甘酒の効果・効能を徹底解説|飲み過ぎには要注意!?甘酒の正しい飲み方とは
記事の監修

管理栄養士
稲尾貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。
飲む点滴と言われている甘酒の正しい飲み方

お米の優しい甘みが美味しい「甘酒」。
起源はなんと古墳時代に遡り、米麹を混ぜて60℃ぐらいの温度で保温し、一晩程度おくだけで出来るため、古くは一夜(ひとよ)酒とも呼ばれており、
栄養豊富な甘酒は体力回復に効果的ないわば「夏の栄養ドリンク」として、江戸時代から夏の風物詩とされていました。
初詣でのふるまい酒や、夏の冷やし甘酒など、今でも私たち日本人にとっては馴染み深い飲み物ですよね。
そんな甘酒が、最近その高い健康効果から、「飲む点滴」「飲む美容液」として注目を浴びています。
実際にどのような効果・効能があるのか、また甘酒の正しい飲み方や、量などをご紹介します。
甘酒の健康効果・効能とは?
「飲む点滴」「飲む美容液」という言葉を耳にしたことはありませんか?
それは、「甘酒」のことなのです。
なぜそのように呼ばれているのでしょうか?甘酒の健康効果を見ながらご説明していきます。
健康効果1 点滴と同じ成分で疲労回復

甘酒に含まれている“麹菌”は栄養の消化吸収を助ける働きがあるので、効率よく栄養を吸収し、エネルギーに変換することができます。
酵素がお米を分解してできる成分に点滴と同じ成分のブドウ糖、ビタミンB群やミネラル、アミノ酸等が豊富に含まれており、疲労回復にはもってこいの飲み物なのです。
“麹菌”は善玉菌のえさになってくれるので、免疫活動を活性化させて免疫力を高める効果もあります。
健康効果2 熱中症予防に最適

厚生労働省によると、熱中症を予防するには100mlあたり40~80mgのナトリウムが含まれる飲み物が適しているとのこと。
甘酒のナトリウム量は、100mlあたりおよそ60mg。
水分と塩分がバランスよく配合されている甘酒は熱中症予防に適した飲み物といえるでしょう。
疲労回復効果で夏バテ防止にもなり、夏を元気に過ごすためにぴったりです。
健康効果3 便秘の予防・解消

甘酒には、食物繊維やオリゴ糖もバランスよく含まれており、腸内の悪玉菌を減少させ、善玉菌を増やして腸内環境を整える働きがあります。
便秘の予防や解消に一役買ってくれます
健康効果4 代謝を促進して美肌に

ビタミンB群も豊富に含まれている甘酒は、血行と代謝を促進させる効果も。
血行が良くなると体内の老廃物も排出しやすくなり、“麹菌”に含まれるビオチンは肌荒れ、肌のくすみなどにも効果抜群です。
更に、“麹菌”の酵素には抗酸化作用があり、老化の予防にもなるんだとか。
甘酒のおすすめ商品
甘酒はダイエットにいい?美容効果は?
「甘酒がダイエットに効果的」「甘酒を飲むと肌がキレイになる」と聞いたことはありませんか?
なぜそのように言われているのか、甘酒の美容効果をご説明します。
甘酒のダイエット効果

甘酒に多く含まれているブドウ糖。これには血糖値を上昇させる効果があり、甘酒を飲むと満腹感を感じられます。
食前に飲んだり、朝食に置き換えることで、満腹感を感じつつ、豊富な栄養素を体内に取り入れることができます。
食事量を減らしても甘酒で栄養分を摂取できるので、比較的安全にダイエットができると期待されています。
甘酒の美容効果

