米粉はおいしい!米粉の特徴から活用法、米粉パンなどレシピも大集合
最近、よく小麦粉の隣で見かけるようになった、米粉(こめこ)。
「小麦アレルギーじゃないから関係ないし」と素通りしていませんか?
実は、米粉にはアレルギーをお持ちの方もそうじゃない方も、毎日使いたくなる魅力がたくさんあるんです。
米粉の特徴や気になる活用法、おいしいレシピまで、米粉の魅力をたっぷりご紹介します!
Contents List/目次
米粉とは
米粉(こめこ、べいふん)とは、米を製粉した粉のことです。
もち米で作られるものとうるち米で作られるものがあり、米の種類や加工方法によって「上用粉」「上新粉」「白玉粉」「道明寺粉」など様々な名前で呼ばれます。
「米粉」はそうした米の粉の総称としても使われますが、現在では単に「米粉」と言ったときには、製菓用に微細粉末にした米粉を指すことが多いようです。
※うるち米とは、普段ご飯として食べているお米のこと
米粉の種類と用途
ひとくちに米粉といっても、米の種類や作り方によって種類がいろいろ。それぞれ、次のような特徴があります。
総称 | 流通している名称 | 米の種類 | 特徴と用途 |
---|---|---|---|
米粉 | 上新粉 | うるち米 | 歯ごたえがあり、団子や草餅、ういろうに。 |
白玉粉 | もち米 | つるりとした食感で粘りがあり、白玉や大福もちに。 | |
もち粉 | もち米 | 白玉粉よりきめ細やか。求肥などに。 | |
米粉(製菓用米粉) | うるち米 | 上新粉より粒子が細かいものを指すことが多く、小麦粉と同様に洋菓子などにも使われる。 | |
玄米粉 | うるち米 | 普通の米粉よりも栄養価が高く、香ばしさも。 | |
製パン用米粉 | うるち米 | 米粉にグルテンを添加したもの。パン専用。 |
まぎらわしいのは、総称としての「米粉」と、流通している名称としての「米粉」があるということ。
上新粉も米粉の一種なので、「レシピに”米粉”とあるけど”上新粉”で代用できるよね?」と思われるでしょう。
しかし「米粉」として流通しているものと「上新粉」として流通しているものとでは性質も用途も違い、代用は難しいとされています。
米粉の特徴~米粉は小麦粉とどう違う?
米粉には、小麦粉にはない様々な特徴があります。
小麦粉の代用としてだけでなく、「米粉だからできる」活用法もたくさんあるのです。
以下に挙げた3点のほか、アミロペクチンというデンプンが多く、もちもちした食感が作れることも大きな特徴です。
特徴1 米粉は油を吸いづらい
米粉は油を吸いづらく、料理に使うとヘルシーでサクッとした食感を作り出すことができます。
- ・天ぷら粉などにするとサクサクの食感に
- ・時間がたっても衣がベタベタしないのでお弁当の唐揚げなどにも
- ・餃子の仕上げに溶いて入れるとパリッとした羽根つき餃子に
- ・パンの表面もサックリと軽い仕上がりに
特徴2 米粉は吸水量が多い
米粉でパンやケーキなどを作ると、小麦粉で作ったものより水分の割合が高い、しっとりした仕上がりになります。
- ・パウンドケーキ、シフォンケーキなどがしっとりとした仕上がりに
- ・米粉パンはパサつきが少なく、幼児や年配の方でも食べやすい
特徴3 米粉はダマにならない
米粉にはグルテンがないので小麦粉のようにダマにならず、お料理やお菓子作りの時に便利です。
- ・ホワイトソースや料理のとろみづけ、離乳食などに便利
- ・サラサラしていてあらかじめふるう必要もないのでお料理が楽
- ・いくら混ぜても粘りがでないので、クッキー生地などをしっかり混ぜてもサックリ
米粉は、身体にやさしい!
