「酢納豆」サッと作れて栄養満点【 6つの効果 】管理栄養士が解説
日本人が昔から親しんできた「酢」と「納豆」でつくる「酢納豆」。ダイエットのほか、糖尿病や高血圧などに効果があるとメディアで取り上げられました。
酢納豆を食べて健康になれるなら!と意気込んでいる方もいるでしょう。しかし、本当に酢納豆を食べるだけで、気になる症状が治まるのでしょうか?
この記事では酢納豆の作り方やアレンジレシピを紹介し、真の効果について管理栄養士が解説します。酢納豆を食べるタイミングについても触れているので、ぜひ参考にしてください。
記事の監修

管理栄養士
川野 恵
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
酢納豆とは

酢納豆とは、納豆に酢を入れてしっかり混ぜるだけの簡単なおかずです。酢と納豆の栄養素が一緒にとれ、沢山のメリットが注目されて本やテレビでも頻繁に紹介されるようになりました。
市販の納豆に付属するタレには、添加物も多く含まれているものがほとんどです。
市販のタレの代わりにお酢を使えば添加物の摂取も抑えられ、お酢の健康効果も有り一石二鳥です。
栄養価の高い「ご飯のお供」を探している方にとって、酢納豆はおすすめのメニューです。まずは、酢納豆の作り方からチェックしてみましょう。
酢納豆の作り方

【 酢納豆 】
材料
- 納豆 1 パック
- 酢(大さじ1) 15 cc
作り方
- 納豆にお酢を入れます。
- 50回ほどしっかり混ぜます。
- ふわふわクリーミーになったら出来上がりです。
動画
コツ・ポイント
酢納豆には、酢酸菌が生きている「にごり酢」がオススメ
酢納豆の栄養

酢納豆の中には、いろいろな栄養素が含まれます。酢と納豆が一緒になることで相乗効果が生まれ、吸収率が上がる栄養素も。ひとつひとつ紹介しますので、参考にしてください。
大豆たんぱく質
酢納豆には大豆のたんぱく質がぎゅっと詰まっています。商品によって多少差はありますが、たんぱく質量は1パック(約45g)で7g前後です。
肉や魚に含まれる動物性のたんぱく質と同じくらい良質なうえ、脂質が少なくヘルシー。そのため、大豆たんぱく質はダイエット中の女性に人気があります。
ミネラル
納豆はミネラルも豊富に含んでいます。とくに多いものを一覧にして紹介します。
カリウム | カルシウム | マグネシウム | 鉄 | モリブデン |
・体の水分を調節
・血圧のコントロールに関与 |
・骨や歯をつくる
・筋肉の活動をサポート |
・骨や歯をつくる
・多くの代謝をサポート |
・血液成分のひとつ
・酸素を運ぶのに不可欠 |
・鉄の働きをサポート
・毒素の分解をサポート |
納豆が含むミネラルは、大切な働きを持っているものばかり。女性はとくに気をつけて摂りたい鉄も多いです。
植物性の鉄は非ヘム鉄といい、吸収率があまり良くありません。非ヘム鉄の吸収率を上げるには、たんぱく質やクエン酸・酢酸が必須です。その点、酢納豆には大豆たんぱく質と酢の酢酸がそれぞれ含まれるので、効率よく鉄を摂れます。
ビタミン
納豆はビタミン類も豊富です。とくに多いのが、ビタミンKとビタミンB群。それぞれの働きは次のようになります。
- ビタミンK・・・血液凝固(出血を止める)をサポート。元気な骨をつくる。
- ビタミンB群・・・さまざまな代謝をサポート。神経細胞のサポート。
ビタミンKは、納豆1パックを食べるだけで1日の必要量を補えるくらいの量を含んでいますよ(※)。
※納豆1パックのビタミンKは約280μg。1日の目安量は150μg。
食物繊維
納豆は食物繊維も多く、1パックで3.0gを含んでいます。野菜に多い不溶性食物繊維と海藻に多い水溶性食物繊維の両方をバランスよく摂れるのが、納豆のうれしいポイント。
食物繊維が多いと言われるキャベツやごぼうと納豆とで、含有量を比べてみましょう。
- 納豆 1パック(45g)・・・3.0g
- キャベツ 一食(100g)・・・1.8g
- ごぼう 一食(70g)・・・4.0g
※文部科学省「食品データベース」参照
納豆を1パック食べるだけで、キャベツより多い食物繊維を摂れるんです。
酢酸
酢酸は酢に含まれる主要な成分であり、体の中で脂肪を分解したときにも生まれる栄養素です。筋肉などでエネルギー源として利用されています。
酢酸はさまざまな生理機能が認められていて、脂肪の合成を抑えたり血糖コントロールをサポートしたりする働きもあると言われています(※)。
食べると痩せる?酢納豆の6つの効果

