フルボ酸

近年ヘアケア、スキンケアなどの分野で耳にするようになった「フルボ酸」。
身体のさまざまな症状や放射能対策にも効果があるなど、ネット上には色々な情報が溢れています。
「なんだか怪しい?」「本当に効果があるの?」
今回はそうお思いの皆様のために、フルボ酸に関する信頼できる情報だけをまとめました。

フルボ酸とは

フルボ酸とは

フルボ酸(fulvic acid)とは、枯れ木や枯草、動物の死骸や排泄物などが微生物によって分解する時に形成される天然の腐植物質のひとつです。
長い年月をかけて土壌に蓄積され、泥炭、石炭、湖や小川などの水中に含まれています。

フルボ酸はクエン酸や酢酸などと同じ有機酸の仲間で、土壌から抽出したものがサプリメントや土壌改良剤として市販されています。
液体の状態で販売されているので、サプリメントとしては薄めて飲用するのが一般的です。
また、長くアーユルヴェーダで利用されてきた天然物質「シラジット」にもフルボ酸が豊富に含まれているといわれ、こちらもサプリメントとして人気があります。

フルボ酸がどのような効果をもつかについてはまだ十分な研究がされているとは言えませんが、人の体内でさまざまな影響を与える可能性が指摘されており、アレルギーや認知症、がんなどの多様な疾患に対する効果について期待が高まっています。

フミン酸とフルボ酸の違い

フミン酸

腐植物質の中にはさまざまな成分が含まれています。
腐植物質の中でアルカリ溶液に溶ける成分のうち、大きく分けると酸性の溶液に溶ける性質のものが「フルボ酸」、溶けない性質のものが「フミン酸(humic acid)」と呼ばれています。

種類 特徴
フルボ酸 ・アルカリ溶液にも酸性の溶液にも溶ける
・分子が小さい
・有毒金属をキレート化する
・フミン酸よりも希少
・黄色~黄褐色
・人体に健康効果があるとみられている
・土壌から植物に栄養素を運ぶ役割をすると考えられている
フミン酸 ・アルカリ溶液には溶けるが酸性の溶液には溶けない
・分子が大きい
・有毒金属をキレート化する
・濃い褐色~黒色
・植物の成長を促進させる、土壌中の微生物活動を促進する、土壌の保水力を高める、植物の栄養吸収を助けるなどの効果があるとされている

フルボ酸とフミン酸は長らく同一の物質として測定されてきましたが、現在では分離され、それぞれ活用の道が研究されています。
植物に対して使用する場合はそれぞれに違った方法で成長を促進するようです。

参考サイト:WebMD
参考サイト:東レリサーチセンター
参考サイト:http://www.earthgreen.com/

フルボ酸は怪しい?効果はなし、あり?!

効果

フルボ酸には、アルツハイマー病などの脳に関わる病気の予防や、アトピーなどのアレルギー症状や炎症の軽減、がん細胞の増殖を抑制するなどさまざまな効果があるのではないかと考えられています。

研究の数が少ないため、「効果がないのでは」「怪しいのでは」「身体にいいというのは嘘?」と考える人もいるようですが、数は多くないものの世界中の研究機関で実験が行われ、さまざまな科学雑誌にフルボ酸の効果に関する論文が掲載されています。
少なくとも現時点で「エセ科学」とされるようなものではなく、今後研究の結果として新たな効果が証明されていくことが期待されている成分です。

フルボ酸は放射性物質除去に有効?
フルボ酸には放射能に汚染された土壌から放射性物質を除去する効果があるともいわれています。
ただ、実験結果をみると、フルボ酸溶液は水よりは除去効果が高いものの、カリウムイオンやアンモニウムイオンを含む溶液の方がより効果は高いようです。

参考資料:日本放射線安全管理学会誌

フルボ酸の効果・効能

フルボ酸及びフルボ酸を含むと言われる天然物質「シラジット」の効果・効能として報告されているものについてご紹介します。
現在のところは試験管試験や動物試験による報告が中心であり、ヒトを対象にしたさらなる研究が必要とされていることにご留意ください。

効果・効能1 抗炎症効果

抗炎症効果

いくつかの研究で、フルボ酸が抗炎症作用と抗アレルギー効果をもつことが確認されています。ヒトを対象にした実験でも湿疹の減少、腫れや灼熱感の減少が見られ、動物実験ではステロイド薬と同等の効果が得られたという結果もあったそうです。
ただし、動物実験では逆に炎症を促進したという報告も。使用可能な用量や濃度について、より詳細な研究が必要です。

 

