ホホバオイル|全身使える万能オイルの活用法と効果・効能
安価で万能、いろいろ使える優れもの…そんなイメージのホホバオイル。
でも、ホホバオイルの中にも種類があることや、他のオイルとは違うホホバオイルだけの特徴、ご存じでしたか?
「スキンケアの時は化粧水の前に使う?後に使う?」と迷われている方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、意外と知られていないホホバオイルの使い方や効果などについて、詳しくご紹介します。
ホホバオイルとは
ホホバオイルとは、メキシコやアメリカ南部で栽培されるホホバという植物の種から採られる油。
乾燥した過酷な土地で生き延びるために、ホホバの木は地中深くに根を張り、表皮をロウ状の物質で覆って内部の水分を蓄えるのだそうです。
ホホバオイルの主成分は、「ワックスエステル」という人間の皮脂にも含まれる成分。
一説によると皮脂の20%以上がこのワックスエステルという成分であるとのことで、肌の水分や弾力を守る大切な役割があるそうです。
同様に砂漠で育つ植物から採られるオイルにアルガンオイルがありますが、このワックスエステルを多量に含む植物は、世界でもホホバだけ!
灼熱の気候から自らを守るその力で、お肌を乾燥から守ってくれるそうです。
他の植物油脂と違って「ワックス(ロウ)」なので酸化安定性が高く、劣化の少ないオイルとして知られています。
ゴールデンホホバオイルとクリアホホバオイル
ホホバオイルには、未精製の「ゴールデンホホバオイル」と、精製された「クリアホホバオイル」の2種類があります。
<ゴールデンホホバオイル(未精製)の特徴>
- ・天然トコフェロール、アミノ酸、ミネラル、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンEなどの栄養分が豊富に含まれています。
- ・精製されていないのでホホバオイル特有の香りがあります。
- ・精製されていないのでお肌の弱い方は刺激を感じることがあるようです。
- ・美容効果を求める方に。
<クリアホホバオイル(精製)の特徴>
- ・精製の過程でビタミンEなどの栄養分が少なくなるといわれています。
- ・精製されているので香りや刺激がなく、赤ちゃんやお肌の弱い方にも安心です。
- ・肌の弱い方、バリア機能を求める方に。
アルガンオイルの効果と使い方|お肌と髪に嬉しいスーパーオイル
「モロッコの黄金」とも呼ばれるアルガンオイル。
オリーブオイルを凌駕するともいわれる美容成分や肌馴染みの良さが話題となり、今や美容オイルの代表格のひとつと言っても過言ではありません。
今回は、そんなアルガンオイルの詳しい使い方や効果についてご紹介します!
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ホホバオイルの使い方
さまざまなシーンで使えるホホバオイル。
シーン別の使い方についてご紹介します。
ホホバオイルでお顔のお手入れ
ホホバオイルを顔のお手入れに使う場合は、次のような順番で使うのがおすすめです。
<ホホバオイルの使い方>
- 1. やさしく洗顔し、こすらないようにタオルで水分を吸い取ります。
- 2. 化粧水をたっぷりと肌に浸みこませます。
- 3. ホホバオイルを数滴手のひらに伸ばし、顔全体を包み込むようにして馴染ませます。
■美容オイル、先に使う? 後に使う?
一般的に、美容オイルの使用については
「洗顔後すぐに使い、後から使う化粧水の浸透をよくする(”ブースター”として使う)」
「化粧水の後に使い、先に浸透させた化粧水が蒸発しないように蓋をする」
という2種類の使い方があると言われています。
ホホバオイルの特徴は、皮膚を守る優秀なバリア機能。
ホホバの木が自らを守るのと同じワックスエステルの力で、お肌の乾燥を防ぎ刺激から守ります。
ブースターとして利用している方もいるようですが、どちらかといえば化粧水の後に保護膜として使うのがおすすめです。
ホホバオイルでニキビケア
「ニキビにオイル?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ニキビを治すには、詰まった皮脂を取り去ること、お肌のターンオーバーを整えること、潤いをしっかりと守ることなど、さまざまな要素が必要になります。
実は、これらをすべて兼ね備えているのがホホバオイルなのです。
ホホバオイルには、クレンジングに使えば毛穴をふさいでいる皮脂を溶かし出し、取り除く力があるといわれています(詳しい方法は「ホホバオイルで毛穴クレンジング」の項目を読んでくださいね)。
また、ゴールデンホホバオイルに含まれるビタミンEには血流をよくし、新陳代謝を改善する効果があるといわれ、これは特にできてしまったニキビ跡のケアに有効です。
さらにホホバオイルはお肌を保護し、潤いをしっかりと守ってくれますので、乾燥が原因のニキビにも効果が期待できます。
「オイルだから」と敬遠せずに使ってみては?
