エキナセアの効果効能|ハーブティーの飲み方と注意点「風邪・花粉症予防に期待」
さまざまなウイルスが蔓延するこの季節。
体の免疫力を高め、感染症の予防として海外でも人気を博しているハーブ「エキナセア」をご存知でしょうか。
特にドイツでは専門委員会でも認められるほど、その効果・効能が期待されており、ハーブティーや製剤として親しまれています。今回は、そんなエキナセアの効果効能、飲み方について詳しくご紹介します。
記事の監修
管理栄養士
安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
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「最近風邪をひきやすい」「免疫が落ちてきた気がして」という方におすすめの“エキナセア”。エキネシアやエキネセアと呼ばれます。北アメリカの先住民が薬草として使用していたのでインディアンのハーブとも呼ばれ古来から重宝されています。
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エキナセアの効果・効能
エキナセアについて
エキナセア(英語:Echinacea)とは、北アメリカ原産と言われるキク科ムラサキバレンギク属の多年草植物です。和名の正式名称は「ムラサキバレンギク」、花言葉は「優しさ」です。名前として一番知られている「エキナセア」は、属名のラテン語に由来します。
アメリカの国立生物工学情報センターによれば、他の薬草などと比べるとエキナセアの歴史は比較的浅く、考古学的にエキナセアが薬草として使われていた証拠は18世紀頃だとされています。
先住民族インディアンには、あざ、やけど、虫刺され、歯痛、喉の炎症、鎮痛剤、咳、腹痛、そして蛇に噛まれた時など効果・効能があるとされ、幅広く用いられていました。
効果1 免疫力アップ
エキナセアには免疫を活性化させる多糖類、糖たんぱく質、揮発油フラボノイド類など数々の物質が含まれています。これらの物質は免疫情報をリンパ球に伝える役割を果たすマクロファージの増殖と活動を活性化させ、リンパ球の働きを促進させる効果があるようです。
加えて炎症反応時に働くサイトカイン(インターフェロン、インターロイキン)の生成も促すため、エキナセアは免疫力アップの効果・効能があると期待されているのです。
効果2 抗ウィルス、抗菌作用
エキナセアに含まれる物質には、抗菌、抗ウイルス作用もあります。
これが体内に侵入した風邪やインフルエンザの菌を沈静化させる効果があると考えられており、上気道感染症や膀胱炎・尿道炎といった泌尿器系の感染症や、ヘルペスなどのウイルス感染症、カンジダなどの真菌症の治療に使用されます。
効果3 消炎作用
実生活においてエキナセアを使用した場合、ウイルスにより誘発された炎症作用が軽減されることも明らかになっています。
風邪やヘルペスなどのウイルスにより引き起こされた炎症を抑えるのにも役立つと言われています。
効果4 皮膚疾患の回復
こうした抗菌作用や消炎作用から、エキナセアは皮膚疾患の回復にも効果・効能が期待されています。アメリカの先住民族があざややけど、虫刺されなどに使用していたのにはこうした効果・効能を肌で感じ取っていたからなのかもしれませんね。
エキナセアは風邪予防になる?
エキナセアの効果・効能部分でも触れましたが、エキナセアに含まれる成分(多糖類、糖たんぱく質、揮発油フラボノイド類などの物質)は免疫情報をリンパ球の働きを促進させる効果が期待されており、免疫の活性化に役立つと言われています。
そのため、風邪やインフルエンザといった上気道感染の病気に、内服用としてエキナセア単独や、医薬品の補助療法として用いられることがあるようです。欧米では風邪などの予防にエキナセアティーが利用されていることも多いです。
加えて炎症反応がある際には、免疫力アップの効果・効能があるサイトカイン(インターフェロン、インターロイキン)の生成も促すため、風邪をひいた際の炎症抑制も期待できます。
ただし、症状を軽くし、治りを早めることができると言われているのは初期段階に摂取した場合のみで、症状が悪化した後の摂取では、十分な効果・効能は得られないとされているようです。
とは言えエキナセアが怪我や病気に効くことを証明する明確な証拠はまだ十分でなく、予防としてはあまり効果がないという意見が医学的には主流のようです。風邪やインフルエンザの症状が見られたら、まずは医療機関を受診するようにしましょう。
参考文献:
・[History of a plant: the example of Echinacea].
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/12808356
・Echinacea
https://nccih.nih.gov/health/echinacea/ataglance.htm
種類によって効能がないものも?
