基本の玉ねぎ麹の作り方|水なしでも失敗しないコツと保存方法も解説

玉ねぎ麹は、甘みが強く香り豊かな玉ねぎと麹を組み合わせて発酵させた調味料です。普段の料理に少量加えるだけでも、味に深みを与えてくれるという魅力があります。特に、健康を気にする方や発酵食品に興味をお持ちの方にとって、手作りで安全に作れるのは大変魅力的です。
そこでこの記事では、玉ねぎ麹の基本的な作り方から、失敗しないためのポイント、さらに保存方法まで詳しく解説します。初心者でも取り組みやすいように解説していくので、ぜひ玉ねぎ麹作りに挑戦してみてください。
玉ねぎ麹の基本の作り方

水なしで作る基本の玉ねぎ麹の作り方
必要な道具
- はちみつ容器またはガラス容器
材料
- 玉ねぎ 300 g
- 米麹(乾燥麹) 100 g
- 塩 30 g
作り方
- 容器に米麹(乾燥麴)と塩を入れて混ぜ合わせます。容器の大きさは玉ねぎ・米麹・塩を入れても少し余裕があるくらいの大きさの容器を選びましょう。
- 玉ねぎをミキサーなどでペースト状にします。
- 容器にペースト状にした玉ねぎを加え、全体をしっかりと混ぜ合わせます。
- 夏場で4日~1週間程度、冬場で10日~2週間程度置いて熟成させます。熟成中は発酵して容器が破裂する恐れがあるので、フタを完全に閉めずに置くようにしてください。1日1回はフタを開けて全体を混ぜてください。
- 舐めてみて、適度な塩気と旨みを感じたら玉ねぎ麹の出来上がりです。保存は冷蔵庫の中で行なって下さい。3ヶ月程度で使い切るようにしましょう。