アトピーの方のホホバオイル使い
アトピーの症状は人によりますので、どなたにも一様に「これが効く!」と言えるものはありません。
例えば炎症が酷かったり、化膿していたりといった状態の場合はきちんと皮膚科で処方された薬でケアする必要があるかもしれません。
ただ、アトピーの方の肌は皮脂の分泌が少なく、肌が乾燥した状態になりやすいという特徴があります。
そのような状態の肌には、人の皮脂にも含まれる「ワックスエステル」を多量に含むホホバオイルが役に立ちます。
ワックスエステルを補うことで、乾燥や刺激からお肌を守る力が強くなるのです。
「ホホバオイル=アトピーを治す」と言うことはできませんが、使用法によっては健康的な肌を維持するのに効果的といえるでしょう。
ホホバオイルでベビーマッサージ
ほとんどのホホバオイルには防腐剤などが含まれておらず、アトピーやニキビのケアだけでなく赤ちゃんのベビーマッサージに使用するのにもぴったり。
手のひらにとって温めたホホバオイルでやさしく撫でるように行うベビーマッサージは、赤ちゃんとのコミュニケーションに役立つだけでなく、特に秋冬などには乾燥しがちなお肌のケアとしても優秀です。
ベビーだけでなく、大人のふくらはぎやリンパのマッサージにも活用してみてください。
ホホバオイルで髪&頭皮がよみがえる!
ホホバオイルはお顔だけではなく、髪や頭皮に使うこともできます。
まとまりはよくなるのにべたついた感じがなく、サラッと仕上がるのでヘアクリーム代わりに愛用されている方が多いようです。
添加物などが含まれないので、お肌に触れても気にならないのもうれしいポイントですね。
ホホバオイルで髪の毛をサラツヤに!
- ・ホホバオイル1滴を手のひらに伸ばし、タオルドライした髪全体に馴染ませます。
- ・「つけすぎ」「重い」と感じる場合は毛先のみのケアにしてみるのもおすすめです。
- ・ドライヤーで乾かす際のダメージも軽減できます。
- ・洗い流さないトリートメントに混ぜて使ってみるとしっとりと仕上がります。
頭皮マッサージ
ホホバオイルを頭皮に直接垂らし、指の腹を使ってやさしくマッサージします。マッサージ後、数十分入浴してから洗い流し、通常の洗髪を行います。
毛穴に詰まった皮脂を溶かしたり、頭皮に潤いを与えたりする効果があるそうです。
■ホホバオイルに育毛効果?
「ホホバオイルに育毛効果がある」という情報がありますが、ホホバオイルの成分に育毛効果があると証明されているわけではないようです。
ただ、ホホバオイルで頭皮マッサージを行うことで血行がよくなったり、毛穴に詰まった角栓がとれることで育毛につながるということはあるのかもしれません。
気になる方は試してみるのもいいかもしれませんね。
ホホバオイルの効果・効能
ここまで具体的な使い方をお伝えしてきましたが、実際にホホバオイルにはどのような効果や特徴があるのでしょうか?
