春の野草!スギナ茶の作り方と効能|副作用やスギナの活用法も紹介
記事の監修
管理栄養士
鶴田ようこ
調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。
春の野草「スギナ」。 とても繁殖力や生命力の強い植物です。
スギナは昔からとても栄養が豊富で、優れた薬草として重宝されてきました。
そんなスギナの効能を知らないなんてもったいない!
この記事ではスギナの健康効果や作り方、活用方法についてご紹介します。
スギナ茶を飲めば、身体の中から元気になれますよ。
もくじ
\ スギナの旬の栄養を閉じ込めました/
スギナは春が旬の野草
スギナはトクサ科の多年草、 春の野草です。
シダ植物の一種で花や種を作らず、胞子で増えます。
小学校の春休みにおばあちゃんの家でよく摂った「つくし」、実はスギナの一部だと知っていましたか?
胞子を出す部分がつくしになり、地下でつながっている茎の部分がスギナです。
春先になると、地下で冬のあいだゆっくりと育っていたつくしが地面から芽生えてきます。
つくしは春の味覚として有名です。
その栄養茎であるスギナも、日本で古くから万能の薬草として利用されてきました。
漢方では「問荊(もんけい)」として知られ、ドイツではハーブティーとして古くから親しまれているそうです。
生命力のとても強い雑草としてもよく知られ、根は2m近くにもなります。
日本各地の田畑や庭、山でも見られ、草丈は10~60cmほどになります。
掘り起こしても根が残っていればまた復活するのが特徴です。
刈っても抜いてもどんどん生えてくるので農家の方を悩ませたり、厄介者扱いされたりしてしまうことも・・・。
これだけのエネルギッシュな生命力を持つ野草です。
その栄養分の身体への効果には期待大ですね。
便秘や自律神経にも効果的なスギナの効能
スギナの主な効能
- ●利尿作用
- スギナには利尿作用があり、むくみの解消に役立ちます。
- 豊富に含まれるカリウムが体内のナトリウムを排出し、水分代謝が活性化されるためむくみにも効果的です。
- また、腎臓のはたらきを高めてくれると言われています。
- ●デトックス作用
- 葉緑素の成分が血液を作りきれいにしてくれるため、血液循環がよくなり身体にたまった有害物質を外に排出してくれます。
- これにより、身体がスッキリ軽くなったり、お肌の調子もよくなったり、といったデトックス効果が期待できます。
- 身体の機能を整えてくれるので、ダイエットのサポートとして取り入れるのも良いです。
- ●血液の浄化作用
- 水溶性ケイ素が、血液をきれいにし血中の酸素を補給してくれるため、細胞の活性化に役立ちます。
- ガン予防やコレステロールの低下にも効果があるとされています。
- ●自律神経の整調作用
- ナトリウムとカリウムが豊富に含まれており、自律神経の乱れを整えてくれる働きがあるとされます。
- そのほかにも、糖尿病の予防、解熱、結石、アトピー性皮膚炎の改善などに効果があるとされています。
※参考:キクニガナ及びスギナより得られたカフェー酸エステルの血管平滑筋弛緩作用
女性に嬉しい、スギナに含まれるケイ素の効能
スギナに豊富に含まれるケイ素が、女性に嬉しい美容やアンチエイジング効果に役立つ力を持っています。
- ●アンチエイジング
- 歯のエナメル質や爪の強度を保ち、髪の毛根まで栄養を届けてくれるためツヤのある髪にする効果があります。
- コラーゲンの密度を高め、筋肉の老化を防いでくれる働きもあるとされます。
- ●ダイエット・むくみの改善
- 利尿作用によって体に溜まった毒素を排出するデトックス効果があるため余分な水分を排出してむくみの改善にもつながります。
- 血行が良くなることで、エネルギーの代謝をしやすくなる効果も期待できます。
- ●肌のハリ・潤いに
- コラーゲンなどの密度をアップさせることで肌のハリを保ち、老化によるシワ、たるみの予防に役立つと考えられています。
- ●スキンケア、ヘアケアなどに
- 肌を引き締め、保湿・新陳代謝アップなどが期待できます。
- また入浴剤代わりに利用すると肌に良いだけではなく、温浴効果も高まります。
※参考:化粧品成分オンライン「スギナエキスとは…成分効果と毒性を解説」
スギナに含まれるケイ素の詳細な効能は、以下の記事を参考にしてみてください。
忙しい女性の健康を守る、スギナ茶を飲む生活
ミネラル豊富なスギナの成分・栄養素
スギナには多様な成分が含まれています。
中でも「ミネラルの宝庫」と言われるほど豊富なミネラルが特徴で、【カルシウム】【リン】【カリウム】【マグネシウム】などが非常に多く含まれているのが魅力です。
必須栄養素の【ケイ酸】も多く含んでおり、むくみの改善に役立ちます。
また、【葉緑素(クロロフィル)】には血液浄化作用があり、慢性病全般に効果が期待できます。
スギナ茶の作り方:時期は春がおすすめ
スギナ茶を作るのは春がおすすめです。
冬になると栄養を貯える役目を終えたスギナは、根っこを残して枯れてしまいます。
ただし栄養豊富な春に採取したスギナを乾燥させておけば、スギナの旬の風味は損なわれません。
今回は乾燥スギナの栄養をおいしく摂り入れるため手軽に作れるスギナ茶の作り方を紹介します。
