五香粉ってどんなスパイス?上手に使って中華風味を楽しもう
かおってくると、一気に中華な雰囲気を感じる五香粉の香り。中華料理には欠かせないスパイスの一つともいえます。
日本人にはあまりなじみのないスパイスなので、「買ったはいいけど、活かせるレシピはないかな?」とお悩みの方もいるでしょう。
今回は、日本ではあまりなじみのない五香粉について、特徴や効果効能、おすすめレシピを詳しくご紹介します。
五香粉とは
五香粉(ごこうふん)とは、中国やその他アジアや中東の国々の料理で使われるスパイスです。中国語読みをカタカナにした「ウーシャンフェン」という呼ばれ方をすることも。
「五香粉」という名前からも想像できるように、多くの場合、五香粉は5つのスパイスを混ぜて作られています。5種類のスパイスの組み合わせは厳密に決まっているわけではなく、メーカーによって配合するスパイスやそれぞれの分量は変わってきますし、5種類以上混ぜ合わせて作られることもあります。
味は刺激的な香辛料が数種類はいっていることもあり、七味唐辛子のような味と言われています。人によっては漢方や薬のように感じる方も。使用する時は、少量ずつ加えて全体の味を確認するのがいいかもしれませんね。
五香粉に入っているスパイスは?
五香粉に入っている、一般的な5種類のスパイスの組み合わせとしては、八角(スターアニス)、シナモン、クローブ、ウイキョウ、花椒が挙げられます。
陳皮やナツメグ、ウコン、甘草などが各スパイスの代わりに加えられることもありますが、八角やシナモンは五香粉には特に欠かせないスパイスだといえるでしょう。
どんな料理に使われる?
五香粉は、中国や台湾で肉料理、煮込み料理、牛肉麺のスープ、揚げ物の下味など幅広く使われています。
料理の際、少し加えるだけで一気に中華の香りにしてくれる五香粉は、中華料理には欠かせない存在といえるかもしれませんね。
ただ、香りのクセが強いスパイスも多く含まれているため、好みが分かれることもあるでしょう。
なお中国や台湾では、五香粉に似たスパイスとして、八角や花椒をメインとしその他スパイスも合わせて計13種類からなる「十三香」というスパイスも使われています。
他のスパイスで代用できる?
あまり料理で使う機会がない五香粉、キッチンに常備していないご家庭も少なくないのでは?「今家にあるスパイスで代用できないかな?」と考えている方もいるかと思います。
他の料理にも使いやすく、ご家庭によくあるスパイスでの代用案としておすすめなのは、ガラムマサラや七味唐辛子です。
主にインド料理で使われることが多いガラムマサラ。
ガラムマサラも独特の香りを持つスパイスですが、一般的にはシナモン、クローブ、ナツメグの3種類が混ぜ合わせて作られます。この3種類のスパイスは五香粉を作る際にも配合されることがありますし、ガラムマサラも五香粉同様厳密なレシピがあるわけではなく、合わせるスパイスや配合量は人によって変わるため、非常に似た香りのものができることもあるかもしれません。
2つの違いとしては、五香粉の基本スパイスは5種類、ガラムマサラは3種類ということ、そしてガラムマサラのほうが辛みが強いことが挙げられます。
七味唐辛子には山椒や陳皮が含まれているため、少しだけ五香粉と似た香りが感じられます。
ただ、入れすぎると辛味が強くなってしまうので、できれば味を見ながら加えていくようにしましょう。
小さいお子さんや香りが強いものが苦手な方がいる場合は、こうしたスパイスでの代用をお試しください。
五香粉を使ったおすすめレシピ
中華料理に使われるスパイスにあまりなじみのない人にとっては、五香粉を料理にどう応用したらいいのかわからないですよね。
ここでは、日本人にもなじみの深い料理に五香粉を使ったレシピをいくつかご紹介します。
五香粉風味の唐揚げ
材料
- ・鶏もも肉(または鶏むね肉)
- 2枚
- ・醤油
- 大さじ3
- ・酒
- 大さじ1
- ・おろし生姜
- チューブ2cmほど
- ・おろしニンニク
