おならがよく出る原因は?5つの原因と今日からできる解決方法
記事の監修
管理栄養士
稲尾貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。
人にはなかなか相談できないおならの悩み。
よく出る・臭いが気になるといった症状は、実はあなたの腸内からのサインかも?!
この記事では、おならがよく出るさまざまな原因をご紹介。今日から試せる解決方法で、おならを気にしない毎日を手に入れましょう!
おならがよく出る5つの原因
おならの正体は、大部分が腸内でつくられるガス。
健康な人でも一日に5~6回程度は出るといわれており、よく出るとしてもそれほど心配することはありません。
とはいっても、おならの回数があまりに多いと人前に出るのが恥ずかしくなったり、おならが気になって生活が楽しめなくなったり…。できれば治したいと思う方も多いでしょう。
また、症状が続く場合は不調や病気が隠れていることもあるといいます。
まずは「自分のおならの原因は何なのか?」をつきとめることが、おならの悩み解消の第一歩です。
原因1. 便秘
おならに困っている人に多いのが「便秘」。
便秘の場合は、おならの回数が増えるだけでなく臭いがきつくなるのが特徴です。
便が腸内に滞ると腸内の悪玉菌が増えますが、この悪玉菌がタンパク質などを分解して作られるのがチッソや硫黄、アンモニア、ニトロソアミンといった有害物質。
これらは臭いがきつく、身体にとっても有害なため、便秘が原因のおならは早急に解決すべきです。
自分では便秘と意識していなくても、実はお腹の中に便が溜まっているということも多いそう。
おならの数だけでなく臭いが気になるという方は、便が出た日や量、においや形状を記録する「便日誌」をつけてみたり、「スルッと出るか」「残便感がないか」などをチェックして、便秘でないかどうかをチェックしてみてください。
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原因2. 食べ物
イモ類を食べるとおならが出る…なんていう話を聞いたことがある方も多いかもしれませんね。
おならは食べ物の内容によって変化します。
おならの回数という点でいえば、食物繊維、中でも水溶性食物繊維は腸内細菌に分解されてガスを発生させやすいそうです。
食物繊維は腸にとってはよい面がたくさんあり、積極的に摂ってほしい成分。
この時のガスは炭酸ガスやメタンガスで、臭いも少なく、特に身体に害のあるものではありません。
そのため、健康面からいえば特に気にすることはないのがこのタイプのおならです。
そうはいっても気になる!という方は、便秘ではなく、特定の食べ物の摂取とおならに相関関係がありそうだと思われる場合に、少し控えてみるのもいいでしょう。
また、乳糖不耐症の方が乳製品を摂取した場合にもおならが出やすいそうです。
牛乳などを飲むと決まってお腹がゴロゴロする、おならが出る…という方は、乳糖不耐症の可能性も考えてみてください。
原因3. ストレス
ストレスが腸に与える影響は大きく、これがおならの原因として挙げられることも多いようです。
検査をしても特に問題ないといわれるのに、便秘になってウサギのフンのようなコロコロした便が出たり、かと思ったら下痢になったり…。そんな症状がある場合は、ストレスが原因となって腸がけいれんし、蠕動運動がスムーズに行われなくなっているのかもしれません。
このタイプの方は食べるとすぐに腹痛があることも。
下痢や便秘の症状が続くと腸内環境が悪化し、回数だけでなく臭いも気になるようになってくるため、解決が必要なおならです。
原因4. 病気
おならが病気とつながっていることは稀ですが、次のような症状を伴う場合は病院へ行って検査をしてもらうと安心です。
- ・原因3に挙げた「下痢と便秘の繰り返し」が長期にわたり続く場合
- →過敏性腸症候群(IBS)の可能性があります。
- ・血便が出る・粘液のついた便が出るほか、便が出にくい・便が細い・腹痛がある・腹部の張りがある
- →大腸ポリープ・大腸がんの可能性があります。
その他に考えられる原因
腸内細菌が出すガスのほか、早食いや緊張から空気を飲んでしまうことによりおならが出やすくなることもあります。
特に問題のあるおならではありませんが、症状が続いて苦しい場合、おならだけでなくゲップもよく出る・腹部膨満感を伴うという場合は、「呑気症(空気嚥下症)」の可能性も考えてみてください。
また、妊娠中におならが出やすくなったという方も多いのですが、これは妊娠中は膨らんだお腹に圧迫されて便秘になりやすく、腸内環境が悪化しやすいことが原因のようです。
- 子どものおならがよく出る場合は?
