口内炎に梅干しは本当に効く?正しい使い方と注意点を徹底解説

口内炎が痛むと、食事のたびにしみて辛いですよね。できるだけ早く治したいと思い、対策を探す人も多いでしょう。

梅干しが口内炎に効くという話を聞いたことはありませんか?梅干しには、クエン酸の抗菌作用やポリフェノールの抗炎症作用が含まれています。そのため、口内炎の改善に役立つ可能性があります。

しかし、使い方を誤ると逆効果になり、痛みが悪化することもあるので注意が必要です。本記事では、梅干しの効果を科学的に解説し、正しい使い方や注意点を紹介します。

さらに、梅干し以外の治療法も取り上げているので、「他の方法も試したい」という方にも役立つ内容です。梅干しの効果や正しい活用法を知り、口内炎の痛みを早く和らげましょう!

もくじ

口内炎の原因6選

口内炎の原因6選

口内炎の原因は複数あり、重なると症状が現れることもあります。ここでは代表的な原因を解説します。

小さな炎症でも、生活習慣や栄養状態、体調管理などが影響している場合があります。まずは自分の状態を振り返り、発症リスクを下げる意識を持ちましょう。

ここでは口内炎の主な原因を紹介します。自分の習慣を見直し、当てはまるものがないか確認してみてください。

物理的な刺激や傷

まず、物理的な刺激や傷が原因となるケースです。例えば、食事中に舌や頬の内側を噛んだり、硬い食べ物や熱い飲み物で口内を傷つけたりすると、細菌が繁殖して炎症を起こす可能性があります。

歯並びや詰め物、矯正器具が粘膜とこすれることも、口内炎の原因になります。一度傷つくと治るまでに数日かかるため、再び同じ場所を噛まないよう注意しましょう。

スポーツ中のケガも口内炎の要因です。マウスガードの不適切な装着や、転倒・衝突による口内の傷が影響することがあります。特に部活やスポーツクラブに所属する学生は、日常的にこうしたリスクがあるため、こまめに口内の状態を確認すると良いでしょう。

傷ができた場合は、清潔な状態を保つことが回復を早めるポイントです。しみるからといって歯磨きを怠ると、細菌が増殖し、症状が長引く原因になるので注意してください。

栄養不足

次に注目したいのは、栄養不足による口内炎です。特にビタミンB群や鉄分、亜鉛などは粘膜の健康維持に関わる重要な栄養素です。これらが不足すると口内炎が頻繁に発生しやすくなるといわれています。

厚生労働省が2015年に実施した「国民健康・栄養調査」のデータを解析した研究があります。

この研究によると、日本人の50歳未満の30.7%は、ビタミンB12の推定平均必要量(EAR)である2.0 μg/日を満たしていません。

野菜や果物が少ない食事や、極端なダイエットをしていると、口の粘膜を正常に保つためのビタミンやミネラルが不足しがちです。食事内容を見直し、口内炎を繰り返さない身体づくりを目指しましょう。

参考:年代別のビタミンB12 摂取量に関する検討 国民健康・栄養調査結果の再解析

免疫力の低下

口内炎は免疫力の低下と深く関係しています。免疫力が下がると防御機能が弱まり、口の中の細菌やウイルスへの抵抗力が落ちるからです。

免疫力の低下を招く主な要因は、以下の3つです。

  • ストレス
  • 睡眠不足
  • 過労

日本生活習慣病予防協会がまとめた厚生労働省の2023年の調査によると、過去1ヶ月間に「睡眠で休養がとれている」と回答した成人の割合は74.9%でした。つまり、約25%の人が睡眠による休養が不十分だと感じていることがわかります。

仕事や勉強が忙しいと、夜更かしや食事を抜くことが増えがちです。しかし、これらの行動は口内炎のリスクを高める原因にもなります。適度な休息をとり、ストレスを発散することは、口内炎の予防だけでなく全身の健康維持にも重要です。

参考:日本人成人で十分睡眠がとれている人は74.9%。4人に1人は慢性的な不眠 令和5年(2023)「国民健康・栄養調査」の結果より | 生活習慣病の調査・統計 | 日本生活習慣病予防協会

ウイルスや細菌感染

口内炎の中には、ウイルスや細菌の感染が原因となるものもあります。代表的なのがヘルペスウイルスによる口内炎で、水ぶくれのような水疱ができ、痛みが強いのが特徴です。日本人の約80%が成人までにヘルペスウイルスに感染していると報告されています。

