便秘じゃないのにおならが臭い原因とは?改善するための食べ物と対策法

「便秘ではないのにおならが臭い…」「おならがゆで卵のような臭いで困っている…」そんな悩みを抱えている方は少なくありません。自分のおならの臭いが気になると、病気じゃないのか不安になる方もいるでしょう。
この記事では、便秘ではないのに臭いが強くなる原因を5つに分けて詳しく解説します。また、臭いを改善する具体的な方法や食生活の見直し方もご紹介。
おならの臭いの悩みが解消すれば、日常生活でのストレス軽減が可能です。おならの臭いに効果的な腸活を、今日から始めてみませんか?
おならの臭いは「健康をはかるバロメーター」!

おならはすべて悪者? いいえ、そんなことはありません。
おならには「いいおなら」と「悪いおなら」があり、臭くて健康によくない「悪いおなら」だけが問題なのです。
「いいおなら」は、食事中に飲み込んだ空気や、腸内細菌がエサとなる食べ物を分解したときにできた水素や炭酸ガス、メタンなどのガス。これは健康な人でも出しているおならです。ほとんどにおいがなく、身体にも害がありません。
「悪いおなら」は硫化水素、アンモニア、ニトロソアミン、インドール、スカトールといった臭い成分を含んだおなら。
このニトロソアミンという成分は発がん物質でもあり、大腸がんの原因にもなるといわれています。
おならが出るかどうかに限らず、このような物質が腸の中で作られているということに問題がありそうです。
では、「悪いおなら」は一体どのようにして生まれるのでしょうか?
便秘じゃないのにおならが臭い理由5選

大腸内にはさまざまな腸内細菌が住み、胃や小腸で分解されなかった食べ物を消化・分解しています。この時に作られるのが、さまざまな種類のガス。便とともに排出されるものもあれば、おならとして肛門から出るものもあります。
「臭いおなら・悪いおなら」の元は、消化されずに大腸までやってきた動物性たんぱく質や脂肪。
これらを悪玉菌が分解すると、前述のような有害な臭い物質に変化するのです。
例えば便秘などはわかりやすいでしょう。腸内に食べ物が長い時間とどまっていることで、おならの臭いはきつくなります。しかしおならが臭い理由は便秘だけではありません。
それどころか腸活やダイエットで健康に気を遣っている人でも、おならが臭い場合があります。ここでは便秘じゃないのにおならが臭い理由を、5つの観点からご紹介します。
- 腸内フローラの乱れがゆで卵のような臭いを作り出している
- ヨーグルトが体質に合っていない
- 消化不良で悪臭のガスが発生している
- 臭いを発生させやすい食べ物や飲み物を摂取している
- 病気により腸が傷ついている
それぞれ見ていきましょう。
腸内フローラの乱れがゆで卵のような臭いを作り出している
毎日お通じがあり便秘ではない場合、おならの臭いの原因は腸内フローラの乱れである可能性があります。腸内フローラが乱れると、腸内に悪玉菌が増えるからです。
腸活を頑張っているのに、おならが臭い時に疑うべきなのがストレスです。ストレスによって、腸内環境が乱れるという研究結果があります。
ストレスで腸内フローラが乱れた結果、便秘を感じていないのにおならが臭うようになるのです。
ヨーグルトが体質に合っていない
便秘ではないのにおならが臭い原因のひとつが、ヨーグルトが体質に合っていないことです。
日本人のほとんどが乳糖不耐症であり、一般的な乳製品を消化できない傾向があります。その結果、腸内で臭いの強いガスが発生している可能性があります。
乳糖不耐症とは乳製品に含まれる乳糖を分解できない症状です。2003年に聖霊女子短期大学が調査したところ、対象者の82.4%が乳糖不耐症だと判定されました。
ヨーグルトを食べた後にお腹が張ったり、下痢をしたりする場合、乳糖不耐症の可能性があります。ヨーグルトの量を控えめにするか、「乳糖ゼロ」や「低乳糖」のヨーグルトを選ぶと良いでしょう。
参考:
におい・かおり環境学会誌 36巻5号 においと疾病─生体ガス測定から何が拓けるか
内閣府 食品安全委員会 欧州食品安全機関(EFSA)、乳糖不耐症及びガラクト-ス血症における乳糖の閾値に関する科学的意見書を公表
消化不良で悪臭のガスが発生している
消化不良を起こしていると、便秘じゃなくてもおならが臭くなることがあります。
食べ物が十分に消化されず大腸に届くと、腸内細菌がそれを分解します。この分解過程で、硫化水素やアンモニアなど臭いの強いガスが発生するからです。
消化不良の要因は以下のようなものが挙げられます。
- 脂肪分の多い食事
- 食べ過ぎ
- ストレス
消化不良が続けば臭いの強いガスが生じ続け、おならの臭いも強くなっていくでしょう。特に脂肪は胃や腸で脂肪が十分に分解されないと、未消化のまま腸へ送られて吸収されにくくなります。
胃腸の調子が悪い状態が続く際は、食生活を見直すのがおすすめです。
参考
臭いを発生させやすい食べ物や飲み物を摂取している
臭いを発生させやすい食品や飲料を摂取していると、便秘じゃなくてもおならが臭くなることがあります。特定の食べ物や飲み物が腸内で分解される際、強い臭いを伴うガスが発生するからです。
例えば玉ねぎ、にんにく、キャベツ、ブロッコリーなどは硫黄を含んでいます。硫黄は分解されると硫化水素という匂いが強いガスが発生するのが特徴です。また肉や卵、乳製品なども、悪玉菌により匂いが生じやすい食材です。
そのため肉や野菜を中心に食べる糖質制限ダイエットは、おならの臭いの原因となります。過剰な糖質摂取は、健康や美容のために控えたいものです。
しかし極端に糖質を制限すると、必然的に卵や赤み肉などの動物性たんぱく質を多く摂ることになります。その結果、腸内に悪玉菌が増え、おならの匂いが強くなるのです。
身体に無理のないダイエットの基本は、バランスの良い食事。糖質は適度に摂ることを心がけましょう。
病気により腸が傷ついている
腸が病気になると、臭いの強いおならが出ることがあります。腸が傷ついて消化や吸収がうまくいかなくなるからです。
腸がダメージを受けると、食べ物が消化されずに腸内で腐敗します。その結果発生するのが、硫化水素やアンモニアなどの臭いガスです。
また、腸内環境が悪化すると便秘や下痢を引き起こし、さらに腸を傷つける原因となります。
参考:
心身医学 Vol. 58 No. 6, 2018年 腸管ガスに関連する症状を主訴とする病態と
治療法の研究の動向―過敏性腸症候群・呑気症・自己臭症の視点から―
おならが臭すぎるのは病気?

