乳酸菌サプリ|正しい選び方は?効果・効能はあるの?
「腸」=全身の健康を左右する重要ポイントという考え方が常識になってきた昨今。
腸内環境を整える「菌」たちの活躍に注目が集まり、「菌活」といった言葉も生まれています。
そんな「菌活」のひとつが乳酸菌サプリ。
いつでもどこでも手軽に摂れるうえ、毎日続けやすいのが魅力です。
「食事と同じように効くの?」「具体的な効果は?」「副作用はないの?」
今回は、乳酸菌サプリの気になるポイントについてご説明します。
記事監修|前田美樹(管理栄養士・インナービューティープランナー)
暮らしになじむ料理教室「まえだごはん」 (大阪市西区)の代表。
日々「腸を整えて内側から輝く美人になれるおうちごはんややさしいおやつ」を伝えている。
乳酸菌サプリについて
数粒、1さじに1兆もの乳酸菌が含まれているものもあるという乳酸菌サプリメント。
「なるべく食事で発酵食を摂るようにしているから」という方もいると思いますが、大腸の専門医である後藤利夫氏が著した『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)によれば、
「極端な話、腸内環境が悪化して悪玉菌ばかりになってしまったら、毎日100億個の乳酸菌を摂取しても、菌が置き変わるのに1万日、つまり30年もかかってしまう」
とのこと。気が遠くなってしまう数字ですね…。
ちなみに次のような項目に多く当てはまる方は腸内環境が悪化している可能性があるようなので要注意。
便秘気味である | 野菜、果物はあまり食べない | アレルギー体質 |
---|---|---|
ストレスが多い | 口臭・体臭がする | 運動不足 |
食事が不規則 | 外食が多い | 肌荒れ・ニキビが多い |
肉食中心 | おならの回数が多く、臭い | 夜更かし気味 |
参考:後藤利夫『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)
食事や生活習慣を見直すとともに、乳酸菌サプリの力を借りるのもいいかもしれません。
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乳酸菌の種類と効果
私たちの体を守ってくれる免疫機能が集中している「腸」。
整腸作用の他にも、乳酸菌にはさまざまな効果を発揮することがわかってきました。
今回は、乳酸菌に期待できる効果について詳しく紹介していきます。 乳酸菌の種類と効果の記事を見る
乳酸菌サプリの種類ー腸まで届かないと意味がない?
一口に乳酸菌サプリといってもいろいろな種類があります。
よく見かけるのが植物から分離された「植物性乳酸菌」と、ヨーグルトに代表される「動物性乳酸菌」ですが、日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会によると「植物性」「動物性」という分け方にはあまり意味がないようで、どちらもさまざまな種類の株に分かれています。
もうひとつ大きな分け方としては次の2種類です。
- ・「生きて腸まで届く」とされるサプリメント
- ・「殺菌後の死菌を配合した」サプリメント
一見すると「生きて腸まで届く」ものの方が腸によさそうですが、実はどちらも有効。
死んだ菌も腸内の乳酸菌のエサとなり、腸内環境を改善することがわかっています。
では効果は同じなのかというと、全く同じというわけではなく、それぞれに別の効果があるようです。
「乳酸菌」とまとめて呼ばれていますが、「EC-12株」「BB536株」「S-PT84株」など種類はさまざま。
それぞれ共通した効果をもちつつ、「アレルギーに効く」「便秘に効く」「がんを予防する」など異なる特徴ももっているため、いろいろな種類の乳酸菌を摂ってみるのもよいかもしれませんね。
乳酸菌サプリとヨーグルトとの比較
手軽に摂れる乳酸菌サプリですが、食物から摂るのと比べてどうか?という点も気になりますよね。
サプリメントとヨーグルトなどの食品とを比較した実験は見つけられませんでしたが、乳酸菌はサプリメントからの摂取でもさまざまな効果があることが明らかになっており、特に「食べ物から摂る方が効果が高い」ということはないようです。
乳酸菌の数はどうでしょうか?
ヨーグルトに含まれる乳酸菌の数は、法律で「1mlあたり1000万個以上」と定められています。製品によってはもっとたくさん含まれているものもあるかと思いますが、500mlのヨーグルトなら50億個以上です。
一方のサプリメントに含まれる乳酸菌の数は、1粒で約数十億~数百億というものが多いよう。
ヨーグルトは食事として楽しみながら摂れるのがよいところですが、「毎日大量のヨーグルトを摂るとなると脂肪や糖分の摂取も気になる」という方は、サプリメントを取り入れる方が気軽かもしれませんね。
また、ヨーグルトなどの乳製品には乳糖が含まれています。乳糖不耐症といわれる、乳糖を摂取すると消化不良や下痢の症状があらわれる方は、乳糖を含まないサプリメントが安心です。
乳酸菌サプリの選び方
どんな乳酸菌サプリを選ぶのがいいの?
