ごまの栄養素と健康効果|毎日食べたい優秀食材の魅力とは?

ごま
もくじ

ごまとは

ごまの種類

ごま(英語名:Sesame)とは、アフリカ原産の一年草の植物です。白い花を咲かせるごまには、鞘に入った実がなります。私たちが普段ごまとして食べているのは、この鞘の中にある種子なのです。
食感や風味のアクセントとして、私たちの食卓に欠かせないごま。実はごまは、昔から栄養価の高い食材として知られ、生薬にも用いられていました。

ごまの種類

スーパーに行くと、ごまは必ず数種類売られています。日本で流通しているごまは、白ごま・黒ごま・金ごまの主に3種類。色だけでなく、風味や香りも少しずつ異なります。特徴を知って使い分けると、新たな美味しさを発見できるでしょう。

特徴風味
白ごまクセがなく合わせやすい。黒ごまより脂質が多いマイルド
黒ごま皮が硬いため、擦るのがおすすめ。カルシウムが多い。皮にポリフェノールを含む香りが強い
金ごま脂質が多く風味が抜群。高価香りが強いコクがある
参考:農林水産省「白ゴマや黒ゴマなど種類がありますが、何が違いますか。」

黒ごまと金ごまの入った雑穀

ごまの栄養素

ごまの栄養

あくまでも脇役になることが多いごまですが、小さな粒の中には栄養がたくさん詰まっています。ごまが持つ良質な脂質とタンパク質は、美容や健康に欠かせない栄養素。それだけでなく、ビタミンやミネラルといった不足しがちな栄養素を補うこともできるのです。

ゴマの栄養価
ごまの栄養素特徴
脂質パルミチン酸や不飽和脂肪酸のオレイン酸、リノール酸を含有している
タンパク質必須アミノ酸を多く含む良質なタンパク質
食物繊維不溶性食物繊維を豊富に含有している
ビタミンビタミンA、B1、B2、B6、E、葉酸
ミネラルカルシウム、マグネシウム、鉄、リン、亜鉛など
ゴマリグナンごま特有の成分。セサミン・セサモリン・セサミノールなど

セサミンなどの名称でお馴染みのゴマリグナンは、含まれる割合ではかなり少なく見えます。しかし、その健康効果は絶大。次の章で、その効果をご紹介します。
不足しがちな栄養素をカバーしてくれるごまは、どんな食材にも合わせやすく、まさに優秀食材。毎日欠かさず食べたいですね。

ごまを含む雑穀でバランスよく栄養を摂取

ごまの効果・効用

ごまの効果・効能

何となく身体に良さそうなイメージはあっても、具体的にごまにどんな効果があるのかご存知でしょうか。
古来より生薬として用いられてきたごまは、滋養強壮や便秘への効果が期待されていました。現代でもごまの研究は続いており、多岐に渡る健康への効果が明らかになっています。

参考:伝統医薬データベース「胡麻(ごま)」

抗酸化/老化予防

老化予防に必要と言われている“抗酸化力”。ごまに含まれているゴマリグナンとビタミンEの相互作用により、高い抗酸化力を生み出されることが明らかになっています。
また、ゴマリグナン自体も、老化抑制効果が証明されている栄養素です。

参考:日本栄養・食糧学会誌「食品成分相互作用による生体内抗酸化機能の増強効果」 / 日本調理科学会誌「伝統食品「ゴマ」の調理加工からみた健康増進機能」

コレステロール減少

脂質代謝異常は、肥満・糖尿病・心臓疾患など生活習慣病の原因となります。ゴマリグナンの一種であるセサミンには、血清中性脂肪濃度を低下させる効果があります。ごまの脂質代謝改善機能を高めるため、セサミンを強化したごまの普及が進んでいるそうです。

参考:農研機構「ゴマに含まれるセサミンの血清中性脂肪・コレステロール低下の機序を解明」

抗高血圧作用

高血圧は、心疾患や脳卒中などの発症リスクが高めると言われています。ごまに含まれるセサミンには、降圧作用があることが証明されています。ヒトに対する臨床試験でも、ごまの降圧作用がみられただけでなく、副作用がないことも明らかになりました。
高血圧が気になる人にとっても、ごまは魅力的な食材と言えます。

参考:日薬理誌「降圧効果を持つ機能性食品の薬理作用」

便秘解消

ごまには、腸内環境を整えるために必須の食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は1日に18g必要だとされていますが、ごま大さじ2杯でその1/5を摂取することが可能です。
ごまは様々な食材に合わせやすい万能食材のため、積極的に摂取を心がけたいですね。

