和三盆とは?その作り方・使い方&和三盆のお菓子レシピ

和三盆

日本の伝統的な砂糖「和三盆」。
まろやかで繊細な風味が人気の高級砂糖ですが、「一体どこが他のお砂糖と違うの?」「おいしい食べ方は?」など知られていないこともたくさん!
今回は、和三盆の基礎知識やその魅力、使い方などについてご紹介します。

和三盆とは

和三盆とは

和三盆(和三盆糖)とは、江戸時代から作られている日本の伝統的な砂糖です。
粒子が細やかで、儚く淡い印象の口どけが好まれ、和菓子作りに欠かせない高級砂糖として知られています。

近代製法で作られた白砂糖と異なる「まろやかな味わい」と称されるのは、和三盆糖が含蜜糖であるから。
和三盆糖は不純物を取り除く精糖を経て作られますが、手作業で行う精糖ではショ糖以外のミネラルなどの成分もほどよく残り、ほのかに黒砂糖にも似た独特の味わいになります。

手作業で行われる手間のかかる精糖作業や原材料の希少さなどにより、高価であることでもよく知られている和三盆糖。
作られている地域も限られ、現在では香川県と徳島県の両県のみです。このうち香川県で作られたものが特に「讃岐和三盆糖」、徳島県で作られたものが「阿波和三盆糖」と呼ばれています。

和三盆を使ったお菓子

お菓子作りから料理までさまざまに使われている和三盆糖。
特にお菓子に使われるのが一般的ですが、近年では伝統的な和菓子だけでなく洋菓子にも使われるようになり、多彩な楽しみ方が生み出されています。

  • ・固めて落雁などの干菓子に
  • ・餅や求肥、せんべいにまぶして
  • ・小豆や栗などに加え、繊細な味わいの餡に
  • ・カステラなど和の焼き菓子・蒸菓子の生地に
  • ・プリンやクッキー、ロールケーキなどの洋菓子に

和三盆の落雁

砂糖が主役の落雁は、和三盆糖の繊細な口どけと上品な味わいを最大限に活かせるお菓子。豆の粉や果汁パウダーなどを入れても楽しめますが、今回はシンプルな和三盆糖のみのレシピをご紹介します。
材料2人分
調理時間20

和三盆の落雁

 材料

・和三盆糖
100g
・水あめ
小さじ1
・水
小さじ1

 つくり方

1
水あめと水を小さなボウルに入れて完全に溶かします。
2
和三盆糖をふるいにかけて平らな作業台などに山にします。
3
2の真ん中にくぼみをつくり、1を小さじ1ほど入れます。
4
スケッパーなどで水を和三盆糖にすり混ぜます。
5
均一に混ざったら再度ふるいにかけます。この時もスケッパーやゴムべらなどを使います。
6
落雁の型に5を盛り、ぎゅっと平らに押し固めます。
7
平らな場所にトントンと叩き付けて型から外して出来上がりです。

和三盆クッキー

和三盆糖のふわりとした口どけを活かすなら、ホロホロとした食感のスノーボールクッキーがおすすめ。生地に入れて、まぶして、と二重に使って和三盆糖を堪能してください。
材料2人分
調理時間50

和三盆クッキー

 材料

・米粉
100g
・アーモンドプードル
50g
・和三盆糖
30g
・バター
80g
・クルミ
20g
・和三盆糖(仕上げ用)
少々

 つくり方

1
バターを加熱して溶かし、和三盆糖を入れて混ぜます。
2
米粉、アーモンドプードルをよく混ぜ、1に入れてゴムベラでさっくりと混ぜます。
3
まとまったら刻んだクルミを入れて全体を混ぜます。
4
オーブンを170℃に予熱し、クッキングシートを敷いた天板に3を丸めて並べます。
5
170℃で20分ほど焼き、焼きあがったら冷めてから和三盆糖(仕上げ用)をふりかけて出来上がりです。

和三盆のロールケーキ

やさしく品のある甘さが人気の和三盆ロール、ご自宅でも簡単に作ることができます。
小豆や栗を入れるなどさまざまにアレンジして楽しんでみてください。
材料2人分
調理時間50

和三盆のロールケーキ

 材料

・卵
250g
・和三盆糖
140g
・薄力粉
80g(ふるっておく)
・牛乳または豆乳
50g
・生クリーム
170g
・和三盆糖(クリーム用)
10g
・和三盆糖(仕上げ用)
少々