エキナセアは近年急速に品種改良が進み、丈が短く、花の色や形が豊富な園芸品種もよく見られるようになりました。エキナセア本来の品種はハーブとして分類されていますが、現在日本の園芸用として出回っているエキナセアは多くが観賞用として改良されたもののため、ハーブとしての効果・効能はありません。
ハーブとしての効果・効能が認められ、栽培されているのはプルプレア(パープレア)種とアンギスティフォリア種、パリダ種です。その他に、テネセーンシス種やパラドクサ種など9種類のエキナセアがあり、そのいずれも北米を原産としています。
エキナセアの飲み方・使い方
ハーブティーなどの内服にも、チンキ剤として外用にも利用されるエキナセア。特にエキナセアティーの葉は、最近インターネット通販でも購入することができるようになりました。
ここでは、エキナセアティーの飲み方や、使用方法についてご紹介します。
ハーブティーとして
ドイツ連邦保健庁の専門委員会の1つであるコミッションEによれば、エキナセアティーは乾燥させたエキナセア約1gに対し熱湯150〜240mLで10〜15分抽出するのが良いとされています。
推奨量は、1日5〜6回です。冬にははちみつや生姜を入れてもいいでしょう。
免疫系に負担をかけないよう、エキナセアティーの8週間の服用後には1、2週間の休みを入れる方が良いとする方法もあるようですが、8週間以上の服用でも危険性などはないとされています。医薬品ではないため、8週間以上病気などの症状の改善が見られない時は、医療機関の受診をおすすめします。
デトックスウォーターやチンキ剤としても
エキナセアティーの強い味が苦手という方には、エキナセアをデトックスウォーターにするのはいかがでしょうか。エキナセアと一緒に好みのフルーツなどを透明の瓶に入れれば見た目も華やかです。どうしても苦味が気になる方は、レモンやはちみつ、生姜を加えるのもおすすめです。
市販の飲料と違い保存料が入っていないため、24時間以内には飲みきるようにしましょう。特に夏場はしっかりと煮沸消毒した、綺麗なボトルを使用します。
また、エキナセアでチンキ剤も作ることも可能です。乾燥のエキナセアを 1:10の割合で65%アルコールに浸し、2週間ほど置いて漉したらチンキ剤の完成です。
65%アルコールが無ければ、ウォッカなどを使用するのも良いでしょう。風邪のひきはじめなどに5滴をお湯に入れ、1日1-3回服用するのがおすすめです。エキナセアのチンキ剤は、市販品も市場に出回っています。
エキナセアはサプリやクリームにも
アメリカやドイツで特に人気の高いエキナセアは、サプリや外用のクリームでも利用されています。サプリなどの製剤は、腸管の免疫組織に働き、舐めて服用すれば咽頭の免疫組織にも有効だと言われています。
市場には、エキナセア以外にも数種類のハーブやオイルをブレンドしたクリームも販売されています。新鮮な地上部のエキナセアの圧搾汁を15%以上ワセリンなどに含ませれば自家製クリームも作ることができます。
過去には注射剤として利用された例もあるようです。
注意点
エキナセアには免疫系に作用する物質が含まれているため、ドイツコミッションEでは理論上、進行性の全身性疾患(結核、白血病、膠原病、多発性硬化症、AIDS、HIV感染やその他の免疫疾患)の患者に対するエキナセアの使用を禁忌としています。該当者の方は注意が必要です。
EMEA(欧州医薬品審査庁)では1歳未満の幼児の使用を禁忌としており、ドイツでは6歳以上の子どもには、成人の使用量の半分から2/3での使用を奨めています。
また、イギリスのMHRAでは、皮膚の腫れといったアレルギー反応や肺の軌道縮小、ぜん息やアナフィラキシーショックなどの副作用の可能性があるとして、12歳以下の子どものエキナセアの服用は控えるよう、注意を呼びかけています。
小さいお子様のいるご家庭などでは、保管場所や摂取量にご注意ください。
エキナセアの副作用~妊娠中や菊アレルギーは?