乳酸菌とは、炭水化物などの糖を分解して乳酸をつくる細菌の総称です。
乳酸菌の種類は多種多様で、正式に認められている種類は250種以上。
それ以外にも数千種類あるといわれています。
ひと口に乳酸菌といっても、その性質もさまざまです。
腸内細菌のバランスを整えることにより、腸内を酸性側に傾け腸内の腐敗を抑えたり、腸のぜん動運動を助けて便秘を改善する効果があります。
- ●ビフィズス菌(ビフィドバクテリウム)
- 主に大腸にすみ、腸の動きをよくして便秘を防ぎ、他の病原菌を追い出して下痢を防ぐ。
- ●乳酸桿菌-にゅうさんかんきん-(ラクトバチルス)
- 腸管免疫力を高めたり、有害物質を減らしたりします。胃に棲みついてピロリ菌を退治するものも。
- ●乳酸球菌(ラクトコッカス)
- 名前の通り、丸い球状をしている乳酸菌です。コレステロールを下げたり、免疫力を高めたりします。
作り出された乳酸や酢酸には、悪玉菌の増殖を抑制したり(防いだり)、腸の運動を正常にして軟便や便秘などを改善する整腸作用があります。
整腸剤を選ぶ時には、小腸と大腸の両方を整える成分のものを選ぶことで、幅広く『腸内フローラ』を整えることができます。
乳酸菌の種類と効果
私たちの体を守ってくれる免疫機能が集中している「腸」。
整腸作用の他にも、乳酸菌にはさまざまな効果を発揮することがわかってきました。
今回は、乳酸菌に期待できる効果について詳しく紹介していきます。
自分の腸に合う乳酸菌サプリを選ぶことが大切
腸内の環境や菌は人それぞれ異なります。
世間で「効く」と言われている乳酸菌サプリでも、自身の腸には効果が薄く、実感を感じられないこともあるかもしれません。
価格や宣伝などに惑わされるのではなく、様々な種類の乳酸菌サプリを試して最も効果を感じられた乳酸菌を含むサプリを選ぶことが大切です。
善玉菌を含む代表的な食品はヨーグルトですが、私達一人一人に合う菌は違うようです。
1種類のヨーグルトを2週間位続けてみて、便の状態をチェックし、よい変化が感じられない時は別のものを2週間試し、自分に合う菌を見つけましょう。
原材料が明確なものを選ぶ
乳酸菌サプリは、良質な腸内環境を維持するために毎日続けて飲むことが大切です。
そのため、原材料が明確に表示してあるものが安心といえます。
食物アレルギーがある方は、特に注意が必要です。
医薬品と違い、成分の含有量や品質に規制や基準はなく、中には無承認無許可の医薬品成分が含まれた製品や、アレルギーや肝障害をおこす成分が含まれた製品もあり健康被害もしばしば報告されていることに注意が必要です。
“全日本民医連「52.健康食品・サプリメントによる副作用」より引用”
乳酸菌サプリの効果
「乳酸菌が身体にいい」というのはわかっていても、具体的な効果としてぱっと思いつくのは整腸作用くらいという方も多いでしょう。
でも、腸を整えるとその影響は全身に及び、効果はここに挙げきれないほど。後藤利夫『あなたの知らない乳酸菌力』(小学館)やその他の論文を参考に、乳酸菌を摂取したときの効果についてまとめました。
効果1 整腸作用(便秘・下痢改善)
腸内環境が悪化した腸は悪玉菌が増え、アルカリ性になっています。
アルカリ性の腸内では、腐敗物がたまりやすく、便やおならのにおいもきつく、便秘になりやすいそうです。
また、悪玉菌が増えると下痢や軟便など水分を多く含んだ便にもなりやすいといいます。
乳酸菌はこの腸内環境を改善し、腸内を酸性に保つため、排便回数や排便量、便の形状や色、排便後の爽快感などを改善する効果があるといわれています。
効果2 肌荒れ・ニキビ改善
便秘などによって腸内環境が悪化し、悪玉菌が活発に働くと、腐敗物や有害ガスが発生します。
肌荒れやニキビなどの肌トラブルは、こうした毒素や老廃物が皮膚から排出された結果であるとも考えられるそうです。
乳酸菌やビフィズス菌は悪玉菌を減らし、腸の内容物が腐敗するのを防ぎます。
ビフィズス菌飲料を4週間飲用した結果、血中・尿中から検出される腐敗物が44~54%も減ったという実験結果もあるそうです。