- まずは便秘の症状がないかどうか、機嫌は悪くないかを見てください。
- 子どもは空気を飲んでしまうことも多いので、便秘ではなく、機嫌がよさそうであれば、様子をみていても問題ありません。
- 腹痛を訴えるなど他の症状があれば医師に相談してください。
腸内環境を優しく整えたい方に
腸内環境とおならの関係
おならの悩みに深くかかわっているのが腸内環境です。
腸内環境が悪化すると悪玉菌が増加し、次のような症状につながります。
- ・おならにチッソや硫黄、アンモニア、ニトロソアミンといった成分が含まれ、臭いがきつくなる
- ・便秘の原因となり、さらにおならの症状と腸内環境が悪化する悪循環に
- ・放置すると悪玉菌が生み出した有害物質が全身に影響を与える
今回4つ挙げたおならの原因のうち、「原因2」以外はすべて腸内環境に関係しています。
腸の不調は全身に影響を及ぼし、万病の元とも。
おならが腸の不調を知らせるサインかもしれないと思ったら、次からの腸内環境改善法を試して、すっきり元気な腸を目指しましょう!
今日からできる腸内環境改善法
改善法1. 運動で腸を動かす!
腸は外部からの刺激を受けなくなると蠕動運動が弱くなり、働きが鈍ってしまいます。
また、腹筋が弱くなると排便のときにうまくいきめなくなり便秘がちに。
特におすすめなのはウォーキングで、1回30分程度を、軽く汗をかくくらいのスピードで行うことがよいとされています。
ただ歩くだけではあまり効果はないため、背筋を伸ばす、腕を振る、歩幅をやや広くとるなど姿勢に気をつけながら行ってみてください。
腸の形によっては、ウォーキングでは効果がないことも。
その場合は上半身をひねる動きのある、テニスやダンス、ラジオ体操がおすすめです。
改善法2. 食事を変えれば腸も変わる!
腸のためには、まず次のことに気をつけて食生活を送るようにしましょう。
- ①水をしっかりとる
- …リズムよい排便のためには1日2リットルの水が必要です。食事中はもちろん、こまめに水分をとりましょう。
- ②食物繊維をバランスよくとる
- …老廃物を速やかに排出するのに役立つ食物繊維。不溶性・水溶性のバランスが大切です。特に不足しがちな果物や海藻などの水溶性食物繊維は意識して摂りましょう。
- ③発酵食品をとる
- …ヨーグルトや漬物、納豆などが効果的。毎日継続して摂ることが重要です。
- ④オリゴ糖をとる
- …善玉菌のエサとなるオリゴ糖。1日3~5gを目安に、毎日継続して摂取することが重要です。
さらに大切なのが、食べるタイミングです。
眠る前の3時間はものを食べず、胃を空っぽにすることで、睡眠時にしっかりと小腸が働き、便の元を大腸へと送り出してきれいな腸をつくるといいます。
夕食は眠る2~3時間前には済ませ、夜食は食べないことを徹底しましょう。
改善法3. 睡眠を整えて腸をきれいに
人間の身体には、睡眠中に腸管をきれいにする「モチリン」というホルモンがあります。
モチリンは腸管に「空腹時収縮」という収縮を起こし、消化酵素や消化管ホルモンの分泌を促して、腸内をきれいに掃除してくれるそうです。
モチリンを分泌するためには、十分な睡眠時間をとることはもちろん、その質の高さも大切。
眠る前の2時間はテレビやスマホなどで脳を刺激せず、ゆったりとぬるめの風呂に浸かるなどしてリラックスしてから睡眠に入ることで、しっかりと腸をお手入れし、いたわりましょう。
改善法4. ストレスとうまく付き合って腸にやさしく
特に「原因3」の方に意識していただきたいのが、ストレスとの付き合い方。
腸の働きは自律神経と密接なかかわりがあり、ストレスによって運動に異常が出てしまうのです。緊張や不安など、現代生活にはさまざまなストレスがつきものですが、「ゆるめる時はゆるめる」を意識することで、バランスをとっていきましょう。
おすすめは腹式呼吸。
腹式呼吸は、自分で自律神経を整えることのできる数少ない方法です。電車に乗っているときやトイレに入っているとき、眠る前などいつでもできるので試してみてください。
そのほか、次のような試みもおすすめです。
- ・アルコールやカフェイン、ニコチンなどは控えめに。腸や神経を刺激してしまうといわれています
- ・冷え性の方はお腹を温めて。腸の血行もよくなり、働きがよくなるといわれています
善玉菌摂取でおならを改善!