便秘じゃないのにおならが臭い、おならがよく出る、おならが止まらない…もしかして何かの病気?と疑いたくもなりますよね。
でも、おならが深刻な病気と結びついているケースは少ないそうです。一般的な成人のおならの回数は1日に約5回と言われていますが、それより大幅に多かったとしてもそれほど心配はいりません。
食べ物と一緒に口から空気を飲んでしまった、ガスを作りやすい食べ物を食べたなど、おならが多くなる原因は主に食生活にあるといわれているからです。
おならの臭いについても、主な原因は「便秘や腸の不調」と「食べ物」。生活習慣や食生活の改善で悩みを解消できるケースがほとんどです。
ただし便や体調に異常がある際は、病気の可能性があります。特に1日に何回も便が出てしまうのにすっきりしない人は要注意です。
お腹の張りや痛み、血便などその他の症状がある場合や長期的に悩んでいる場合は医療機関を受診することをおすすめします。
もしも症状が出ていなければ、まずは食事と生活を見直してみましょう!
ゆで卵みたいな臭いの改善法
おならがゆで卵のような臭いを放つ場合、生活習慣や食習慣の乱れが原因です。改善する方法には以下があります。
- 朝食をしっかりと摂る
- 適度に身体を動かす
- 臭いおならの原料を断つ
- 乳酸菌(善玉菌)を積極的に摂る
- ストレスをためない
それぞれ見ていきましょう。
朝食をしっかりと摂る
お疲れの腸を整えるためには、生活習慣の見直しも欠かせません。3食しっかりと摂ることで便を出し、腸にスムーズな流れを作ります。
特に朝は腸の動きが活発な時間。 朝食をしっかりと摂ることで排便のリズムが整いやすくなるのです。「糖質制限」が流行っていますが、悪玉菌のエサであるたんぱく質ばかりを食べることは腸内環境にとってはよくありません。
食物繊維の豊富な玄米や押し麦、雑穀などを加えて、朝からきちんと炭水化物を摂るのがおすすめです。腸内環境を整えるためには、主食はパンよりご飯がおすすめです。
小麦やバター(脂肪)を含むパン食よりも、野菜や海藻、発酵食品を合わせやすいご飯食が便秘改善に効果的です。
適度に身体を動かす
身体を動かすことで、腸の動きも活発になります。腸内の便やガスの排出がスムーズになり、腐敗や発酵による臭いガスが発生しにくくなるでしょう。
運動する際は特に副交感神経が優位になる軽い運動がおすすめ。激しい運動は交感神経を刺激するため、かえって腸にストレスを与えてしまいます。 腸のためには散歩やストレッチがいいでしょう。
日々の家事や仕事で運動が難しい場合でも、座りながらできる簡単な体操を試してみてください。
臭いおならの原料を断つ
おならの臭いをなんとかしたい!というときに即効性があるのが食べ物の改善。「臭いおならの原料を断つ」ことで、おならの臭いを根本から変えてしまいましょう。
肉類などの動物性たんぱく質は悪玉菌のエサになり、インドール、スカトールなどのきつい臭いの原因になります。
特に脂肪の多い肉類は臭いがきつくなりやすいといわれています。たんぱく質は大切な栄養素ですが、野菜とのバランスを考えて量を決めるようにしましょう。
野菜類は善玉菌のエサとなる食物繊維を豊富に含んでいます。そのため腸内環境を整えるうえでは大切な存在です。
しかし野菜の中でも硫黄分の多いものはおならの「硫黄臭」の原因に…。肉類の摂りすぎを見直しても気になる時は豆類、玉ねぎ、にんにくなどを控えめにしてみるといいでしょう。
乳酸菌(善玉菌)を積極的に摂る
おならの成分は、窒素を主成分に、水素、炭酸ガス、メタンなどで構成されていますが、悪臭にかかわっているのは悪玉菌が作り出すアンモニア、アミン、硫化水素、インドール、スカトールなどの微量成分です。
ビフィズス菌、乳酸菌など善玉菌類は、食べ物(糖)を分解してもガスは発生させず、悪臭を生み出すこともありません。
腸内環境が善玉菌優勢になれば、おならも臭わなくなり、過度にでることもなくなります。

