赤ちゃんに玄米はOK?離乳食に玄米を取り入れる方法
玄米を赤ちゃんにあげてよいかに関しては、さまざまな考えをお持ちの方がいらっしゃいます。
中には、「玄米を赤ちゃんにあげるのは絶対だめ」という意見の方もいらっしゃいますし、マクロビを実践している方に相談してみると「なんで赤ちゃんに玄米をあげないの?」というお答えが返ってきます。
「いったいどちらが正解なの?」と戸惑う方も多いのではないでしょうか。
当たり前のことですが、赤ちゃん一人、体質や好みが違います。玄米が合っている子もいれば、逆も然り。
玄米にはメリットだけではなく、デメリットもあります。
玄米についての知識を培った上で、無理せず玄米を取り入れていけたらよいですね。
玄米を離乳食に取り入れる前に知っておきたいこと
赤ちゃんの消化機能は徐々に発達するもの
子どもの消化機能が大人と同じくらいに発達するのは、3〜4歳頃と言われています。
玄米に豊富に含まれている食物繊維は、大人にとっては嬉しいことですが、消化能力が十分に備わっていない赤ちゃんにとっては負担が大きすぎます。玄米を離乳食に取り入れるのであれば、胃腸に負担がかからないように、ちょうどよい具合に調理してあげましょう。
厚生労働省の栄養摂取基準では、乳児の食物繊維の目標摂取量は定められておらず、離乳を始めた赤ちゃんがどのくらい食物繊維が必要なのか目安となる数値は存在しません。
とはいえ、離乳食を食べ始めた赤ちゃんにとって食物繊維が全く必要ないわけではありません。離乳開始直後には、赤ちゃんが便秘になってしまうことも多く、その場合は、食物繊維を含む食品を与えることも解決策のひとつとして、よく提案されています。
食物繊維についても、赤ちゃんの体調や様子を見ながら離乳食の内容を考える必要があるということですね。
玄米には水に溶けやすい水溶性食物繊維が含まれているので、重湯にしても食物繊維の摂取が可能です。
水溶性食物繊維は腸内環境を改善し、便を柔らかくする効果があります。
参照:健栄製薬「赤ちゃんが便秘になったらどうする? 便秘になりやすい時期や、改善方法を知っておこう」
残留農薬とヒ素
玄米には、残留農薬やヒ素といった有害物質が含まれる可能性があるんです。残留農薬やヒ素は糠の部分に溜まりやすいため、白米よりも玄米に多く含まれてしまいます。
残留農薬の心配は、農薬を使用せずに育てられた玄米を離乳食に用いればよいのですが、ヒ素は取り除くことができません。
ヒ素とは自然界に広く分布する金属元素の一種で、玄米だけではなく、ひじきなど海藻類、お魚にも含まれています。
食品安全委員会からは「日本において食品を通じて摂取したヒ素による健康影響は認められておらず、現状に問題があるとは考えていない」との報告が出ています。
とは言われているものの、赤ちゃんは大人よりも解毒能力が低いので、この点は玄米を与える側がどう判断していくかに委ねられています。不安な場合は、白米や小麦などさまざまな食品を離乳食に取り入れていくとよいでしょう。
参照:食品に含まれるヒ素の実態調査|農林水産省
農薬を使用しないで育てられた玄米
残留農薬の心配のない玄米です。
ササニシキ玄米5kg(なりさわ生命食産-宮城県産)無農薬・無肥料栽培【2023年度産新米】
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離乳食に玄米を取り入れる方法
ここからは、玄米のメリットとデメリットを天秤にかけ、玄米を離乳食に取り入れてみたいと思った方へ、玄米の取り入れ方を紹介していきます。
離乳食を開始する時期や量、食材などは、一般的な離乳食の進め方の目安に従いつつ、我が子の様子を見ながら調整してくださいね。
はじめての玄米は、重湯の上澄みから
離乳食に玄米食を取り入れることに反対の意見の多くは、玄米は硬いので咀嚼や消化ができないというもの。
でも、玄米の重湯ならこの問題は解決できます。
サラサラのおかゆを炊いて、こした後の上澄みを赤ちゃんのスプーン1杯からスタートします。
赤ちゃんの様子を見て、問題がなさそうであれば、徐々に重湯の濃度を濃くしていきます。
