オリーブオイルとエキストラバージンの違いは?国際規格と日本基準

スーパーの棚には多種多様なオリーブオイルが並びます。
オリーブオイルの「エキストラバージンオリーブオイルがよい」と聞いたことがある方も多いでしょう。しかし、値段やデザインだけで判断すると、低品質でありながら割高なオリーブオイルもどきを選ぶことになるかもしれません。
この記事では、オリーブオイルを選ぶための判断基準を紹介します。製法や品質基準に基づく種類ごとの違いから、ラベル表示で本物を見抜く方法を解説。
この記事を読めば、品質を見抜く目が養われ、料理を引き立てる一本を確かな根拠を持って選べるようになります。本物のオリーブオイルを見分ける知識は、日々の食生活を豊かにするでしょう。
エキストラバージンオリーブオイルとオリーブオイルの違い

「エキストラバージンオリーブオイル」と「オリーブオイル」には、製法から品質、風味、栄養価に至るまで明確な違いがあります。
製法と精製処理の違い
「エキストラバージンオリーブオイル」は、オリーブ果実を物理的な力のみで搾って作られます。化学的な処理や高熱を加えず製造するため、果実本来の風味、香り、栄養成分が凝縮されています。
一方、「オリーブオイル」や「ピュアオリーブオイル」として販売される製品は、食用に適さない品質のオイルを化学的に精製し無味無臭にした「精製オリーブオイル」が主成分です。
オリーブオイルの種類の詳細は以下の記事も参考にしてみてください。

酸度と品質基準の違い
「酸度」はオリーブオイルの品質を示す指標です。
オイルに含まれる遊離脂肪酸の割合を指し、酸化の度合いを示します。オリーブの実は収穫時から酸化が始まるため、新鮮で傷のない果実を迅速に搾油するほど酸度は低くなります。
オリーブオイルは酸度が低いほど新鮮で高品質です。国際基準では「エキストラバージンオリーブオイル」の酸度は0.8%以下と定められています。
風味と栄養価の違い
化学処理を行わないエキストラバージンオリーブオイルは、品種や産地で異なる豊かな風味と香りを持ちます。抗酸化作用を持つポリフェノールやビタミンEなど、熱に弱い栄養成分も豊富です。
対照的に「オリーブオイル」は精製処理で本来の風味や香りが失われます。ブレンドするバージンオリーブオイルにより多少の風味は加わりますが、味わいは穏やかでクセがありません。
ポリフェノールなどの栄養成分も精製工程で多くが取り除かれます。
オリーブオイルの具体的な栄養については、以下の記事を参考にしてみてください。