経口摂取の場合は副作用が無いとされるエキナセアですが、エキナセアはキク科のため、まれにキク科の植物にアレルギーを持つ人が発疹や喘息、アナフィラキシーといったアレルギー反応を起こしてしまう場合があります。
ブタクサや菊、マリーゴールドなど、ヒナギク科の植物にアレルギーがある方は、副作用としてエキナセアにもアレルギー反応を起こしやすいようです。喘息やアトピーを持つ方もアレルギー反応を起こす可能性が指摘されており、注意が必要です。
一方で、妊婦の方のエキナセア摂取による胎児の奇形やその他の妊娠に対する悪影響は研究から見つかっていません。副作用が不安な方は、かかりつけの医師に相談の上、エキナセアを服用するかどうかをご判断ください。
また注意点でも述べたように、エキナセアには免疫系に作用する物質が含まれています。ドイツコミッションEではその理論上、進行性の全身性疾患(結核、白血病、膠原病、多発性硬化症、AIDS、HIV感染やその他の免疫疾患)の方へはエキナセアを使用しないこととしています。
そしてこちらも繰り返しになりますが、1歳未満の幼児へのエキナセアの使用禁止と、6歳以上の子どもへのエキナセア使用の制限(成人の使用量の半分から2/3)が推奨されています(欧州の専門機関EMEA(欧州医薬品審査庁)とドイツにて)。国や地域ごとにエキナセアの使用の制限方法は異なりますが、12歳以下の子どもへの使用も、アレルギー反応や肺の軌道縮小、ぜん息やアナフィラキシーショックなどの副作用の可能性があるとしてイギリスのMHRAでは注意が呼びかけられているため、特に小さいお子様のいるご家庭では保管場所・摂取量ともに十分注意してください。
ハーブとしてのエキナセアも園芸種としてのエキナセアも栽培方法に大きな違いはありませんが、ハーブティーなど飲食用のハーブとして利用したい場合には、購入前に品種をよく確認しておきましょう。
●管理栄養士からのコメント
免疫力アップや抗ウイルスに効果のあるエキナセア。風邪が気になる季節など予防のために取り入れるといいですね。
管理栄養士プロフィール
◎安藤ゆりえ
老人保健施設の管理栄養士を経て、健康を維持するためには若いうちからの食生活の大切さを実感。
2016年フリーランスとして活動を開始。レシピ開発や栄養指導、料理教室、食に関するコラムの執筆などを行っている。
また「食を見直すならまずは毎日使う調味料から」をコンセプトに地元愛知県三河のみりんや味噌などの伝統的な調味料の素晴らしさを伝えるセミナーなども開催。
食や栄養に関すること全般ですが特に
・調味料について(みりん、味噌や醤油などの製法やどんなものを選ぶと良いかなど)
・体に優しいスイーツの選び方、作り方
・ダイエットレシピの考案
・時短レシピの考案を得意としています。
エキナセアについてのQ&A
- 園芸用のエキナセアもハーブとして使えますか?
- ハーブとしての効果・効能が認められているのは、エキナセアの中でもプルプレア(パープレア)種とアンギスティフォリア種、パリダ種と呼ばれる3種類です。
その他の種類のエキナセアは鑑賞用の農薬が使用されている場合もありますので、ハーブとしてエキナセアの栽培を検討されている方は、必ず品種をよくご確認ください。
- エキナセアは風邪を引いてからでも効きますか?
- エキナセアの効果・効能に対する医学的根拠は十分ではないとされていますが、エキナセアに含まれる成分は免疫活性化の効果・効能があるとされています。
症状を緩和させ、治りを早めるのは初期段階に摂取した場合と言われているため、風邪を引いた際にエキナセアティーなどを摂取する際は、できるだけ早めの服用をおすすめします。
- エキナセアはどんな環境で育てれば良いですか?
- エキナセアは鉢植え・地植えのどちらでも栽培が可能です。水はけの良い土を選び、日当たりと風通しの良い場所で栽培しましょう。
- エキナセアティーを毎日飲んでも平気ですか?
- エキナセアティーは毎日飲んだからといって、副作用が出ることはないとされています。
免疫系に負担をかけないよう、8週間の服用を目処とし、その後1、2週間の休みを入れた方が良いとする飲み方もあります。風邪など諸症状の緩和を目的にエキナセアを利用される際は、8週間経っても症状が改善されない場合、医療機関の受診をおすすめします。
- エキナセアティーは子どもが飲んでも平気ですか?
- 子どものエキナセアの摂取については、国ごとに異なった見解が認められています。EMEA(欧州医薬品審査庁)によれば1歳未満の幼児の利用は禁忌、ドイツでは6歳以上の子どもには、成人の使用量の半分から2/3での利用を推奨しています。
さらにイギリスのMHRAでは、子どものアレルギー反応を誘発するとして、12歳以下の子どもには服用させないよう注意を呼びかけています。保管場所についても注意しましょう。
該当しない年齢の子どもであれば、はちみつなどを入れて飲みやすくするのもおすすめです。
- エキナセアティーは妊婦が摂取しても安全ですか?
- エキナセアの摂取による妊婦やその胎児への悪影響は、今までの研究から認められていません。
しかし、キク科のアレルギーの方、ぜん息やアトピーの方はまれにアレルギー反応などの副作用を起こしてしまう可能性があるため、不安な方はかかりつけの医師にご相談の上、エキナセアティーを服用するかをご判断ください。
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