濃いめの重湯を食べられるようになっていたら、おかゆ、柔らかく炊いたご飯へと徐々に移行していきましょう。
やさしい玄米の重湯の作り方
材料
- 玄米 1/2 合
- 水 1.1 ℓ
- 塩(お好みで) ひとつまみ
作り方
- 玄米を擦り合わせるようにして丁寧に研ぐ。
- 研いだ玄米を1晩(12時間以上)水に浸けておく。
- 鍋に水を切った玄米と300ml位の水を加えて炊く。最初は中火で、沸騰したら弱火にして20分火にかける。塩を加えたい方はこの時に加えます。
- 800mlの水を加え、さらに弱火で40分煮込み火を止め、20分程放置。
- ザルなどで濾せば完成です。
コツ・ポイント
参照:厚生労働省「離乳食の進め方の目安」
分つき米や、玄米の加工品を利用する
玄米が不安だと感じる場合は、赤ちゃんの成長に合わせて、分づき米を取り入れる、玄米と白米や小麦などを使った食品を組み合わせた離乳食の献立づくりを考えるのもおすすめです。
毎日の離乳食作り、ことに玄米を使った離乳食作りは手間がかかりますよね。
だんだん色々なものが食べられるようになってきてからなら、玄米甘酒、玄米ポンせん、玄米フレークなどを常備しておくと、便利ですよ。
離乳食も後半に入り、消化能力がついてきたと感じたら、酵素玄米に水を入れて柔らかく煮たものもおすすめです。
玄米を小豆と塩と一緒に炊き、3日程度熟成して作られる「酵素玄米」は、消化しやすい玄米ごはんです。
「寝かせ玄米」「発酵玄米」などと呼ばれることもありますが、同じもの。
熟成の過程でメラノイジンやGABAなどの栄養素も増え、小豆のタンパク質も加わるので「完全食」と呼ばれることもあります。
\ 国産・オーガニック・添加物不使用/
まとめ
玄米には、栄養素が豊富で食後の血糖を上げにくいなどメリットがある分、消化の問題やヒ素などのデメリットがあります。
玄米食を取り入れている保育園もあれば、離乳食に玄米を取り入れるのはおすすめできないというご意見の方もいらっしゃいます。
離乳食に玄米を取り入れる場合は消化に配慮し、赤ちゃんの様子を見ながら薄めの重湯をスプーン1杯からスタートしていきましょう。
我が子の健やかな成長を思うと、「玄米を食べさせた方が元気な子に育つのかな?」など、数えきれないほど迷いや心配が湧いてくると思います。答えを探そうにも、ネット上にも周りにもさまざまな意見が溢れ、どうしたら良いか分からなくなってしまうこともありますよね。
玄米との相性も一人ひとり違うと思うので、答えもひとつではないはず。
お子さまと玄米との、ちょうどよい距離感を見つけてあげてくださいね。
離乳食と玄米に関するQ&A
- 赤ちゃんに玄米を食べさせてもよいですか?
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赤ちゃんに玄米を食べさせるかは、赤ちゃんの体質や消化能力によって、玄米を食べて大丈夫な場合とそうではない場合があります。また、玄米を離乳食に取り入れる場合は、玄米の重湯や玄米クリームなど、消化が良くなるように調理したものから食べさせるようにしましょう。離乳食初期に、いきなり玄米のおかゆや玄米ご飯を与えることは絶対にしないでください。
- 離乳食で玄米はいつから食べられますか?
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離乳食で玄米は、重湯にすれば離乳食初期から食べることができます。しかし、お子さまによって体質が異なりますし、玄米のデメリットもございます。玄米を食べさせるかよく考えた上で取り入れていけたら良いですね。
- 玄米を離乳食に取り入れるにはどうしたらよいですか?
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玄米を離乳食に取り入れるには、消化や咀嚼(飲み込み)しやすく、調理してあげる必要があります。離乳食初期であれば重湯に、少し慣れてきたら玄米クリームなど作ってあげるとよいでしょう。