また、風邪やインフルエンザで体が弱ると、口内の抵抗力も低下します。その結果、普段は問題にならない細菌が炎症を引き起こすこともあります。学校や職場など集団生活を送る人は、こまめなうがいや手洗いを習慣化し、感染症対策を徹底しましょう。

ウイルス感染が疑われる症状や、痛みが異常に強い場合は、自己判断せず医療機関を受診するのが望ましいです。早めの対応が回復を早めるカギになります。

さらに、喉の奥や鼻との連絡部分にも炎症が広がることがあります。「のどがヒリヒリする」「口が渇きやすい」と感じる人は、特に注意して過ごしましょう。

アレルギーや薬剤の影響

食品アレルギーや特定の薬剤が原因で口内炎が発生することもあります。特に抗生物質や非ステロイド性抗炎症薬は、粘膜への刺激が強いものがあります。

特定の食品や薬剤が口内炎の発症に関与する可能性が報告されています。例えば、大根おろしを摂取した後にアレルギー性接触口内炎を発症した症例が確認されました。

また、花粉症などの季節性アレルギーを持つ人は、その時期になると免疫バランスが崩れ、口内炎ができやすくなる傾向があります。アレルギー症状がひどい時期は、栄養をしっかり摂り、過度な疲労を避けることが大切です。

薬剤が原因の場合は、医師の指示を仰ぎ、副作用を軽減する方法を探しましょう。自己判断で薬を中断すると、別の問題が生じる可能性があるため、適切な医療アドバイスを受けることが重要です。

参考:大根おろしにより広範囲に生じたアレルギー性接触口内炎の 1 例

全身疾患の影響

全身性の疾患が原因で口内炎が頻繁に発生したり、重症化したりすることがあります。例えば、ベーチェット病や潰瘍性大腸炎などの自己免疫疾患では、粘膜の炎症が症状として現れやすいです。

また、糖尿病や慢性疾患を抱えていると、免疫力が低下し、口内炎が治りにくくなることもあります。口内炎がなかなか治らない、頻繁に再発する場合は、一度内科で検査を受けると安心でしょう。

ベーチェット病患者の約90%に口内炎が発生しており、複数の潰瘍が同時にできるケースも報告されています。ただし、すべての口内炎が重篤な病気のサインとは限りません。症状の出方や頻度を観察し、適切に判断することが大切です。

もし、体調不良が続く中で口内炎が頻発している場合は、自己流のケアに頼らず、医師の診断を受けるほうが早く改善につながる可能性が高いでしょう。

参考:ベーチェット病(指定難病56) – 難病情報センター

梅干しが口内炎に効く3つの理由

梅干しが口内炎に効く3つの理由

梅干しは、日本の食文化に根付いた食品であり、口内炎にも効果的とされています。クエン酸やポリフェノール、塩分の抗菌・抗炎症作用に科学的な裏付けがあるからです。

ここでは、梅干しが持つ3つの作用について詳しく解説します。

クエン酸の抗菌作用がある

クエン酸は梅干しの酸味成分であり、細菌の増殖を抑え、炎症を緩和する働きがあるとされています。特に口内は細菌が繁殖しやすい環境のため、クエン酸の抗菌作用は有効です。

また、エネルギー代謝を促進する効果もあり、疲れやストレスが多い人の体力回復に役立ちます。口内炎の原因の一つである免疫低下を補う意味でも、クエン酸の摂取は理にかなっています。

ただし、酸が強いため、傷ついた粘膜に直接触れると痛みを感じることがあります。後述する正しい活用方法を知っておくと、より効果的に取り入れられるでしょう。

クエン酸の酸味が苦手な場合は、まろやかに加工された梅干し製品を選ぶか、水やお茶で薄めて摂取するとよいでしょう。

ポリフェノールの抗炎症作用がある

梅干しに含まれるポリフェノールは、抗酸化作用や抗炎症作用を持つ成分として知られています。口内炎は炎症の一種であるため、ポリフェノールが症状の抑制に役立つと考えられます。