オリーブオイルの国際規格と日本基準(JAS)の違い
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国際基準(IOC)はオリーブオイルの品質そのものを定義する規格です。対して、日本の制度(JAS)はオリーブ油の分類と最低限の品質基準のみを定めています。
国際基準(IOC)と国内基準(JAS)の具体的な違いは以下のとおりです。
| 項目 | 国際基準 | 国内基準 |
|---|---|---|
| 管理主体 | 国際オリーブ協会(IOC) | 農林水産省(JAS法) |
| 規格の目的 | オリーブオイルの品質等級を定める国際基準 | 農林物資の品質基準を定める制度 |
| 区分 | 8種類に分類 | 「オリーブ油」「精製オリーブ油」の2種類 |
| エキストラバージンの定義 | 明確に定義されている | 定義なし |
| 品質評価方法 | 酸度+化学検査+官能検査 | 主に酸価による基準 |
| 基準 | エキストラバージンは酸度0.8%以下 | オリーブ油は酸価2.0mg KOH/g以下 |
| 官能検査 | IOC認定パネルによる官能評価が必須 | 規定なし |
| 表示への影響 | 基準を満たさないとエキストラバージンと表示できない | 酸度基準を満たせばエキストラバージンと表示される場合がある |
日本の基準では「エキストラバージンオリーブオイル」の定義がありません。表示は輸入業者やメーカーの自主表示に依存しているのが現状です。
そのため、、エクストラバージンオリーブオイルがIOC基準と同等の品質とは限らない場合があります。
なぜ日本には「偽物のエキストラバージン」が流通すると言われるのか?
国内で「偽物のエキストラバージン」が指摘される背景には、IOC基準とJAS規格のギャップがあります。
IOC基準の酸度とJAS法基準の酸価は異なる指標です。酸度はオレイン酸としての割合、酸価は中和に必要なアルカリ量となっています。
JAS法基準の酸価2.0mg KOH/gは、IOC基準の酸度1.0%と同等です。
JAS規格では酸度2.0mg KOH/g以下であれば、IOC基準で「バージン」に分類されるオイルでも、国内では「エキストラバージンオリーブオイル」として販売される可能性があります。
高品質なオイルを求める場合、JAS規格の表示だけでなく、IOC基準への準拠、酸度の数値、製法、認証マークなどを確認することが重要です。
料理によるオリーブオイルの使い方の違い
オリーブオイルは、種類ごとの特性に合わせて使い分けると、料理の味を引き立てます。基本はエキストラバージンオリーブオイルは「生食」オリーブオイルは「加熱」で使い分けます。
生食や仕上げには香りを最大限に活かすエキストラバージンオリーブオイル
エキストラバージンオリーブオイルは、豊かな風味と香りが魅力です。
そのため、加熱しないでフレッシュさを楽しむ使い方が適しています。熱を加えなければ、ポリフェノールなどの栄養成分は損なわれません。
サラダのドレッシング、パン、カルパッチョ、スープなどが代表的な使い方です。調理の最後にパスタやグリルした肉・魚に加えると、料理の香りが引き立ちます。
揚げ物・炒め物にはオリーブオイル
炒め物や揚げ物などの加熱調理には「オリーブオイル(ピュアオリーブオイル)」が向いています。
風味が穏やかでクセがなく、食材の味を邪魔しないからです。しっかりと火を通したい、和食の煮物や中華の炒め物などにも使えます。
価格が手頃なため、炒め物や揚げ物のようにオイルを多く使う調理におすすめです。アヒージョやグリルのように、じっくり火を通す料理にも向いています。
エキストラバージンオリーブオイルは加熱NGなわけではない
エキストラバージンオリーブオイルであっても、加熱しても問題ありません。他の植物油と比較して安定性が高く、加熱調理しても劣化しにくいからです。
ただし、高温で加熱すると繊細な風味や香りが失われるため、加熱調理は避けるほうがよいとされています。また、加熱調理では、ポリフェノールなど熱に弱い栄養成分の一部も損なわれます。
エクストラバージンオリーブオイルの加熱については以下の記事で詳細に解説しているので、あわせて参考にしてください。

良質なエキストラバージンオリーブオイルの選び方

良質なエキストラバージンオリーブオイルを選ぶには、容器・ラベル情報・認証マーク・価格を確認することが大切です。
まず、光による劣化を防ぐため、濃い色のガラス瓶や缶など遮光性の高い容器を選びましょう。次にラベルで酸度(0.8%以下)や収穫時期、産地を確認すると品質の目安になります。
さらに認証マークがあれば信頼性が高いと判断できます。なお、極端に安い製品は品質が低い可能性があるため注意が必要です。
良質なエキストラバージンオリーブオイルの選び方は、以下の記事で詳細に解説しています。あわせて参考にしてください。

オリーブオイルの違いを理解して、料理が楽しくなる最適な一本を選ぼう

容器の遮光性、ラベルの酸度や産地、認証マークなどを確認するという明確な基準を持てば、目的に合った一本を選べます。
エキストラバージンオリーブオイルはサラダやパスタの仕上げに、ピュアオリーブオイルは炒め物や揚げ物に使用します。この使い分けを実践するだけで、日々の料理は風味豊かになります。