また、ビフィズス菌や乳酸菌には、肌の保湿力を高めたり、ストレスによる肌トラブルを予防したりといった効果もあるとされています。
効果3 アトピー・アレルギーの改善・発症予防
悪玉菌優位の腸内では、免疫が過剰に反応しやすいそうです。
そのため、腸内環境が悪化しているとアレルギー体質に陥りやすく、アトピー性皮膚炎も引き起こしやすいといいます。
乳酸菌は継続して摂ることで腸管の免疫を高め、かゆみなどのアトピー症状の改善につながることが期待できます。
また、乳酸菌は子どものアトピーの発症率を下げる効果もあることが確認されているそうです。
効果4 花粉症予防
乳酸菌は、腸から分泌される「IgE抗体」という物質を増やす働きをするそうです。
この「IgE抗体」には異物を排除するバリア機能があり、増えることでアレルギーを起こしにくい体質になります。
それと同時に乳酸菌には、花粉症を引き起こす「IgE抗体」という物質を増やさない働きもあるそうです。
この働きにより、すでに花粉症にかかっている人でも、症状の緩和が期待できるそうですよ。
効果5 免疫力強化
乳酸菌は、免疫細胞の一種である「NK細胞」や「マクロファージ」を活性化させる働きがあると考えられています。
ヨーグルトを使った実験では、風邪への罹患リスクの低減や抗インフルエンザなども研究されています。
こうした効果は乳酸菌を摂取し続けることで維持できるようです。
また、腸は免疫細胞の7割が存在する臓器。必要な栄養素を吸収するのも、有害なものを吸収してしまうのも入り口は腸です。だからこそ腸を正常に保つための心がけはとても大切。腸内環境を整えることは、免疫力を高めることにつながります。
効果6 ダイエット効果
乳酸菌などで腸内環境を整えると、血行を改善し、基礎代謝が上がることにつながるといわれています。
また、乳酸菌そのものにも内臓脂肪を低減させる効果があり、ヨーグルトを使った実験では、12週間の平均値で内臓脂肪と皮下脂肪の面積が減少するという効果が確認されているそうです。
ダイエット効果を求めるのであれば、糖質や脂質の量も気をつけたいポイントです。そのまま美味しく食べられるヨーグルトには意外にも多くの糖質、脂質が含まれているので、その点も選ぶ際の参考にされてください。
腸内環境に役立つ乳酸菌
乳酸菌サプリの効果的な飲み方
最後に、乳酸菌サプリの効果的な飲み方をまとめました。
1日の摂取量は?
国立健康・栄養研究所の見解では、整腸作用を求める場合、1日に必要な乳酸菌の数は百億個程度だそうです。
また本サイトのこちらの記事でインタビューにお答えくださった後藤利夫先生によれば「死菌だと生菌の2-3倍の菌数程度を摂取しておいたほうが良い」とのことでした。
効果には個人差があるため、自分の身体と相談しながら摂るようにしてください。
乳酸菌サプリを飲むタイミングは?
さて、さまざまな効果がある乳酸菌サプリ。飲むタイミングについてはいつでもOKなのだそうです。
食事から摂取する場合と違って、旅行や出張などの予定と関係なく続けることができるのがうれしいですね。
乳酸菌サプリは「継続する」ことが重要なので、飲み忘れが少ない時間帯・タイミングを選ぶようにしましょう。
生きた乳酸菌が含まれるものについては、どちらかといえば胃酸が弱まっている食後がおすすめとされることもあります。
朝食後、夕食後などと決めておくと習慣にできてよいかもしれませんね。
どんな物と一緒に飲む?
乳酸菌サプリは、食物繊維やオリゴ糖など、乳酸菌のエサとなるものを一緒に摂取すると効果が高まります。
- <オリゴ糖が多く含まれる食品>
- 大豆、牛乳、ごぼう、アスパラガス、たまねぎ、とうもろこし、バナナ
- <水溶性食物繊維が多く含まれる食品>
- 大豆、わかめ、こんにゃく、ごぼう、さつまいも、オクラ
肉中心の食生活は、腸内の悪玉菌を増やすといわれています。
野菜をたっぷり摂る食生活なら、サプリとの相乗効果を狙えそうですね。
乳酸菌サプリは子どもや妊婦でも飲める?