赤ワインや緑茶にもポリフェノールは含まれていますが、梅干しのポリフェノールは酸との相乗効果で、より強い抗菌・抗炎症作用を発揮する可能性があります。

和歌山県立医科大学の研究によると、梅の摂取頻度が高い女性では、アレルギー症状の発生率が低い傾向が見られました。

さらに、ポリフェノールは血流を促進する作用があるとされ、体の隅々まで栄養や酸素を運びやすくします。口内炎の回復には血行が重要なため、梅干しのポリフェノールが治癒をサポートすると期待できます。

また、ポリフェノールは美容やアンチエイジングの分野でも注目される成分です。梅干しを取り入れることは、健康だけでなく美容にも良い影響を与えるでしょう。

参考:和歌山県立医科大学 梅の抗アレルギー作用― 細胞・動物実験と住民調査による研究 ―

塩分の殺菌作用がある

日本の伝統的な梅干しには塩分が多く含まれ、強い殺菌作用があります。塩分は細菌の繁殖を抑えるため、口内炎の原因菌にも効果が期待できるでしょう。

近年は健康志向の高まりにより、減塩タイプの梅干しが多く流通しています。塩分が少ない分、殺菌力は弱まる可能性がありますが、摂取量を抑えやすい点がメリットです。

厚生労働省が2017年に発表したデータによると、日本人の1日あたりの平均食塩摂取量は、男性10.8g、女性9.2gと、推奨値(男性8g、女性7g程度)を上回っています。梅干しを口内炎ケアに活用する際は、塩分の過剰摂取に注意しましょう。

適度な塩分を活かせば、梅干しは自然由来の殺菌剤として役立ちます。ただし、塩分が多い梅干しほど刺激が強く、口に含むと痛みを感じることがあるります。そのため梅干しは体質や好みに合わせて選ぶのが賢明です。

参考:厚生労働省 令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要

梅干しを使った口内炎の民間療法

梅干しを使った口内炎の民間療法

梅干しを口内炎対策に取り入れる際は、正しい方法を知ることが大切です。ここでは、代表的な3つの方法を紹介します。

どの方法も無理のない範囲で試し、痛みが強い場合はすぐに中断してください。また、効果には個人差があるため、症状が長引く場合や悪化する場合は、医師の診断を受けることをおすすめします

梅干しはあくまで民間療法ですが、適切に活用すれば自然の力を活かすことが可能です。上手に取り入れ、口内炎のつらさを和らげましょう。

ただし、口内炎の種類によっては別の治療法が必要なケースもあるため、その点には注意してください。

梅干しを直接10秒ほど塗る

最も手軽に試せるのが、梅干しの果肉を口内炎部分に直接塗る方法です。クエン酸や塩分が集中的に患部へ作用するため、殺菌効果が期待できます。

具体的な方法は以下の通りです。

  • 梅干しの種を取り出し、果肉を用意する
  • 指や綿棒に果肉をとり、口内炎にやさしく当てる
  • 10秒ほど押し当てたら、口をゆすいで果肉を取り除く

※強くこすると痛みが増すため、軽く触れる程度にしましょう。

最初は刺激で痛みを感じることがありますが、数秒後に和らぐ場合もあります。ただし、痛みがひどい場合は無理をせず、すぐに水で口をすすいでください。

また、塗る際は手や器具を清潔にしておくことが大切です。雑菌が付着した状態で口内炎に触れると、炎症が悪化する可能性があるため、使用前にしっかり洗浄しましょう。

梅干し水でうがいをする

梅干しを直接塗るのが苦手な場合は、梅干し水でうがいをする方法があります。

作り方は簡単です。

  • コップ1杯(約200ml)のぬるま湯に梅干し1粒を入れます
  • スプーンで梅肉を軽くつぶし、成分を溶かします
  • しばらく置いた後、その液でうがいをしましょう

この方法では、クエン酸や塩分が口内全体に広がり、部分的ではなく広範囲で殺菌効果を期待できます。

ただし、長時間のうがいは粘膜を刺激するため、10~20秒を目安に優しく行いましょう。うがい後に塩分が残ると喉が渇きやすくなるため、軽く水ですすぐか飲み込んで調整してください。

