平出油屋さんの菜種油 -伝統が息づく日本の手仕事-

"一度ひらいでの菜種油を使うと、他の油は使えなくなる"
そんなお声を多くいただきます。

福島県会津若松市で、明治時代より菜種油の製造を行う、平出油屋さんを訪ねました。

平出油屋店舗

平出油屋は、磐越西線(ばんえつさいせん)会津若松駅から車で10分ほどの所にあります。

ひらいで油屋の創業は1842年。
当初は絹織物や雑穀の販売をしており、明治時代より菜種の搾油をはじめました。

現社長の平出祐一さんは6代目の当主になります。

平出祐一さん

出来るだけ自然に、そして香りが良く美味しい油を

平出油屋は、"出来るだけ自然に、そして香りが良く美味しい油を" という信念のもと、昭和初期から変わらない方法で油を絞っています。

搾りたて菜種油

現在スーパーやデパートに置かれている食用油の殆どは、化学処理による効率的な抽出法で、搾油が行われています。

高い温度と圧力をかけて、脱酸素、脱ガム、脱臭などの化学処理を踏むことで、無駄なく効率的に均一品質で安価な菜種油を抽出できています。

しかしこのやり方では、油が変質してしまいます。
また、菜種油のまろやかさや黄金色の美しい色合いが大きく損なわれてしまいます。

昔ながらの油搾り法 "玉締め"

平出さんの搾油場で、"玉締め" という油絞りの方法がどんなものなのか実際に製造現場を見せてもらいました。

玉締め製法

平出油屋のなたね油は、原料のほぼ全てに北海道産の菜種が使われています。
粒の大きく揃った、水分量が8%程度の菜種だけを選別しています。

搾油場には3機の玉締め機があり、二人から三人の職人が毎日菜種を絞っています。

北海道産の菜種

菜種油ができるまで


工程1.原料の菜種を焙煎する

薪の窯で菜種を焙煎します。

菜種を焙煎

まき火で30分程度、じっくりと菜種を炒り、水分を飛ばし、薪の量で火力を調整します。

薪火で焙煎

一回で炒る事の出来るなたねの量はおよそ50kg。
そこから15L-18Lほどのなたね油が絞れます。

菜種は炒り足りないと十分に油が絞れません。
反対に炒りすぎると、なたね油の食感に苦味が出てしまいます。

焙煎の間、何度も菜種を指で潰して色合いを見ながら、煎り加減を確認をします。

工程2.菜種から不純物を取り除く

炒りあがった菜種を特性のふるいにかけ、菜種以外のゴミを取り除きます。

除塵

工程3.菜種を砕く

ふるいにかけられた菜種を圧編機のローラーの力で、皮を破く程度に砕かれていきます。

菜種を圧編機にかける

工程4.菜種を蒸す

皮を砕いた菜種を木の桶にいれて、特性の蒸し器の上に載せます。
燃やした薪を熱にして、蒸し器から蒸気が出ています。

桶蒸し

その上に木桶を載せます。木桶の底には小さな穴が空いており、下から蒸気を当てると、木桶の底から上まで蒸気が通り抜ける仕組みになっています。

蒸気を調節しながら菜種を蒸していきます。
蒸気を当てることで菜種の油が膨張し、油が絞りやすい状態になるのです。

五分ほど蒸して、湯気が全体からまんべんなく出てきたら、良い蒸具合です。

工程5.蒸した菜種の湯気を飛ばす(息抜き)

蒸しあがった菜種を広げ、湯気をしっかり飛ばします。
湯気を飛ばしたら、特性の木桶に油濾しマットを敷き、そこに菜種を詰め込んでいきます。

息抜き

油濾しマットは、伝統的な油絞りに欠かせない道具の一つで、人毛で出来ているのが特徴です。

人毛のマットには、適度な強度と柔らかさがあって、菜種油以外の余分な油がしみ出さないので、油を絞るのに最適なのです。

かつらメーカーによる特注品で、現在は全国で製造できるところも限られています。

木桶に詰めた菜種を素足で踏み固めていきます。
ここで適度な圧力を掛けながら菜種を詰めていくことで、玉絞めをした際に油が絞りやすくなるのです。

工程6.菜種を圧搾する

木桶に入れた菜種を玉締め圧搾機に置きます。
この圧搾機は昭和の初めから現在まで70年以上も使われています。

玉締め圧搾機

圧搾機には丸い玉がついており、玉に重みをかけて菜種をゆっくりと絞っていくのです。
微調整を加えながら、おおよそ1-2トンほどの重さをかけていきます。

しばらくすると玉の重みで、じんわりと黄金色の油が木桶から溢れでてきます。

玉の重さで油を絞りだす方法は「玉締め」と呼ばれています。
現在では玉絞めで菜種油をしぼっている所は、国内でも数件しかありません。

搾りたての油はどろりとした、濃厚な色をしています。
強いなたねの香りもします。

しぼり立ての油

油を絞ったあとの菜種の粕は、有機肥料として畑に還元されています。

菜種の油かす

工程7.和紙で濾過する

手漉き和紙を筒状にして手作りした特性のフィルターで、菜種油を濾過していきます。

手漉き和紙フィルターで濾過する

格子状の箱に筒状にした手漉き和紙を入れて、そこに菜種油を流し込んでいきます。

ゆっくりと時間をかけて自然に濾されていくのを待ちます。

手漉き和紙で油の濾過をするのは、日本だけの伝統です。
濾過を終えるとようやく菜種油の出来上がりです。

菜種油の出来上がり

工程8.瓶詰め・ラベル貼り

濾過を終えた菜種油は、小さなステンレスタンクに集められます。
そして、すべて手作業で瓶詰めされていきます。

菜種油のビンづめ

最後にラベルを貼り、商品としての菜種油が完成します。
基本的に作り置きをする事はなく、その日に出荷する分を瓶詰めし、ラベルを貼っています。

菜種油のラベル貼り

この様にして平出さんの菜種油はできあがります。

"絞ってそのままっていうのが一番いい商品になるんじゃないかな"
後のインタビューで平出さんが語ってくれました。

>>インタビュー記事はこちら

効率を追求すると、どうしても油の品質が損なわれてしまうため、あえて昔ながらの製法で油をつくり続けているそうです。

平出さんの菜種油に出会うまで、揚げ物が苦手だった私ですが、平出さんの菜種油で作った唐揚げは、きれいな黄金色にカラッと揚がり、油酔いや胃もたれもせず、使う油でこんなにも変わるのかと驚きました。

かわしま屋で多くのお客さまにご愛用いただいている「平出油屋さんの菜種油」。
これからも引き続き、よろしくお願いいたします。

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