先ほどもご紹介しましたが、甘酒には美容効果抜群のビタミンB群やビオチンが含まれています。
これらの栄養素がコラーゲンの生成を促し、荒れた肌や目のクマ、しみやくすみなどに働きかけて美肌に近づけるのです。
甘酒に含まれるコウジ酸にはメラニンを生成する酵素の働きを抑える効果があり、そばかすやしみなどの予防にもなります。
さらに、甘酒はイライラを抑えるGABAという物質も含んでいるので、ストレスによる肌荒れも抑えられます。
甘酒には「フェルラ酸」という抗酸化物質も含まれているため、細胞の新陳代謝を促して肌の老化も防いでくれます。
飲むだけでアンチエイジングまでできてしまう、それが「甘酒」なのです。

米麹の甘酒・酒粕の甘酒、違いは?他の種類は?
甘酒には、「米麹で作った甘酒」と「酒粕で作った甘酒」の2種類があるのはご存知ですか?
この2種類の甘酒は、作り方だけでなく、味や健康効果にも違いがあるのです。
では、どんな違いがあるのでしょうか?早速見ていきましょう。
米麹の甘酒

蒸したお米に麹菌をつけて米麹にし、酵素の発酵作用を利用して作る甘酒です。
砂糖を加えず、お米が持つデンプンの優しい甘みだけが残るので、飲みやすくカロリーも控えめ。
美容・健康効果が期待できるのはこちらの甘酒です。
酒粕の甘酒

日本酒の搾りかすである「酒粕」をお湯で溶き、砂糖を加えて作る甘酒です。
アルコールと砂糖が含まれているので、アルコールが苦手な方やダイエット目的の方には不向きかもしれません。
「飲む点滴」はどっち?
さて、この2種類の甘酒、どっちが「飲む点滴」なのでしょうか?
正解は、ズバリ「米麹の甘酒」です。

米麹で作った甘酒は、麹菌がデンプンを分解することで生まれるブドウ糖が豊富に含まれており、これが疲労回復に効果を発揮します。
酒粕の甘酒には米麹ほどのブドウ糖は含まれておらず、「飲む点滴」と言われているのは「米麹の甘酒」です。
健康・美容効果を期待するなら米麹の甘酒。
アルコールOK、甘いものが好きなら酒粕の甘酒。
用途によって間違えないように、お買い物の際には注意してください。
その他の種類
その他にも、甘酒にはこんな種類があります。
- ・紅麹甘酒
- 血行改善、血圧調整、コレステロール、血糖を下げる効能があり、「漢方薬」ともいわれる紅麹を使用した甘酒です。
- 色味もほんのりピンクがかって見た目も美しいことから人気の甘酒です。
- ・玄米甘酒
- 米麹甘酒は普通の白米と麹で作られているものですが、玄米甘酒はその名の通り玄米と麹のみで作られています。
- 味には独特のクセがありますが、玄米には白米よりも食物繊維・ビタミン・ミネラルが豊富に含まれているので、より健康効果が高いといえそうです。
- ・古代米甘酒
- 古代米とは、稲の原種の特徴を受け継いでいる米のことです。黒米、赤米、緑米などがあります。
- 古代米甘酒は甘さが控えめで、玄米よりも多い栄養素が含まれていることから、より一層の健康効果が得られるとして人気です。
是非いろいろな種類をお試しいただき、味の違いを楽しんでみて下さい。

甘酒にはアルコール成分が含まれている?

甘酒にはアルコール成分が含まれているか、非常に気になっている方も多いと思います。
先ほどアルコール成分について少しだけ記載しましたが、甘酒にアルコール成分は・・有ります!
酒粕を原料とする甘酒には、アルコールはほぼ必ずと言っていい程含まれています。
ただし、アルコール量が1%未満のため、酒類ではなくソフトドリンクとして流通しています。
お酒ではないので、もちろん未成年の方も飲むことができます。
甘酒を飲んで車を運転しても大丈夫?
酒気帯び運転の基準として、呼気1リットルあたりにアルコール濃度が0.15mg以上含まれると、酒気帯び運転とみなされます。
甘酒1杯~2杯程度であれば取り締まられることはありませんが
飲み過ぎたり、少し酔ってしまったなと感じたら運転は控えた方が良いでしょう。
米麹原料の甘酒にはアルコールは含まれません
さて、ここまでは酒粕が原料の甘酒についてお話をしましたが
実は米麹が原料の甘酒にはアルコール分は含まれないんです。
酒粕を使わないので、アルコールの入る余地は全くありません。
運転の心配をされる方や、お酒の弱い方などには、米麹甘酒がお勧めです。
甘酒は妊娠中に飲んでも大丈夫?