うがいをすることで、痛みを和らげるだけでなく、口内の清潔を保つ効果も期待できます。外出先や職場でも取り入れやすい方法でしょう。

梅干し茶を飲む

最後に紹介するのは、梅干し茶を飲む方法です。温かいお茶やお湯に梅干しを入れ、エキスをしっかり溶かして飲みましょう。口内の環境を内側から整えるのに役立ちます

作り方は簡単です。

  1. 湯のみやマグカップに梅干し1粒を入れます
  2. 熱めのお湯や緑茶を注ぎます
  3. 梅干しを箸やスプーンで崩しながら飲みましょう

クエン酸やポリフェノールを効果的に摂取するには、梅干しをしっかり潰すのがおすすめです。果肉を最後に食べる形でも問題ありません。

酸味が強すぎると感じる場合は、お湯やお茶を多めにして薄めると飲みやすくなります。また、熱すぎると口内炎を刺激するため、適度に冷ましてから飲んでください。

梅干し茶は体を温め、血行を促進する効果も期待できます。リラックスにつながることもあり、疲労やストレスに悩む人にもおすすめです。

梅干し以外の口内炎対策

梅干し以外の口内炎対策

梅干しは口内炎対策に役立ちます。しかし原因はさまざまなので、総合的なアプローチが大切です。

梅干し以外にも、日常的に取り入れやすい対策があります。自分のライフスタイルや好みに合わせ、続けやすい方法を選んでください。

口内炎対策は応急処置だけでなく、継続的なセルフケアが重要です。習慣を見直し、再発を防ぐきっかけにしてみましょう。

それでは、具体的な対策を紹介します。

ビタミンB群や鉄分や亜鉛を摂取する

栄養不足が原因で口内炎になりやすい場合は、ビタミンB群や鉄分、亜鉛を意識して摂りましょう。特にビタミンB2は、粘膜や皮膚の再生を助ける重要な栄養素です。

日常的に摂りたい食材は以下のとおりです。

  • レバー、卵、乳製品
  • 魚、葉物野菜

外食やコンビニ食が多いと、これらの栄養が不足しやすくなります。1日1回でも栄養価の高い食事を意識しましょう

ビタミンやミネラルの効果はすぐに現れるものではありませんが、長期的に続けると、口内炎の予防だけでなく、肌荒れや疲労感の軽減にも役立つでしょう。

口の中を清潔にして乾燥を防ぐ

口内炎を早く治すには、清潔と潤いを保つことが大切です。

食後だけでなく、寝る前や起床時にも軽くうがいをしましょう。食べかすや雑菌が口の中に残るのを防げます。

また、歯磨きやデンタルフロスを正しく行うことも重要です。歯垢や歯石が原因で炎症が広がるのを防げます。歯科衛生士による定期的なクリーニングを受けると、虫歯や歯周病の予防にもつながるでしょう。

さらに、唾液は口内を潤し、細菌の増殖を抑える働きがあります。水分を十分に摂取し、唾液の分泌を促すと回復を早めるでしょう。ストレスや緊張が続くと唾液の量が減るため、リラックスする時間を意識的に作るのも効果的です。

乾燥しやすい環境では、空気清浄機や加湿器を活用してください。寝ている間の口呼吸を減らすと、口内の乾燥を防げます。口が乾くと口内炎が悪化しやすいため、小まめな水分補給を心がけましょう。

はちみつを塗る

はちみつは、古くから傷口の消毒や保湿に使われてきた自然由来の甘味料です。

抗炎症作用や保湿効果があり、口内炎の痛みを和らげるのに適しています。直接塗ると、しみるような刺激を抑えられる場合もあります。

使用する際は、清潔な綿棒などに少量をとり、口内炎部分に塗りましょう。甘みが広がるため、酸味の強い梅干しが苦手な方やお子さんにも受け入れやすいです。

ただし、1歳未満の乳児には与えないでください。ボツリヌス菌のリスクがあるためです。また、糖分が多いため、塗ったまま放置しないようにしましょう。しばらくしたら軽く口をすすぐか、水分をとって糖分が残らないようにすると安心です。

