自然栽培の大豆と小豆の生産者 平譯優さんインタビュー
プロフィール
平譯農園 平譯優さん
北海道幕別町で30年以上、無農薬栽培で豆を作っています。
収穫した豆は機械に頼らず天日で乾燥させ、豆の甘みを凝縮させています。かわしま屋で取り扱っている、トヨマサリやえりも小豆はリピーターが多くお客様に大変ご好評いただいています。
そしてその日の夜、お食事をご一緒させていただきながら、改めて平譯さんのいままでのあゆみと豆に対する思いを聞かせていただきました。
Q農業をはじめられてどれぐらいになりますか?
昭和21年に幕別町で生まれ高校出て、ちょっと2年ぐらい社会に出て務めたあと、昭和43年から50年以上農業をしてます。父も農家でした。私の先祖が明治43年に富山から北海道に入植して、今まで幕別町でずっと農業を続けてきた。自分で5代目になります。
Qいままでにどんなものを栽培されてこられたのでしょうか?
いまと同じで、豆とかジャガイモや人参です。父の代までは慣行栽培をしていました。
私が30歳の頃、父が亡くなったんです。60歳でした。
Q畑の広さはどれぐらいになりますか?
畑は40ヘクタール。僕が農業をはじめたときは17ヘクタールぐらいだったんです。周りの農家の人達が高齢で農家をやめる人が増え、分けてもらっていき40ヘクタールになっています。
Q40ヘクタールありそのうち10ヘクタールほどは休ませているそうですが、どのような理由があるのでしょうか?
だいたい30ヘクタールは作物つくっています。残りの10ヘクタールには小麦とかのクズを撒いて休ませています。もともと連作を7年ぐらい続けていたんですけど、土壌センチュウの病気がでてきて、豆が本当に取れなくなってしまって。それで今では畑を順番に使っています。
Q今はどんな豆を栽培されてらっしゃいますか?
大豆、小豆、黒豆、小粒大豆、黒千石、金時豆、手亡豆、虎豆、うずら豆、紅絞りという感じ。10種類だね。
Q豆以外には何を栽培されてらっしゃいますか?
ジャガイモとニンジンです。
Q農薬や化学肥料をつかわなくなったのはいつ頃からですか?
父の代までは慣行栽培をしていましたが、私が30歳の頃、父が亡くなったんです。60歳でした。それいらい農薬も化学肥料も使わずにきています。
Q豆がしっかり育ちきるまで、収穫はしないのはなぜでしょうか?
完熟しないで収穫して袋に入れたら豆は腐ってしまうし、鮮度も落ちてしまいます。これは米でも小麦でもみんなそうです。通常の豆の栽培だと、水分量が20%ぐらいでも収穫して機械で強制的に乾燥させて15パーセントまでに落としている方が多いですね。
うちの豆は自然乾燥で風が乾燥させてくれています。
Q機械乾燥とは何が違うのでしょうか?
やっぱり風味が全然違いますね。味も変わってきますね。
Q豆の栽培で好きな所、楽しい所はどこですか?
こうやって収穫した豆を毎年植えてるんですね。1週間もすると豆から芽が出てくるんです。大豆だったら豆が2つにわかれて、どんどん育ってくる。これはやっぱり見ていて可愛いじゃないですか。そして大豆の花が咲く。僕の名刺に載せている花の写真。これが大豆の花なんです。
この大豆の花っていうのは1年で3日か4日しか咲いていないんです。しかも、この花は爪楊枝の頭ぐらいの大きさなんです。ですから見落としちゃうんですよ、花が咲いたっていうのが。
やっぱり可愛いですよ。収穫したものを、自分でまたそいつを植えてやると、そいつから芽が出てきて、1粒から100粒の粒ができるんですから。1粒の豆が増えるんですから。100粒に。
Q豆の栽培で大変なところ
雑草ですね。雑草との戦いです。毎年夏の時期に100人ぐらいのパートさんに来てもらって、交代で一ヶ月ぐらいかけて雑草を抜くんです。
ジャガイモでも豆でも何でもそうですけど。野菜でも何でも。家庭菜園だってそうでしょ。雑草取りは、やっぱり大変でしょ。特に農薬を使わない場合は、雑草取りは本当に大変です。
Q好きな豆は
今だったら、黒千石が好きですね。ご飯に入れると色がついて。あと紅絞りとか、うずら豆も色が綺麗だし美味しい紅しぼりもうずら豆もとら豆もほとんどつくられなくなったんですよ。全国的に需要が少ないんですよね。ですから生産量が少なくなるんですね。
Qおすすめの使い方・食べ方(大豆)
ご飯に入れても良いですし、お味噌づくりに使う人も多いです。
家では酢大豆といって、煮た大豆を酢につけて食べる事が多いです。
一番好きなのは、呉汁(ごじる)です。大豆を煮て、すりつぶすかミキサーにかけて味噌汁にいれたものです。身体が温まるし美味しいです。幕別町ではよく食べます。
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小豆だったら赤飯。ご飯に入れて炊く方が多いです。餡こにする人も多いです。
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Q平譯さんの豆の魅力
風味がいいっていうのが1番の自分の自負です。毎年毎年買ってくれる人もいて本当に有り難いことです。こまめに電話をくれるんです。秋になってみんなに「豆はもう採れたか?採れたか?」っていう声をいただくたび「豆をつくりつづけていこう」って思います。息子(平譯健一さん)も僕の背中を見ていて、同じことをつづけてくれているんだと思ってます。
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