「甘酒ってお酒じゃないの?妊娠中は飲めないんじゃない?」そんな疑問の声をよく耳にしますが…
結論から言うと、「種類を選べば飲めます」。
では、どんな甘酒を選べばいいのでしょうか?詳しくご説明します。
妊娠中に飲むなら「米麹の甘酒」
『米麹の甘酒と酒粕の甘酒の違いって?』でもご説明しましたが、酒粕で作られた甘酒は、米麹をアルコールで発酵させるため、微量ですがアルコールが入っています。
では、妊娠中には甘酒は飲めないのか…というと、そうではありません。
米麹の甘酒なら、麹の発酵作用を利用して作っているので、アルコールは不使用。
妊婦さんでも安心して飲むことができます。
「ノンアルコール」と書いてあっても注意が必要
甘酒を買うとき、パッケージに「ノンアルコール」と書いてあれば安心と思っていませんか?
実は、商品に含まれるアルコール分が1%未満であればノンアルコールと記載することができるのです。
つまり、ノンアルコールの甘酒だからと安心していても、微量のアルコールが含まれている可能性があります。
ですので、妊婦さんが甘酒を買うときは必ず「米麹の甘酒」を買うようにしましょう。
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甘酒の効果的な飲み方(1日の摂取量・時間帯・飲み方)

それでは、甘酒はいつどれだけ飲んでもいいのでしょうか?
実は、効果をより実感するには、飲む量と時間帯が関係してくるのです。
適切な量と時間帯を知ることで、より効果的に甘酒を楽しみましょう。
甘酒の1日の摂取量|適量は?
甘酒は健康的な飲み物ですが、一日にどれだけ飲んでもいいというわけではありません。
1回あたり、50~120ml(おちょこ1杯~コップ1杯分)程度が適量といわれています。
甘酒には糖分が含まれています。糖分の摂りすぎによる肥満を防ぐためにも、1日に飲む量は200ml程度に抑えたほうがよいでしょう。
飲む時間帯
甘酒は、飲む時間帯によっても期待できる効果が違ってきます。
まず、朝に甘酒を飲むと、甘酒に多く含まれるブドウ糖が脳をしっかり目覚めさせてくれます。
またこれにより代謝がよくなるので、ダイエットにも効果的と考えられます。
次に、昼に甘酒を飲むと、ブドウ糖と糖の代謝を向上させるビタミンB1の相乗効果により、脳の働きが活発になり、集中力がアップ。
お仕事や勉強の前に飲むのにぴったりです。
夜に甘酒を飲むと、1日で疲れた体を疲労回復。また、ストレスを緩和するGABAと、優しい甘みと香りが心を癒し、体を温めることで安眠効果が期待できます。
おすすめの甘酒の飲み方と温度
甘酒を飲む時の品温は60度くらいがベストと言われています。
この60度というのが、甘酒に含まれている酵素がも最も作用する温度なのです。
市販の甘酒は加熱処理(火入れ)が行われているので酵素はほとんど含まれないそうですが、手作り甘酒などは酵素が豊富に含まれているので、酵素が活発に活動する60度くらいに温めて飲むのが良いそうです。
甘酒は、お好みの甘さになるように、お湯や水、豆乳、炭酸水などで割っていただくほか、小松菜やベリー系のスムージーなど甘味を足したいと思う時に甘酒を加えるのもおすすめです。

甘酒豆乳
材料
- 甘酒 60 ml
- 豆乳 60 ml
作り方
- グラスに甘酒と豆乳を入れます。
- よく混ぜ合わせて完成です。
甘酒は飲み過ぎると体に悪い?