「米粉は身体にやさしい」「米粉は赤ちゃんにも安心」と言われる理由はどこにあるのでしょうか? 米粉の3つの特徴をまとめてみました。
グルテンフリー
米粉には、小麦アレルギーの原因ともいわれるグルテンが含まれないので、小麦粉アレルギーの方も安心して食べることができます。
グルテンは小腸に異常を起こして全身に様々な影響を与える、依存性があるなどとして、海外ではグルテンフリーの動きが広がっています。
米粉は小麦粉の代用として使える、グルテンフリー食の強い味方です。
ポストハーベストフリー
「ポストハーベスト」とは、収穫後に農薬をかけること。
長距離の輸送などの際、害虫やカビなどの害を受けないようにと散布されるもので、小麦粉の原料である輸入小麦も、その粒に直接農薬がかけられているものが多いといいます。
一方、日本で流通している米粉は国産のものがほとんど。
日本では収穫後の農作物に農薬をかけることは禁止されているので、安心して使うことができるのです。
玄米粉は健康効果が抜群!
米粉の中でも玄米粉には、米ぬかに含まれる栄養がたっぷり。
身体へのうれしい効果・効能もたくさんあるようです。
健康効果1 腸内環境改善
玄米には食物繊維が豊富。
米由来の食物繊維には、腸内の有用細菌を増殖させる効果があるとされています。
便秘の解消なども期待できそうです。
健康効果2 抗酸化作用
玄米に含まれるフィチン酸、フェルラ酸、トコール、トコトリエールには抗酸化作用があります。
老化防止(アンチエイジング)や生活習慣病の予防効果が期待されています。
健康効果3 抗がん作用
玄米に含まれるフィチン酸、トコール、トコトリエールには、抗がん作用があるとされています。
また、豊富な食物繊維やフェルラ酸は、特に大腸がん予防に効果が認められているそうです。
健康効果4 自律神経系への働き
玄米に含まれるγ-オリザノールは、自律神経失調症や更年期障害に有効とされています。
抗ストレス効果もあるとされ、不安や緊張、抑うつなどにも効果が認められています。
作ってみよう!米粉パン
「米粉パンは膨らみづらい」「モチのようになってしまう」…米粉パンは難しい、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
でも、こねる手間もいらず、発酵も1回で済んでしまうなど、作り手にとってはうれしいポイントもたくさん。
小麦粉と同じ仕上がりにはなりませんが、しっとり、もっちりとした米粉のパンは、一度食べたらやみつきになるおいしさです。
米粉パンの特徴
- ・表面パリパリ、中はしっとりもちもち食感
- ・米の香り、風味で和風の食材とも好相性
- ・発酵時間が短く、短時間でできる
- ・保存で固くなりやすいので出来立てをどうぞ
グルテンフリー米粉パンの作り方
材料
- ☆米粉
- 170g
- ☆片栗粉
- 10g
- ☆砂糖
- 10g
- ☆ドライイースト
- 3g
- ・塩
- 小さじ1/2弱
- ・バター(オリーブオイルや菜種油などお好みで)
- 10g
- ・人肌に温めた牛乳(豆乳でもOK)
- 170cc
つくり方
- 1
- パウンド型にしっかりとバターを塗る、もしくはオーブンシートを敷きます。
※型に油を塗って焼いた方がおいしくできますが、米粉のパンは型から外しづらいのでシートを使うと無難です。
- 2
- ☆の材料をボウルに入れ、牛乳と溶かしたバターもしくはお好みのオイルを少しずつ注いでゴムベラで混ぜます。
※米粉によって水分量が異なるため、水分は少しずつ加え、トロトロとした状態を目指しながら加減してください。固い場合は牛乳(分量外)を加えて調節してください。
※はじめはゆっくり、徐々に力強く混ぜていくのがポイントです。
※とろとろ、つやつやになるまでしっかりと混ぜてください。ヘラから流れ落ちるくらいが目安です。
- 3
- さらに塩を入れ、よく混ぜます。
- 4
- 型に生地を流しいれ、ラップなどで蓋をして40℃で40~50分発酵させます。
- 5
- 約2倍の高さになったら、200℃に余熱をしたオーブンで20分ほど焼きます。
- 6
- 焼きあがったら型から外し、粗熱をとってから切り分けます。