はちみつは比較的やさしい成分ですが、アレルギー体質の方は少量で試して問題がないか確認してみてください。

ヨーグルトを食べる

ヨーグルトなどの発酵食品には、乳酸菌などの有用菌が豊富に含まれています。

口内や腸内の環境を整え、免疫力をサポートするため、口内炎の予防や回復に役立つでしょう。

口内炎があると刺激物がしみやすいため、ヨーグルトのように冷たくてやわらかい食品は食べやすいです。
痛みを感じにくく、栄養補給がしやすい点もメリットといえます。

ただし、加糖タイプは糖分過多になりやすいため、無糖ヨーグルトを選ぶのがベストです。フルーツやはちみつを加えると、ビタミンやミネラルも一緒に摂取できます。

継続的にヨーグルトを食べる習慣をつけることで、免疫バランスが整い、口内炎ができにくい体質を目指せます。

緑茶でうがいをする

緑茶に含まれるカテキンには、抗菌・抗ウイルス作用があります。

口内炎の予防として、食後や就寝前に緑茶でうがいをするのは有効な方法です。ただし、熱い緑茶は粘膜を刺激するため、適度に冷ましてからうがいしましょう。

また、カフェインを含むため、寝る直前に大量に飲むと睡眠の質に影響する可能性があります。ただし、うがい程度であれば問題ない場合が多いです。

カテキンは細菌やウイルスの繁殖を抑え、口内を清潔に保つのに役立ちます。梅干しとの相性も良く、梅干し茶として摂取すると相乗効果が期待できるでしょう。

コンビニや自動販売機で手軽に手に入るため、忙しい方でも続けやすい方法です。飲むだけでなく、うがい用としても活用できるのが緑茶の便利な点といえます。

梅干しを口内炎に使う際の注意点

梅干しを口内炎に使う際の注意点

梅干しは手軽で自然由来の民間療法としておすすめですが、いくつか注意点があります。誤った使い方をすると、逆に症状が悪化するリスクがあるためです。

梅干しを口内炎ケアに使う際のポイントを押さえておくと、トラブルを防ぎ、安全かつ効果的に活用できるでしょう。ただし、梅干しはあくまで補助的な役割です。症状が長引く、悪化する場合は医師の診察を受けてください。特に、強い痛みや水ぶくれがある場合は専門医の診断が必要です。

それでは、具体的な注意事項を順に見ていきましょう。

塩分の過剰摂取に気をつける

梅干しには多くの塩分が含まれているため、口内炎に直接塗ったり頻繁に摂取すると、1日の塩分摂取量を超える恐れがあります。高血圧や腎臓への負担につながる可能性があるため、摂取量には十分注意しましょう。

特に、医師から減塩を指示されている方や血圧が高めの方は、使用頻度を調整するか、減塩タイプの梅干しを選ぶのが無難です。何事も過剰摂取は禁物です。

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、1日あたりの食塩相当量の目標値を男性8.0g、女性7.0gとしています。梅干し1粒には2g近い塩分を含むものもあるため、他の食品と合わせて計算することが望ましいでしょう。

塩分を控える工夫として、梅干しを水で軽く塩抜きする方法や、塩分濃度が低い商品を選ぶ方法があります。口内炎の改善と全身の健康を両立させる意識を持ちましょう。

参考:厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020 年版)「日本人の食事摂取基準」策定検討会報告書

酸が強いためしみることがある

梅干しの酸味成分であるクエン酸は、口内炎の患部を刺激する可能性があります。炎症がある部分に塗ると、最初の数秒間は強い痛みを感じるかもしれません。

痛みが耐えられない場合は、すぐに口をすすぎ、刺激を和らげることを優先しましょう。無理に長時間当てると、逆に傷口を広げてしまう可能性があります。

また、酸の刺激で唾液が増えることもありますが、痛みが強すぎる場合は方法を変えるか、他の治療法を検討するのが無難です。痛みの感じ方には個人差があるため、無理をしないことが大切です。

もし痛みが怖い方は、梅干し茶や梅干し水でのうがいなど、間接的に梅干し成分を取り入れる方法から試してみましょう。

傷口を悪化させる可能性がある

梅干しを口内炎に使う際、果肉や塩の結晶が患部を刺激する可能性があります。特に直接塗布する方法は、慎重に行わないと傷口を広げるリスクがあるため注意しましょう。

実際に、梅干しを強くすり込んでしまい、患部が裂けるような感覚を覚えたという報告もあります。弱っている粘膜は非常にデリケートです。優しく当てることを意識しましょう。

傷口の範囲が広い場合や複数の口内炎がある場合は、無理に直接塗らず、うがいなどマイルドな方法に切り替えるのが無難です。痛みが強すぎる場合は、医師に相談してください。