参考:「A Novel Treatment for Constipation by Sesame Seeds 」

貧血予防

ごまには、非へム鉄と呼ばれる鉄分が豊富に含まれています。1日に必要な鉄分量は約10mg。ごまには、大さじ1杯で約1.8mgの鉄分が含まれています。副菜に取り入れると、簡単に摂取できる量です。ごまは、手軽に鉄分を摂取できる食材としてもおすすめです。

参考:日本内科学会雑誌「鉄代謝と鉄欠乏性貧血」

アルコール分解補助

ゴマリグナンの一種であるセサミンにはアルコール分解を促進する作用があります。セサミンはポリフェノールの一種のため、ポリフェノールを含む飲み物や食材と合わせると相乗効果があります。飲むお酒やおつまみを栄養素の観点から考えてみるのも、楽しいですね。

参考:Antioxidative roles of sesamin, a functional lignan in sesame seed

白髪予防

白髪の主な原因は、“活性酸素”。ごまが持つ抗酸化力の高さは先述の通りです。タンパク質やミネラル、ビタミンB、ビタミンE、亜鉛といった頭皮や毛髪の健康に必須の栄養素が、ごまには豊富に含まれています。

参考:「公開特許公報(A)_白髪抑制用組成物およびそれを含有する化粧料及び飲食タイプの化粧料」

ごまの栄養素を効果的に摂る方法

効果的に摂る方法

ごまには、様々な健康効果があることがわかりました。ごまは、副菜に混ぜたり、漬けダレに混ぜたりと手軽に使いやすい食材です。この章では、ごまの栄養素を摂取しやすい加工方法や加工食品について、ご紹介します。

すりつぶす

豊富な栄養成分を持つごまですが、皮が硬いため消化が良くありません。ごまの栄養吸収効率が一番良いのは、皮を壊した状態である“すりごま”です。食べるときにすりつぶすと、香りも立っておすすめです。
スーパーには便利なすりごまも売っています。手軽に使えるメリットはありますが、すった状態でのごまは非常に酸化しやすいものです。保存方法に注意し、早めに食べきるようにしましょう。

炒める

とても香り高いごまが堪能できるのが、ごまを炒めた“煎りごま”です。炒めることによって起こる変化は、なんと香りだけではありません。ゴマリグナンの一種であるセサモリンは、過熱によってさらに強い抗酸化力を持ったセサモールに変化するのです。
加熱によってパワーアップする栄養があるのは、興味深いですね。炒め具合によって風味の変化も楽しめるため、機会があれば家で炒めてみるのも楽しいでしょう。

ごまの栄養を摂取できる食材

ごま豆腐

ごまと本葛澱粉を混ぜて作られたものが、ごま豆腐です。ごまと本葛澱粉の相互作用により、老化予防・体力回復・血糖値の上昇抑制効果など様々な健康効果が期待できます。手軽にごまの栄養素を摂れる一品として、食卓に加えてみるのもおすすめです

参考:日本調理科学会誌「ゴマ豆腐の文化と調製条件に関する科学」

ごま油

ごまをそのまま圧搾したものが、ごま油です。ごま油には、多くのビタミンやミネラルを含まれており、酸化しにくい特徴があります。焙煎したごまから作られたごま油を「焙煎油」、生のごまから作られたごま油を「純白(太白)油」と呼びます。
食材を炒める際に使うだけでなく、ドレッシングとしても使えるため、良質なごま油が家庭に一本あると重宝します。

ごまを使ったレシピ

ごまを使ったレシピ

ごまを使ったレシピといえば、胡麻和えやお浸しなど和え物のイメージが強いかもしれません。今回は、子供も喜ぶ美味しいデザートレシピと、家にある材料ですぐに作れるドレッシングレシピをご紹介します。

ごま団子の作り方

ごま団子

ごまの風味を堪能できるごま団子のレシピです。揚げ焼きなので、揚げ油の処理が要らず簡単です。お団子にごまをつける工程は、お子様とも楽しめそうです。
5 from 1 vote
調理時間 30 mins
材料(人分) 2

材料
  

  • こしあん 100
  • ごま油 小さじ 1
  • 白玉粉 120 g
  • 薄力粉 大さじ 2
  • 砂糖 大さじ 2
  • ぬるま湯 大さじ 2
  • 大さじ 4と1/2
  • いりごま 適量
  • 揚げ油 適量