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玉ねぎ麹作りで失敗しないためのポイント

玉ねぎ麹が上手に発酵してくれない、あるいは味がどうも納得いかないという場合もあります。多くの場合は作業工程のどこかで衛生管理や発酵環境の管理が不十分であることが原因です。
ここでは、初心者が気をつけるべき点を紹介します。少し意識するだけで仕上がりが大きく変わるので、ぜひチェックしてみてください。
清潔な環境で作る
玉ねぎ麹を作るうえで特に重要なのは、「清潔な環境」で作ることです。手作りの発酵食品は、菌が入ることで味や香りが落ちるだけでなく、カビの発生など衛生面でもリスクが高まります。
まず、容器は煮沸消毒やアルコール消毒をして、しっかり乾燥させたものを使うようにしましょう。ビンのフタや密閉容器のパッキン部分は見落としがちですが、そこに雑菌が残りやすいので注意してください。そして、手指だけでなくまな板や包丁も熱湯消毒をしたり、きちんと洗剤で洗い流してから使用すると安心です。玉ねぎ麹は発酵期間がそこそこ長いので、少しでも雑菌が混入すると変な臭いが出たり腐敗したりする可能性があります。
特に、まだ手作り発酵食品に慣れていない方は、最初の衛生管理を丁寧に行うだけでも成功確率を格段に上げることができます。小さな手間が大きな成果につながるので、ぜひ始める前にもう一度調理環境を見直してみてください。
発酵環境を適切に管理
発酵環境を適切に管理することもとても大切です。発酵にとって適温は概ね20℃~30℃あたりとされていますが、季節によって室温が大きく変わります。日本では、夏は室温が30℃を超えることもあれば、冬は10℃を下回る地域も珍しくありません。
夏の暑い時期に玉ねぎ麹を作る場合、発酵が進みやすくなるため、数日でちょうど良い発酵状態になることがある一方で、冬場は発酵に時間がかかり、思ったようにとろみが出ないケースもあります。そこで、冬は発酵容器を発泡スチロールの箱に入れたり、暖房の近くに置いたり、麹菌が活動しやすい温度に工夫してあげると成功率が高まります。
また、急激な温度変化は麹菌がストレスを受けやすいため、夏であっても極端に高温にならないよう適度な風通しや遮光を意識することも大切なポイントになります。特に直射日光が当たると温度が上がりすぎ、容器の中身が傷む恐れがあるので避けたほうが無難です。こうした環境調整の工夫は、一度覚えてしまえば他の発酵食品にも応用できるので、ぜひ実践してみてください。
定期的にかき混ぜる
玉ねぎ麹の発酵中、容器をそのまま放置していると表面だけが発酵し、中身や底の部分が酸欠状態になったり、水分が偏ったりと、うまく発酵しないことがあります。それを防ぐためにも、定期的にかき混ぜることが大切です。
かき混ぜることで、麹菌や乳酸菌などが全体的に行きわたり、均一に発酵を促すことができます。具体的には1日に1回程度、清潔なスプーンやヘラを使って底から上へ大きく混ぜるイメージで行うと効果的です。こうすることで空気も適度に入り、全体がふんわりとした風味をキープしやすくなります。
ただし、かき混ぜる際は、再び雑菌が入らないように道具を清潔に保つことを忘れないようにしましょう。もし見た目や匂いがいつもと違うと感じたら、その時点でかき混ぜを中断し、変色やカビの有無を確認することも大切です。安全に美味しく仕上げるためにも、ほんの数分の手間を惜しまず、こまめにチェックしてみてください。
発酵を見極める
玉ねぎ麹がどの段階で完成なのか、発酵を見極めるのは慣れないと意外と難しいものです。基本的には玉ねぎがしんなりして麹と一体化し、全体的にとろりとした状態になったら完成と考えるのがひとつの目安となります。
それまでに独特の甘い香りや、少し酸味を帯びた香りがしてくるのが自然ですが、強い異臭やカビの発生が見られる場合は問題が起きている可能性があります。もし少しだけカビっぽいものが表面に出てきたら、その部分を取り除いてみて、残りが正常なら使えることもありますが、判断が難しいときは思いきって処分するほうが安全です。
完成後、味見をしてみて塩辛さと甘みのバランスがちょうど良いタイミングが自分好みの「食べごろ」になります。発酵を長引かせるほど旨みが深まる一方、酸味が強くなることもあり、各家庭で好みの発酵度合いを探す楽しさも自家製玉ねぎ麹の魅力のひとつです。最初は5日目、7日目、10日目など、少しずつ味見をする癖をつければ、仕上がりをコントロールしやすくなります。
塩分濃度に気をつける
玉ねぎ麹を失敗しないための最後のポイントとして、塩分濃度の管理があります。適切な塩分濃度は発酵をスムーズにし、雑菌を抑える役割を果たしますが、塩分が足りないと腐敗しやすくなり、多すぎるとしょっぱさが強くなってしまいます。
一般的な塩麹の塩分濃度は10%前後が目安とされています。玉ねぎ麹を作るときも、このあたりを基準にしながら、自分の好みに合わせて調整するのがおすすめです。玉ねぎから水分が出るので、最初から塩を少なくしすぎると、全体が水っぽくなって痛みやすい傾向があります。
もし仕上がりが少し塩辛いと感じたら、玉ねぎの量を増やすか、水を少量加えて微調整するのがおすすめです。少しずつ調整を重ねることで、自分だけの理想的なレシピに近づいていくはずです。
玉ねぎ麹の保存方法