口内炎を「治す」ために梅干しを使うのであり、強い刺激で「痛めつける」ことが目的ではありません。治療を急ぐあまり、乱暴に扱わないよう気をつけましょう。

空腹時は胃腸への負担になる

梅干しは酸味が強く塩分も高いため、空腹時に大量に食べると胃腸に負担をかける恐れがあります。特に、胃が弱い人や胃炎・胃潰瘍を持っている人は注意が必要です。

空腹時は胃酸の分泌が高まっているため、梅干しの酸が刺激となり、胃の粘膜を傷つける可能性があります。胃痛や胸やけが起きてしまっては本末転倒です。

梅干しを利用するタイミングは、食後やおやつの時間帯など、多少胃にものが入っているときが望ましいでしょう。うがいや塗布をするだけなら大きな影響はありませんが、飲食として摂る場合は自分の体調を見極めてください。

また、一度に多く食べる必要はなく、1粒で十分な酸味と塩分が摂取できます。適量を意識し、胃腸への負担を減らしましょう。

添加物が含まれていない梅干しを選ぶ

市販の梅干しには、化学調味料や合成保存料などの添加物が含まれている場合があります。これらが口内炎に刺激となる可能性も否定できません。

選ぶ際は、なるべく原料表示がシンプルなものを選ぶのが安心です。昔ながらの「塩と梅だけ」で漬けられたタイプなら、塩分は高めでも添加物のリスクを減らせます。

スーパーやネット通販では、「無添加」「無着色」と表示された商品を選ぶと、より梅干し本来の効果が期待できるでしょう。価格がやや高めでも、信頼できるメーカーや農家から購入すると安心感が違います。

消費者庁の「食品表示に関する消費者意向調査報告書」(令和2年度)によると、「添加物を使用していない旨の表示がある食品を購入している」と回答した消費者の割合が高いことが報告されました。

理由は「安全と感じるため」が66.0%、「健康に良さそうなため」が52.8%を占めており、多くの消費者が食品の安全性や健康への影響を意識していることがわかります。

口内炎ケアのためにも、普段から添加物を控える意識を持つことが大切です。

参考:令和2年度食品表示に関する消費者意向調査報告書(食品添加物の不使用表示関連)

口内炎と梅干しに関するQ&A

梅干しを口内炎に塗ると痛いのに、なぜ効果があるのですか?

クエン酸や塩分の抗菌作用で細菌の繁殖を抑え、治癒を促すためです。ただし、酸が強く痛みを感じることがあります。

梅干しを塗るのが痛すぎる場合、どうすればいいですか?

梅干し水でうがいすると、刺激を抑えつつ抗菌効果を得られます。

口内炎ができやすい人が梅干しを食べるのは予防になりますか?

クエン酸やポリフェノールが免疫を高め、炎症を抑えるため、予防に役立ちます。

減塩梅干しでも口内炎に効果がありますか?

クエン酸やポリフェノールは含まれるため効果はありますが、殺菌力はやや弱まります。

調味梅干し(はちみつ梅など)でも口内炎に使えますか?

添加物が刺激になる可能性があるため、塩と梅だけのシンプルな梅干しを選びましょう。

梅干しの食べ過ぎで口内炎が悪化することはありますか?

過剰摂取すると酸や塩分が粘膜を刺激し、逆に悪化することがあります。

口内炎があるときに梅干し茶を飲むのは効果がありますか?

クエン酸やポリフェノールの抗菌作用が期待できます。熱すぎると刺激になるので冷まして飲みましょう。

口内炎があるときに梅干しを食べるベストなタイミングは?

食後がベストです。空腹時は胃を刺激する可能性があるので避けましょう。

口内炎に塩分の高い梅干しを使うのは逆効果になりませんか?

適量なら殺菌作用が期待できますが、刺激が強いため、梅干し水や梅干し茶で取り入れるのが無難です。

口内炎があるときに梅干しを使うのを避けたほうがいい人は?

胃が弱い人、高血圧の人、塩分制限がある人、酸に敏感な人は注意が必要です。

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この記事を書いた人

読み物コンテンツ担当。ダイエットのため筋トレを始めるも、食事にも気をつけないと痩せないことに気づく。1日1杯のはちみつレモンが至福の時間です。料理が趣味。ついつい味見の量が多くなってしまうのが悩みの種です。

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