飲む点滴と言われている甘酒、健康効果も高く栄養価も高いのでたくさん飲めばそれだけ体に良いのでは?
と思われる方がたくさんいることでしょう。
しかし甘酒ブームの裏で、飲み過ぎたことで思わぬ健康被害を受けてしまった方もいらっしゃいます。
ここでは甘酒を飲む際の注意点を解説していきます。
飲み過ぎるとどんな影響があるか
市販品などの成分表を見てみると良く分かりますが、甘酒には糖質が多く含まれています。
とあるメーカー品を見てみると甘酒125mlに対して21gの糖質が含まれています。
ちなみにコカ・コーラは100mlに対して11.3gの糖質が含まれています。
比べてみると一目瞭然、実は甘酒は糖質が高い飲み物だったのです。
糖質が高いということは、つまり血糖値が高い高血糖の方は要注意!
特に糖尿病の方はかかりつけの医師とよく相談して、摂取量を決めた方が良いと思います。

※100ml量に対しての糖質量目安
ダイエットの逆効果にも
前述しましたが、甘酒を飲むことで痩せるということはありません。
あくまで甘酒は置き換えダイエットに有効であるということだけです。
※ごはんやおかずの変わりに甘酒を飲むなど
甘酒はダイエットに良いから・・という意見だけを鵜呑みにして、3杯も4杯も摂取するとその分どんどん体内に糖質が溜まってしまいます。
適度に飲んで、満腹感を得る事が甘酒ダイエットでは重要なんです。
甘酒についてのQ&A
- 甘酒は子供でも飲めますか?甘酒を飲んで運転しても飲酒運転になりませんか?
- 酒粕の甘酒に含まれるアルコール度数は1%未満ですが、多量に飲むとアルコールの血中濃度が高くなる可能性があります。
ご不安のある方は米麹の甘酒をお買い求めください。かわしま屋で扱っている甘酒は米麹の甘酒ですので安心してお飲み頂けます。
- 神社でふるまわれる甘酒は米麹?酒粕?
- 神社により異なりますので、お酒が弱い運転者、乳幼児、妊婦がおられる場合は神社に確認をとることをお勧めいたします。
- 甘酒はそのまま飲めますか?ストレートタイプって?
- 甘酒には、2~3倍に薄めて飲むものとそのまま飲めるものがございます。ストレートタイプは薄めずそのままお飲みいただける商品です。
- 夜寝るときに甘酒を飲むといいって聞きましたが?
- 甘酒に含まれるブドウ糖成分が、疲れた脳をリラックスさせて、睡眠の質を上げてくれると言われています。疲労回復はもちろん、寝つきの悪い方にも甘酒はおススメです。
●管理栄養士からのコメント
栄養豊富な甘酒は、夏の栄養ドリンクとして古くから日本人に愛されてきました。疲労回復に必要なビタミンB群だけでなく、食物繊維やオリゴ糖なども多く含み、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれるので、便秘予防や便秘解消が期待できるのも嬉しいですね。米麹甘酒のようにお米を原料とする甘酒は、赤ちゃんの頃から慣れ親しんだお米本来の優しい甘みで、アルコールは含まれません。乳幼児や妊婦さんは特に、米麹甘酒か酒粕甘酒かしっかり確認してから飲むようにしてくださいね。寒い時期には温めて飲むと身体の中から温まり、風邪予防に効果的です。そのまま冷やしても温めても美味しい甘酒ですが、ショウガ汁、ゆず果汁やレモン果汁などを加えたり、柑橘類の皮を刻んで加えたり、砂糖やジャム、ハチミツを加えるなど、お好みでアレンジするとさらに美味しくいただけますよ。

管理栄養士プロフィール
◎稲尾 貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。パン作りが趣味の2児の母です。食欲旺盛なこども達のためにパンを作り始めたところ、パンの奥深さに魅了されています。
おすすめの甘酒
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