- チューブ2cmほど
- ・五香粉
- 少々
- ・片栗粉
- 適量
- ・サラダ油
- 適量
つくり方
- 1
- 鶏肉を一口大に切ります。
- 2
- 片栗粉とサラダ油以外の調味料を混ぜ合わせます。
- 3
- 2に鶏肉を漬け込み、15分~1時間置きます。
- 4
- サラダ油を鍋に入れ、170℃前後に温めます。
- 5
- 鶏肉に片栗粉をまぶし、熱した油の中に入れていきます。
- 6
- カラッと揚がったらできあがりです。
五香粉チャーハン
材料
- ・ご飯
- お茶碗2杯分
- ・卵
- 2個
- ・青ネギ
- 適量
- ・豚バラ、エビ、ハムなど
- お好みで
- ・醤油
- 小さじ1
- ・塩コショウ
- 少々
- ・五香粉
- 少々
- ・サラダ油
- 適量
つくり方
- 1
- 鍋に油を入れ、温めます。
- 2
- 細かく切った青ネギを入れ、香りを立てます。
- 3
- 2に溶き卵を加え、炒めます。
- 4
- ご飯を入れ、醤油・塩コショウ・五香粉を加え味を整えます。
- 5
- パラパラになるまで炒めたらできあがりです。
五香粉香る麻婆豆腐
本格中華に近づけたいときに、以下のレシピを試してみましょう。
材料
- ・豆腐
- 1丁
- ・豚挽肉
- 200g
- ・ネギ
- 1/4本
- ・おろし生姜
- チューブ2cmほど
- ・おろしニンニク
- チューブ2cmほど
- ・水溶き片栗粉
- 片栗粉大さじ1、水大さじ2
- ・ごま油
- 少々
材料(調味料)
- ・醤油
- 大さじ1
- ・味噌
- 大さじ1/2
- ・酒
- 大さじ1/2
- ・砂糖
- 大さじ1/2
- ・豆板醤
- 適量
- ・五香粉
- 少々
つくり方
- 1
- 調味料を合わせ、豆腐を角切りにしておきます。
- 2
- フライパンに油をひき、おろし生姜、おろしニンニク、挽肉を入れて中火で熱します。
- 3
- 挽肉に火が通ったら、合わせておいた調味料を入れてひと煮立ちさせます。
- 4
- 豆腐を入れ、弱火~中火で熱します。
- 5
- 豆腐に火が通ったら全体を混ぜ合わせ、一度火を止めて水溶き片栗粉を回し入れます。
- 6
- 再度優しく全体を混ぜ合わせ、ごま油を回し入れネギを加えれば完成です。
五香粉の効果・効能
- 五香粉には、以下のような効果・効能があるとされています。
- ・体を温める
- ・新陳代謝を活発にする
- ・消化促進
- ・抗菌作用
- ・肥満予防
- ・脱臭 など
ただし、このような効果・効能を期待して摂りすぎるのは逆効果になりかねません。
香りも強いので、初めて料理に使うときは特に量の加減に注意してみてください。
五香粉についてのQ&A
- 五香粉はまずいと聞いたんですが料理の味に影響するのでしょうか?
- 入れる量は控えめに、ほんの隠し味程度に、豆板醤などを炒めるタイミングで入れて、少し炒めましょう。
- 五香粉はどこで買えますか?
- 中華料理の食材を扱うお店はもちろん、最近ではスーパーにも市販のものが置いてあることがほとんどです。
調味料コーナーを探してみてください。
- 五香粉とガラムマサラ、オールスパイスの違いは何ですか?
- 五香粉が5種類のスパイスを混ぜ合わせて作られているのに対し、ガラムマサラは主にナツメグ、シナモン、クローブの3種類のスパイスを混ぜ合わせて作られています(厳密なレシピがあるわけではないので、ものによって味や香りは異なる)。
オールスパイスはそれひとつでシナモンやクローブ、ナツメグといった複数の香りが楽しめるスパイスです。
- 五香粉の効果効能は?
- 主に体を温めたり、新陳代謝をアップさせたり、消化を促進したりする効果が期待できます。
食欲がないときにもおすすめです。
- 五香粉には塩分が含まれていますか?
- 五香粉自体は一般的に八角、シナモン、クローブ、ウイキョウ、花椒の5種類のスパイスを混ぜ合わせて作られており、塩は含まれていません。
なお、本場中国には五香粉に塩を加えた「五香塩」もあるそうです。