腸内環境改善の基本は、ここまで挙げてきたような生活習慣の改善が第一。
でも、「食事の改善が難しい」「忙しくて、運動する時間がとれない」など、徹底するのは難しいという方もいますよね。
そんなときに善玉菌を増やす助けをしてくれるのが、乳酸菌やオリゴ糖などのサプリメントです。
善玉菌が増えると腸内は酸性になり、悪玉菌の増殖を抑制。腸の蠕動運動も促し、便秘やストレス性のおならの回数や臭いを正常な状態に近づけます。
サプリメントをとるときのポイント
<サプリメントを摂るタイミングは?>
乳酸菌をとるときのタイミングは、いつでもかまいません。
食後の方が生きて腸に届きやすいという説もありますが、そもそも死んだ菌も腸内に住んでいる善玉菌のエサになり、生きた菌と変わらない効果があるといわれています。
継続しやすいタイミングで摂取しましょう。
<大切なのは摂取し続けること>
乳酸菌やオリゴ糖などの摂取について大切なのは、継続です。
乳酸菌は、数回摂れば腸内に定着して勝手に増えてくれるわけではなく、基本的にはすでに腸内にいる善玉菌のエサになったり、その活動を支援したりする役割を担うだけだといわれています。
オリゴ糖も同じで、摂取している間は善玉菌が増えていきますが、摂らなくなればやがてその数は元に戻ってしまうそうです。
選ぶときには継続しやすいものを選びましょう。
<効果がないのは相性のせいかも?>
腸に生息する腸内細菌の種類や構成は人によって全く違います。そのため、例えば同じ乳酸菌を含有したヨーグルトやサプリメントでも、人によって合う・合わないといったことがあるようです。
乳酸菌サプリメントは二週間ほど試すと効果が実感できることが多いそうですので、すぐに効果が実感できなくてもしばらく続けてみることをおすすめします。
1種類のサプリメントで効果がない場合は他のものを試してみるのも選択肢のひとつです。
植物由来の乳酸菌で腸内をケアしたい方に
おならがよく出ることについてのQ&A
- 注意しなければならないおならについて教えてください。
- 臭いがきつい場合は腸内環境の悪化が考えられます。また、血便など大腸の病気が疑われる症状がある場合は医師の診断を受けてください。
- おならの臭いがくさくない場合も問題ですか?
- おならの臭いがなく、便がすっきりと出ていて痛みやお腹の張りなど他に困った症状がない場合は、特に問題のないおならであることが多いようです。しばらく様子をみてみてください。
- おならが一日に何回くらい出たら普通じゃないのでしょうか?
- 成人のおならは1日に5~6回といわれていますが、個人差があり、10回以上出ることも珍しくはないようです。臭いに問題がなければ、放っておいても問題のないケースも多いといわれています。
- おならがよく出る症状を放っておくとどうなりますか。
- 便秘や過敏性腸症候群など腸内環境の悪化が原因である場合、有害物質の発生によって全身に影響が及んだり、症状が深刻化していくこともあります。
- おならを止める薬があると聞いたのですが。
- 腸内にたまったガスを出しやすくする薬は市販されていますが、おならを止める薬はありません。
●管理栄養士からのコメント
ウォーキングやストレッチなどの運動で腸を刺激して大腸の動きを良くし、便やおならが出やすい状態を維持することも大切です。
また、食事では、乳酸菌やオリゴ糖、食物繊維を摂ることが大切です。乳酸菌で腸内の善玉菌を増やし、オリゴ糖や食物繊維は善玉菌のエサになるので、腸内環境を整えることができます。
免疫力アップにつながるので、腸内環境は良好な状態を維持したいものですね。昔ながらの和食には、乳酸菌を含む発酵食品が多いのでおすすめです。
ご飯には玄米や麦などを加えると食物繊維を摂ることができますし、味噌汁には海藻や野菜をなるべくたくさんの種類を入れることで素材そのものの旨味も加わり、美味しい味噌汁になりますよ。
管理栄養士プロフィール
◎稲尾 貴子
管理栄養士として病院や保育園に勤務した経験があります。延べ1万人以上の栄養指導実績があり、得意分野は糖質制限や塩分制限、減量などの栄養サポートです。パン作りが趣味の2児の母です。食欲旺盛なこども達のためにパンを作り始めたところ、パンの奥深さに魅了されています。
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