米粉レシピで失敗してしまう原因と対策
「米粉でパンを作ったら、もっちりしすぎてういろうやがんづきみたいに…」
米粉のパンやお菓子は失敗が多いとよく聞きます。
レシピどおりに作ったのにうまくいかない!という時は、次のポイントを確認してみてください。
-
原因
-
米粉の種類の違いにより必要な水分量が違う
-
対策
-
米粉は、種類によって吸水する量が大きく異なるので、レシピの水分量を守ると「あれ?生地が固すぎる!」ということも。
「トロトロ」「ホットケーキくらい」など生地の状態を参考にするとうまくいきます。
水分が多すぎるとネッチリとしてしまうので、水や豆乳などは少しずつ入れることがポイントです。
-
原因
-
米粉の生地は作り置きNG
-
対策
-
水分を加えた生地を長時間放置すると、水分が分離してしまうことがあります。
作ったら早めに調理しましょう。
お菓子からお料理まで!米粉活用レシピ
パンケーキからお好み焼きまで、米粉のおいしさを堪能できるレシピを集めました。
小麦粉の代わりとしてだけでなく、「米粉ならでは」の食感や味わいを楽しんでみてください。
米粉のふわふわパンケーキ
材料
- ・米粉
- 100g
- ・ベーキングパウダー
- 小さじ1
- ☆砂糖
- 20g
- ☆塩
- 2g
- ☆卵
- 1個
- ・牛乳
- 100cc
- ・バター
- 15g
レシピ
- 1
- ボウルに☆の材料を入れ、泡立て器でよく混ぜ、泡立てます。ハンドミキサーを使っても。
- 2
- 1のボウルに泡を消さないように牛乳を加えて混ぜます。
- 3
- 米粉とベーキングパウダーを入れて泡立て器でぐるぐると混ぜます。
- 4
- バターかお好みの油を入れ、さらによく混ぜます。生地がつやつやするまでしっかりと混ぜることできめ細かなパンケーキになります。
生地はトロトロと流れ落ちる状態です。
米粉の種類によって必要な水分量が異なるので、固ければ少し牛乳(豆乳)を足してください。
- 5
- 4の生地を油(分量外)を敷いたフライパンで中火で焼きます。
- 6
- 生地にふつふつと穴が開いてきたらひっくり返して裏面を焼きます。
タイミングが早すぎると柔らかくてひっくり返せませんが、遅すぎるとふわっとしないので注意してください。
ほろほろ米粉のスノーボール・クッキー
ホロホロっとした歯触りがたまりません。
刻んだくるみを入れてもおいしいですよ。
材料
- ☆米粉(何割かを玄米粉にしてもOK)
- 120g
- ☆アーモンドプードル
- 40g
- ☆粉砂糖
- 30g
- ・ココナッツオイル
- 90g
- ・仕上げ用粉砂糖
- 適量
レシピ
- 1
- ボウルに☆の材料を入れ、軽く混ぜたあと、オイルを少しずつ入れてゴムベラで混ぜていきます。
米粉の種類によって必要な油の量が異なるので、生地のまとまり具合をみながら少しずつ入れてください。
- 2
- 生地がまとまったら、広げてカットするか、小さなスプーンですくうなどして均等に分けます。
- 3
- 丸めてオーブンシートを広げた天板に並べ、150℃で20分ほど焼きます。
※時間はオーブンの種類により変わります。
- 4
- うっすらと色づいたら取り出し、粗熱をとります。
- 5
- 粉糖を入れたボウルの中でクッキーをやさしく転がし、粉糖をまぶします。
米粉お好み焼き
長芋を入れず、具材と味つけを変えるとカリッ&モチッとした食感が楽しめるチヂミにも。
材料<生地>
- ・米粉
- 100g
- ・長芋
- 50g
- ・卵
- 1個
- ・水
- 100cc
材料<具材など>
- ・キャベツ
- 150g
- ・豚肉
- 50g
- ・青のり
- 適量
- ・鰹節
- 適量
- ・ソース
レシピ
- 1
- 長芋はすりおろし、卵は溶いておきます。
- 2
- 生地の材料をすべてボウルに入れてかき混ぜます。
米粉の種類によって必要な水分量が異なるので、ホットケーキの生地よりも少し重めの生地になるように調節してください。
- 3
- 2に刻んだキャベツと豚肉を加えて混ぜます。
- 4
- フライパンかホットプレートに油(分量外)を敷き、3を流しいれて焼いていきます。表が焼けたらひっくり返して蓋をかぶせ、裏面もよく焼きます。