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ストレスをためない
ストレスがたまると腸の動きが悪くなり悪玉菌が増え、免疫力が低下します。
腸のためには、ぬるめのお湯にゆったり浸かるのがおすすめです。 腸もあたたまりますし、リラックス効果があり、ストレスを感じやすい腸の調子の改善につながります。
ストレス対策に乳酸菌飲料を摂取するのも良いでしょう。
例えば、ストレスがたまりやすい試験期間中の医学部の学生を対象に行った実験によると、乳酸菌発酵乳を4週間にわたり摂取してもらったところ、不安や不眠スコアが大幅に改善できたのです。
また唾液中コルチゾールというストレスホルモンの増加が抑制されることも確認されました。
おならの臭い対策となる食べ物

悪玉菌のエサや硫黄臭の原因になる食材を控える一方で、腸内環境を整えるためにたくさん摂りたい食材もあります。
善玉菌がたくさん入ったヨーグルトやぬか漬け、キムチなどは腸内環境を整える食事の筆頭です。
また、善玉菌のエサとなるオリゴ糖やゴボウやアスパラガスなどのオリゴ糖を含む野菜類もおすすめです。
おならを臭くする原因の食物 | おならの臭いを改善する食物 |
---|---|
・動物性たんぱく質(肉類) ・大豆などの豆類 ・玉ねぎ、にんにく、ねぎ ・牛乳の摂りすぎ ・コーヒーの摂りすぎ ・アルコールの摂りすぎ | ・ヨーグルト、ケフィア ・ぬか漬け、キムチなどの漬け物類 ・めかぶ、昆布、ワカメなどの海藻類 ・食物繊維の豊富な穀類 ・野菜類・果物類・オリゴ糖 |
※過敏性腸症候群やある種の便秘の方にとっては、食物繊維や発酵食品を控えたほうがよい場合もあります。体調に合わせて摂ってみてください。
善玉菌は一度食べれば腸に定着する訳ではなく、食べ続けていないとやがていなくなってしまいます。腸内環境改善のためには「継続」が大切です。
乳酸菌サプリを活用する
腸内環境を改善する食品ばかりを意識して取るのは大変・・という方は、乳酸菌サプリを試すのもよいでしょう。
イタリアのギオンチェティという学者が、潰瘍性大腸炎の患者さんに1日2兆個もの乳酸菌が含まれるサプリを摂取させることで、症状が改善されたという報告があります。
2兆個もの乳酸菌をヨーグルトで摂取するとなると、バケツ1杯分くらいは必要となりますから、さすがに難しいでしょう。
サプリであれば、ものによりますが1回分の分量に1兆~2兆個もの乳酸菌が含有されているのもあり、手軽に摂取することができます。
参考文献:
『腸を鍛える-腸内細菌と腸内フローラ-』光岡知足 祥伝社新書より
腸内環境の改善は免疫や肌、精神やアレルギーなどさまざまな部分に好影響を及ぼすといわれています。
おならの問題を解決するためだけでなく、いつまでも健康な心身で過ごすために、今こそ「腸活」始めてみませんか?

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