効果・特徴1 保湿効果
ホホバオイルには、肌を柔らかくし、水分の蒸発を防いで潤いを守る効果があるとされています。
効果・特徴2 抗炎症効果
ホホバ油に含まれるエイコセン酸という成分に抗炎症作用があると考えられています。
実験でも、ホホバオイルの塗布により炎症を引き起こすプロスタグランジンという物質の減少が認められたそうです。
効果・特徴3 抗酸化効果
ゴールデンホホバオイルには天然のビタミンEが含まれています。
このビタミンEには強い抗酸化効果があり、紫外線やその他の酸化ストレスから肌を守ると考えられています。
効果・特徴4 毛穴に詰まりにくい
ホホバオイルは「ノンコメドジェニック」であるといわれています。
ホホバオイルの成分は皮脂に近いので肌馴染みがよく、毛穴を詰まらせる可能性が低いようです。
効果・特徴5 抗菌効果
ホホバオイルには抗菌効果があるそうです。
すべての菌に有効というわけではありませんが、サルモネラや大腸菌感染、カンジダを引き起こす可能性のある細菌や真菌に対して有効であると言われています。
ホホバオイルで毛穴クレンジング
皮脂となじみやすいホホバオイルだからこそおすすめしたいのが、クレンジングに使用する方法。分子構造が小さいために汚れにもなじみやすく、潤いを落としすぎないクレンジングが可能です。
毎日のクレンジングに
たっぷりのホホバオイルをお肌になじませるように使うオイルクレンジング。
指の腹を使い、こすらないようにやさしくなめらかに触れていきます。
全体にオイルがなじんだらぬるま湯で流し、よく泡立てた洗顔料で洗ってください。
徹底毛穴ケアならホホバオイルパック
通常のクレンジングの他にオイルパックをすることも毛穴ケアになります。
毛穴が広がり、血行もよくなっている入浴中はスキンケアにぴったり。
クレンジング後のお肌にオイルをたっぷりとなじませ、湯船に10分ほど浸かる間に顔をやさしくくるくるとマッサージします。
浮き出た汚れをよく泡立てた洗顔料で洗い流せば、お肌も気分もスッキリ!
週末など、時間がある時のスペシャルケアとしておすすめです。
ホホバオイルについてのQ&A
- ホホバオイルを塗ることで油焼けすることはありませんか?
- 油焼けとは、不純物が混入した鉱物油などを肌に塗って紫外線を浴びたときに生じるシミや色素沈着などのトラブル。
ホホバオイルでは油焼けの心配はありません。
- ホホバオイルは日焼けの後のケアにも使えますか?
- 日焼けした肌に必要なのは、まずほてりを冷ますことですが、その後は保湿も重要になってきます。
お肌の潤いを保ち、皮膚を保護するホホバオイルで、日焼け後のお肌をやさしくいたわってあげてください。
- ホホバオイルの保存方法を教えてください。
- ホホバオイルは、直射日光や高温になる場所を避けて保存してください。
一般的な植物性オイルと異なり、10℃以下では固まる性質がありますので、冷蔵庫や気温の低すぎる場所での保管はおすすめしません。
固まってしまった場合は湯煎で溶かせば元に戻り、品質的にも問題ありません。
- ホホバオイルは食べられますか?
- ホホバオイルは厳密には油ではなくワックスです。
「ベビーマッサージなどをした後にたまたまホホバオイルがついた部分を舐めてしまった」などというような少量の摂取については特に害があるとは思えませんが、食用目的で使用されるのはおやめください。
- ホホバオイルには光毒性がありますか?
- 特定の油などを皮膚に塗った後、光を浴びることでシミや皮膚炎などのトラブルが起こる作用を光毒性といいます。
医師や科学者、消費者などにより構成される米国の団体Cosmetic Ingredient Reviewの安全性評価によると、ホホバオイルには光毒性はないようです。
- ホホバオイルとアルガンオイルの違いについて教えてください。
- ホホバオイルの一番の特徴は皮膚を保護する働きのあるワックスエステルという成分です。
対するアルガンオイルは、美容成分が豊富に含まれるといわれています。
アルガンオイルは美容に、ホホバオイルは全身の皮膚の保護やクレンジングに使うのがおすすめです。
- ホホバオイルには紫外線から肌を守る効能がありますか?
- ホホバオイルには紫外線への抵抗力があるといわれていますが、日焼け止めと同様の効能はありません。
日焼けを防ぐのであれば必ずお手入れの後に日焼け止めクリームを使ってください。