「乳酸菌サプリ、すごく良さそう!」と思ったけれど、子どもにも飲ませて平気?妊娠中は?…気になる疑問について調べました。
子どもでも飲めるの?
乳酸菌サプリは子どもでも安心して飲むことができます。
アトピー症状をもつ子どもに乳酸菌を8週間摂取させたところ、皮膚症状やかゆみの改善が見られたという研究も。
腸内フローラのベースは3歳までに決まってしまうとも言われ、今日では赤ちゃんのためのサプリメントなども販売されているようです。
選ぶときは、甘味料や香料などが無添加かどうかをチェックしてみてください。
妊婦が飲むとどうなる?
赤ちゃんでも飲めるとされる乳酸菌サプリ。妊婦さんも、医師から特に食事に関する制限を指示されていなければ飲むことができます。
アトピー症状を持つ妊婦さんが乳酸菌を摂取し、生まれてきた子どもにも一定期間乳酸菌を与えたところ、アレルギーの発症率が低くなったという研究もあるそうです。
お母さんが乳酸菌を摂取すると、膣内の細菌叢が変化し、分娩時に赤ちゃんが乳酸菌を摂取できると考えられています。
母乳にどんな影響がある?
授乳中のお母さんが乳酸菌サプリを摂ることで、母乳の成分が変化するという研究も。
お母さんが乳酸菌を摂取することで、赤ちゃんをアレルギーから守るTGF-βというたんぱく質が増加することが確認されたそうです。
妊娠中、授乳中、離乳期以降と継続して乳酸菌を摂取していくことで、子どものアレルギー発症を予防できる可能性が高まりそうですね。
乳酸菌サプリに副作用はないの?
乳酸菌サプリについては、特に危険な副作用はないとされていますが、生きた菌を摂る場合は「お腹が張る」といった症状が出ることもあるようです。
人の腸内環境はさまざまで、ある人に合っている菌が自分にも合うかどうかはわからないのだそう。
どの菌が自分に合っているか試してみるまでわからないので、効果がないと思ったら中止して、効果のあるものを続けるのがよいでしょう。
乳酸菌サプリについてのQ&A
- 乳酸菌サプリを摂る前や後に酢などをとると乳酸菌が酸で死滅してしまいますか?
- 乳酸菌サプリを多量のお酢と一緒に摂ると、乳酸菌が酸で死滅してしまうことがあるようです。もちろん死菌であれば問題ありません。
- 乳酸菌サプリを他のサプリや医薬品と併用しても大丈夫?
- 疾患などで通院している場合は、併用が可能かどうか必ず医師に相談してから飲むようにしてください。
- 乳酸菌のサプリで効果が現れるのはいつ頃ですか?
- 便秘の改善などについては2週間程度で効果が実感できるとされています。
アレルギーや免疫の改善については、効果を実感できるまでに数ヶ月かかるようです。
- 乳酸菌のサプリはいつ飲めば効果的ですか?
- 商品の種類にもよりますが、基本的に食品ですので、いつ飲んでも構いません。大切なのは続けることなので、生活パターンに合わせて朝食後など、決まった時間に食べるとよいでしょう。
記事監修|前田美樹(管理栄養士・インナービューティープランナー)
暮らしになじむ料理教室「まえだごはん」 (大阪市西区)の代表。
日々「腸を整えて内側から輝く美人になれるおうちごはんややさしいおやつ」を伝えている。
アドバイス:
乳酸菌サプリを摂る際にぜひ一緒に食事で摂っていただきたいのは、食物繊維とオリゴ糖。これらは、腸の中で善玉菌のエサになるものです。積極的に摂った乳酸菌(善玉菌)を腸の中でさらに増やしてくれます。食物繊維を豊富に含むものは野菜全般、海藻、きのこ類、玄米など。オリゴ糖を豊富に含むものは、玉ねぎやごぼう、バナナなど。
腸内細菌は驚くほど多くの種類が腸のなかで共存しています。どれか特定の菌を積極的に摂るというよりも、意識したいのは「多様性」です。なるべく食事でいろんな品目を取り入れ楽しみながら、必要に合わせてサプリをプラスするというのが理想的です。
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