春ウコンの効果・効能。副作用はないの?秋ウコンとの違いや飲み方もご紹介。
皆さん、ウコンと聞いて何を思い浮かべますか?
「飲み会の前に飲む」「二日酔い防止」「肝臓によい…?」
実はウコンには複数の種類があり、それぞれ別の効能をもっています。
今回ご紹介するのは「春ウコン」。沖縄で最も多く薬用に栽培されてきた種で、多様な精油成分を含むのが特徴です。
そんな春ウコンの、副作用や飲み方などさまざまな疑問にもお答えします。
春ウコンとは
春ウコン(学名:Curcuma aromatica Salisbury)はショウガ科の多年生植物。
春、根茎から芽がでるとすぐに花が咲くためにそう呼ばれています。
正式名称は、姜黄(キョウオウ)、英語名は Wild turmeric で、日本では主に沖縄や屋久島で栽培されています。
ウコンには複数の種が存在します。
一般的にウコンと呼ばれるのは「秋ウコン」と呼ばれるもので、ドリンク剤などに配合されているのはこちら。
「秋ウコン」の正式名称は、鬱金(ウコン)、英語名は Turmeric で、秋に花が咲くので秋ウコンとも呼ばれています。
カレーなどに使われているので、生産量はこちらのほうが圧倒的に多く、知名度も高いです。
春ウコンは秋ウコンとは有効成分の構成や含有量が異なり、また別の薬効をもっています。
沖縄では古くから幅広い薬効が好まれ、薬草として重宝されてきた植物です。
春ウコン、秋ウコン、紫ウコンの違い
日本で利用されるウコンは大きく分けて3種類。
それぞれ次のような特徴があります。
秋ウコン | 春ウコン | 紫ウコン(ガジュツ) | |
---|---|---|---|
特徴 | ・英名ターメリック ・ほのかな苦み ・カレーなどにスパイスとして使われる |
・英名ワイルドターメリック ・強い苦みと辛み ・スパイスとしては使わない |
・紫がかった白色 ・強い苦みと辛み ・スパイスとしては使わない |
成分 | ・クルクミン含有量が最も多い(1~4%) ・精油を含む(1~5%) |
・クルクミンを含む(0.3%) ・精油の含有量が最も多い(6%) |
・クルクミンはほぼ含まない ・量は少ないが多種の精油を含む |
薬効 | 利胆、芳香性健胃 肝臓炎、胆道炎、カタル性黄胆、鎮痛、消炎止血などの改善 |
抗アルツハイマー、 酸化防止、抗炎症、抗菌、健胃など | 抗菌、抗アレルギー、血圧抑制、鎮痛、抗酸化、抗真菌、抗炎症など |
ウコンというと有名なのはクルクミンという有効成分で、これは秋ウコンが最も多く含みます。
では春ウコン、紫ウコンは効果の点で劣るのかというとそういうことではなく、秋ウコンにはない精油成分を含んでおり、それぞれ異なる薬効が期待できるようです。
春ウコンの有効成分
国立衛生研究所などの分析によれば、春ウコンはクルクミン、フラノボイド、アズレン、カンファー、シオネールなどといった様々な有効成分が含まれています。
クルクミン
肝臓の働きを強化し、胆汁の分泌を促進して、利尿作用がある
フラボノイド
抗出血性ビタミンPの作用がある
※ビタミンPとは毛細血管の壁をよりしっかりと、緻密にさせる働きがあります。
ビタミンC、Pが不足すると歯茎から出血する可能性があります。
カンファー
神経の興奮作用、強心作用をもつ精油成分
アズノン
炎症や潰瘍を治し、胃液のペプシンを抑える作用がある
シオネール
健胃作用、殺菌作用、防腐作用にすぐれた効果を表す成分
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春ウコンの効果・効能
秋ウコンと比べ研究は少ないようですが、春ウコンにもさまざまな効果があるといわれています。
その効果の一部をご紹介します。
効果・効能1 抗酸化効果・抗炎症効果
春ウコンに含まれるクルクミンは、優れた抗酸化作用と抗炎症作用をあわせもっています。また、精油成分アズレンにも炎症や潰瘍を治す効果が。
昔から痛みを鎮めるために使用され、軟膏の原料として使われることもあるそうです。
効果・効能2抗菌効果
春ウコンにはさまざまな菌に対する抗菌効果があることが分かっています。
その効果は秋ウコンより高く、実験では大腸菌やサルモネラ菌など複数の細菌に対して有効であったことが報告されています。
春ウコンの副作用
インドや沖縄では古くから民間薬として使用されてきた春ウコン。
伝統的には「必要な時にすりおろして飲む」という形で少量が摂取され、副作用が少なく安全な食品とされてきました。
ところが、近年ではサプリメントなどで長期にわたって大量に摂取されるようになり、そのために健康被害も報告されています。
摂取するときは、次のような注意点を守って安全に使用してください。
- <ウコンを摂取する時の注意点>
- 1. 長期にわたって大量に摂取せず、適量を守ること。
- 2. 疾患のある方、血液凝固抑制薬などの薬を飲んでいる方は医師に相談すること。
- 3. 倦怠感や発熱、かゆみなどの症状が表れた場合は、アレルギーの可能性もあるので摂取をやめること。
ウコンが危険って本当?
