クエン酸の効果効能と食品一覧|健康面だけでなく掃除にも使える

クエン酸が夏バテに良いということは広く知られていますが、1年を通して体に嬉しい効果効能が複数あります。また、掃除にも使えるため活用方法を知っておけば、食品ロスを防ぐことにも役立ちます。
そこでこの記事では、クエン酸の健康面の効果効能と食品一覧、掃除を含めた活用方法まで詳しく解説します。クエン酸を生活に取り入れるために、ぜひ参考にしてください。
クエン酸の健康に嬉しい効果効能

クエン酸には次のような効果があります。それぞれを詳しく解説します。
- 疲労回復
- 食欲増進・唾液の分泌
- ミネラルの吸収効率アップ
- 抗菌作用
- 血糖値の上昇抑制
疲労回復
身体的・精神的な疲労を回復させるために必要な、アデノシン3リン酸というエネルギーの産生にクエン酸が役立つといわれています。
その理由は、人がエネルギーを作るときに機能するクエン酸回路にあります。
クエン酸はクエン酸回路の中心的役割を担っています。摂取した糖分を消化器官が吸収した後、ミトコンドリアがクエン酸を作り出し、活用できるエネルギーに変換していくという仕組みです。その後、各種エネルギーはクエン酸に戻って再利用されます。
摂取したクエン酸がそのまま使われるわけではありませんが、クエン酸回路への良い影響があると考えられています。
食欲増進・唾液の分泌
疲労回復以外で、夏バテにクエン酸が良いとされる理由の1つです。クエン酸には食欲増進効果があるため、夏バテで食欲が湧かないときに役立ちます。
また、唾液を分泌させる作用もあるため消化効率アップにも有用です。唾液に含まれるアミラーゼという酵素が、ご飯やパンなどのデンプンを効率的に分解してくれます。消化吸収を担う胃腸への負荷を軽減してくれるでしょう。
ミネラルの吸収効率アップ
クエン酸には鉄分・カルシウム・マグネシウムといったミネラルの吸収効率を高める効果があります。後述するクエン酸を含む食材と、小魚・乳製品・貝類・赤身肉などを一緒に摂取するのがおすすめです。
とくに、骨粗しょう症を予防したい人や貧血に悩んでいる人は、カルシウムや鉄分だけでなくクエン酸も意識して摂取するよう心掛けましょう。
また、汗を多くかいたときはミネラルも汗と一緒に流れ出ていることがあるため、夏バテ時のミネラル補給サポートとしても役立ちます。
抗菌作用
クエン酸には抗菌作用があります。お弁当に梅干しを入れるなど、食中毒を防ぐための抗菌作用としても有用ですが、健康面で注目したいのは口腔内への影響です。
クエン酸にはミュータンス菌の活動抑制効果や、口臭・歯周病・口内炎の原因となる雑菌への殺菌作用があります。この殺菌作用は、クエン酸のキレート作用によるものです。細菌の細部膜を不安定にすることで、生存率を低下させます。
口腔内の環境を整えるために必要な唾液の分泌を促す点も含めて、クエン酸には口腔内トラブルの改善に役立つといえるでしょう。
血糖値の上昇抑制
クエン酸には食後の血糖値の急上昇を抑える効果があるとされています。血糖値の急上昇は膵臓に負担をかけてしまうため、クエン酸を上手に活用しましょう。
また、クエン酸には食欲増進効果がありますが、同時にお腹を膨れさせる効果もあるため、食べ過ぎを防ぐためにも有用です。
ただし、食後に違和感を覚えたときは、まず医師の診断を受けてください。膵臓は一度衰弱すると自己回復できません。食後だけ血糖値が急上昇する隠れ糖尿病(境界型糖尿病)の段階で気づき、治療することが大切です。
クエン酸を含む食品一覧

クエン酸を含む食品は次のとおりです。
含有量が多いのはレモンやみかんなどの柑橘類です。グレープフルーツやかぼす、すだちなどにも含まれています。柑橘類ほどの含有量ではありませんが、果実由来の酢や穀物酢、梅干しなどにも含まれています。
なお、酢の主成分は酢酸でクエン酸と同様に酸っぱい成分ですが、酢酸は揮発性の匂いがあり熱で酸味が和らぐのに対し、クエン酸には強い匂いがなく加熱しても酸味が変わらないという違いがあります。
クエン酸の健康以外の効果・活用方法

レモンや酢を購入した後、そのまま食べるだけでは消費しきれないときの活用方法を効果別で解説します。
アルカリ汚れ・臭いの除去

次のようなアルカリ性の汚れ・臭いの除去にクエン酸は効果的です。
- 風呂場の石鹸カスのこびりつき
- 蛇口やケトルなどの水アカ
- 生ごみ臭
- トイレのアンモニア臭
- 尿ハネ・尿石
アルカリ性汚れをクエン酸の酸性で中和することで、汚れや臭いを落としやすくなります。レモン汁やお酢を水で薄めたものをスプレーボトルに入れ、吹き付けてから拭き取りましょう。
原液のままだと、酸性が強すぎて素材を傷める恐れがあります。
野菜の変色・臭み・辛み予防

ごぼうやレンコンなどの根菜類の変色予防にもクエン酸は効果的です。カットした根菜をレモン汁や果実酢を溶かした水に浸けておけば、黒ずみを防げます。
また、キャベツなどの葉物野菜を茹でるときのお湯にクエン酸を溶かしておくと、青臭さが抑えられて食べやすく仕上がるためおすすめです。
大根おろしの辛み成分を抑える効果もあります。焼き魚と大根おろしの組み合わせに、すだちなどを添えておけば食べやすくなるでしょう。
肌・髪に使う

200Lのお風呂に20gのクエン酸を加えて入浴してみましょう。古い角質が剥がれやすくなります。また、水100mLに対してクエン酸2gを混ぜたものを、ヘアケアのリンスのように使う方法もあります。濃度が高いとダメージになるため、薄めることが重要です。
ただし、レモンの皮に含まれるフロクマリン類という成分には光毒性があり、皮の精油成分が肌に付着した状態で日光に当たると肌トラブルになることがあります。皮ごと圧搾しないように注意しましょう。
クエン酸を上手に活用してバテない体を目指そう

クエン酸は夏バテ以外の疲労や栄養不足、血糖値にも効果があることがわかりました。疲労感があるときだけでも十分な効果を期待できますが、摂取を続けることで1年を通してバテにくい体を目指せるでしょう。
柑橘類や果実酢、梅干しなどの手軽な食材で摂取できるのも嬉しいポイントです。掃除に使うなど賞味期限内に消費しきれないときの活用方法もあるので、ぜひ気軽に手にとってみてください。