作り方
 

  • こしあんは10等分にして丸めます。
  • ボウルに薄力粉、ぬるま湯を入れて混ます。 白玉粉、砂糖、水を入れてこね、耳たぶくらいのかたさになったら、10等分にして丸め、あんを包めるサイズにのばします。
  • 1をのせて包み、口をつまんで閉じて、丸く形を整えます。 
  • 平たいバットや皿にいりごまをしき、だんごを入れて転がしながらまぶします。
  • 鍋に揚げ油を2cm程注いで中〜高温(170〜180℃)に温め、3を入れます。 転がしながらきつね色になるまで約5分揚げ、油をきって完成です。
このレシピのキーワード あんこ, ごま
ごまドレッシング

ごまドレッシング

思い立ったらすぐに作れるごまドレッシングのレシピです。鶏がらスープの素を加えたり、ごま油に変えてみたりとアレンジがききます。
5 from 1 vote
調理時間 5 mins
材料(人分) 4

材料
  

  • 白すりごま 大さじ 4
  • マヨネーズ 大さじ 4
  • 砂糖 大さじ 2
  • 大さじ 1
  • ごま油 小さじ 2
  • しょうゆ 小さじ 1

作り方
 

  • ボウルに全ての材料を入れ、よく混ぜ合わせて完成です。

コツ・ポイント

お好みで、甘みをプラスするのもおすすめです。
甘みはお砂糖でももちろん構いませんが、甜菜糖、甘酒や、ハチミツ、オリゴ糖シロップなど身体にやさしい甘みがおすすめです。
このレシピのドレッシングに加える量は、小さじ1位が目安です。糖の種類によって、甘さが異なるので、お好みのお味になるよう加減してみてください。
このレシピのキーワード ごま

ごまについてのQ&A

ごまのメリットとデメリットは?

ごまのメリットは、栄養豊富で健康や美容に良い点です。ごまには血液や細胞膜の健康を保ち、コレステロールや血圧を下げる効果がある必須脂肪酸やセサミンなどの抗酸化物質が含まれています。また、便秘の予防や腸内環境の改善に役立つ食物繊維も多く含まれています。
一方、ごまのデメリットは、脂質が多く、カロリーも高い点です。食べ過ぎると肥満や高血圧などのリスクが高まります。また、ごまはアレルギー物質として知られており、発疹やかゆみ、呼吸困難などの症状を引き起こすことがあります。
さらに、外皮が硬くて消化されにくいため、そのまま食べると体外に排出されてしまいます。栄養を吸収するためには、すりごまやねりごまのように加工して食べる必要があります。

ごまを毎日食べるとどうなりますか?

ごまを毎日食べると、健康や美容などへのよい効果があるでしょう。ごまには脂質やタンパク質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分が豊富に含まれています 。
しかし、ごまはカロリーや脂質が高いため、食べ過ぎると肥満や高血圧などのリスクが高まります 。また、アレルギー反応を起こしたり消化不良の原因になったりすることもあります。
ごまの1日の適量は大さじ1~2杯程度 。これを目安に摂るようにしてください。

ごまを食べすぎるとどうなりますか?副作用はありますか?

ごまは栄養豊富で健康や美容に良い食材ですが、食べ過ぎると逆効果になることもあります。
ごまは、カロリーや脂質が高いため、肥満や高血圧などのリスクが高まるほか、ニキビやアレルギー反応を起こすことや消化不良による便秘の原因になる場合もあります。
体に良いごまですが、1日に大さじ1~2杯程度の摂取にとどめましょう。

白ごまと黒ごまの違いは何ですか?

白ごまと黒ごまに栄養価に大きな違いはありません。白ごまには、抗酸化作用や降圧作用のあるセサミンが多く含まれています。一方で黒ごまには、抗酸化作用の強いポリフェノールが含まれ、油脂が白ごまより少ないという特徴があります。

練りごまは作れますか?

根気よく作業をすれば、練りごまを作ることは可能です。すりごまをさらにすり続ければ、次第に油が出てきて練りごまになります。

ごまドレッシングとごまだれは何が違いますか?

ドレッシングとたれは、ベースになる食材が異なります。ドレッシングは、酢と油をベースにごまや調味料が入ったものです。たれは、醤油や砂糖といった調味料や出汁などが混ざりあった複合型調味料です。

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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。

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