複数の栄養素を含む酢納豆。酢納豆を食べることで、どのような効果が期待されるのでしょうか。分かりやすくまとめているので、確認していきましょう。
1.代謝のサポート
ビタミンB群が摂れる酢納豆を食事に取り入れることで、代謝をサポートできます。食べたものを体で利用するためには、代謝を支えてくれるビタミンが欠かせません。
代謝を支える力をもつ酢納豆は、ご飯のお共におすすめです。
2.ダイエットのサポート
酢酸や大豆たんぱく質、ミネラルやビタミンは、ダイエットを支えてくれる栄養素です。脂肪の分解や筋肉の活動エネルギーや、基礎代謝の多くを占める肝臓の働きをサポートするので、間接的に痩せやすい体づくりにつながります。
酢納豆を食べるだけで痩せることは期待できませんが、食事改善に併用するメリットは大きいです。
3.健康をサポート
酢納豆は多くの栄養素が含まれるので、体の健康をサポートする力があります。例えば、いつも食パンだけの朝食に酢納豆をプラスすれば、それだけで栄養価は引きあがります。
酢納豆は「これだけを食べれば大丈夫!」など、魔法のメニューではありません。でも、食事に追加することで健康をサポートすることは間違いないでしょう。
4.体をつくる
大豆たんぱく質や複数のミネラルが摂れる酢納豆は、体をつくる働きがあります。「体」とは、筋肉や肌、髪の毛のほか、骨や血液などです。
酢納豆だけで必要な量すべてを補うことはできませんが、体をつくる栄養素の一部を補給できます。
5.貧血をサポート
鉄やモリブデンを含む酢納豆は、血液の健康もサポートします。
大豆の鉄は非ヘム鉄で、肉や魚よりも吸収が悪いです。しかし、酢の酢酸によって吸収率がアップ。さらに体の中で鉄の働きを高めるモリブデンも摂れるので、酢納豆は鉄を補えるメニューになります。
6.お通じをサポート
食物繊維を豊富に含み、マグネシウムも入っている酢納豆は、便通を整えたいときにも役立ちます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維を両方含むので、腸の活動や腸内細菌の働きを促進。
さらにマグネシウムが便の保水性を上げるため、スムーズに腸を通りやすいです。また、納豆には腸内の善玉菌のエサになるオリゴ糖も含まれています。
酢納豆を食べるタイミング

酢納豆を食べるとき「どのタイミングで食べるのがいいのかな?」と悩んでしまう方は、きっと多いはず。いつ食べるのが効率的であるかは、酢納豆を食べる目的によります。
食事の前に食べれば、血糖コントロールや食べ過ぎ防止になるでしょう。食事中に食べれば胃酸の分泌量を増やし、消化をサポートしてくれます。また、小腹が減ったときに食べるのも、適度に栄養が補えるのでおすすめ。
つまり、酢納豆は自身が食べやすいタイミングで食べるのが一番です。あまり硬く考えず、まずは食事の仲間に入れることから始めてみてはいかがでしょうか。
酢納豆は糖尿や血圧、視力を改善するって本当?

