不向きです。また、飲みすぎると下痢になる可能性があります。しかし、過剰摂取しない限りは、どくだみ茶が悪影響をもたらすリスクはほとんどありません。1日1杯など量を決めて飲めば、健康に良い効能を期待できるでしょう。注意が必要なケースについては次の項目をご確認ください。
どくだみ茶に注意が必要な人

各種成分の副作用をふまえると、次のような方はどくだみ茶の摂取に注意が必要です。
- 腎機能が低下している人
- 脱水症状がある人
- おなかがゆるい、下痢に悩んでいる人
- 血栓を防ぐ薬(ワルファリンなど)を飲んでいる人
- 頻尿に悩んでいる人
上記に該当する方はどくだみ茶の摂取を控えるか、購入前に医師へ相談しましょう。
どくだみ茶は肝臓の負担を減らす

肝臓は有害物質の解毒、栄養分の分解と合成をおこなっている臓器です。どくだみ茶には、ミネラルや抗酸化ビタミンなどの肝臓のはたらきをサポートする成分が含まれているため、肝臓の負担を減らせます。具体的には次のとおりです。
どくだみ茶に含まれる成分 | 肝臓への関与 |
亜鉛 | ・肝臓の細胞の新陳代謝を促進する酵素をサポート |
マグネシウム | ・肝臓の細胞の新陳代謝を促進する酵素をサポート ・肝臓の酸化ストレスを低減 |
ビタミンB2 | ・肝臓への脂肪の蓄積を防ぐ(脂肪肝の予防) ・肝臓の細胞の再生を促す |
パントテン酸 | ・脂肪肝の予防 |
ケルセチン | ・肝臓の酸化ストレスを低減 |
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どくだみ茶は肥満予防にも有用

抗肥満作用のある新規食品素材を探すために、100種の天然物抽出物・素材をマウスに投与し、肥満に関わる各種値を測る実験がおこなわれました。結果、抗肥満作用があるとわかったのは、どくだみ・とろろ昆布・コガネタケヤシの3種類です。
どくだみを熱水で抽出したものを投与したマウス群において、血中の脂質値・グリセロール値・グルコース値の上昇が抑制されました。血中脂質だけでなく血糖値の異常の改善ができるため、抗肥満作用があることがみとめられます。
あくまでもマウスの実験結果ではありますが、腎臓等の臓器への悪影響もみられなかったため、中性脂肪が気になる方にとってどくだみ茶は有用といえるでしょう。
参考資料:東京海洋大学 宮田光義「抗肥満作用を有する新規食品素材に関する研究 :ドクダミを中心として」
どくだみ茶に関するQ&A
- どくだみ茶は1日にどれくらい飲んだら良いですか?
-
湯呑で1日3杯までを目安としましょう。医薬品ではないため用法・用量などはありませんが、飲みすぎると頻尿・下痢になる恐れがあります。
- どくだみ茶にはどんな効能がありますか?
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デトックス・便秘(宿便)の改善・肥満予防・肝臓のサポートなどが期待できます。
- サルコペニア肥満にも効果がありますか?
-
サルコペニア肥満の場合、筋肉量の低下が肥満につながっているため、どくだみ茶で対応するよりも筋肉量を増やすことが重要です。たんぱく質を摂取できる食事を意識し、ウォーキングやストレッチなどの運動も行うよう心掛けましょう。
- どくだみ茶がNGな人はいますか?
-
腎機能が低下している方、血栓を防ぐ薬を服用している方、頻尿にお悩みの方は摂取を避けましょう。



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参考資料
文部科学省 「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 国立健康・栄養研究所、東京農業大学農生命科学研究所 近藤 位旨*,石見 佳子,東泉 裕子「肝臓を介した健康被害が予測される健康食品成分に関する情報解析」
昭和薬科大学 田口恭治ほか「ジュウヤク(Houttuy Herba)の薬理学的研究.クエルシトリンの抗炎症作用」
農業・食品産業技術総合研究機構「Ⅰ ケルセチンの生活習慣病予防機能」
国立研究開発法人医療基盤・健康・栄養研究所「ケルセチン」
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「栄養素」
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「レシチン・コリンの摂取量」
公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「ポリフェノールの種類と効果と摂取方法」
松井徹「日本栄養・食糧学会誌 第27巻 マグネシウムを中心としたミネラル栄養に関する基礎的研究」
東野勲、山西敏夫「パントテン酸とメタボリックシンドローム」