 つくり方

1
卵をボウルに割り、和三盆糖を入れてハンドミキサーでもったりとするまで高速でしっかりと泡立てます。オーブンを180℃に予熱します。
2
低速にしてキメをととのえ、ミキサーを止めて薄力粉をすべて加えます。
3
ゴムベラで全体を大きく素早く混ぜます。
4
牛乳を加えて、滑らかになるまでしっかりふんわりと混ぜます。
5
クッキングペーパーを敷いた天板の上に4を流し込み、軽く作業台に落として大きな気泡を消します。
6
オーブンに入れて15分ほど焼きます。
7
きつね色になったら取り出し、天板を作業台に落として空気を抜きます。
8
7を網に置いて冷ましている間にクリームを和三盆糖(クリーム用)と合わせて泡立てます。
9
8に均一にクリームを塗り、きっちりと巻いて冷蔵庫で冷やしたら出来上がりです。いただく前に仕上げの和三盆糖を振ってください。

和三盆の作り方

和三盆糖の材料は、沖縄で栽培されている一般的なサトウキビとは品種が異なる「竹糖」と呼ばれる在来品種です。細くて面積当たりの収量が少ない一方で、風味がよく、和三盆糖の独特の味わいはこの「竹糖」でなければ出せないと言われています。

<精糖方法の違い>
和三盆糖

和三盆糖
上白糖

上白糖
1 竹糖から汁を絞り出し、アクを抜いて煮詰める サトウキビから汁を絞り出し、アクを抜き煮詰める
2 1を冷やして得られた「白下糖」を布に包み、重石をのせて蜜を抜く。
これを「押し」という。
1を結晶化させ、遠心分離器にかけて蜜と結晶に分ける。これを原料糖と呼ぶ。
3 2を作業台に出し、水分を加えて揉み込む。
これを「砥ぎ」という。
原料糖を溶かし、ろ過や活性炭などで精製する。
4 押し・砥ぎを3~5回繰り返して蜜を抜く。黒かった砂糖が淡い黄色になってくる。 2を煮詰めて結晶を作り、遠心分離器にかけて結晶を分離させる。
5 乾燥させてふるいにかける 乾燥させる

こうしてできた和三盆糖。カロリーは精製された砂糖とほとんど変わりませんが、完全に精製された砂糖にはないミネラルが少量含まれており、やわらかな風味として活きています。

<和三盆と他の砂糖の成分・カロリーの違い>
エネルギー たんぱく質 炭水化物 灰分
単位 kcal g g g
黒砂糖 356 1.7 90.3 3.6
和三盆糖 384 0.2 99 0.5
上白糖 384 (0) 99.3 0
三温糖 383 微量 99 0.1
グラニュー糖 387 (0) 100 0

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

和三盆についてのQ&A

和三盆糖の賞味期限は?
和三盆糖は砂糖の一種であり、賞味期限は設定されていません。ただし、正しい方法で保存しないと品質が低下することがあるので気をつけてください。
和三盆糖の保存方法を教えてください。
周囲の湿気や匂いを吸いやすい和三盆糖は、しっかり密封して湿度の低い環境で保存することが大切です。心配な場合は保存容器に食品用の乾燥材を入れておくのもいいでしょう。
「和三盆」とはどういう意味ですか?
「和三盆」は、お盆の上で三度蜜を抜く作業を行うという作業工程に由来した名前であると言われています。
和三盆と落雁の違いは何ですか?
落雁は砂糖や穀類の粉を押し固めて作った和菓子です。和三盆糖を押し固めて作った干菓子を「和三盆」と呼ぶことがあるため混同されることがありますが、「和三盆」は砂糖の名称です。
和三盆と希少糖は何が違うのですか?
希少糖とは、キシリトールやエリスリトールなど、自然界にわずかしか存在しない糖を指して呼ばれる言葉です。和三盆は高級砂糖ですが、原料はサトウキビであり、希少糖ではありません。

和三盆のおすすめ商品

かわしま屋取り扱いのおすすめ商品をご紹介いたします。



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この記事を書いた人

パン作りと温泉をこよなく愛する2児の母。老後は伊豆で大きな犬と暮らすのが夢です。豆乳が好き、猫は苦手。