鍋ややかんで淹れる方法と、急須で淹れる方法の2種類を紹介するので、参考にしてみてください。
鍋またはやかんで淹れる場合
1.乾燥のスギナの葉5~10gと、約1Lの水を用意します。
2.水と乾燥のスギナの葉を鍋に入れ、火にかけて沸騰させます。
3.お湯が沸騰したら弱火で1~2分ほど煮込みます。
4.火を止めて、茶こしで葉をこしたらスギナ茶のできあがりです。
お好みの濃さになるように、沸騰時間を調整してください。
※やかんで淹れる場合は、乾燥の葉をお茶パックに入れて使うと後片づけが楽になります。
急須で淹れる場合
1.乾燥のスギナの葉5g程度を急須に入れ、熱湯を注ぎます。
2.3~4分程度置いて、お好みの濃さになったらお召し上がりください。
お好みの濃さになるように、時間を調整してください。
カフェインを含まないので、就寝前でも安心してお飲みいただけます。
ぜひスギナ茶を楽しんでみてください。
今回スギナ茶を作るために使った乾燥スギナはこちら
スギナ茶を安全に楽しむための注意点や副作用
スギナはカリウムが多く含まれているので、カリウム制限のある方は飲用を避けてください。
また、スギナは微量のニコチンも含んでいます。
ほかにもチアミナーゼというビタミンB1を分解する成分が含まれているため、長期間、多量に摂取し続けるとチアミン(ビタミンB1)欠乏症になる恐れもあります。
健康な成人が適量を摂取する分には問題はありません。
しかし妊娠中の方、小さなお子様、ニコチン過敏症の方、心臓・腎臓系の疾患のある方は飲むのを控えてください。
スギナの危険性や、安全な飲み方は以下の記事を参考にしてみてください。
スギナ葉の活用法
スギナ風呂
お風呂に入れても、スギナの効果を摂り入れられます。
- スギナ風呂の作り方
- 【スギナの乾燥葉を使用する場合】
- 市販のお茶パックに、スギナの乾燥葉をひとつかみ入れます。
- そのパックをそのまま湯船に入れるだけでスギナ風呂になります。
- 【スギナ抽出エキスを使う場合】
- 濃いめのスギナ茶を作る要領で、乾燥葉を長めに沸騰させ煮出します。
- それをお好みの量で湯船に入れて混ぜれば完成です。
- スギナ風呂の効果
- ●血行促進、リラックス
- 保湿効果、血行促進効果が高く、リラックス作用もあるため、副交感神経を活発化させ、自律神経のバランスを整えてくれるでしょう。
- ●美容効果
- 新陳代謝が高まることにより、肌のくすみや黒ずみの解消を助け、シミの予防、皮膚トラブルへの効果も期待できます。
- 殺菌・抗菌・消炎作用があるため、ニキビやあせもなどに効果があると言われています。
- 新陳代謝を活発にする作用があり、脂肪の分解や燃焼が促進されることから、ダイエット効果も期待できます。
スギナ化粧水
美肌にも効果が高いとされるスギナは、化粧水などのコスメにも多く使用されています。
肌の新陳代謝を高める酵素を多く含んでいるので、シミを防ぐなどの美白作用が期待できます。
炎症を抑えてくれるので、おできやニキビにも効果的と言われています。
スギナエキス
スギナを焼酎やホワイトリカーに漬け込むと、栄養分がたっぷり抽出されたスギナエキスができ上がります。
薄めて化粧水にしたり、できものやかぶれ、虫刺されの解消、皮膚炎や乾燥肌の改善に役立ちます。内服もできます。
スギナ茶についてのQ&A
- スギナ茶の効能は何ですか?
- スギナ茶には、抗酸化作用や抗炎症作用があります。また、デトックス効果や消化促進効果も期待できます。
- スギナに毒性はありますか?
- スギナには健康に悪影響を与える成分が、微量に含まれています。
健康な成人がスギナ茶を適量摂取する分には、健康被害の心配はありません。
ですが妊娠している人や子ども、腎臓や肝臓に疾患のある人はスギナ茶を控えると良いでしょう。
- スギナ茶の適度な摂取量は?
- お好みの量でお飲みいただけますが、長期にわたって大量に摂取すると健康に悪影響が出る恐れがあります。
1日の摂取目安はカップに1杯で十分。吸収の良い朝の食前に飲むと良いとされています。
より効果を求める方は一度に多く飲むよりも、日々継続して飲むのが有効でしょう。
- スギナ茶は妊娠中や授乳期に飲んでも大丈夫ですか?
- スギナ茶には微量のニコチンが含まれるため、妊婦・授乳中の方は飲用しないでください。
●管理栄養士からのコメント
スギナは土筆が枯れる頃に生えてきます。
「ミネラルの宝庫」と言われるほど、ミネラルが豊富に含まれています。お茶で気になるカフェインは含まれていませんが、利尿作用があると言われています。
すっきりとした味と言われていますが、スギナ茶が苦手な方は他のお茶とブレンドしてみてはいかがでしょうか。
管理栄養士プロフィール
◎鶴田ようこ
調理師・管理栄養士。2つの資格を生かし食用油脂製造会社にて品質管理に従事。
菜種油、オリーブ油の品質に関する分析、衛生管理等を行う。
幼い頃から野菜作りの手伝いをしていたことから、季節の野菜料理が得意。
旬の風味を閉じ込めたおすすめのスギナ茶
かわしま屋では国産・無農薬の原料を使い、徹底した品質管理のもと製造される乾燥スギナを取り扱っています。
兵庫・徳島・青森から、それぞれ旬のものを厳選してお届けします。