玉ねぎ麹を美味しく仕上げても、その後の保存方法が適切でないとすぐに傷んでしまいます。手作りの発酵食品は添加物が少ない分、保存期間をしっかり管理することが重要です。ここでは、長く安全に使うための保存方法を解説します。
冷蔵庫で保存する
完成した玉ねぎ麹は、まず冷蔵庫で保存するのが一般的です。発酵が進みすぎないように、低温状態にして発酵をゆるやかにする狙いもあります。冷蔵庫に入れると、完成後も数週間は美味しく食べられることが多いです。
保存容器は、ビンや密閉容器を使用し、玉ねぎ麹を取り出すときは清潔なスプーンを使うようにしましょう。一度に大量に使わない場合でも、毎回容器を開け閉めすると空気中の雑菌が入りやすくなります。そこで、必要分だけ別の容器に移して使うなどの工夫をするのもおすすめです。
冷蔵庫で保存していても、ほんの少しずつ発酵は進んでいくので、味や香りが変化していきます。そこが手作りの楽しさでもありますが、あまり長期間放置すると腐敗につながる恐れがあるので、1か月前後を目安に食べきるようにしましょう。
冷凍庫で保存する
作りすぎてしまった場合や長期間保存したい場合は、冷凍庫で保存するのがおすすめです。冷凍するとことで麹菌の活動がほぼ停止するため、腐敗をかなり抑えられます。玉ねぎ麹は、塩分があるぶん凍りにくく、多少固くなるものの完全にカチカチにはなりにくいことが多いです。
保存する際は、小分けしておくことで使うときにとても便利です。製氷皿を使ったり、ジップ付きの冷凍用袋に薄く平らにのばして凍らせて必要な量だけパキッと折って使ったりする方法もあります。ただし、冷凍状態が長く続くと風味が落ちてしまうこともあるので、3か月~半年程度を目安に使い切るようにしましょう。
解凍する際は、冷蔵庫に移して時間をかけてゆっくり行うと、極端な温度変化を防げます。急激な温度変化は味や食感に影響を与えやすいので注意が必要です。特に、使う分だけ冷蔵庫で解凍し、残りは再び冷凍庫に戻すようにすれば、品質の劣化を最小限に抑えられます。
玉ねぎ麹の作り方のQ&A
- 辛味の強い玉ねぎでも大丈夫ですか?
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基本的にはどの種類の玉ねぎでも作ることができます。しかし、辛味の強い玉ねぎを使う場合は、発酵期間を少し長めにすることで辛さが和らぎ、よりまろやかに食べやすくなります。また、新玉ねぎは水分が多い分、より短い発酵期間でも甘みが出やすい傾向にあります。
- 玉ねぎ麹が発酵中に泡立ったり、少し異臭がする気がしますが問題ないですか?
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発酵の過程で麹菌や酵母が活発に働くと、泡が出ることがあります。少し酸味のある発酵臭がするのは正常なプロセスですが、明らかにカビのような臭い、腐敗臭、または変色が見られる場合は注意が必要です。その際は、表面を取り除き、それでも異臭が続くようなら廃棄を検討してください。
- 玉ねぎ麹の発酵が全然進まないような気がしますが、どうしたらいいですか?
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気温が低い可能性と塩分濃度が高すぎる可能性があります。発酵には20℃~30℃ほどの温度が必要ですので、冬場であれば暖かい場所に置く、発泡スチロールで保温するなど工夫してみましょう。塩分が高すぎる場合は、麹菌の活動が抑制されてしまうので、塩分濃度を玉ねぎや水を少量加えて調整してみてください。
- 完成した玉ねぎ麹が思ったよりも水っぽいのですが、原因は何ですか?
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玉ねぎの水分量が多かったり、塩分がやや少なかったりする場合に起こりやすいです。粘度を上げたい場合は、作るときに玉ねぎの水分を少し飛ばしたり、塩分を適宜増やしたりして調整するようにしましょう。手作り発酵食品は一度で完璧に仕上がらなくても、試行錯誤する過程でより自分好みの味に近づけられるのも魅力のひとつです。
- 玉ねぎ麹はどうやって活用すればいいですか?
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玉ねぎ麹は、ドレッシングや炒め物はもちろん、スープやシチューなどの洋食にも和食にも使える万能調味料です。カレーの隠し味やマヨネーズと合わせてディップソースにすることもできます。甘みと塩分、旨みが一気に加わるので、料理のレベルをぐっと上げられます。
- 玉ねぎ麹を食べるときの注意点はありますか?
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発酵食品が体質に合わないということは稀ですが、塩分が含まれているので摂りすぎには注意しましょう。また、玉ねぎそのものにアレルギーがある方は避ける必要があります。体調が優れないときや妊娠中の方などは、念のため医師や管理栄養士に相談してから食べるようにしてください。