酢納豆にはさまざまな栄養素が含まれます。あなたの元気をサポートしてくれる栄養素もありますが、酢納豆を食べるだけで病気が改善する可能性は少ないです。
そもそも、糖尿病や高血圧、視力の低下などは、食品によって「治る」ことは期待できません。まずは専門医による診察を受け、正しい指示をあおぎましょう。
先に説明している通り、酢納豆は食物繊維が豊富なので、血糖値の上昇を緩やかにします。また、付属の納豆のタレや醤油の代わりに酢を使うことで、多少なりとも減塩効果はあります。
そのようなメリットはありますが、「病気を治す」という大きな力は期待できないのです。
しかし、毎日の小さな努力は、体に良い影響を与えます。「食事に酢納豆を取り入れ、体に栄養素をプレゼントしてあげる」と思っていただけるとうれしいです。
酢納豆で健康をサポートしよう

サッとつくれるお手軽メニューなのに、納豆と酢の相乗効果もあって栄養価の高い酢納豆。たんぱく質・ミネラル・ビタミン・食物繊維など、体に欠かせないものがぎゅっと詰まったご飯のお供です。食パンに塗っても良し、白いご飯にのっけても良し。時間がないときでもサッと作れるので、自分に合わせたタイミングを見ながら、日々の食事に取り入れてみてください。
酢納豆Q&A
- 酢納豆が体に良いって本当ですか?
- 酢納豆(酢+納豆)を食べることで、身体が必要な栄養素が効率よくとれることがわかっています。
- 酢納豆にせず、酢と納豆それぞれ食べても効果はありますか?
- それぞれに良いところがありますので、混ぜなくても栄養素をとることはできます。
- 酢納豆が視力の回復に良いと聞きましたが、本当ですか?
- 目の毛細血管の詰まりを改善することで視力が回復するとテレビで紹介されたようです。視力のことは専門医の先生に相談されることをおすすめします。その中で酢納豆のことを相談されてもいいでしょう。
- 酢納豆を毎日食べていますが、痩せません…。
- 酢納豆はやせ薬ではありませんので、食べるだけで痩せることはありません。ダイエットの基本は、適正エネルギーの摂取と消費エネルギーの向上です。食事の見直しをベースに、酢納豆を取り入れてみてください。
酢納豆におすすめのお酢
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●管理栄養士からのコメント
酢納豆はテレビでも「病気を治す」と放映され、注目の的になりました。酢にも納豆にもそれぞれに栄養素が含まれ、健康をサポートする効果も期待されます。食卓の仲間に酢納豆をプラスすれば、栄養価が上がることは間違いありません。しかし、酢納豆で病気を治すのは難しいです。自分自身が体の状態と向き合い、治療の専門家である医師のアドバイスを参考にするようにしましょう。また「酢納豆は酸っぱくて食べづらい」という方は利用する酢の種類を変えるのもおすすめ。りんご酢に少しのはちみつを納豆に混ぜるのも斬新ですがおいしいです。かつお節やたらこなど、少し塩味のあるたんぱく質源を加えても美味しく食べられますよ。ぜひお試しください。

管理栄養士プロフィール
◎川野 恵
給食委託会社や仕出し弁当屋での献立作成を経験後、出産を機にフリーランスとして活動。
フリーランスの管理栄養士としてレシピ開発や栄養のコラム作成のほか、外食チェーン店でのダイエットを意識した食べ方を紹介。現在はクリニックにて、生活習慣病などに悩む方々へ栄養指導を行なっている。
身体は食べ物でできている事を意識し、健康で過ごせるよう多くの方を支えていける管理栄養士になりたいと日々活動しています。
SNSやブログを通して、
・管理栄養士として栄養指導に携わりたい!
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