- 5
- 火が通ったら、鰹節や青海苔、マヨネーズなどお好みのトッピングとソースをかけてください。
米粉と豆乳のホワイトソース
野菜などの具材を炒めたフライパンでそのまま作ることもできるので、グラタンやドリアもあっという間に完成です。
豆乳を使うとバター不使用でもコクが出るので、乳アレルギーの方はバター抜きでぜひお試しを。
材料
- ・米粉
- 大さじ3
- ・豆乳
- 400cc
- ・塩
- 少々
- ・バター(好みで)
- 大さじ1
- ニンニクやコショウなど、お好みのスパイス
レシピ
- 1
- 豆乳と米粉を混ぜ、鍋に入れて火にかけます。
- 2
- 中火で混ぜ、とろみがついてきたら弱火にして、塩で味つけします。
- 3
- 仕上げにバターとお好みのスパイスを入れます。
玄米粉の黒糖バナナ蒸しパン
プレーンの蒸しパンもおいしいですが、今回はバナナ+ココナッツオイル+黒糖で南国風の味にしてみました。
玄米粉はお菓子以外にも様々な米粉レシピで使えますよ。
材料<生地>
- ・米粉
- 100g
- ・ベーキングパウダー
- 小さじ1
- ☆黒糖
- 30g
- ☆塩
- ひとつまみ
- ☆バナナ
- Sサイズ 1本
- ●牛乳
- 70g
- ●ココナッツオイル
- 大さじ1.5
レシピ
- 1
- ボウルに☆の材料を入れてなめらかに混ぜ、●を加えて全体が一体化するまで泡立て器で混ぜます。
- 2
- 1のボウルに米粉とベーキングパウダーを入れて、しっかりと混ぜます。もったりとした状態から、つやつやしてトロリとした状態になるまでよく混ぜてください。
米粉の種類によって必要な水分量が異なるので、生地が固く、混ぜてもトロトロとなめらかに流れるような状態にならない場合は水分を足してください。
- 3
- シリコンカップに8分目まで流しいれ、蒸気のあがったせいろか蒸し器に入れて14分ほど強火で蒸します。
- 4
- 竹串で刺して生地がついてこなくなったらできあがりです。
しっとり米粉のシフォンケーキ
クリームとの馴染みが良いしっとりとした口溶けで、米粉のよさを堪能できる一品です。
材料
- ・米粉
- 80g
- ・好みの植物性オイル
- 30g
- 牛乳(豆乳でもOK)
- 50cc
- ☆卵黄
- 3個ぶん
- ☆砂糖
- 30g
- ●卵白
- 3個ぶん
- ●砂糖
- 30g
レシピ
- 1
- 卵を卵黄と卵白に分け、卵白は冷凍庫でふちがしゃりっとするくらいまで冷やしておきます。
- 2
- ボウルに☆の材料を入れ、泡立て器で白っぽくなるまで混ぜます。
- 3
- 2にオイル、牛乳を加え、そのつど均一に混ぜます。
- 4
- 3に米粉を加え、やさしく混ぜます。
- 5
- 別のボウルに●の材料を入れ、ハンドミキサーでしっかりとツノが立つまで泡立てます。
- 6
- 4のボウルに5を少し入れて均一に混ぜた後、残りの5をすべて加えてゴムベラで泡を消さないように混ぜます。
- 7
- 6を型に流し入れ、トントンと軽くテーブルに打ちつけて気泡を消し、170℃に予熱したオーブンで30分焼きます。
- 8
- 焼きあがったらひっくり返して粗熱をとり、冷めてから型から外します。
米粉についてのQ&A
- 米粉のパンは出来立てはいいのだけれど冷めると固くなってしまいます。どんなふうに保存したらいいですか?
- 米粉のパンは時間が経って冷えたときに固くなるのが悩みの種。
そこでおすすめなのが、乾燥しないようにラップなどに包んで保温状態の炊飯器などに入れて保温することです。
炊飯器がない場合は容器に入れてお湯の入った鍋に浮かべるなど工夫してみるのもいいかもしれません。
また、小麦粉のパンと同様に、切り分けて冷凍し、トースターなどで加熱していただくこともできます。
- 米粉の作り方について質問です。フードプロセッサーやミルを使って家庭で米粉を作ることはできますか?
- 米を粉砕することはできるようですが、米粉といってもとてもきめの粗いものになってしまい、微細な粉が向くパンやお菓子を作るのには使えません。
また、硬い生米を挽くことで刃を傷めてしまう可能性もあるため、あまりおすすめはできません。