効果・効能2 抗酸化効果

抗酸化効果

フルボ酸には、スーパーオキシドラジカルなどの活性酸素の影響から細胞を守る効果があるとされています。魚を対象とした実験では、フルボ酸を60日間与え続けた結果、脂質の過酸化の減少が見られたそうです。
一方で、酸化を防止するのではなく引き起こす可能性についても指摘されており、この効果についてもより詳細な研究が求められています。

 

効果・効能3 脳機能改善効果

脳機能改善効果

フルボ酸は脳機能の強化に役立つ可能性があるといわれています。
ある実験ではフルボ酸が脳の疾患を引き起こす特定のたんぱく質の凝集を強く妨害するという結果がでているそうです。ヒトを対象にしたさらなる研究が期待されます。

 

その他の期待される効果
この他に、フルボ酸及びフルボ酸を含むと言われる天然物質シラジットには次のような効果があるのではないかと考えられており、研究がすすめられています。
・コレステロールのコントロール効果
・筋力の改善効果
・細胞機能を高める効果
・抗がん効果
・テストステロン(男性ホルモン)増加効果
・腸内環境改善効果

フルボ酸の副作用

副作用

フルボ酸に関する研究はまだその途上にあり、副作用についても十分な情報があるとはいえない状況です。

ある研究では、1日15 mLのフルボ酸を副作用なしに使用できるという結論が出ています。
また、1日あたり500 mgのシラジット(フルボ酸を含む天然物質)を最大3か月間服用した結果、健康な成人には重大な副作用は生じなかったという報告もあります。
ただし、高用量で使うと、下痢や頭痛、喉の痛みや炎症などの副作用を引き起こす可能性があるともされ、有効性や投与量、長期的な安全性についてはさらに多くのヒトを対象にした試験が必要とされています。

特に妊娠中、授乳中の女性や小さなお子さんについては、安全性について確かな情報がないため、摂取を控えてください。
また、それ以外の方についても長期的にフルボ酸を飲む場合はまず医療提供者に相談することをおすすめします。

フルボ酸のサプリメントは、原液を薄めて飲むタイプのものが主流。水や料理などに混ぜて摂取します。
シラジットのサプリメントにはカプセルタイプのものが多いようですが、未精製のシラジットにはヒ素や重金属などの有害物質が含まれているものも。
信頼性のおける販売元から購入することが大切です。

参考サイト:アメリカ国立生物工学情報センター
https://www.healthline.com/nutrition/fulvic-acid#safety-side-effects-dosage
https://www.healthline.com/nutrition/fulvic-acid#safety-side-effects-dosage

フルボ酸シャンプー&化粧水の効果

シャンプー&化粧水

フルボ酸は経口から摂取することによる健康効果だけでなく、塗布することによるヘアケアやスキンケアの効果もあると言われています。
販売されている商品は、肌のコラーゲンが分解されるのを抑制する作用や抗酸化作用によるアンチエイジング効果を狙った化粧水や、脱毛を予防する効果や育毛効果が期待されるというシャンプー、栄養素を頭皮に運ぶ効果、抗菌作用によるフケ・かゆみの防止効果があると謳っているヘアケア製品などさまざまです。

ただし、フルボ酸のシャンプーや化粧品について謳われている効果は、健康効果と同様、十分な研究を経たものではありません。
有望なヘアケア・スキンケア成分とされてはいますが、購入される場合はしっかりとした研究成果が示されているものを選ぶようにしてください。

フルボ酸についてのQ&A

フルボ酸は土壌に含まれているということですが、自作することはできますか?
フルボ酸の精製は困難といわれており、自宅で行うのは難しいでしょう。
フルボ酸を飲むと好転反応が出るのでしょうか?
ある治療の間に、症状が好転する過程で一時的に出る症状について「好転反応」と呼ばれることがあります。
フルボ酸を飲んだ際にも出ることがあるといわれていますが、本当に症状が好転している最中なのかを見極めるのは難しいでしょう。
フルボ酸は現在のところは用量などについて確かなガイドラインがある物質ではないため、身体に異変を感じた場合は摂取を中止することをおすすめします。
フルボ酸はどうやって飲むのでしょうか?
製品の記載に従い、水などで薄めて飲みます。
ジュースや味噌汁、コーヒーなどで薄めてもよいようです。
フルボ酸を飲むタイミングは?
フルボ酸はいつ飲んでもよいといわれています。
食事中など、飲み忘れをしにくいタイミングで飲むと良いでしょう。
スキンケア・ヘアケア用に「フルボ酸水」を作り置きしても大丈夫ですか?
水などで薄めると雑菌が入るため、基本的に作り置きはせずにその都度作るとよいようです。