ウコンの健康被害として報告されているものに、「肝障害」があります。
原因は、ウコン製品に含まれる鉄分。
実は秋ウコンには鉄分が41.4mg/100gも含まれ、過剰摂取により身体に蓄積すると肝臓にダメージを与えてしまうというのです。
「日本人の食事摂取基準(2015年度版)」によれば1日あたりの鉄分の食事摂取基準は、30~49歳で男性が7.5mg(上限55mg)女性が9.0mg(上限40mg)といわれています。
C型慢性肝炎や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)など、肝臓に疾患をもつ方はさらに注意が必要です。
ただし、春ウコンに含まれる鉄分は12.5mg/100gと秋ウコンの1/3以下。
「身体にいいから」といって飲み過ぎないように気をつければ副作用は防げるでしょう。
1日に飲む量をきちんと決めて飲むようにしてください。
春ウコンの飲み方
適量を飲むことが大切という春ウコン。
その飲み方について、気になる疑問をまとめました。
- 〇飲むタイミングについて
- 特に決まってはいませんが、一般的な生薬と同様、食前や食間の空腹時に飲むことで効果を感じやすくなるでしょう。
- もちろん、忘れてしまったら食後に飲んでも構いません。
- 〇飲み方は?
- 飲む際は白湯で飲むようにしてください。
- 錠剤ならそのまま、粉末のウコンなら溶かして飲みます。
- 苦みがあるため、お料理などに入れるのはおすすめできません。
- 〇1日の摂取量はどれくらい?
- 安全な摂取量のデータはありませんが、鉄分の摂取量に気をつけて飲むようにしてください。
- かわしまやの春ウコン粉末は、1日に3g(鉄分含有量:0.375mg)程度の分量をおすすめしています。
- 〇生の春ウコンの食べ方は?
- 苦いので料理には使えないため、すりおろして飲む方が多いようです。
- 生のウコンの場合、摂取量の管理が難しいので、過剰に摂取しないように特に気をつけてください。
春ウコンについてのQ&A
- 春ウコンと秋ウコン、肝臓に効くのはどちらですか?
- 肝臓の機能を高めるといわれている成分はクルクミンで、これは秋ウコンに多く含まれています。
- 春ウコンにはダイエット効果がありますか?
- 春ウコンのダイエット効果についての研究はないようです。
ただし、血糖値を下げる効果があるとされていますので、インシュリンの分泌を減らし、太りにくくする効果が期待できる可能性はあります。
- 春ウコンを飲むと好転反応が出ることもありますか?
- すべての健康食品と同様、春ウコンを飲んでなんらかの反応が出た際にそれが好ましい反応なのか、すぐに摂取を中止すべきなのかは素人には判断が難しいものです。
医師に相談する事をおすすめします。
- 良質な春ウコンの選び方を教えてください。
- 春ウコンは長い栽培の歴史をもつ沖縄県産のものがおすすめ。無農薬で育てられているか、添加物が入っていないかなどもチェックしてみてください。
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